JP3039165B2 - 光記録膜及びその製造方法 - Google Patents

光記録膜及びその製造方法

Info

Publication number
JP3039165B2
JP3039165B2 JP4299040A JP29904092A JP3039165B2 JP 3039165 B2 JP3039165 B2 JP 3039165B2 JP 4299040 A JP4299040 A JP 4299040A JP 29904092 A JP29904092 A JP 29904092A JP 3039165 B2 JP3039165 B2 JP 3039165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
optical recording
organic
recording film
organometallic compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4299040A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06148880A (ja
Inventor
博章 山本
浩一 前田
章雄 滝川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP4299040A priority Critical patent/JP3039165B2/ja
Publication of JPH06148880A publication Critical patent/JPH06148880A/ja
Priority to US08/412,021 priority patent/US6479193B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3039165B2 publication Critical patent/JP3039165B2/ja
Priority to US09/903,585 priority patent/US6524771B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Holo Graphy (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録膜その他の膜、
特に高耐久性を有するホログラム、およびそれを好適に
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】可干渉性を有する光波が形成する干渉縞
を記録し、再生するホログラフィー技術は、近年、ディ
スプレイホログラムだけでなく、グレーティング、光分
波、集光器及びレーザービームスキャニング素子など各
種光学素子としての応用が研究、開発、実用化がなされ
ている。
【0003】ホログラム記録材料としては、銀塩乳剤、
重クロム酸ゼラチン、フォトレジスト、サーモプラスチ
ック、種々のフォトポリマーなとが開発されている。銀
塩は露光感度が非常に高い市販ホログラム記録材料であ
り、ゼラチン膜を支持体としハロゲン化銀を分散させた
材料が使われている。重クロム酸ゼラチンは回折効率が
非常に高く、ノイズが低い優れた体積位相型ホログラム
記録材料である。この成分はゼラチンに重クロム酸イオ
ンを添加し、感光化した材料である。フォトレジストは
エンボス型のホログラムを大量に複製する際の原盤とな
るもので、複製する材料にはプラスチックが用いられて
いる。サーモプラスチックは繰り返し記録再生ができる
記録材料で、熱可塑性樹脂に表面凹凸として記録する。
いずれのホログラム記録材料においても有機化合物を主
とする物質が用いられている。
【0004】また一般に化学的に安定な金属酸化物ガラ
ス上に表面凹凸を形成させ回折格子等を加工する技術と
して、電子ビームリソグラフィー、イオンエッチング
や、ダイヤモンドターニングマシンなどの超精密旋盤加
工法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属酸
化物ガラスに表面加工する方法は、耐久性に優れた材料
を使用する長所があるが、大量生産、大面積には不向き
である。その点ではホログラフィー露光、フォトリソグ
ラフィーなどの活性放射線に露出する技術を使用すれば
大面積化、大量生産も可能である。しかしながらいずれ
のホログラム記録材料においても有機化合物を主とする
物質が用いられており、そのため一般的に耐久性は良く
ないものばかりである。例えば250度以上の温度にな
ると、記録されたホログラム材料そのものが酸化、分解
され、記録された干渉縞は破壊され、光学性能も低下す
る。耐熱温度はせいぜい300度以下である。また耐候
性の点でも紫外線、水分等の影響により黄変するなどの
欠点を有している。また屈折率の温度変化と体膨張係数
の温度変化が、金属酸化物ガラスに比べ、1桁大きいの
で温度変化による波面収差も生じやすい。
【0006】従って最近、ホログラフィーの分野におい
ては、透過型及び反射型に関わらず高い光学特性はさる
ことながら、その応用用途拡大の観点から湿式処理不要
などのホログラム記録および、ホログラム記録膜の高い
耐熱性、耐環境性が望まれており、それを実現するため
には従来とは抜本的に異なる新しいホログラム記録用材
料の開発が行われている。
【0007】それらの中で、特願平4−172534に
おけるホログラム記録材料は、比較的耐熱性が高く、3
00度でも耐え得る性能を有しているが、耐候性の面で
紫外線により黄変してしまうのは避けられない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の従来技術
の課題を克服し、高回折効率、高解像力及び高透過率な
どの優れた光学特性ならびに高感度などを示し、同時に
優れた耐環境性、耐久性を有する光記録膜その他の膜、
およびその光記録膜を簡単な工程において製造する方法
を提供するものである。
【0009】すなわち本発明は、(1)内部に多数の微
小空隙を有する無機物質の膜状のネットワークと、
(2)前記空隙の中に存在する気体からなり、前記膜中
の空隙率を膜中の場所によって変化させている光記録膜
である。
【0010】また本発明は、A.(1)光重合性モノマ
ーまたはオリゴマー、(2)光重合開始剤、(3)加水
分解および重縮合が可能である有機金属化合物(4)前
記有機金属化合物のための溶媒、(5)水、および
(6)前記有機金属化合物の加水分解を促進させるため
の触媒、を含む出発溶液を、基材上に塗布し、前記有機
金属化合物を加水分解、重縮合させてゲル化した膜を形
成した後、乾燥により揮発成分を気化させて固体状の光
記録用膜を作製し、B.前記光記録用膜に、活性放射線
を照射し、ついでC.上記光記録用膜中に含まれる有機
成分を除去することからなる、前記金属の酸化物のみか
け密度分布および/または表面凹凸を有する光記録膜の
製造方法である。
【0011】本発明における光記録膜その他の膜の製造
に用いられる出発溶液中の光重合性モノマーとしては、
分子内にアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基、アリル基等の重合可能な基を少なくとも1個含有す
るモノマ−が好適に使用することができる。その例とし
て、テトロヒドロフルフリルアクリレート、エチルカル
ビトールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチ
ルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、
ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピルアクリレート、ω−ヒドロキ
シヘキサノイルオキシエチルアクリレート、アクリロイ
ルオキシエチルサクシネート、アクリロイルオキエチル
