JP3037562U - 水道直結型散水器用液剤混入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】水道直結型の散水器を用いた水道水の散水時
に、洗剤等の液剤の混入装置を提供する。 【解決手段】空気導入孔25を備えた液剤を入れる容器本
体21と、液路27により連通して取り付けられ、液路27途
中に液量制御コック28の配設された液剤滴下ノズル22に
より構成する。液剤滴下ノズル22は、ノズル部30の開口
近傍内壁に固着された球塊状の液滴形成部31と、この液
滴形成部31に一端が固着され遊端部が液路27に遊挿され
た液導入線32と、ノズル部30の液滴形成部31と対向する
部位に切り込み形成された一対の液流下制御スリット33
と、この液流下制御スリット33により形成された散水の
逆流防止前垂れ34と、ノズル部30の開口先端に連設され
た拡縮可能な環状の液混入部35を備え、逆流防止前垂れ
34を散水方向に向けたうえで、液混入部を35水道直結形
散水器10の散水孔15に臨ませ、容器本体21内の液剤を滴
下混入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、水道直結型の散水器に取り付けられ、同散水器からの散水に液剤を 混入して、液剤混入散水を行う装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

放水用のレバーを備え、複数種の散水状態切り替えができ、ホースの一端を水 道に直結して散水を行う水道直結型散水器は、例えば、草木等への水遣り、洗車 あるいは風呂場の水洗等、多用途に使われ、使い勝手もよいことから、近年、そ の需要も増加の一途を辿っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記の水道直結型散水器では、洗剤を使わない水洗いには適してい ても、散水対象物の汚れの除去には、別途洗剤等を使った汚れ落し作業を必要と している。

【０００４】 本考案は、上記課題を解決するもので、水道水の散水時に洗剤等の液剤を混入 させて散水対象物の汚れの除去を同時に行なうとともに、散水への液剤混入を偏 りなく均一に行なって、汚れ除去作業を容易にすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、洗車や風呂場等の汚れ除去散水に際し、液状洗剤等の液剤散布を水 道直結型散水器を利用して同時にできないものかとの着想を具体化したものであ る。 すなわち、本考案は、空気導入孔を備えた液剤を入れる容器本体と、この容器 本体底部に容器本体内と液路で連通して取り付けられ、液路途中に液量制御コッ クの配設された液剤滴下ノズルにより構成され、液剤滴下ノズルは、紡錘筒形ノ ズル部の開口近傍内壁に固着された球塊状の液滴形成部と、この液滴形成部に一 端が固着され遊端部が前記液路に遊挿された液誘導線と、前記紡錘筒形ノズル部 の液滴形成部と対向する部位に切り込み形成された一対の液流下抑制スリットと 、この液流下抑制スリットにより形成された散水の逆流防止前垂れと、前記紡錘 筒形ノズル部の開口先端に連設された拡縮可能な環状の液混入部をそれぞれ備え てなり、前記逆流防止前垂れを散水方向に向けたうえで、液混入部を水道直結型 散水器の散水孔に臨ませ、前記容器本体内の液剤を滴下させて液剤混入散水を行 うことを特徴とする水道直結型散水器用液剤混入装置である。

【０００６】 容器本体に液状洗剤等の液剤を入れて蓋をし、逆流防止前垂れを散水方向に向 けたうえで、液混入部を水道直結型散水器の散水孔に臨ませ、本液剤混入装置を 水道直結型散水器にセットする。セットに際しては、同散水器に適用される別構 成のホルダを用いるのが好ましい。空気導入孔を解放し、液量制御コックを調整 しながら開けた状態で同散水器のレバーを操作すると、散水状態の選択された散 水、例えば、噴霧が行なわれる。

【０００７】 散水時、液剤は液路から徐々に液誘導線によって毛細管現象で液滴形成部に誘 導され、ここで大きくなった液滴が、環状の液混入部に内面を伝って順次供給さ れる。このとき、液流下抑制スリットが液滴の急激な流下を防ぐ。液混入部内で は、散水器からの噴霧水が噴射されており、ここに供給された液剤が噴霧水と均 一に混ざり、液剤混入噴霧水となって噴霧される。噴霧中、逆流防止前垂れが、 噴霧水のノズル内への逆流を防いでいる。

