JP3039679U - 循環式簡易非常給水器 - Google Patents

循環式簡易非常給水器

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JP3039679U JP1996005224U JP522496U JP3039679U JP 3039679 U JP3039679 U JP 3039679U JP 1996005224 U JP1996005224 U JP 1996005224U JP 522496 U JP522496 U JP 522496U JP 3039679 U JP3039679 U JP 3039679U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大地震等の災害で水道が断水した場合、井戸
を持たない都市などの一般家庭や、商店、中小規模のレ
ストラン等では、即座に非常用飲料水や、最小限の営業
水等の確保が問題になる。これに対し、日頃から各家毎
に面倒な飲料水の汲み置きや、水の取り換え等をしなく
ても、日常の生活の中で特別な心労や苦労もなく、年間
を通じ簡単に新鮮な非常用水を確保出来るようにする。 【解決手段】家庭等に幾つかある水道の蛇口の何れか
に、日頃から本考案による循環式簡易非常給水器をつな
ぎ込み、これを通して日常水道を使用しておれば、水道
使用の度毎に、この簡易非常給水器は水を放出をしなが
ら、一部の水は給水器のタンク内を循環して水の腐敗を
防止し、常に満タン状態を維持する。このようにして突
然発生するる断水に備え、年間を通じて新鮮な非常用水
を確保することが出来る。たとえ断水と停電が同時に発
生しても、この給水器は電気ポンプ等は一切使用せず
に、水道の水圧を利用するので全く問題はない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は大地震等で断水が発生した場合、家庭や商店、小規模レストラン等で、 緊急に必要になる飲料水等を、各家毎に水の汲み置きをすることなく、日常の水 道使用の中で、自動的に新鮮な非常用水を確保しようとするもので、特殊な小型 水タンク、水圧、水の循環、水の腐敗防止、満タン状態の維持方法、給水器を通 して水道を使用する場合、放水と停水の時間を短縮する等の技術分野、
【0002】
【従来の技術】
最近では全国的に防災意識が高まり、一般の家庭や商店、中小規模のレストラン 等で、日頃から大災害に備えて非常用水を汲み置きしておく気運が高まっている 。この場合の問題は、面倒な水の汲み置きと、水の腐敗防止、汲み置き水の交換 と、避難時等の運搬、並にこれらの価格である。 従って一般の家庭や商店等では、突然、断水や停電が発生しても、直ちに飲料水 等の非常用水を確保出来る、簡単で小型の非常用給水器が望まれている。 類似のもは
【図4】公開実用新案公報「昭63−76062」、多目的の貯水槽 がある。これは同図のA,B,C,の如く、何れも密閉された容器(1)に、水 道水や温水器からの給水口(2)と、排水口(3)がある。これらは水槽(1) の上部や、上部側面、又は、水槽下部から上部へパイプが伸びており、共に先端 は同レベルにあり、必要時に使用されるバルブ付き取水口(4)は何れもタンク 低部にある。これらは非常用も兼ねた単なる多目的の貯水槽であり、水の循環や 水の腐敗防止、自動的な満タン維持、家庭などを対象とした小型で低価格、避難 時運搬等、小型非常用給水器に求められる諸問題を解決出来るものではない。 又、公開実用新案公報「昭62−60530』小型水槽がある。これは逆流防止 器付きの給水と排水管を水槽内で同じレベルに置いたものである。 その他に、公開実用新案公報『昭63−9364」、「昭62−38892」、 『昭62−125792」等、水の循環も考慮した貯水タンクもあるが、何れも ビルやマンション等の屋上や地下に設置される大規模で、給水ポンプ等を使用す るもので、本考案の家庭用向け等の小型とは異質のものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