サクシネート、アクリロイルオキシエチルフタレート、
フェニルアクリレート、ナフチルアクリレート、トリブ
ロモフェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレ
ート、トリブロモフェノキシエチルアクリレート、ベン
ジルアクリレート、p−ブロモベンジルアクリレート、
2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−
ジブロモフェニル)プロパン、イソボルニルアクリレー
ト,2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアク
リレート等の単官能性アクリレート並びにこれらの単官
能性アクリレートに対応するメタクリレート類;1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ブタンジオールジ
アクリレート、EO変成テトラブロモビスフェノールA
ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ビスフ
ェノールAジアクリレート、等の多官能アクリレート並
びにこれらの多官能性アクリレートに対応するメタクリ
レート類;スチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベ
ンゼン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、N−ビ
ニルピロリドン、ビニルナフタレン、N−ビニルカルバ
ゾール等のビニル化合物;およびジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート、トリアリルイソシアヌレー
ト、ジアリリデンペンタエリスリトール、ジアリルフタ
レート、ジアリルイソフタレート等のアリル化合物など
(混合物を含む)が挙げられる。
【0012】本発明で使用される出発溶液中の光重合性
オリゴマーの例としては、上記光重合性モノマーのオリ
ゴマーの他に、ウレタンアクリレ−トオリゴマー、エポ
キシアクリレ−トオリゴマー、エステルアクリレートオ
リゴマー、ポリオールポリアクリレート、変性ポリオー
ルポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリ
レートなどの多官能性オリゴアクリレートやこれらのア
クリレートに対応するメタクリレート類など(混合物を
含む)が挙げられるが、これに限定されるものではな
い。
【0013】ポリウレタンアクリレートオリゴマーとし
てはポリイソシアネートと2−ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートとポリオールの付加反応によって生成
するものが例示される。ここで、ポリイソシアネートと
してはトルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられ
る。また、ポリオールとしてはポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオールやポリカーボネートポリオール、ポリシロキ
サンポリオール等が挙げられる。
【0014】本発明で使用される、光記録膜その他の膜
の製造に用いられる出発溶液中の加水分解および重縮合
が可能である有機金属化合物としては、有機ケイ素化合
物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、およ
び有機アルミニウム化合物のうち少なくとも1種を含む
ものが好ましく、特にアルコキシル基を有する金属アル
コキシドが好ましい。具体的にはシリコン、チタン、ジ
ルコニウム、アルミニウムなどのメトキシド、エトキシ
ド、プロポキシド、ブトキシドなどが単体または混合体
で用いられる。その例としてテトラエトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラブトキシシランなどの有機
ケイ素化合物;チタンイソプロポキシド、チタンブトキ
シドなどの有機チタン化合物;ジルコニウムメトキシ
ド、ジルコニウムブトキシドなどの有機ジルコニウム化
合物;アルミニウムエトキシド、アルミニウムブトキシ
ドなどの有機アルミニウム化合物などが挙げられる。ま
たジメチルシロキサン、アミノシラン及びシラノール末
端のポリジメチルシロキサンなどの側鎖に有機部を有す
る化合物、あるいはビニルシラン、アクリルシラン、エ
ポキシシランなどのように他の有機モノマーと重合可能
な官能基を有する化合物で有機的に修飾しても構わな
い。
【0015】なお、上記金属アルコキシド以外にも金属
アセチルアセトネート、酢酸塩、シュウ酸塩などのカル
ボン酸塩及び硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物などの金属
無機化合物を使用しても構わない。
【0016】上記有機金属化合物は溶液中で加水分解し
重縮合が進むにつれてゾルから無機網目構造が形成され
ゲルとなる。このゲルを高温加熱処理すると金属酸化物
固体を作成することが出来る。
【0017】また本発明で用いられる前記有機金属化合
物を加水分解および重縮合させるために、溶媒、水、お
よび前記加水分解を促進させるための触媒が必要であ
る。この金属有機化合物を溶解すべき溶媒としては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど
のアルコール類が最も好ましい。また上記触媒として
は、塩酸、酢酸、硫酸、硝酸などの酸およびアンモニア
などの塩基が使用される。
【0018】前述の光重合性モノマーまたはオリゴマー
と前述の有機金属化合物の組合わせに関して、特願平4
−172534においてはそれぞれの重合体の屈折率の
差があること、好ましくはその差が大きい方が高回折効
率を示すが、本発明においては、両者の屈折率とは無関
係に組合せを選択することができる。なぜなら、後で述
べるように、光重合性モノマーまたはオリゴマーが重合
してできた有機ポリマーは後の程により除去され、光
記録膜中には無機質の網目構造のみを残し、空隙には空
気のような気体を存在させるからである。
【0019】前述の光重合性モノマーまたはオリゴマー
を活性放射線によって重合させるために、これに光重合
開始剤を添加しておく必要がある。本発明の光重合開始
剤としては以下に示す化合物が挙げられる。例えば、
2,3−ボルナンジオン(カンファーキノン)、2,
2,5,5,−テトラメチルテトラヒドロ−3,4−フ
ラン酸(イミダゾールトリオン)などの環状シス−α−
ジカルボニル化合物、3,3’,4,4’−テトラ−
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンな
どのベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ミヒラー
ズケトン、ジエトキシアセトフェノン、2ーヒドロキシ
ー2ーメチルプロピオフェノン、1ーヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトンなどのケトン類、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの過
酸化物、アリルジアゾニウム塩などのアゾ化合物、N−
フェニルグリシンなどの芳香族カルボン酸、2ークロロ
チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなど
のキサンテン類、ジアリルヨードニウム塩、トリアリル
スルホニウム塩、トリフェニルアルキルほう酸塩、鉄ア
レン錯体、ビスイミダゾール類、ポリハロゲン化合物、
フェニルイソオキサゾロン、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタールなど(混合物を含む)が