【０００８】 容器本体底部は、本液剤滴下装置が傾斜使用されたときにも液剤供給を安定的 に行うため、擂り鉢状に形成されるのが好ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の実施の形態を図１ないし図３に基づいて説明する。 水道直結型散水器１０は、散水器本体１１、握り部１２、レバー操作部１３を 備え、握り部１２の端部には、ホース１４の一端が接続可能となっている。そし て、このホース１１の他端は図示しない水道の蛇口と接続可能である。散水器本 体１１には、水道よりの供給水を散水する散水孔１５が形成され、この散水孔１ ５への供給水の供給、停止を、レバー操作部１３で行うようになっている。散水 孔１５は、シャワー状、霧状あるいは直憤状等、散水状態を選択できる構造を備 えている。

【００１０】 上記水道直結型散水器１０に適用される本液剤滴下装置２０は、液状洗剤等の 液剤を入れる容器本体２１と、液剤を水道直結型散水器１０の散水孔１５付近に 導く液剤滴下ノズル２２を備えている。容器本体２１は、開口部２３に蓋体２４ を着脱可能に取り付けてなり、この蓋体２４には空気導入孔２５が開けられてい る。空気導入孔２５には、栓体２６が嵌着されており、未使用時の液剤漏出を防 ぐようになっている。また、容器本体２１の底部内面は、すり鉢状に形成されて おり、この容器本体２１が傾斜状態で使用されても、内部の液剤を液剤滴下ノズ ル２２に安定的に供給するようになっている。

【００１１】 液剤滴下ノズル２２は、容器本体２１の底部中央に、液路２７を容器本体２１ の内部と連通させた状態で取り付けられている。この液剤滴下ノズル２２は、液 路２７途中に液量制御コック２８を備えている。液量制御コック２８は、液路２ ７と連通可能な液量調整孔２９を有しており、液路２７との連通状態により、薬 液の滴下量を制御するものである。

【００１２】 液剤滴下ノズル２２は、先端に紡錘筒形ノズル部３０を有しており、この紡錘 筒形ノズル部３０の開口近傍内壁には、球塊状の液滴形成部３１が固着されてい る。液滴形成部３１には、液誘導線３２の一端が固着されており、その遊端部は 、液路２７に遊挿されている。液誘導線３２は、液路２７にある液剤を毛細管現 象を利用して液滴形成部３１に誘導する働きをする。また、紡錘筒形ノズル部３ ０の液滴形成部３１と対向する部位には、一対の液流下抑制スリット３３が逆Ｖ 字状に切り込み形成されている。この液流下抑制スリット３３は、スリット中に 入り込んでいる空気により、液剤の急激な流下を抑制する働きをする。そして、 この一対の液流下抑制スリット３３により、逆流防止前垂れ３４が形成されてい る。この逆流防止前垂れ３４は、水道直結型散水器１０の散水孔１５からの散水 が紡錘筒形ノズル部３０内に逆流するのを防ぐものである。さらに、紡錘筒形ノ ズル部３０の開口先端には、環状の液混入部３５が連成されている。この液混入 部３５は、対向する舌片を環状にして一部を重ね合わせたもので、散水孔１５の 状態に応じて拡縮調整が可能である。なお、紡錘筒形ノズル部３０の外周部には 、液剤滴下装置２０の下方移動を規制するストッパ３６が形成されている。

【００１３】 上記本液剤滴下装置２０を水道直結型散水器１０にセットするため、同散水器 １０上には、着脱式のホルダ１６が取り付けられている。このホルダ１６は、液 剤滴下ノズル２２の配置孔１７と、液剤滴下装置２０の上下位置調整を行う調整 ビス１８を有している。