何時災害等で断水が発生しても、家庭や商店、小規模レストラン等で必要な飲料 水や、最小限の営業用水等の非常水を確保するため、設置が簡単で小型な給水器 が求められている。
【0004】 非常用水を長期にわたって確保するには水の腐敗が心配される。このため水の汲 み置には、定期的な水の取り換えが必要になる。これらを一切不要にし、家庭や 商店等に負担が掛かからず、災害時には何時でも新鮮な飲料水が得られること。
【0005】 大地震等の災害時には断水だけでなく、停電も予想されるので、断水と停電が同 時に発生しも、給水ポンプ等を使用することなく、最低限(例、20〜100リ ットル)の非常水が容易に得られること。
【0006】 望まれる小型の非常用給水器は、日常の水道使用には支障がなく、家庭レベルで 非常給水器の設置が出来、又、避難の場合等にはこの非常用給水器を満タン状態 で運搬が出来ること。
【0007】 家族構成、商店、レストランの規模と環境等で、災害時に必要な非常用水の量も 異なるので、非常用給水器を複数個併設することで、更に必要な非常用水の量を 増やすことも出来ること。
【0008】 非常給水器は製品化が容易で大量生産に向き、低価格で一般に提供出来ること。 又、給水器を設置した後は故障がなく、特別のメンテナンスも必要ないこと。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は
【図3】断面図に示す如く、工夫された密閉ポリ容器や、水タンク(1 )の上部に、タンクと一体構造の取水口(2)があり、各種用途の取水器具(5 )に接続される。取水口近くの中央には把手を工夫した小空間(11)があり、 タンク(1)下部には制御用カラン付きの給水口兼非常取水口(7)がある。
【0010】 水道水は既設の蛇口(10)から圧力給水ホース(6)によって、前記の器具( 7)を経てタンク(1)に注水される。この器具(7)の制御カラン(8)は通 常全開位置にあり、付属の安全カバー(9)によって保護されている。この簡易 非常給水器は、例えば炊事場の調理台の隅や下部、床面台、又は車庫や庭の片隅 等のコンクリートブロック、ビール箱の裏面利用等の台上に簡単に設置される。
【0011】 圧力給水ホース(6)から、給水兼非常取水器(7)を経て、供給される水道水 は、密閉され満タン状態のタンク(1)の中に放水され、直ちに水圧を上げ、タ ンクの構造に添い水の主流は矢印の如くタンク上部の取水口(2)から給水器具 (5)を通って外部へ放水を始める。他はタンク(1)の中を勢いよく循環しつ つ、同様に上部取水口(2)からタンクの外部に放出される。このような水の循 環によって、タンク内の水は常に入れ替わり、新鮮さを保つことが出来る。
【0012】 外部への取水口(2)はタンク上部にあり、タンク上部の把手の廻りには小空間 (11)を備けているので、満タン状態を維持することは容易で、給水を止めて も、取水器具(5)の先端、例えば植木等への散水器等を、タンク本体のレベル より下の地上に置いても、サイフォン現象等によって、タンクの水が外に出てし まうことは絶対にない。
【0013】 今、満タン状態にあるタンク(1)へ給水を始めると、直ちに水道の水圧でタン ク(1)の水圧は上がり、取水器具(5)からは外部へ水を放出するが、タンク の上部には前述の空間(11)があり、ここの空気圧も水圧に押されて共に上が る、この相乗効果で取水口からは短い時間で勢いよく水の放出が始まる。
【0014】 今度は、水道蛇口(10)により給水を停止すると、当然、タンク内の水位は下 り始め自動的に水は止まる。取水口はタンク上部にあるために、満タン状態は維 持されるが、タンク容積と水の弾性等によって生ずるタイムラグにより、直ぐに は停水せずに少し時間がかかる。そこで水圧が下がり始まると、これまで水圧に より圧縮されていた小空間(11)の空気が、直ちに空気道(12)を通り取水 口ヘ出て、止水弁に似た効果を発揮し実用上支障ない程度に水の停止を早める。
【0015】 通常、開放状態に固定する給水器具(7)を、若し止めたまま水道蛇口(10) を全開すると、水道本管の水圧がもろにこの給水ホースと接続器具ににかかるの で、安全のために給水ホース(6)は圧力型にしてあり、水器具(7)には安全 カバー(9)がしてある。