挙げられる。更には助剤として、アミン類、チオール
類、p−トルエンスルホン酸なども挙げられる。
【0020】この光記録膜用出発溶液は主成分で表わし
て、 光重合性モノマーまたはオリゴマーの合計 10〜80重量%、 光重合開始剤 0.05〜30重量%、 前記有機金属化合物 5〜90重量%、 前記有機金属化合物のための溶媒 5〜90重量%、 水 0.01〜30重量%、および 触媒 0.05〜30重量% を含有していることが好ましい。上記光重合性モノマー
またはオリゴマーの合計が10重量%未満、または80
重量%を越えると高い回折効率が得られ難くなる。同様
に上記有機金属化合物が5重量%未満または90重量%
を超えると高い回折効率が得られない。この組成物は必
要に応じてそれぞれ光増感剤を0.01〜10重量%、
可塑剤を0.01〜10重量%を含有させることができ
る。
【0021】使用する光重合性モノマーまたはオリゴマ
ーが低粘性を有する液体である場合には溶媒は必要では
ないが、これが固体であるかまたは高粘性を有する場合
には、それを溶解するための溶媒を使用する。この溶媒
としては例えばトルエン、ジオキサン、クロロホルム、
ジクロロメタン、メチレンクロライド、テトラヒドロフ
ラン等を使用することができる。ただし光重合性モノマ
ーまたはオリゴマーが先に述べた有機金属化合物のため
の溶媒に溶解する場合、例えばイソプロピルアルコール
はテトラエトキシシラン(加水分解および重縮合が可能
である有機金属化合物)の溶媒であると共に、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシヘキシルアクリレート(固体の
光重合性モノマー)の溶媒でもあるので、前記有機金属
化合物のための溶媒であるイソプロピルアルコールは光
重合性モノマーまたはオリゴマーのための溶媒を兼用す
ることができる。
【0022】また、加水分解および重縮合反応可能な有
機金属化合物、例えばシリコン系化合物としてジメチル
シロキサン、アミノシラン、及びシラノール末端のポリ
ジメチルシロキサン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グルシジロキシプロピルトリエト
キシシランにより無機網目構造を有機修飾して有機無機
複合体としても構わない。すなわち上記化合物のうち例
えばジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンを、
上記加水分解および重縮合が可能である有機金属化合
物、例えばテトラエトキシシランと組み合わせて、シロ
キサン無機網目構造中に有機基を導入しフレキシビリテ
ィーを付与させることもでき、それにより加熱前の膜の
取扱が容易になる。
【0023】この光記録膜用出発溶液に可塑剤を添加す
ることができる。可塑剤は光記録用組成物中の光重合型
モノマー(またはオリゴマー)に可塑性を付与するため
のものであり、可塑剤の例として、トリエチレングリコ
ールジカプリレート、トリエチレングリコールジアセテ
ート、トリエチレングリコールジプロピオネート、グリ
セリルトリブチレート、テトラエチレングリコールジヘ
プタノエート、ジエチルアジペート、ジエチルセバケー
ト、トリブチルフォスフェートなどを挙げることができ
る。
【0024】更に、この光記録膜用出発溶液に色素のよ
うな増感剤を添加することができる。これは活性放射線
により効率よく重合反応を起こさせるためである。使用
される色素などとしては以下に示す化合物が挙げられる
が、これに限定されるものではない。例えば、可視光線
を使用する場合にはメチレンブルー、アクリジンオレン
ジ、チオフラビン、ケトクマリン、エリスロシンC、エ
オシンY、メロシアニン、フタロシアニン、ポルフィリ
ンなど(混合物を含む)の可視光域に吸光を持つ化合物
である。
【0025】また、本発明の出発溶液に対し、上記成分
に加えてレベリング剤その他の添加剤を追加すること
も、均一な塗膜を作るために非常に有用である。
【0026】次に本発明の出発溶液を用いて光を記録す
る方法を説明する。光記録材料を調製するには、水、溶
媒、触媒となる酸または塩基を含む有機金属化合物溶液
中に光重合性オリゴマー、モノマー、光重合開始剤、色
素を溶解するのであるが、必要であれば、例えば、メタ
ノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノール、トルエン、ジ
オキサン、クロロホルム、ジクロロメタン、メチレンク
ロライド、テトラヒドロフランその他の溶媒(これらの
混合物を含む)が用いられる。これらの溶媒の使用量は
通常、光記録用組成物の主成分100重量部(溶剤を除
く)に対して、10〜1000重量部である。
【0027】その後、上記のような組成比で光記録用出
発溶液を調製した後、この液状物をガラス板、シリコン
基板などの平滑な基材表面上に種々の塗布方法を用いて
コーティングを行う。コーティング方法としてはスピン
コート、ディップコート、バーコート、フローコート
(カーテンコート)などや、ドクターブレード、アプリ
ケーターを用いた方法など種々の方法が適用できる。
【0028】その後、この塗布膜を室温または加温状
態、必要であれば更に減圧状態の下で、一定時間、一定
温度の下に保持して、出発溶液中に含まれた溶媒または
光重合性オリゴマーまたはモノマーを溶解するときに使
用した溶媒、水、触媒などの揮発成分を塗膜の中から蒸
発、除去させて、有機金属化合物が加水分解、重縮合反
応により形成された無機網目構造中に光重合性オリゴマ
ー、モノマー、光重合開始剤、光増感剤などが均一に取
り込まれた固体状の光記録用フィルムが平滑な基材表面
上に被覆された状態で得られる。実際には、これらの揮
発成分は完全に除去されずに、数重量%程度まで残留し
ても、実質的に固体状の膜状体が得られれば問題ない。
光記録用膜の乾燥後の厚みは通常0.01〜100μm
である。その後、得られた光記録用膜の表面上に、次工
程で照射または露出する活性放射線に対し透明な樹脂フ
ィルムまたはガラス板を適当な方法を用いてカバーす
る。これは本組成物がラジカル重合で重合が進行するた
め酸素による重合阻害作用を防止するためと、塵埃、異
物などの付着を防止するためである。
【0029】次に上記のカバーされた光記録膜を、活性
放射線に露出する行程を行う。活性放射線とは紫外線、
可視光、赤外線などの輻射線、電子ビーム、イオンビー
ムなど、照射により光重合性オリゴマー、モノマーに重
合反応を生じさせることができる放射線を指す。この行
程として、例えば可干渉性を有する輻射線によって得ら
れる干渉縞に露光させる方法がある。一般的には可干渉
性の光源としてレーザー光源を使用する公知の方法が用
いられる。干渉露光の方法としては既知のホログラフィ
ック露光光学系を使用して実施することができる。通
常、この方法は二光束干渉露光法と呼ばれている。レー
ザ発振器から発振するレーザ光を、ビームスプリッタ
ー,ビームエキスパンダー,コリメーターレンズ等を用
いて、2つの平行光あるいは拡散光に分けられる。そし
てその一方の光束を参照光として光記録材料に入射させ
る。他方の光束は例えば物体像を記録する場合はその物
体に照射され、その物体からの反射光を物体光として光
記録材料に入射させる。このとき参照光と物体光が干渉
縞を形成し、その干渉縞が光記録用膜に記録されて光記
録膜(ホログラム)が得られるのである。
【0030】また、活性放射線に露出する方法として、
上記干渉露光法の他に、パターニングマスクを用いる方
法でもよい。輻射線を通過させない物質で所定のパター
ンを作成したマスクを前記光記録用膜の上に載置し、例
えば高圧水銀ランプの輻射線をパターニングマスクを通
して露光する方法が挙げられる。さらには一定口径の活
性放射線ビームを走査させる方法でもよい。
【0031】活性放射線に露出する時間はその活性放射
線の強度、記録面積その他によって異なるが、通常0.
