JP3038673B2 - セラミック焼結体とその製造方法 - Google Patents

セラミック焼結体とその製造方法

Info

Publication number
JP3038673B2
JP3038673B2 JP8281175A JP28117596A JP3038673B2 JP 3038673 B2 JP3038673 B2 JP 3038673B2 JP 8281175 A JP8281175 A JP 8281175A JP 28117596 A JP28117596 A JP 28117596A JP 3038673 B2 JP3038673 B2 JP 3038673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chlorine
sintered body
weight
adsorbed
ceramic sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP8281175A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10130048A (ja
Inventor
和年 石下
英雄 居上
Original Assignee
株式会社イシゲ
英雄 居上
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社イシゲ, 英雄 居上 filed Critical 株式会社イシゲ
Priority to JP8281175A priority Critical patent/JP3038673B2/ja
Publication of JPH10130048A publication Critical patent/JPH10130048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3038673B2 publication Critical patent/JP3038673B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近時環境改善問題
として困難視されている都市ゴミ焼却灰など、有害揮発
成分、特にダイオキシン類を含む原料を用いてリサイク
ルされたセラミック焼結体製品を造るに際して、これ等
有害成分を無害化する技術に係り、特に公衆の衛生上、
広くは公益上必要な新技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミ焼却灰において焼却処理の際に
発生する有害揮発成分の中和,或はダイオキシン粒のバ
グフィルターによる除去などの方法が数多くの自治体な
いし研究所等で開発されているが、焼却灰を再利用する
ものの開発は殆どなされていない。セラミック焼結体と
して高温度で再焼成されると、重金属類の溶出は十数分
の一に減少し無害化されるが、これ等の製造技術は本願
発明者による特許として公告決定された特公平7−88
248号が唯一の公開技術である。然し乍ら、これ等の
技術を用いてセラミック焼結体を製造するに際し、焼成
過程に於いて揮発するダイオキシン類のような有害ガス
が焼成灰の排気ガス中に含まれるため、これ等の除去処
理には大きな設備投資を要するのみならず、処理品は再
び有害廃棄物となって産出されるため、そのままでは公
衆の衛生を害するので更に無害化処理が必要になるが、
その処理方法は開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】都市ゴミ焼却灰など、
合成樹脂材料が含まれるものは焼却する際に自己発熱に
よって局部的な高温度となり、炉材や機材の消耗が著し
くなるため、1000[℃]以下の低温度に制御しなが
ら、短時間で焼却される。消石灰などの中和剤を加える
ことにより塩素分は塩化カルシウム、硫黄分は硫酸カル
シウムとして焼却灰の中に混入して生成される。ダイオ
キシン類は排ガスを適度の温度に制御してバグフィルタ
ーによって集収除去される。ダイオキシンは有機塩素化
合物として毒性の高いものであり、未燃炭素に吸着され
て残留し排出された焼却灰中に残っているといわれてい
る。また、これ等ダイオキシンは250[℃]以下の温
度では再生成しないが、300〜470[℃]で残留炭
素が燃焼を始める際再発生するものである。本発明はか
かる残留有害物を無害化し、リサイクルして有価,有益
の材料に再生する方法とその製品とを創出するもので、
新規なセラミック焼結体とその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は次の手段を開発した。即ち、本発明の1番
目の特徴は、塩素化合物及び/又はダイオキシン類化合
物を含む組成物65以上95以下[重量%]と高シリカ