【0016】 この循環式簡易非常用給水器は、水道の圧力をそのまま利用するシステムで、給 水ポンプ等は必要ない。このために断水と停電が同時に発生しても非常用水の確 保には支障ない。
【0017】 災害によって断水が発生した時は、安全カバー(9)を取り外し、給水兼非常取 水器(7)のカラン(8)を閉じ、ワンタッチでホースを外し、非常取水器具( 7)の先端(4)をくるりと下に向けて、新鮮な非常用水を使用する。
【0018】 圧力給水ホースや取水器具とのスンターフェースは共にワンタッチ器具を採用し ており、災害による断水や避難等のときは、これらを容易に着脱でき、又、キャ ップ(15)で取水口(2)を閉じ、前記の非常取水器(7)を閉じて、避難先 等へ満タンのまま運搬することも出来る。
【0019】
【考案実施の形態】 【実施例】
【0020】 本考案について試作実験した結果、機能的には全く問題はなく実用化の見通しを 得た。特に非常給水器を使用する場合の放水量、水圧、放水開始と放水停止の時 間差等の実測結果は下記の通りであった。
【0021】 実験は、試作非常給水器へ既設の水道蛇口(10)から、圧力給水ホース(6) と給水器具(7)を通してタンク(1)へ注水した。取水器具(5)には市販の 放水形式切り替え機能がついた散水器を、10メートルのホースを通して使用し た。上記実験において散水器から放出される水量は、本考案の非常給水器を通し た場合と、従来の水道蛇口(10)に同じ取水器具(5)を直接接続した場合で は、その差は殆ど認められず何れも水量は充分であった。又、水道蛇口(10) による放水量の調整もスムーズであった。
【0022】 今度は、取水ホース(5)の先の散水器を、ジェットノズルに切り替え、本考案 の非常給水器を通した場合と、既設の水道蛇口(10)に直接接続した場合の差 を測定したが、やはり非常給水器を通しても、既設の蛇口に直接接続しても、目 立った差は認められず、水道蛇口(10)を全開した時、非常給水器を通してノ ズルから放出される水は約15メートル以上飛ばすことが出来、タンク(1)の 本体には何の変化も現われなかった。これらのことから本考案は水量面でも、又 水圧面でも充分実用になることを確認出来た。
【0023】 次に非常給水器を使用した場合の時間を測定した。水道蛇口(10)のカランの 操作で水道水を全開してから、取水器具(5)の先端から水が出るまでの時間は 、給水器の形状、タンク内部の水と空気の弾性、取水器具(5)のホースの長さ 等によって決まるが、取水口(2)に取水器具(5)を直結した時は約1〜2秒 で水が出始め、適当水量になるまでの時間は約2〜3秒であった。 次に10メートルの水道ホースの先に散水器をつけての実験では、水が出始める までが約3秒、適当水量になるまでの時間は約6〜7秒であった。尚、この場合 、10メートルのホースのためにかかる時間は同じで、10メートルの散水器を 既設水道に直結しても約2秒はかかる。放水停止迄の時間もほぼもこれと同じで あるが、実用上全く支障はない。この測定結果は既設水道の蛇口のカラン操作が メカであるため、若干のエラーは含まれている。然し、これは商品化のタンクの 容量と形状の最終設計、実際のホースの長さの決定等で、まだ少しは改善出来る と考えられる。
【0024】
【考案の効果】
本考案が解決しようとする課題、3ページの
【003】から
【008】までの目 標課題は、全て解決出来る見通しを得た。 即ち、本考案は、一般の家庭や、商店、小規模のレストラン等を対象に、突然襲 う大災害による断水に備えて、非常用水の汲み置きや、水の取り換え等は一切必 要なく、本考案の小型非常給水器を使用することで、簡単に新鮮な非常用水を常 時確保出来る見通しを得た。
【0025】 家庭等における水道利用は、炊事、浴室、洗濯、洗面所、トイレ、庭や植木の散 水、車庫の洗車、その他の雑用水等々、一般的に水道蛇口は4〜7個はある。 このうちの最低1〜2箇所の水道蛇口に、日頃から本考案による循環式簡易非常 給水器を接続して水道水を使用しておれば、何時、断水と停電が同時に発生して も、各家族や商店、小規模レストラン等に欠かせない最低限の飲料水等の非常水 問題は簡単に解決出来る。