1秒〜30分であり、全露光量が0.1〜1000mJ/c
m2になるように露出される。
【0032】光記録膜を活性放射線に露出する程の次
に、該光記録材料中に残存する未重合の光重合性オリゴ
マー、モノマーの重合を完結し、そして未反応の光重合
開始剤及び色素などの光増感剤を失活する工程を経る事
が好ましい。
【0033】この工程は、活性放射線に露出した後の光
記録膜の全面に対し重合反応を生じさせ得る均一な活性
放射線照射を行なうことができる。この均一照射によっ
て光記録膜中の未重合オリゴマー、モノマーの重合が完
結し、形成されていた組成分布が固定される。この工程
は全露出量が通常約10〜10000mJ/cm2になるよう
に行なわれる。ただしこの工程を行わなくても次に述べ
る有機成分を除去する工程により同等の効果が得られ
る。
【0034】次の程として、上述の工程により得られ
た光記録膜より有機成分を除去することを行う。前記有
機成分とは前述した光重合性モノマーまたはオリゴマー
が重合した有機ポリマーだけでなく、未重合のモノマ
ー、オリゴマー、さらに光重合開始剤、色素、溶媒など
の残存物も含まれる。その方法としては、例えば少なく
とも200度以上の温度に加熱する方法が挙げられる。
加熱処理によって光記録膜中の有機成分が、酸化、分解
され、光記録膜から除去され、その除去された跡は空隙
として残り、そこに空気のような気体が存在する。この
加熱温度は使用した光重合性モノマー、オリゴマーある
いは溶媒などの除去される有機化合物にも依存する。ま
た光記録膜の緻密性を高め、機械的強度を上げるために
も高温まで加熱することが好ましい。したがって加熱温
度範囲は200℃から1200℃程度、また加熱時間は
少なくとも1分以上が好ましい。
【0035】光記録膜より有機成分を除去する他の方法
として、約184nmの紫外線を照射し発生させたオゾ
ンにより有機成分を酸化分解させる方法、または溶媒を
用いて有機成分を溶出する方法等が挙げられる。またこ
れらの程を併用してもよい。
【0036】この工程で、光記録された膜中に残存する
水、触媒、有機成分が除去されて空隙となり無機成分
(金属酸化物)が残る。その際に光記録によって変調さ
れた無機網目構造と有機高分子の組成分布が、無機網目
構造の変調として記録されたことになる。この工程で得
られた膜は有機成分を含有しないため、耐熱性、耐候
性、耐環境性が非常に優れている。
【0037】また上記膜の空隙率(逆に表現すれば無機
物質(金属酸化物)のみかけ密度)、例えば、膜の単位
微小体積あたり(10のマイナス21乗立方mあたり)
の空隙率は上記光記録の変調により膜表面の場所によっ
て変化るが、上記工程で無機網目構造を構成する無機
物質たとえばシリカが変形し得るような高い温度例えば
約300℃以上に加熱する場合には、無機物質の表面張
力によって無機物質の密度が相対的に小さい膜状体部分
が相対的に大きい膜状体部分よりも大きく収縮して、膜
状体表面に制御された凹凸が形成される。
【0038】次に本発明の原理について述べる。
【0039】溶媒、水、および触媒である酸または塩基
を一定量含む有機金属化合物溶液中に、光重合開始剤、
および必要に応じて光増感剤、可塑剤などの添加剤を含
有した光重合性モノマーまたはオリゴマーを加え、攪
拌、混合する。均一に混合された溶液は基板の上に種々
の方法でコーティングされ膜状体が得られる。この段階
では粘性液体からなる膜状体であるが、コーティングの
後に時間が経過するにつれ、有機金属化合物の加水分
解、重縮合が進行し無機網目構造が形成され、ゾルから
ゲル状態に変化する。更に、強制乾燥または自然乾燥を
進めることによって、無機網目構造中に含まれていた溶
媒、水等の揮発成分が蒸発していき、結果として固体状
の光記録用膜状体が得られる。
【0040】活性放射線に露出する前の光記録膜中で
は、光重合性モノマーまたはオリゴマーは膜全体に形成
された無機網目構造中に均一に保持されているが、レー
ザなどの二光束干渉露光によって形成された干渉縞への
露光、またはマスクパターン露光などによる活性放射線
の露出工程中に、光記録膜内部での光強度分布により選
択的に重合が開始される。すなわち光強度が強い部分で
重合が始まりそれにつれモノマーが消費されるので、隣
接した光強度が弱い部分から光強度が強い部分にモノマ
ーが供給され更に重合が促進される。この際に、もとも
と光強度が強い部分に存在していた無機網目構造の一部
分は、光強度が弱い部分から供給されたモノマーにより
体積が大きくなった重合体により押し出されて、光強度
が弱い隣接部分に移動することになり、最終的には光強
度が強い部分である、光重合性モノマー(またはオリゴ
マー)が重合した有機ポリマーリッチ領域と、それとは
逆に光強度が弱い部分である、相対的に無機網目構造リ
ッチ領域とに区分され、その両領域の間に大きな組成差
が生じるものと考えられる。この時に光重合性モノマー
(またはオリゴマー)が重合した有機ポリマーの屈折率
Npと無機網目構造の屈折率Nm(前記有機金属化合物
が、加水分解および重縮合してできた無機物質が有する
屈折率)との差を利用した光記録膜が本出願人が出願し
た特願平4−172534である。
【0041】本発明の光記録膜においては、前述の活性
放射線への露出によって有機ポリマー成分と無機網目構
造の組成分布を形成させた記録膜から、内部に含まれる
有機ポリマー、または反応が未完結のオリゴマー、モノ
マーのような有機成分を除去させる。従って、特願平4
−172534で示したポリマーの屈折率Npと無機網
目構造の屈折率Nmとの差を利用するのではなく、無機
網目構造の屈折率Nmと前記有機成分が出ていった空間
に存在する空気その他の気体の屈折率との差を利用する
ものであるので、光重合性モノマーまたはオリゴマーと
有機金属化合物の組合せを選定する際、屈折率の制限は
なく、そのためより多くの組合せが可能となる。
【0042】本発明の有機成分を除去する工程によって
光記録膜は多孔質状となり、全体は厚み方向に約2分の
1〜20分の1の厚みに収縮する。なおこの膜は平面方
向にも収縮しようとするが、基材に拘束されているため
実際には平面方向の収縮は殆ど生じない。この時、2つ
のタイプの変化が起こり得る。第1のタイプは、有機ポ
リマーリッチ領域において有機成分が除去されることに
より、その領域の空隙率が高くなる。それに対し無機網
目構造リッチ領域は有機ポリマーリッチであった領域よ
り空隙率は低い。そして空隙率の低い部分は空隙率の高
い部分よりも高い見かけの屈折率を有する。すなわちこ
の場合には光強度分布が空隙率の分布となって記録され
たことになる。言い替えれば、強い強度の光があたった
膜部分の無機物質のみかけ密度が低くなり、逆に弱い強
度の光があたった膜部分の無機物質のみかけ密度が高く
なる。加水分解および重縮合が可能である有機金属化合
物として、有機ケイ素化合物を用いるよりも有機チタン
化合物を用いた方が、空隙率の低い部分と空隙率の高い
部分との見かけの屈折率差は大きくなる。それは無機網
目構造を構成する酸化チタンの方が酸化珪素(屈折率=
1.46)よりもそれ自体高い屈折率(2.35)を有
するからである。第2のタイプは、第1のタイプの変化
に続いて、多孔質膜がより緻密化される場合、空隙率の
高い有機ポリマーリッチであった領域は、無機網目構造
リッチ領域よりも相対的に収縮率が大きくなるので記録
