JP3038472U - 植木ポット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植え替え時に植物を損傷することなく、ま
た、植え替えを簡便に行ない得る植木ポットを提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 植物が植え込まれる植木ポットであっ
て、土壌に埋められた際に、この土壌中の微生物によっ
て分解される生分解性プラスチックによって形成されて
いることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、樹木や野菜等の植物の育成の初期段階において用いられる植木ポッ トに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、樹木や野菜等の植物を育成する場合、その初期段階においては比較的小 さな植木ポットを用いて育成し、ある程度成長した時点で植林地や花壇あるいは 田畑へ植え替ることが行なわれている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、このように、成長した植物を植え替える場合、植物を植木ポットか ら取り出す際ならびに取り出した植物を植え込む際に、根や茎を損傷してしまう おそれがあり、また、その植え替えに時間と労力を必要とするといった問題点が ある。

【０００４】 本考案は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、植え替え時に植 物を損傷することなく、また、植え替えを簡便に行ない得る植木ポットを提供す ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の請求項１に記載の植木ポットは、前述した目的を達成するために、植 物が植え込まれる植木ポットであって、土壌に埋められた際に、この土壌中の微 生物によって分解される生分解性プラスチックによって形成されていることを特 徴としている。

【０００６】 本考案の請求項２に記載の植木ポットは、請求項１において、前記生分解性プ ラスチック中に、この生分解プラスチックの分解時に土壌へ溶け込む肥料が混入 されていることを特徴としている。

【０００７】 また、本考案の請求項３に記載の植木ポットは、請求項１または請求項２にお いて、壁部が波型断面に形成されていることを特徴としている。

【０００８】 さらに、本考案の請求項４に記載の植木ポットは、請求項１ないし請求項３に おいて、壁部に、前記植物の根が入り込む貫通孔が形成されていることを特徴と している。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本発明の一実施形態について図１および図２に基づき説明する。 これらの図において符号１は、本実施形態に係わる植木ポットを示し、この植 木ポット１は、上部が開放された有底筒上に形成されているとともに、その底部 が上部に対して小径となるように略円錐台形状に形成されている。

【００１０】 そして、この植木ポット１は、植林地や畑等の土壌中に埋められた際に、この 土壌中の微生物によって分解させられる生分解性のプラスチックにより形成され ている。

【００１１】 前記生分解性のプラスチックとしては、たとえば、マタービー（商品名；日本 合成化学（株）製）やビオノーレ（商品名；昭和高分子（株）製）等が用いられ 、射出成形やブロー成形あるいは真空成形等の成形手段を用いて、所定形状で、 かつ、所定の厚みに成形されている。

【００１２】 また、本実施形態においては、植木ポット１の周壁１ａや底壁１ｂに、図１お よび図２に示すように、所定の内径を有する貫通孔２が複数形成されており、植 木ポット１に植えられた植物の成長に伴って伸びる根が、これらの貫通孔２を介 して植木ポット１の外部へ導かれるようになっている。

【００１３】 このように構成された本実施形態に係わる植木ポット１は、図３に示すように 、育成の初期段階である植物Ｔが植え込まれて、屋外やハウス内の栽培棚Ｐ等に おいて育成される。

【００１４】 そして、前記植物Ｔがある程度成長すると、この植物Ｔを植林地や畑等に植え 替える必要が生じるが、このような植え替え作業は、図４に示すように、前記植 物Ｔの根本を植木ポット１とともに地中Ａ内に埋め込むことによって行なわれる 。

【００１５】 このようにして地中Ａに植木ポット１とともに植え替えられた植物Ｔは、その 成長に伴って根Ｔａが伸びるが、前記植木ポット１の壁部に貫通孔２が多数設け られていることにより、前記根Ｔａが、これらの貫通孔２を介して植木ポット１ の外部へ伸張していき、地中Ａ内に広く根をはることとなる。

【００１６】 また、植物Ｔの植え替え完了後に、時間の経過ととともに、前記植木ポット１ が地中Ａの微生物によって漸次生分解されることにより、前記植物Ｔの根本部分 が地中Ａに開放され、地中Ａと一体化される。

【００１７】 したがって、本実施形態に係わる植木ポット１においては、植物Ｔの植え替え 時に、地面に穴を掘り、その中に植木ポット１とともに埋め込むことによって植 え替えが行なわれることから、植物Ｔから植木ポット１を取り外す必要がなく、 この結果、前記植物Ｔの根や茎を損傷することなく植え替えが可能となるととも に、植え替え作業が簡素化される。