【0026】 上記の中で、特に放水や停水時のタイムラグが問題にならない、洗車、庭・植木 の散水、浴槽への注水、清掃等に使用する水道の蛇口に、本考案の非常給水器を 接続しておけば、何の問題もなく直ぐにでも実用出来る。 若し、家庭の主婦等で、炊事用の蛇口に本考案の非常用給水器を使用した時、水 が出るまでの時間約1〜2秒が気になる場合は、市販されている水の出口を自由 に2方向切り替えられる「Y型切り替え器」もあるので、例えば一日に一回、こ の非常給水器通して水道を使用し、他は従来通り既設の水道蛇口を使えば、炊事 用にも充分使用出来て、家庭毎に常に新鮮な非常用水を確保出来る。
【提出日】平成8年12月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野及び考案が解決しようとする課題
本考案は、循環式簡易非常給水器に関し、更に詳しくは、大地震等で断水が発 生した場合、家庭や商店、小規模レストラン等で、緊急に必要になる飲料水等 水を 汲み置きすることなく、日常の水道使用する中で、自動的に新鮮な飲料水等 非常用水を確保することができる循環式簡易非常給水器に関する
【0002】 最近では全国的に防災意識が高まり、一般の家庭や商店、中小規模のレストラ ン等で、日頃から大災害に備えて非常用水を汲み置きして置く気運が高まってい る。この場合の問題は、面倒な水の汲み置きと、水の腐敗防止、汲み置き水の交 換と、避難時等の運搬、並びにこれらの価格である。
【0003】 従って、一般の家庭や商店等では、突然、断水や停電が発生しても、直ちに飲 料水等の非常用水を確保出来る、簡単で小型の非常用給水器が望まれている。類 似のものとしては図4に示す実開昭63−76062号公報に記載された多目的 の貯水槽がある。これは同図のA,B,Cの如く、何れも密閉された水槽(1)で、水槽(1)には 水道水や温水器からの給水口(2)と、水槽(1)から排水 する 排水口(3)がある。これらは水槽(1)の上部や、上部側面、又は、水槽 下部から上部へパイプが伸びており、共に先端は同レベルにあり、必要時に使用 されるバルブ付き取水口(4)は何れも水槽(1)の低部にある。これらは非常 用も兼ねた単なる多目的の貯水槽であり、水の循環や水の腐敗防止、自動的な満 タン維持、家庭などを対象とした小型で低価格、避難時運搬等、小型非常用給水 器に求められる諸問題を解決出来るものではない。
【0004】 又、実開昭62−60530号公報には小型水槽が記載されているこの小型 水槽 は逆流防止器付きの給水と排水管を水槽内で同じレベルに置いたものである 。その他に、実開昭63−9364号公報、実開昭62−38892号公報、実 開昭62−125792号公報等にも 水の循環も考慮した貯水タンクが記載され ている が、何れもビルやマンション等の屋上や地下に設置される大規模で、給水 ポンプ等を使用するもので、家庭向けの等の小型で、簡易な給水設備ではない
【0005】 何時災害等で給水制限や渇水あるいは断水が発生しても、家庭や商店、小規模 レストラン等で必要な飲料水や、最小限の営業用水等の非常水を確保するため 、設置が簡単で小型給水器が求められている。また、非常用水を長期にわたっ て確保するには水の腐敗が心配される。このため水の汲み置きには、定期的な水 の取り換えが必要になる。更に、大地震等の災害時には断水だけでなく、停電も 予想されるので、断水と停電が同時に発生すると、給水ポンプ等を使用しなくて は取水することが出来ないことがある
【0006】 本考案は、上記課題を解決するためになされたもので、水の腐敗を防止すると 共に定期的な水の取り換えが不要で、家庭や商店等であっても経済的負担が掛か らず安価に設置することができ、特別のメンテナンスも不要であり、しかも災害 時に停電が起こっても何時でも最低限(例えば、20〜100リットル)の非常 用水や新鮮な飲料水が得られ、避難場所等への可搬性に優れ小型で簡便な循環式 簡易非常給水器を提供することを目的としている。
【0007】