膜には表面凹凸が形成される場合である。この時、光強
度の高い領域は凹部を形成し、光強度の低い領域は凸部
を形成する。この凹凸の高さは、記録膜の組成、膜の厚
み、照射する光強度分布、加熱温度などによって異な
り、凹凸が殆ど生じない場合もあるが、通常は0.00
1μm〜10μmの凹凸高さを生じる。
【0043】表面凹凸か、空孔分布かは無機成分に用い
る化合物、有機成分と無機成分の濃度、加熱処理温度等
の条件による。極端に加熱処理温度が高い場合には、空
隙率の高い有機ポリマーリッチ領域も、無機網目構造リ
ッチ領域もともに空隙率がゼロになり表面凹凸のみが形
成される。また表面凹凸と空孔分布の両方を形成させる
ことも可能である。表面凹凸と空孔分布の両方を形成さ
せる場合、光記録膜としてはそれらは相加的に働く。
【0044】以上は膜の厚み方向には空孔(空隙)分布
が生じないとして説明したが、実際には空孔分布は膜の
厚み方向および平面方向にも生じることが多い。特に可
干渉性を有する輻射線によって得られる干渉縞に露光さ
せる場合にはそれが顕著である。
【0045】
【発明の効果】本発明によって、化学的に安定な無機成
分から構成される、優れた耐光性、耐熱性、耐環境性な
どの耐久性有し、かつ高回折効率、高解像力及び高透過
率などの優れた光学特性を示す光記録膜を得ることがで
きる。また本発明によって、微細な凹凸加工を施した薄
膜を得ることが可能となる。
【0046】
【実施例】以下、この発明の実施例を挙げて説明するが
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 <以下に示す化合物の説明> TEOS :テトラエトキシシラン PDMS :末端シラノール基ポリジメチルシロキサ
ン THF :テトラヒドロフラン i−PA :イソプロピルアルコール HCl :12N塩酸 Ti(OPr)4:テトライソプロポキシチタン HPPA :2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ルアクリレート EBPA :エトキシレートビスフェノールAジアク
リレート BTTB :3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブ
チルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(日本油脂
製、純度50%) KCD :3,3’−カルボニルビス(7−ジエチ
ルアミノクマリン) (日本感光色素研究所製) 実施例1 まず最初に光記録膜用出発溶液を以下の条件で調製し
た。 <溶液1> ---------------------------------------------------- TEOS(加水分解および重縮合が可能 である有機金属化合物として) 27g PDMS(同上) 3g THF(溶媒) 5cc i−PA(溶媒) 9cc ------------------------------------------------------ <溶液2> -------------------------------------------------------------- i−PA(溶媒) 12cc H2O(TEOS、PDMSの加水分解用) 2cc HCl(濃度12N)(加水分解を促進させるための触媒) 5cc -------------------------------------------------------------- 溶液1、溶液2を別途調製、攪拌した後、加水分解、重
縮合反応の触媒である溶液2を溶液1に攪拌しつつ滴下
して加え均一な溶液を得た。その後、この溶液を80℃
で40分間還流して有機金属化合物の溶液を得た。
【0047】次に赤色暗室用ランプ下において、以下の
重量比で、光重合開始剤BTTB、色素KCDを塩化メ
チレン、メタノール混合溶液に溶解し、光重合モノマー
HPPA,EBPAに混合攪拌した溶液3を、上記有機
金属化合物の溶液(溶液1、2の混合物)5.0gに導
入し、攪拌混合して均一な光記録用出発溶液を得た。
【0048】 <溶液3> ---------------------------------------------------------------- HPPA(光重合モノマー) 4.75g EBPA(光重合モノマー) 0.25g BTTB(光重合開始剤) 0.50g KCD(色素) 0.01g 塩化メチレン/メタノール(=95/5重量%)(溶媒) 1.00g ---------------------------------------------------------------- この溶液を赤色暗室用ランプ下で、300×150×2
mmのガラス基板上にアプリケーターを用いてコーティン
グし、30℃、約24時間静置し、ゲル化、乾燥させ
て、厚みが約9.5μmのクラックのない感光層を得
た。その後、厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ートのカバーフィルムを上記感光層の上に付着させ、そ
れを切断して、60×60mmの大きさのガラス基板-感
光層-ポリエチレンテレフタレートフィルムの積層体か
らなる感光材(光記録用膜)を得た。
【0049】次に図1に示すような光学系においてアル
ゴンイオンレーザー1から発振した波長514.5nm
の光を、シャッター2を通してビームエキスパンダー
3、コリメータレンズ4により平行光とし、ビームスプ
リッター5により二光束の平行光に分け、ミラー6、
6’を用いて上記の感光材(ガラス基板-光記録層-ポリ
エチレンテレフタレートフィルムの積層体)3枚に対し
て、角度θで入射させ干渉露光を行なった。なお角度θ
の値は、それぞれ5゜,14゜,42゜とし、30〜5
0mJ/cm2の露光量で作製した。
【0050】干渉露光の後、感光材を30Wの蛍光灯を
用いて3cmの距離から約15分間全面露光を行い、未
重合モノマーの重合を完結させ固定化した。
【0051】以上のようにして感光材に約170,48
0,1400本/mmの空間周波数を有する干渉縞を用
いて回折格子を作製した。
【0052】次にこの回折格子よりポリエチレンテレフ
タレートフィルムを剥した後、電気炉中で、50℃/時
間の昇温速度で500℃まで加熱した。4時間そのまま
の温度で保った後、約10時間かけて電気炉内を室温ま
で除冷し、回折格子を取り出した。このようにして空間
周波数170,480,1400本/mmを有する回折
格子が記録された膜厚1.2μmのSiO2膜とガラス基
板の積層体が得られた。このSiO2膜の断面を1千倍〜
5万倍の電子顕微鏡によって観察すると、干渉縞の強弱
に応じて表面凹凸および、わずかながらシリカ粒子の密
度分布が形成されていることが確認された。すなわち、
表面の山脈状凸部の高さは約1μm、幅は約1μm、凹
凸のピッチ(凸部の中心間の距離)は上記空間周波数に
応じてそれぞれ約6μm、約2μm、および約0.7μ
mであった。そして膜内部では、シリカ粒子(直径約
0.01〜0.1μm)が表面が凸の部分の内部では緊
密に存在し、他方表面が凹の部分は粗く(空隙が多く)
存在していることが確かめられた。回折格子としての機
能は主として膜表面の凹凸によるのである。
【0053】実施例2 実施例1で用いた感光材の上に、USAFテストターゲ
ット(メレスグリオ社製、空間周波数1〜228本/m