型クリノプチロライトを主成分とする大谷石5以上35
以下[重量%]とが、均一に含有されており、かつ、所
望の形状に成形、焼成されており、前記焼成の際、一旦
揮発した前記塩素化合物及び/又はダイオキシン類化合
物中の塩素が、大谷石中のナトリウム成分と結合し、塩
化ナトリウムとして、該大谷石の気孔中に、再吸着され
ているセラミック焼結体であることである。次に、本発
明の2番目の特徴は、有害塩素成分を含む原料、例え
ば、都市ゴミ焼却灰に対し、粉粒度500[μm]以下
に粉砕した大谷石を、前記焼却灰中に含まれる全塩素量
の少なくとも重量で2倍以上配合し、成形助材として粘
土質材料及び焼結調整材料を加え、必要ならば加水し、
混練して均一な組成物に調整し、所望の形状に成形した
後250[℃]以下の温度で乾燥し、1000[℃]以
上1200[℃]以下の温度範囲で焼成し前記ゴミ焼却
灰中の未燃炭素に吸着されている、ダイオキシン類を含
む有害塩素化合物を揮発せしめ、該塩素成分を大谷石中
のイオン交換成分であるナトリウムと結合させて塩化ナ
トリウムとし、該大谷石の気孔中に再吸着させ、無害化
する手段を取るセラミック焼結体の製造方法であること
である。更に具体的に説明すると、本発明は、ダイオキ
シンが800[℃]以上の温度では滞留時間が僅か数秒
で消失する性質とその現象からヒントを得たものであ
る。即ち、その手段としての特徴は、都市ゴミ焼却灰な
どのように塩素化合物およびダイオキシン類を含む組成
物を含むセラミック焼結体であって、高シリカ型クリノ
プチロライトを主成分とする大谷石が5[%]以上35
[%]以下の範囲に含まれるように組成物を調整し、成
形し、焼成してなるセラミック焼結体である。また、そ
の製造方法としての特徴は、都市ゴミ焼却灰など有害塩
素成分を含む原料に対し粒度500[μm]以下に粉砕
した大谷石を、焼却灰中に含まれる全塩素量の少なくと
も2倍以上配合し、成形助材としての粘土質材料及び焼
結調整材料を加えて組成物を調整し、所望の形状に成形
した後、250[℃]以下の温度で乾燥し、1000
[℃]以上1200[℃]以下の範囲で焼成してなるセ
ラミック焼結体の製造方法である。また、未燃炭素に吸
着されたダイオキシンが、焼結体組成中で加熱昇温の
際、炭素の燃焼と共に揮発したものをゼオライト質であ
る大谷石によって再吸着させて高温域まで持ち越した
後、大谷石のイオン交換成分であるナトリウム成分と反
応させて食塩として無害化するという手段を用いる。
【0005】
【発明の実施の形態】大谷石は高シリカ型クリノプチロ
ライト鉱物として(Na2,K2)O,Al23.10S
iO2.8H2Oの化学成分をもつゼオライトであり、3
乃至10[Å]の微細気孔により各種のガス成分に対し
て高い吸着能力を示し脱臭剤としても広く使用されてい
る。また、多量の化学結合水を持ち、熱分析をすると2
00[℃]から連続的に結合水の放出が起こり、750
[℃]〜900[℃]の間で非晶質化する。また、その
吸着作用に関しては、結合水の放出と共に周辺気体を吸
着し、600[℃]付近で最大の吸着能を発揮する作用
がある。更に、大谷石の持つ数オングストロームの気孔
は、気体分子を吸着内蔵したまま非晶質化し焼結するこ
とも本発明者による特願平5−230633号により開
発されている。大谷石に含まれるナトリウム,カリウム
成分はイオン交換性成分として知られる様に反応活性の
高いものであり、ダイオキシンのような酸性ガスとは容
易に反応して塩化ナトリウム(NaCl)が生成される
と考えられるものである。
【0006】都市ゴミ焼却灰に含まれる化学成分の一例
を以下に示すと、Ig.loss17[%](残留炭素
11[%]),SiO2 38[%],Al23
3[%],CaO 18[%],Fe22 6[%],
MgO 3[%],K2O2[%],Na2O 3[%]
であり、特に、揮発有害ガス成分はCl2 0.4
[%],SO4 0.6[%]であり、セラミック焼結
体組成物としてこれらダイオキシン類を吸着した未燃炭
素が混合されたものは、加熱昇温過程に於いて酸素によ
り燃焼し始める350[℃]以上になるとダイオキシン
が再生成され、焼成炉の排気ガス中に含まれて放出され
ることになるが、揮発したダイオキシンは活性炭の約1
/5という微細な気孔を持つ大谷石によって再吸着され
ると揮発放出されることなく高温サイドへ移行すること
ができる。800[℃]以上の温度域で放出されたとし
てもすでにダイオキシンとしての毒性は失われるが、本
発明は更に化学反応によってより無害化の方向を求めて
いる。即ち、大谷石中にはNa2O成分が3〜4[%]
含まれていて塩素ガスを吸着すると、2Na2O+2C
2→4NaCl+O2の反応が起こるものと推定され、
これらを理論的に計算するとNa2Oが1.0[%]当
り約1.34[%]のCl2を反応固定できることにな