【考案を解決するための手段】
本考案の請求項1に記載の循環式簡易非常給水器は、密閉可能な水タンクと、 この水タンクの下部側面に形成された給水口兼取水口に取り付けられた給水器具 兼取水器具に対してホースを介して着脱可能に接続された給水源と、この給水源 から上記水タンク内に供給された水を取水するために上記水タンクの上部に形成 された第2取水口に対して着脱可能に接続された第2取水器具とを備え、第2取 水器具から上記水タンク内の水を取水する際に、上記給水源から上記水タンク内 に供給された水により上記水タンク内に貯留された水を循環させながら上記水タ ンク内の水を取水することを特徴とするものである
【0008】 また、本考案の請求項2に記載の循環式簡易非常給水器は、請求項1に記載の 考案において、上記水タンクの上面に上方に突出する中空状の把手を上記水タン クと一体的に設け、上記第2取水器具から取水する時には上記把手内に溜まった 空気が上記給水源からの給水圧により圧縮し、上記第2取水器具からの取水を停 止する時には上記圧縮空気が膨張して上記第2取水口に達し、この空気により上 記第2取水器具からの水の流出を阻止し、常に満水状態に維持することを特徴と するものである。
【0009】 また、本考案の請求項3に記載の循環式簡易非常給水器は、請求項1または請 求項2に記載の考案において、上記給水源が水道水源であることを特徴とするも のである。
【0010】
【考案の実施の形態】
本実施形態の循環式簡易非常給水器は、図1〜図3に示すように、密閉可能な 水タンク(以下、単に「タンク」と称す。)(1)と、このタンク(1)の下部 側面に形成された給水口兼取水口(3)に取り付けられた給水兼非常用取水器( 7)に対して給水ホース(6)を介して着脱可能に接続された給水源、例えば既 設水道蛇口(10)と、この既設水道蛇口(10)からタンク(1)内に供給さ れた水を取水するようにタンク(1)の上部に形成された取水口(2)に着脱可 能に接続された取水器またはホース(5)とを備え、このホース(5)からタン ク(1)内の水を取水する際に、既設水道蛇口(10)からタンク(1)内に供 給された水によりタンク(1)内に貯留された水を循環させながらタンク(1) 内の水を取水するようにしてある
【0011】 つまり、上記タンク(1)は密閉ポリ容器等からなり、このタンク(1)の上 部に、タンクと一体構造の取水口(2)があり、この取水口(2)に各種用途の 取水器具(5)が接続されているタンク(1)の上面中央にはこの上面から上 方へ突出する中空状の把手(14)がタンク(1)と一体的に形成され、この中 空状の把手(14)内に 小空間(11)があり、小空間(11)とタンク(1) 本体の連通部が空気道(12)として形成され、 タンク(1)下部側面には制御 用カラン(8)付きの上記給水兼非常用取水器(7)がある。
【0012】 水道水は既設の蛇口(10)から圧力給水ホース(6)によって、前記の給水 口兼非常用取水器 (7)を経てタンク(1)に注水される。この給水兼非常用取 器(7)の制御カラン(8)は通常全開位置にあり、付属の安全カバー(9 )によって保護されている。この簡易非常給水器は、例えば炊事場の調理台の隅 や下部、床面台、又、車庫や庭の片隅等のコンクリートブロック、ビール箱の裏 面利用等の台上に簡単に設置される。
【0013】 圧力型の給水ホース(6)から給水兼非常取水器(7)を経て供給される水 道水は、密閉され満タン状態のタンク(1)の中に放水され、直ちに水圧を上げ 、タンク(1)の構造に添い水の主流は図3の失印の如くタンク(1)上部の取 水口(2)から給水器具(5)を通って外部へ放水を始める。他はタンク(1) の中を勢いよく循環しつつ、同様に上部取水口(2)からタンク(1)の外部に 放出される。このような水の循環によって、タンク(1)内の水は常に入れ替わ り、新鮮さを保つことが出来る。
【0014】 外部への取水口(2)はタンク(1)上部にあり、タンク(1)上部の把手 14)内 には小空間(11)を設けてあるので、満タン状態を維持することは容 易で、給水を止めても、取水器具(5)の先端、例えば植木等への散水等を、タ ンク(1)本体のレベルより下の地上に置いても、サイフォン現象等によって、 タンク(1)の水が外に出てしまうことは絶対ない。