m)をマスキング板として載置し、2kWの紫外線ラン
プに、光源からの距離を30cmとして5秒間露光し
た。ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥した後、
電気炉中で、昇温速度50℃/時間で500℃まで加熱
した。4時間そのままの温度で保った後、約10時間か
けて電気炉内を室温まで除冷し、感光材を取り出した。
このSiO2膜の表面を電子顕微鏡によって観察すると、
マスクパターンに応じて表面凹凸が形成されていること
が確認された。
【0054】実施例3 次にTiO2を無機網目構造とする場合の実施例を示す。
以下の方法で光記録膜用出発溶液を調整した。 <溶液4> ------------------------------------------- Ti(OPr)4 20g i−PA 20cc ------------------------------------------- <溶液5> ------------------------------------------- i−PA 40cc H2O 2.0cc HCl(濃度12N) 0.5cc -------------------------------------------溶液
4、溶液5を別途攪拌した後、加水分解、重縮合の触媒
である溶液5を溶液6に攪拌しつつ、徐々に滴下して加
え均一な溶液を得た。 <溶液6> -------------------------------------------------------------- HPPA 4.75g EBPA 0.25g BTTB 0.50g KCD 0.01g 塩化メチレン/メタノール(=95/5重量%) 1.00g -------------------------------------------------------------- 次に赤色暗室用ランプ下において、上記溶液6に示す重
量比で、光重合開始剤BTTB、色素KCDを塩化メチ
レン、メタノール混合溶液に溶解し、光重合モノマーH
PPA,EBPAに混合攪拌した溶液6を、上記有機金
属化合物の溶液(溶液4、5の混合物)10.0gに導
入し、攪拌混合して均一な出発溶液を得た。
【0055】実施例1と同様な方法でコーティングを行
い、光記録膜を得て、1400本/mmの空間周波数を
有する干渉縞を用いて回折格子を記録した。
【0056】He−Neレーザより発振する632.8
nmのビームを用いて回折効率を測定した。回折効率は
入射光強度に対する1次回折光強度の比として算出し
た。その結果を表1に示す。蛍光灯を用いて全面露光を
行なった時点では、わずかに0.022の回折効率であ
ったが、加熱処理を行なうにしたがって次第に上昇し、
400〜500度の熱処理により約0.5の回折効率が
得られた。
【0057】このTiO2膜の断面を電子顕微鏡によって
観察すると、干渉縞の強弱に応じて主として空孔分布が
形成され、わずかに表面凹凸も形成されていることが確
認された。このように加熱前よりも加熱後で回折格子の
回折効率が向上するのは、加熱前では、入射光強度分布
による有機ポリマーリッチ領域と無機網目構造リッチ領
域との屈折率の差がポリマー(HPPAとEBPAのコ
ポリマー)の屈折率約1.55と酸化チタンゲルの屈折
率1.6の差(約0.05)に起因するのに対して、4
00℃加熱後の回折格子では、酸化チタンの屈折率約
2.35と空気の屈折率約1.00との差(約1.3
5)が加熱前のものの差に比べて非常に大きいことによ
るものである。
【0058】
【表1】 ----------------------------------------
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例として、透過型回折格子を記
録する場合に用いられる光学系の一例である。
【符号の説明】
1..レーザー発振器、 2..シャッター、 3..ビームエキスパンダー、 4..コリメーターレンズ、 5..ビームスプリッター、 7..感光材、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 7/24 516 G11B 7/24 516 (56)参考文献 特開 昭64−51334(JP,A) 特開 平2−5062(JP,A) 特許2953200(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/027 G03F 7/004 G03F 7/028 G03H 1/02 G11B 7/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.(1)光重合性モノマーまたはオリゴ
    マー、 (2)光重合開始剤、 (3)加水分解および重縮合が可能である有機金属化合
    物 (4)前記有機金属化合物のための溶媒、 (5)水、および (6)前記有機金属化合物の加水分解を促進させるため
    の触媒、 を含み、前記有機金属化合物の含有量が5〜90重量%
    である出発溶液を基材の上に塗布し、塗布膜中の揮発成
    分を蒸発、除去させ、前記有機金属化合物加水分解、
    重縮合されて形成した前記金属の酸化物の網目構造中に
    光重合性モノマーまたはオリゴマーが保持された光記録
    用膜を前記基材上に作製する工程、 B.前記光記録用膜に活性放射線を照射して、前記膜
    に、その膜内の光強度が強い部分における前記光重合性
    モノマーまたはオリゴマーが重合して有機ポリマーがリ
    ッチな領域と、光強度が弱い部分における前記金属の酸
    化物がリッチな領域を形成する工程、および、ついで C.上記照射された膜の前記有機ポリマーがリッチな領
    域および、前記金属の酸化物がリッチな領域の両方の
    の、重合されたポリマーおよび未重合のモノマー・オリ
    ゴマーを含む有機成分を除去して前記有機成分が除去さ
    れた跡である多数の微小空隙を有する金属酸化物の膜状
    のネットワークを残す工程、 を含む、前記膜中の空隙率を前記光強度が強い部分と光
    強度が弱い部分とで変化させてなる、前記金属酸化物の
    みかけ密度分布および/または表面凹凸を有する、基材
    表面に被覆された光記録膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記有機成分の除去は前記光記録用膜を
    200℃以上の温度に加熱することによりおこなう請求
    記載の光記録膜の製造方法。
  3. 【請求項3】A.(1)光重合性モノマーまたはオリゴ
    マー、 (2)光重合開始剤、 (3)加水分解および重縮合が可能である有機金属化合
    物、 (4)前記有機金属化合物のための溶媒、 (5)水、および (6)前記有機金属化合物の加水分解を促進させるため
    の触媒、 を含み、前記有機金属化合物の含有量が5〜90重量%
    である出発溶液を基材の上に塗布し、塗布膜中の揮発成
    分を蒸発、除去させ、前記有機金属化合物が加水分解、
    重縮合されて形成した前記金属の酸化物の網目構造中に
    光重合性モノマーまたはオリゴマーが保持された光記録
    用膜を前記基材上に作製する工程、 B.前記光記録用膜に活性放射線を照射して、前記膜
