JP3037035U - 安全帯のベルト巻取器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルトが摩耗したり、折り畳まれた状態で巻
き取られて、強度の低下を来たしていた。 【解決手段】 ベルト出入口の巻取器内側はベルト断面
と同様な略長方形状のベルト進入口とし、巻取器外側
は、最外縁部がほぼ円形となる所定長のラッパ状導出部
とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本願は高所作業時に使用する安全帯の改良に係るものである。 特には、最近多く見られる巻き取り式の安全帯の巻取器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術および課題】

従来の巻取式安全帯の巻取器におけるベルト出入口は、樹脂製のケースの所定 部に、単にベルト断面と同形状のスリットを設けたものであった。よって巻取器 に対し少しでも角度が付いた方向へ引き出そうとすると、スリット縁にベルトが 強く摺接するとか、引き出される角度がさらに大きい場合には、より強く摺接す るとともに、巻き取り時に出入り口の広さが制限されているため、巻き取り方向 と引き込み方向の相違により捻れが発生し、いづれかの位置でベルトは折り畳ま れた状態となり、そのまま引き込まれてしまう。 その状態で巻き取られると、ベルトが重合した分だけ厚くなり、巻き取り径が増 して巻き取りリール内に収容しきれなくなり、ベルト全長に亘っての収納が不可 能となることもあった。一度折り畳まれて折り癖がつくと、以後の収納時におい てもその位置で折れやすく、この様な事態が長期間に亘ると強度的な低下を来し 安全帯としての機能が保持できないことが考えられた。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

よって本願では、ベルトの出入口をラッパ状に設け、どのような角度へ引き出 されようと極端な摺接が生じず、折り畳まれた状態で収納されることのない巻取 器を提供するものである。

【０００４】

【実施例】

本願の実施例を示すと、樹脂製のケース内にベルト巻き取り用のドラムを軸支 し、該軸にはゼンマイバネを付勢して巻取器1 を形成する。 ドラムに巻き取られたベルト2 は、ケースの一角に設けられたベルト出入口3 よ り引き出し、巻き取られる。 ベルト出入口3 のケース内側はベルト断面とほぼ同形状の長方形のスリット状で 、ケース外側は、順次広がって最終的にはほぼ円形となる、いわばラッパ状の形 状を持つ導出部5 とする。 導出部5 はケースの成型時に同時に形成する方法、また、ケースに設けた孔に別 体に形成した導出部5 を嵌込む構成も考えられる。まだ材質は樹脂が適当である が、滑りを良くする加工を施すものである。 ドラムに巻き込まれているベルト2 は、使用者の作業によって引き出されたり巻 き込まれたりする。通常の作業においてベルト巻取器は作業者の左腰に位置し、 ベルト先端のフックは作業者の前位置、あるいは左前方位置の構築物に係止され る。ケースに設けたベルト出入口の位置はこの作業形態に適応するような位置、 つまり人体に巻装した際の前方方向に向け設けられている。よって前方方向への 引き出しに対してはスリット状の出入口でも対応可能なものであるが、実際の作 業において、ベルト2 の引き出し方向を意識して作業を続けることは不可能であ る。フック係止時には体の正面方向に引き出したとしても、作業中に体を捻り、 さらに移動すれば、図６のようにベルト2 はスリット縁に摺接し、折れ曲がって 、折り畳まれた状態となる。この状態でフックの方へ移動すれば、図７のように ベルト2 が折り畳まれた状態で巻き取り収納され、ドラム内で重合巻き取りされ 巻き取り径が太くなりケースと接触してベルト全長に亘る収納が出来なくなる。 本願は所定長の導出部5 を備えているので、巻取器1 よりの正常な引き出し方向 と、フックの係止方向が大きく異なってもラッパ状の斜面でベルトが順次柔らか く角度を変えるため、１点による摺接が無く、折り畳まれることもない。

【０００５】

【考案の効果】

以上のように本願考案の導出部を備えた巻取器によって、ベルトの摩耗による 強度の低下、また、巻き取り収納不能によるベルトの劣化などが生じることなく 、設計当初の機能を備えた巻取式安全帯を得ることが出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願の一部切欠したところの正面図。

【図２】本願の一部切欠したところの底面図。

【図３】図１の左側面図。

【図４】出入口部の一部切断したところの斜視図。

【図５】本願の使用状態斜視図。

【図６】従来の使用状態斜視図（１）。

【図７】従来の使用状態斜視図（２）。

【符号の説明】

1 巻取器 2 ベルト 3 出入口 4 進入口 5 導出部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高所作業用安全帯のベルト巻取器1 のベ
   ルト2 出入口3 において、巻取器1 内側はベルト断面と
   同様な略長方形状のベルト進入口4 とし、巻取器1 外側
   は、最外縁部がほぼ円形となる所定長のラッパ状導出部
   5 としたことを特徴とする安全帯のベルト巻取器。