【0015】 次に、動作について説明する。今、満タン状態にあるタンク(1)へ給水を始 めると、直ちに水道の水圧でタンク(1)の水圧は上がり、取水器具(5)から は外部へ水を放出するが、タンク(1)の上部には前述の空間(11)があり 、ここの空気圧もパスカルの原理に基づいて水圧に押されて共に上がるこの相 乗効果で取水口(2)からは短い時間で勢いよく水の放出が始まる。
【0016】 今度は、水道蛇口(10)により給水を停止すると、当然、タンク(1)内の 水位は下がり始め自動的に水は止まる。取水口(2)はタンク(1)上部にある ために、満タン状態は維持されるが、タンク容積と水の弾性等によって生ずるタ イムラグにより、直ぐには停水せずに少し時間がかかる。そこで、水圧が下がり 始めると、これまで水圧により圧縮されていた小空間(11)の空気が、直ちに 空気道(12)を通り取水口(2)へ出て、止水弁に似た効果を発揮し実用上支 障ない程度に水の停止を早める。
【0017】 通常、開放状態に固定する給水兼非常用取水器(7)を、若し止めたまま水道 蛇口(10)を全開すると、水道本管水圧が直接給水ホース(6)と接続器具(ワンタッチコネクター)(16)、(17) にかかるので、安全のために給水 ホース(6)は圧力型にしてあり、給水兼非常用取水器(7)には破線で示す安 全カバー(9)がしてある。尚、取水口(2)には接続器具(ワンタッチコネク ター)(16’)、(17’)を介して取水ホース(5)が接続されている。
【0018】 ところで、例えば家庭等における水道利用は、炊事、浴室、洗濯、洗面所、ト イレ、庭や植木の散水、車庫の洗車、その他の雑用水等々、一般的に水道蛇口は 4〜7個はある。このうちの最低1〜2箇所の水道蛇口に、日頃から本循環式簡 易非常給水器を接続して水道水を使用しておれば、タンク(1)内の水は常に新 鮮で、何時、断水と停電が同時に発生しても、各家庭や商店、小規模レストラン 等で欠かせない最低限の飲料水等の非常水の問題は簡単に解決出来る。従って、 この循環式簡易非常給水器は、水道の圧力をそのまま利用するシステムで、給水 ポンプ等は必要ない。このために断水と停電が同時に発生しても非常用水の確保 には支障ない。
【0019】 災害によって断水が発生した時は、安全カバー(9)を取り外し、給水兼非常 用取水器 (7)のカラン(8)を閉じ、ワンタッチで給水ホース(6)を外し、給水兼 非常用取水器(7)の先端をくるりと下に向けて、新鮮な非常用水を使用 する。
【0020】 圧力型の給水ホース(6)給水兼非常用取水器(7)とのインターフェース は共にワンタッチ器具を採用しており、災害による断水や避難等のときは、これ らを容易に着脱でき、又、キャップ(15)で取水口(2)を閉じ、前記の給水 兼非常用 取水器(7)を閉じて、避難先等へ満タンのまま運搬することが出来る 。
【0021】 上記の中で、特に放水やタイムラグが問題にならない、洗車、庭・植木の散水 、浴槽への注水、清掃等に使用する水道の蛇口に、本考案の循環式簡易非常給水 器を接続しておけば、何の問題もなく直ぐにでも実用出来る。若し、家庭の主婦等で、炊事用の蛇口に本考案の循環式簡易非常給水器を使用した時、水が出るま での時間約1〜2秒が気になる場合は、市販されている水の出口を自由に2方向 に切り替えられる「Y型切り替え器」もあるので、例えば一日に一回、この循環 式簡易非常給水器を通して水道を使用し、他は従来通り既設の水道蛇口を使えば 、炊事用にも充分使用出来て、家庭毎に常に新鮮な非常用水を確保出来る
【0022】 以上説明したように本実施形態によれば、取水ホース(5)から取水する時に 、水道蛇口(10)からタンク(1)内に給水するが、この時の給水圧によって タンク(1)内の水を循環させながら取水ホース(5)から取水できるため、タ ンク(1)内の水が滞留することなく完全に更新することが出来、ひいては水が 腐敗することがなく、常に新鮮な水を貯留しておくことができる。そして、地震 等の災害時には断水、停電等があっても給水ポンプ等の動力を使用することなく 、給水兼非常用取水器具(7)から新鮮な水を飲料水としてあるいは非常用水と して得ることが出来る。また、この循環式簡易非常給水器は構造が簡単で小型の ため、低コストで大量に生産することが出来、各家庭等でも低コストで設置する ことが出来、しかも極めてコンパクトに出来ているため、メンテナンスが不要で 、満タンのまま避難先へ簡単に運搬することが出来る。