る。従って、大谷石の配合率は5[%]〜35[%]で
十分である。また、反応生成したNaClは理論的には
融点である776[℃]を越えると食塩蒸気として揮発
を始めるが、セラミック焼結体として高圧力で圧縮成形
された中では1100[℃]を越えないと容易に揮発す
ることがないものであった。特に、大谷石は約80
[%]に近いSiO2を含み900[℃]を越えて非晶
質化した時に生成する活性SiO2は塩焼瓦の技術理論
として知られるようにSiO2・Al23と反応して
1.0Na2O,0.5〜1.0Al23,2.8〜
5.5SiO2の組成を持つガラスが生成されるもので
ある。ダイオキシン類に対する無害化効果はゴミ焼却炉
などでは排ガス中からサンプリングして測定が行われ、
0.5ng/Nm3という極めて微量の測定値で示され
るため、本発明の効果の測定には十分な判定をすること
が困難であるため、本発明ではダイオキシンの起因物質
の1つとされる塩化ビニール樹脂を粉末として大谷石粉
末と混合して1000[℃]に焼成した焼結体中にNa
Clの生成をみて効果を判定した。
【0007】(実施例) (1)原料は大谷石を500[μm]以下の粒度に粉砕
した粉末と塩化ビニール樹脂粉および粘土を用いてサン
プルサイズ100[mm]×50[mm]10[mm]
の金型で加圧成形した。 (2)配合率 大谷石70[%],塩化ビニール樹脂10[%],粘土
20[%] (3)焼成はガス炉を用いて10[℃]/[分]の昇温
速度で1000[℃]でで焼成した。 (4)X線回折によるNaClの焼成 焼成試料を微粉砕して粉末としX線回折をしたところ明
らかなNaClの結晶を確認した。 (5)煮沸テストによる観察 焼成試料を0.5[mm]〜1.0[mm]の粒度とし
清水中に入れて煮沸したところ、粒子表面から多量の泡
を発生し、ゼオライト気孔中にガス成分が封入されたま
ま焼結していることを確認した。
【0008】
【発明の効果】1)本発明によれば、都市ゴミ焼却灰を
セラミックス焼結体としてセラミックス分野でリサイク
ルするために未解決であった塩素ガス、特にダイオキシ
ン類の合理的な無害化処理をすることができるようにな
る。 2)従来技術では、ダイオキシン或いは塩素を含む有害
ガスが、処理工程で発生する排気ガス中に含まれるた
め、更にその処理に多額の設備費を必要としていたが、
本発明によれば、排気ガスも有害性がなくなるので設備
費は非常に少なくて済む。更に具体的に説明すれば、、
本発明では、従来大きな課題であったダイオキシン類の
無害化が達成出来る上に、陶磁器、レンガなどのセラミ
ックスの生産ライン中において、都市ゴミ焼却灰を原料
の1つとして、その中のダイオキシン類から、塩素を除
去して無害物にするものであり、これらの設備費の大部
分は、もともとのセラミックス製品の生産設備なのであ
るから、ダイオキシン類の無害化のコストは、従来より
も、大幅に安くなるという、莫大な経済効果も得られる
ことになる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−82013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 B09B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化合物及び/又はダイオキシン類化
    合物を含む組成物65以上95以下[重量%]と高シリ
    カ型クリノプチロライトを主成分とする大谷石5以上3
    5以下[重量%]とが、均一に含有されており、かつ
    所望の形状に成形、焼成されており、前記焼成の際、一
    旦揮発した前記塩素化合物及び/又はダイオキシン類化
    合物中の塩素が、大谷石中のナトリウム成分と結合し、
    塩化ナトリウムとして、該大谷石の気孔中に、再吸着さ
    れている焼結体であることを特徴とするセラミック焼結
    体。
  2. 【請求項2】 有害塩素成分を含む原料、例えば、都市
    ゴミ焼却灰に対し、粉粒度500[μm]以下に粉砕し
    た大谷石を、前記焼却灰中に含まれる全塩素量の少なく
    とも重量で2倍以上配合し、成形助材として粘土質材料
    及び焼結調整材料を加え、必要ならば加水し、混練して
    均一な組成物に調整し、所望の形状に成形した後250
    [℃]以下の温度で乾燥し、1000[℃]以上120
    0[℃]以下の温度範囲で焼成し前記ゴミ焼却灰中の未
    燃炭素に吸着されている、ダイオキシン類を含む有害塩
    素化合物を揮発せしめ、該塩素成分を大谷石中のイオン
    交換成分であるナトリウムと結合させて塩化ナトリウム
    とし、該大谷石の気孔中に再吸着させ、無害化すること
    を特徴とするセラミック焼結体の製造方法。