    に、その膜内の光強度が強い部分における前記光重合性
    モノマーまたはオリゴマーが重合して有機ポリマーがリ
    ッチな領域と、光強度が弱い部分における前記金属の酸
    化物がリッチな領域を形成する工程、および、ついで C.上記照射された膜の前記有機ポリマーがリッチな領
    域および、前記金属の酸化物がリッチな領域の両方の中
    の、重合されたポリマーおよび未重合のモノマー・オリ
    ゴマーを含む有機成分を除去して前記有機成分が除去さ
    れた跡である多数の微小空隙を有する金属酸化物の膜状
    のネットワークを残す工程、 を含み、ここにおいて、前記有機成分の除去は前記光記
    録用膜を前記金属酸化物が変形し得る温度でおこなわ
    れ、それにより膜の表面に制御された凹凸が形成され
    る、基材表面に被覆された光記録膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記B工程とC工程の間に、未重合の光
    重合性モノマーおよびオリゴマーの重合を完結させる工
    程を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の光記録膜の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記活性放射線の照射が、可干渉性を有
    する輻射線によって得られる干渉縞を用いる請求項1〜
    4のいずれか1項記載の光記録膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記活性放射線の照射が、前記光記録用
    膜上に配置したパターニングマスクを通しておこなう請
    求項1〜4のいずれか1項記載の光記録膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記出発溶液は前記光重合性モノマーま
    たはオリゴマーの合計 10〜80重量%、 前記光重合開始剤 0.05〜
    30重量%、 前記有機金属化合物 5〜
    90重量%、 前記溶媒 5〜
    90重量%、 前記水 0.01〜
    30重量%、および 前記触媒 0.05〜
    30重量%、 からなる請求項1〜6のいずれか1項記載の光記録膜の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記有機金属化合物は有機ケイ素化合
    物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物および
    有機アルミニウム化合物からなる群より選ばれた少なく
    とも1種を含むものである請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の光記録膜の製造方法。
JP4299040A 1992-06-30 1992-11-10 光記録膜及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3039165B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4299040A JP3039165B2 (ja) 1992-11-10 1992-11-10 光記録膜及びその製造方法
US08/412,021 US6479193B1 (en) 1992-06-30 1995-03-28 Optical recording film and process for production thereof
US09/903,585 US6524771B2 (en) 1992-06-30 2001-07-13 Optical recording film and process for production thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4299040A JP3039165B2 (ja) 1992-11-10 1992-11-10 光記録膜及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06148880A JPH06148880A (ja) 1994-05-27
JP3039165B2 true JP3039165B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=17867439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4299040A Expired - Lifetime JP3039165B2 (ja) 1992-06-30 1992-11-10 光記録膜及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3039165B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7545546B2 (en) 2003-10-09 2009-06-09 Tdk Corporation Holographic recording medium and method for manufacturing the same
US7678506B2 (en) 2003-10-08 2010-03-16 Tdk Corporation Holographic recording medium and method for manufacturing the same

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5714218A (en) * 1995-08-21 1998-02-03 Dainippon Printing Co., Ltd. Ionizing radiation-curable resin composition for optical article, optical article, and surface light source
US6077629A (en) * 1998-02-20 2000-06-20 Diffraction, Ltd Composite holographic media and production thereof
US6268089B1 (en) * 1998-02-23 2001-07-31 Agere Systems Guardian Corp. Photorecording medium and process for forming medium
US6482551B1 (en) * 1998-03-24 2002-11-19 Inphase Technologies Optical article and process for forming article
US6103454A (en) * 1998-03-24 2000-08-15 Lucent Technologies Inc. Recording medium and process for forming medium