【0023】
【実施例】
本考案の循環式簡易非常給水器について試作実験した結果、機能的には全く問 題はなく実用化の見通しを得た。特に循環式簡易非常給水器を使用する場合の放 水量、水圧、放水開始と放水停止の時間差等の実測結果は下記の通りであった。
【0024】 実験は、試作循環式簡易非常給水器へ既設の水道蛇口(10)から、圧力給水 ホース(6)と給水器具(7)を通してタンク(1)へ注水した。取水器具(5 )には市販の放水形式切り替え機能がついた散水器を、10メートルのホースを 通して使用した。上記実験において散水器から放出される水量は、本考案の非常 給水器を通した場合と、従来の水道蛇口(10)に同じ取水器具(5)を直接接 続した場合では、その差は殆ど認められず何れも水量は充分であった。又、水道 蛇口(10)による放水量の調整もスムーズであった。
【0025】 今度は、取水ホース(5)の先の散水器を、ジェットノズルに切り替え、本考 案の非常給水器を通した場合と、既設の水道蛇口(10)に直接接続した場合の 差を測定したが、やはり非常給水器を通しても、既設の水道蛇口(10)に直接 接続しても、目立った差は認められず、水道蛇口(10)を全開した時、非常給 水器を通してノズルから放出される水は約15メートル以上飛ばすことが出来、 タンク(1)の本体には何の変化も現れなかった。これらのことから本考案の循 環式簡易非常給水器 は水量面でも、又水圧面でも充分実用になることが確認出来 た。
【0026】 次に非常用給水器を使用した場合の時間を測定した。水道蛇口(10)のカラ ンの操作で水道水を全開してから、取水器具(5)の先端から水が出るまでの時 間は、給水器の形状、タンク(1)内部の水と空気の弾性、取水器具(5)のホ ースの長さ等によって決まるが、取水口(2)に取水器具(5)を直結した時は 約1〜2秒で水が出始め、適当水量になるまでの時間は約2〜3秒であった。
【0027】 次に10メートルの水道ホースの先に散水器をつけての実験では、水が出始め るまでが約3秒、適当水量になるまでの時間は約6〜7秒であった。尚、この場 合、10メートルのホースのためにかかる時間は同じで、10メートルの散水器 を既設水道蛇口(10)に直結しても約2秒はかかる。放水停止迄の時間もほ ぼこれと同じであるが、実用上全く支障ない。この測定結果は既設水道の蛇口( 10)のカラン操作がメカニカルであるため、若干のエラーは含まれている。然 し、これは商品化のタンクの容量と形状の最終設計、、実際のホースの長さの決 定等で、まだ少しは改善できると考えられる。
【0028】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の請求項1〜請求項3に記載の考案によれば、水の 腐敗を防止すると共に定期的な水の取り換えが不要で、家庭や商店等であっても経済的負担が掛からず安価に設置することができ、特別のメンテナンスも不要で あり、しかも災害時に停電が起こっても何時でも最低眼(例えば、20〜100 リットル)の非常用水や新鮮な飲料水が得られ、避難場所等への可搬性に優れ小 型で簡便な循環式簡易非常給水器を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】循環式簡易非常用給水器の平面図で説明用の概
念図である。
【図2】斜視図で、本考案の全体像を説明する概念図
【図3】断面図で、本考案の構成と動作を説明する概念
【図4】公開実用新案公報、「昭63−76062」、
出願人:早川慶子 ,「貯水槽』で、A,B,C,3例
の概念を説明する図面である。
【符号の説明】
循環式簡易非常給水器、
【図1】
【図2】