JP8281175A 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法 Expired - Lifetime JP3038673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8281175A JP3038673B2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8281175A JP3038673B2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10130048A JPH10130048A (ja) 1998-05-19
JP3038673B2 true JP3038673B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=17635402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8281175A Expired - Lifetime JP3038673B2 (ja) 1996-10-24 1996-10-24 セラミック焼結体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3038673B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103551358B (zh) * 2013-09-30 2015-06-10 天津壹鸣环境工程有限公司 一种垃圾焚烧飞灰烧结无害化资源化处理***

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10130048A (ja) 1998-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE4034417C2 (de) Hochreaktive Reagentien und Zusammensetzungen für die Abgas- und Abwasserreinigung, ihre Herstellung und ihre Verwendung
KR100187307B1 (ko) 폐기물 소각방법
KR101459990B1 (ko) 슬러지 소각재를 이용한 블록 조성물 및 블록 제조방법
CN111777344B (zh) 一种水泥窑协同处置垃圾焚烧飞灰作为掺合材的方法
AU2002235790B2 (en) Method for inerting ash, artificial pozzolan obtained by said method
JP3038673B2 (ja) セラミック焼結体とその製造方法
JPH10137716A (ja) 廃棄物処理材および廃棄物処理方法
JPH01151984A (ja) 有害且つ有毒な工業廃棄物の処理方法
WO2002049780A1 (fr) Procede et appareil permettant le traitement d'atomes en decomposition dans des cendres d'incineration par diffusion en vue de leur detoxification
JP2006263635A (ja) 高比表面積の無機質固化体及びその製造方法
JPH11347343A (ja) 排ガス浄化用薬剤
JPH1129346A (ja) 人工骨材・軽量骨材等として用いる吸着酸化触媒材及びその製造方法
JP4572048B2 (ja) 有機塩素系有害物に汚染された物質の無害化処理方法
JP2757074B2 (ja) 焼却場からの含塩ダストの処理方法
JPH09110514A (ja) 石綿原料焼結体とその製造方法
JP3724062B2 (ja) 廃棄物処理材および廃棄物処理方法
JP3360974B2 (ja) 人工骨材・軽量骨材等として用いる吸着酸化触媒材及びその製造方法
JP2002029794A (ja) 廃棄ガラスを用いた微細骨材等の製造方法および焼結体
JP2004323287A (ja) 揮発性物質を含有する物質の処理方法
JP5599574B2 (ja) 焼却灰からの土壌改良材およびその製造方法
JP5583359B2 (ja) アスベスト製品の無害化処理装置
KR101324769B1 (ko) 인공토양 제조방법 및 고함수 슬러지 고화재
JP5378901B2 (ja) アスベストの無害化処理物を原料にした耐火煉瓦の製造法および耐火煉瓦
JP2003275730A (ja) 下水汚泥焼却灰からの有害物質の溶出抑制方法
JP2005225742A (ja) 硫化カルシウムの製造方法、地盤改良材の製造方法、及び処理対象物の処理方法