【００１８】 一方、前記植木ポット１の分解時間は、埋め込まれる土壌の状態を一定とした 場合、植木ポット１の体積に依存することから、この植木ポット１の厚みを調整 することにより、栽培される植物Ｔの種類に応じた分解時間の調整が可能となる 。

【００１９】 また、前記植木ポット１を成形する際に、その成形材料中に肥料や農薬を混入 させておくことにより、植木ポット１の分解時に、これらの肥料や農薬が地中Ａ に溶け込み、植え替え後の植物Ｔへの肥料の供給あるいは土壌の改質が自動的に 行なわれる。

【００２０】 さらに、前述したように、植木ポット１の厚みを調整して生分解時間を短くし ようとした場合、植木ポット１の厚みが薄くなってその強度が低下することが考 えられるが、このような場合には、図５および図６に示すように、植木ポット１ の周壁１ａに、高さ方向に沿った凹凸部３を形成するように、その横断面形状を 波型とすることにより、強度の低下が抑制される。

【００２１】 このような構成とすることにより、前記植木ポット１の生分解時間の調整幅が 広がり、植物Ｔの種類に応じた適切な植え替え処理が可能となる。

【００２２】 なお、前記実施形態において示した植木ポット１の形状や寸法等は一例であっ て、栽培される植物の種類や設計要求等に基づき種々変更可能である。

【００２３】 たとえば、前記実施形態においては、壁部に設けた貫通孔２を丸穴にした例に ついて示したが、網目状にしてもよい。 このような形状の貫通孔２とすることにより、その開口度合いを調整して、根 Ｔａの張り出しを阻害することなく植木ポット１内の養土のこぼれ等が抑制され る。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の請求項１に記載の植木ポットによれば、土壌中 の微生物によって分解される生分解性プレスチックによって形成したことにより 、植物の栽培の初期段階においては、植木ポットによって地上で育成し、また、 ある程度育成が進行した時点で植林地や畑等へ植え替える場合に、植物の根本部 を植木ポットとともに埋め込んで、この植木ポットを土壌中で生分解させること により、植木ポットを取り外すことなく植え替えを行なうことができる。

【００２５】 したがって、植え替え時における根や茎の損傷を防止することができるととも に、植木ポットを土壌中に埋め込むといった単純な作業によって植え替えを行な うことができる。

【００２６】 本考案の請求項２に記載の植木ポットによれば、生分解プラスチック中に肥料 を混入しておくことにより、植木ポットが土壌中で分解する際に、前記肥料を土 壌中に溶け込ませ、これによって、植え替え後における植物への肥料供給を自動 的に行なって、植物の栽培を簡便にすることができる。

【００２７】 また、本考案の請求項３に記載の植木ポットによれば、植木ポットの壁部の断 面形状を波型断面とすることにより、前記壁部の強度を高めて植木ポットの薄肉 化を図ることができる。

【００２８】 これによって、前記植木ポットの肉厚調整幅を大きくして、この植木ポットの 生分解速度の調整幅を大きくし、これによって、植物に適した速度で植木ポット を分解させることができる。

【００２９】 さらに、本考案の請求項４に記載の植木ポットによれば、側壁に植物の根が入 り込む貫通孔を形成したことにより、植物の成長に伴って伸びる根を植木ポット の外部へ導くことができ、自然な育成を行なうことができるとともに、植え替え 後において、根を円滑に土壌中へ這わせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態を示す正面図である。

【図２】本考案の一実施形態を示す底面図である。

【図３】本考案の一実施形態を示すもので、植物を植え
込んだ状態を示す正面図である。

【図４】本考案の一実施形態を示すもので、植物を土壌
へ植え替えた状態を示すもので、土壌を破断した正面図
である。

【図５】本考案の一実施形態の変形例を示す正面図であ
る。

【図６】本考案の一実施形態の変形例を示す底面図であ
る。

【符号の説明】

１ 植木ポット １ａ 周壁 １ｂ 底壁 ２ 貫通孔 Ａ 土壌 Ｔ 植物 Ｔａ 根

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 植物が植え込まれる植木ポットであっ
   て、土壌に埋められた際に、この土壌中の微生物によっ
   て分解される生分解性プラスチックによって形成されて
   いることを特徴とする植木ポット。
2. 【請求項２】 前記生分解性プラスチック中に、この生
   分解プラスチックの分解時に土壌へ溶け込む肥料が混入
   されていることを特徴とする請求項１に記載の植木ポッ
   ト。
3. 【請求項３】 壁部が波型断面に形成されていることを
   特徴とする請求項１または請求項２に記載の植木ポッ
   ト。
4. 【請求項４】 壁部に、前記植物の根が入り込む貫通孔
   が形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求
   項３の何れかに記載の植木ポット。