【００１４】 以下に、本液剤滴下装置２０の作用を説明する。 容器本体２１に液状洗剤等の液剤（原液または希釈液）を入れて蓋体２４を閉 め、本液剤混入装置２０を水道直結型散水器１０に取りつけたホルダ１６にセッ トする。セットに際しては、逆流防止前垂れ３４を散水方向に向けたうえで、液 混入部３５を散水孔１５に臨ませ、調整ビス１８により上下位置調整を行なう。 次いで、栓体２６を取り除いて空気導入孔２５を開放し、液量制御コック２８を 調整しながら、液路２７と液量調整孔２９を連通させる。これにより、容器本体 ２１内の液剤は液路２７から紡錘筒形ノズル部３０へ供給される状態となる。

【００１５】 同散水器１０のレバー操作部１３を操作すると、散水孔１５から散水状態の選 択された散水、例えば、噴霧が行なわれる。この散水状態に合わせて、環状の液 混入部３５の拡縮調整を行なっておく。散水時、液剤は液路２７から徐々に液誘 導線３２を伝って毛細管現象により液滴形成部３１に誘導され、ここで大きくな った液滴が、環状の液混入部３５の内面を伝って順次供給される。このとき、液 流下抑制スリット３３が液滴の急激な流下を防ぐので、液混入部３５内面には、 常時適量の液剤が供給されている。液混入部３５内では、散水器からの噴霧水が 噴射されており、ここで、液剤は噴霧水と均一に混ざり、液剤混入噴霧水となっ て噴霧される。噴霧中、逆流防止前垂れ３４が、噴霧水のノズル内への逆流を防 いでいる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の液剤混入装置によれば、これを水道直結型散水 器に取り付けるだけで、水道水の散水時に洗剤等の液剤を混入させることができ るので、散水対象物の汚れの除去を同時に行なうことができる。また、同装置を 構成する液誘導線、液滴形成部、液混入部および液流下制御スリットの共働によ り、散水への液剤混入を偏りなく均一に行なうので、汚れ除去作業を容易にする ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による液剤混入装置を水道直結形散水器
とともに示す断面図である。

【図２】図１における液剤滴下ノズルの拡大断面図であ
る。

【図３】図２における液剤滴下ノズルの正面図である。

【符号の説明】

１０ 水道直結形散水器 １５ 散水孔 １６ ホルダ ２０ 本考案による液剤滴下装置 ２１ 容器本体 ２２ 液剤滴下ノズル ２３ 開口 ２４ 蓋体 ２５ 空気導入孔 ２６ 栓体 ２７ 液路 ２８ 液量制御コック ２９ 液量調整孔 ３０ 紡錘筒形ノズル部 ３１ 液滴形成部 ３２ 液誘導線 ３３ 液流下制御スリット ３４ 逆流防止前垂れ ３５ 液混入部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】空気導入孔を備えた液剤を入れる容器本体
   と、この容器本体底部に容器本体内と液路で連通して取
   り付けられ、液路途中に液量制御コックの配設された液
   剤滴下ノズルにより構成され、液剤滴下ノズルは、紡錘
   筒形ノズル部の開口近傍内壁に固着された球塊状の液滴
   形成部と、この液滴形成部に一端が固着され遊端部が前
   記液路に遊挿された液誘導線と、前記紡錘筒形ノズル部
   の液滴形成部と対向する部位に切り込み形成された一対
   の液流下抑制スリットと、この液流下抑制スリットによ
   り形成された散水の逆流防止前垂れと、前記紡錘筒形ノ
   ズル部の開口先端に連設された拡縮可能な環状の液混入
   部をそれぞれ備えてなり、前記逆流防止前垂れを散水方
   向に向けたうえで、液混入部を水道直結型散水器の散水
   孔に臨ませ、前記容器本体内の液剤を滴下させて液剤混
   入散水を行うことを特徴とする水道直結型散水器用液剤
   混入装置。
2. 【請求項２】前記容器本体底部は擂り鉢状に形成されい
   る請求項１に記載の水道直結型散水器用液剤混入装置。