US6627354B1 (en) * 1999-03-01 2003-09-30 Lucent Technologies Inc. Photorecording medium, process for fabricating medium, and process for holography using medium
JP2001194780A (ja) 2000-01-11 2001-07-19 Nippon Sheet Glass Co Ltd パターン膜被覆物品の製造方法および感光性組成物
JP4536276B2 (ja) * 2001-02-09 2010-09-01 大日本印刷株式会社 体積型ホログラム記録用感光性組成物及び体積型ホログラム記録用感光性媒体
JP4618624B2 (ja) * 2001-07-31 2011-01-26 大日本印刷株式会社 体積型ホログラム記録用感光性組成物及びそれを用いた体積型ホログラム記録用感光性媒体
JP2003043682A (ja) * 2001-08-01 2003-02-13 Jsr Corp 感放射線性誘電率変化性組成物、誘電率変化法
JP2005165054A (ja) * 2003-12-03 2005-06-23 Tdk Corp 光学部品、光記録媒体及びその製造方法
DE102004030019A1 (de) * 2004-06-22 2006-01-19 Xetos Ag Photopolymerisierbare Zusammensetzung
JP4844299B2 (ja) 2006-09-01 2011-12-28 Tdk株式会社 ホログラム記録材料、その製造方法及びホログラム記録媒体
JP2008058834A (ja) 2006-09-01 2008-03-13 Tdk Corp ホログラム記録媒体
JP2008058840A (ja) 2006-09-01 2008-03-13 Tdk Corp ホログラム記録媒体
JP4840179B2 (ja) 2007-02-09 2011-12-21 Tdk株式会社 ホログラム記録材料、その製造方法及びホログラム記録媒体
JP4893433B2 (ja) 2007-04-10 2012-03-07 Tdk株式会社 体積型ホログラム記録材料及び体積型ホログラム記録媒体
JP4946952B2 (ja) 2007-04-27 2012-06-06 Tdk株式会社 ホログラム記録材料、その製造方法及びホログラム記録媒体
JP2009295233A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Tdk Corp 光記録媒体及び光記録媒体の製造方法
JP5381494B2 (ja) 2008-10-08 2014-01-08 Tdk株式会社 体積型ホログラム記録材料及び体積型ホログラム記録媒体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7678506B2 (en) 2003-10-08 2010-03-16 Tdk Corporation Holographic recording medium and method for manufacturing the same
US7545546B2 (en) 2003-10-09 2009-06-09 Tdk Corporation Holographic recording medium and method for manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06148880A (ja) 1994-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3039165B2 (ja) 光記録膜及びその製造方法
US6479193B1 (en) Optical recording film and process for production thereof
JP2953200B2 (ja) 光記録用組成物、光記録用膜及び光記録方法
EP0672953B1 (en) Photosensitive recording material, photosensitive recording medium, and process for producing hologram using this photosensitive recording medium
EP0697631B1 (en) Photosensitive recording material, photosensitive recording medium, and process for producing hologram using this photosensitive recording medium
Lawrence et al. Photopolymer holographic recording material
Weber et al. Hologram recording in Du Pont's new photopolymer materials
EP0487086B1 (en) Volume phase hologram comprising a photosensitive recording medium and method of preparing volume type phase hologram member using same
US20120183888A1 (en) Photopolymer for volume holographic recording and its production process
JPH11344917A (ja) 金属化磁性基板を備える装置の製造プロセス
JP2002236439A (ja) 体積型ホログラム記録用感光性組成物及び体積型ホログラム記録用感光性媒体
JPWO2006101003A1 (ja) 有機微粒子を含む感光性組成物
JP2880342B2 (ja) ホログラム形成用感光性記録媒体、及びそれを使用する体積型位相ホログラムの形成方法
WO2003077033A2 (en) Photosensitive material and process of making same
WO2001031401A1 (en) Self-processing of diffractive optical components in hybrid sol-gel glasses
JP2001109360A (ja) ホログラム記録材料組成物、ホログラム記録媒体およびその製造法
JP3516274B2 (ja) 回折格子及びその形成方法
JP2002323845A (ja) 体積型ホログラム記録用感光性組成物及び体積型ホログラム記録用感光性媒体
JPH08101500A (ja) 体積ホログラム記録用感光性組成物、及びそれを用いた記録媒体ならびに体積ホログラム形成方法
JPH05210343A (ja) ホログラム形成材料とホログラムの製造方法
JPH0222691A (ja) 水性、被膜形成性、光重合性組成物、感光性部材及び画像担持層
JP3126395B2 (ja) ホログラム記録体の製造方法
JPH05210344A (ja) ホログラム形成材料とホログラムの製造方法
JPH06295150A (ja) ホログラム記録用組成物、ホログラム記録用媒体およびそれを用いたホログラムの製造方法
JPH04116584A (ja) ホログラム記録用組成物及び記録方法