JP3039408U - 使用済注射針分離収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済の注射針の廃棄に当たって、感染
の危険をなくする。 【解決手段】 中空容器４の上板４１に、注射針を挿入
することができ、かつ、注射針の挿入後、注射器を横に
移動させて一端に当て、引き上げると、注射針の後端つ
ば部の一部が上板４１の下面４１Ａに当たることができ
る形状の注射針分離孔４２を穿設したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、注射器に連結された使用済の注射針を注射器から分離し、収納す るために、使用される使用済注射針分離収納容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図５に示すように、医療現場で使用されている注射器１は、通常、注射針２と 分離されている。そして、注射器１を使用するときは、図６に示すように、包装 容器（図示せず）から取り出したキャップ付きの注射針２を注射器１に挿入して 、固定し、その後キャップ３を取り外して、注射針２を露呈している。注射器１ を使用した後は、使用済の注射針２をキャップ３に挿入して、固定し、キャップ ３及び使用済の注射針２を指でつまみ、注射器１より引き抜いて、使用済の注射 針２と注射器１を分離している。キャップ３に収納された使用済の注射針２は、 キャップ３とともに、またはキャップ３より分離して、廃棄されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この従来技術においては、使用済の注射針２を再びキャップ３に収納する際に 、キャップ３の内径がわずか５ｍｍであるため、医者、看護婦などの注射器使用 者は、誤って、自分の手指を刺してしまう場合がある。この場合、使用済の注射 針２がＢ型肝炎、Ｃ型肝炎、梅毒、エイズ等の血液媒介の病原体に汚染されてい ると、注射器使用者は、感染の危険にさらされる。このように、この従来技術に おいては、安全性に欠けているという課題がある。

【０００４】 この考案は、このような従来技術の課題を解決する目的でなされたものである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための手段を、実施の一形態に対応する図１を用いて以下 、説明する。この考案は、中空容器４の上板４１に、注射針を挿入することがで き、かつ、注射針の挿入後、注射器を横に移動させて一端に当て、引き上げると 、注射針の後端つば部の一部が上板４１の下面４１Ａに当たることができる形状 の注射針分離孔４２を穿設したものである。

【０００６】 このように構成されたものにおいては、使用済の注射針を注射針分離孔４２に 挿入し、注射器を横に移動させて一端に当て、引き上げると、使用済の注射針は 、注射器から分離され、中空容器４に収納される。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１は、この考案の実施の一形態を示す図で、図２は、この考案に係る使用済 注射針分離収納容器の使用方法を示す図である。図１、２において、４は中空容 器、４１は上板、４２は注射針分離孔である。

【０００８】 中空容器４は、中空の直方体、立方体または円柱体に上板４１を取り付けて形 成されている。中空容器４は、注射針２を収納できるよう、その高さが注射針２ の長さより大きく形成されている。また、中空容器４は、内部に収納された使用 済の注射針２を確認できるよう、透明体で構成されている（請求項４）。

【０００９】 注射針分離孔４２は、上板４１に穿設されている。注射針分離孔４２の形状は 、注射針２を挿入することができ、かつ、注射針２の挿入後、注射器１を横に移 動させて一端に当て、引き上げると、注射針２の後端部２１に形成された後端つ ば部２２の一部が上板４１の下面４１Ａに当たることができる形状である。

【００１０】 使用済の注射針２を注射針分離孔４２に挿入し、注射器１を横に移動させて一 端に当て、引き上げると、注射針２の後端つば部２２の一部は上板４１の下面４ １Ａに当たって、注射針２は、注射器１から分離され、中空容器４に収納される 。したがって、使用済の注射針２の廃棄に当たって、誤って、使用済の注射針２ で自分の手指を刺す危険はない。

【００１１】 注射針分離孔４２の大きさは、注射器１を挿入することができない大きさであ る（請求項２）。このようにすると、注射器１は上板４１に当たって、中空容器 ４に挿入されないので、注射器１が上板４１に当たったら、注射器１を横に移動 させて一端に当て、引き上げればよく、注射針２の分離操作が容易になる。

【００１２】 注射針分離孔４２の形状は、具体的には、楕円形である（請求項３）。楕円形 を形成する大きな円の径は、注射針２の後端つば部２２の径より大きく、楕円形 を形成する小さな円の径は、注射針２の後端つば部２２の径より小さい。

【００１３】 以上では、蓋は設けられていないが、図３に示すように、中空容器４の上板４ １に、中空容器４内部に収納された注射針が注射針分離孔４２から出るのを防止 するために、蓋４３を設けてもよい（請求項５）。蓋４３は、スライド蓋で、上 板４１に設けられたスライド溝４１Ｂをスライドする。蓋４３の使用によって、 中空容器４に収納された使用済の注射針２は、中空容器４から外に出ることはな い。それゆえ、中空容器４の保管、運搬において、使用済の注射針２に直接、触 れることはない。なお、使用済の注射針２の廃棄は、中空容器４ごと廃棄するこ とによって行う。

【００１４】 図３の場合は、中空容器４と上板４１の大きさ（幅・奥行）は同じであるが、 図４に示すように、中空容器５を大きくし、上板５１に孔を設け（図示せず）、 上板５１の上に、上板４１を固定してもよい。上板４１を用意しておけば、いろ いろの容器を中空容器５として利用することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明してきたように、この考案は、中空容器の上板に、注射針を挿入する ことができ、かつ、注射針の挿入後、注射器を横に移動させて一端に当て、引き 上げると、注射針の後端つば部の一部が上板の下面に当たることができる形状の 注射針分離孔を穿設したものである。それゆえ、使用済の注射針を注射針分離孔 に挿入し、注射器を横に移動させて一端に当て、引き上げると、使用済の注射針 は、注射器から分離され、容器に収納される。したがって、この考案によれば、 感染の危険にさらされることはなく、安全性が向上するという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の一形態を示す斜視図である。

【図２】この考案に係る使用済注射針分離収納容器の使
用方法を示す図である。

【図３】この考案の実施の他の形態を示す斜視図であ
る。

【図４】この考案の実施の他の形態を示す斜視図であ
る。

【図５】注射針と注射器が分離されている状態を示す斜
視図である。

【図６】注射針が注射器に固定された状態を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ 注射器 ２ 注射針 ４ 中空容器 ４１ 上板 ４２ 注射針分離孔 ４３ 蓋

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空容器の上板に、注射針を挿入するこ
   とができ、かつ、注射針の挿入後、注射器を横に移動さ
   せて一端に当て、引き上げると、注射針の後端つば部の
   一部が上板の下面に当たることができる形状の注射針分
   離孔を穿設した使用済注射針分離収納容器
2. 【請求項２】 注射針分離孔は、注射器を挿入すること
   ができない大きさである請求項１記載の使用済注射針分
   離収納容器
3. 【請求項３】 注射針分離孔は、楕円形である請求項１
   又は請求項２記載の使用済注射針分離収納容器
4. 【請求項４】 中空容器は、透明体で構成されている請
   求項１乃至請求項３記載の使用済注射針分離収納容器
5. 【請求項５】 中空容器の上板の上面に、中空容器内部
   に収納された注射針が注射針分離孔から出るのを防止す
   る蓋が設けられている請求項１乃至請求項４記載の使用
   済注射針分離収納容器