【図3】各図面の符号の説明 1,密閉型水タンク 2,タンク(1)と一体構造の取水口 3,タンクと一体構造の給水口兼非常取水口 4,給水と非常取水用に向を上下に変えられる器具の先
端 5,取水器具又は取水ホース 6,水道水をタンクに導く圧力給水ホース 7,給水兼非常取水器具 8,給水兼非常取水器具のカラン 9,通常、給水器具(7)のカランを固定する安全カバ
ー 10,既設水道の蛇口 11,タンクと一体構造の小空間 12,空気道 13,循環式簡易非常給水器の台 14,非常給水器の把手 15,持ち運び時に取水口を閉じるキヤップ 16,16’ワンタッチホースコネクターのオス 17,17’ワンタッチホースコネクターのメス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 循環式簡易非常給水器
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の循環式簡易非常給水器の一実施形態を
示す平面図である
【図2】図1に示す循環式簡易非常給水器を示す斜視図
である
【図3】図1に示す循環式簡易非常給水器のA−A線方
向の断面図である
【図4】A、B、Cはいずれも従来の給水器を示す概念
図である
【符号の説明】 1 水タンク取水口(第2取水口) 3 給水口兼取水口ホース(第2取水器具) 6 給水ホース 7 給水兼取水器 10 水道蛇口(給水源) 11 小空間(把手の中空部) 14 把手

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本考案は、密閉された水タンク(1)の
    下部側面に、給水口兼非常取水口(3)を、タンクの上
    部に取水口(2)を備けて、通常は既設の水道水を蛇口
    (10)からホース(6)により、給水兼非常取水器
    (7)を経て、満タン状態のタンク内へ注水する。これ
    で直ちにタンク内の水圧は高まり、取水口(2)から取
    水器具又はホース(5)を経て放水を初める、一部の水
    は 【図3】の通りタンク内を循環しながら共に取水口
    (2)から放水される。こうして水道使用の度毎にタン
    ク内の水は入れ替わり、常に満タン状態を維持する。災
    害等による断水時には、給水兼取水器具(7)を給水か
    ら取水器に切り替え、器具の先端(4)から、満タン状
    態の清水を取り出し飲料水等に使用する循環式非常給水
    器である。このように非常給水器を通して、日常水道を
    使用することによって、水道の水圧とタンク内の水の循
    環を利用し、自動的に新鮮な非常用水を確保し、常に満
    タン状態を維持しながら、非常災害等による断水に備え
    る方法。
  2. 【請求項2】給水ポンプを使用せずに、水道の水圧を利
    用して、上記の如く給水器内の水の循環と放水を促し、
    常に満タン状態を維持し、非常用水を確保するため、密
    閉されたタンクの上部に取水口(2)、タンクの下部に
    給水兼非常取水口(3)を備け、通常の給水器(7)を
    非常時には取水器として利用する非常給水器の構造。
  3. 【請求項3】日常非常給水器を通して水道を利用する
    と、水の弾性効果等により、タンク内の水圧の変化にや
    や遅れが出るために、水道蛇口(10)の開閉による水
    の放出と停止には、時間的に僅かの遅れが生ずる。これ
    を改善する方法として、タンクの上部に空間(11)を
    備け、放水時には水圧と空気圧が作用し、水を停止させ
    る時は、水圧の初期変化で直ちにこれまで圧縮されてい
    た空気が、空気道(12)を通り取水口に出て、水の停
    止時間を短縮する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185434A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Keisuke Ueno 貯水タンク

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