JP3036720U - 無塵・無菌衣服の洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染衣服を洗浄・殺菌度にむらを生じさせる
とことなく、完全にかつ効率的に洗浄・殺菌と乾燥を一
体的におこなうことのできる洗浄・殺菌装置を提供する
ことを目的とする。 【課題の解決手段】 収容された汚染衣服を懸架できる
懸垂体を配設されてなる軌道体を上部に配設した洗浄槽
と、該洗浄槽に配設されて不純物を濾過した洗浄・殺菌
液を汚染衣服に向けて噴射させるノズルを備えた洗浄・
殺菌液噴射装置と、該洗浄・殺菌液噴射装置に連接して
配設され、無塵・無菌状態にした加熱空気を洗浄殺菌済
み衣服に向けて噴射させるノズルを備えた乾燥装置とか
らなり、懸垂体に汚染衣料を懸架し、駆動装置で回転さ
せつつ、不純物を濾過した洗浄・殺菌液を前記洗浄殺菌
液噴射装置の複数のノズルから汚染衣服全体に噴射させ
て洗浄・殺菌させた後、乾燥装置のノズルから無塵・無
菌状態にした加熱空気を噴射して洗浄・殺菌と乾燥を一
体に行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、細菌、放射能汚染物あるいは微塵が付着した汚染衣服の洗浄装置に 関し、特に無塵・無菌室などにおいて使用される無塵・無菌衣服の洗浄装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、研究所、工場あるいは病院などでは無塵・無菌衣服が多く使用され ている。これら使用済みの作業衣服は、細菌、放射能汚染物或は微塵が付着して 汚染されているので専門施設で洗浄・殺菌しないと再利用することは出来ない。 汚染された作業衣服などを回収して再使用する場合、それぞれ使用済みの作業衣 服を集め、目ぼしいゴミを分別・仕分けした後、回転する洗浄槽に投入し、これ に洗剤を投入して洗濯する。ついで、次亜塩素酸ソーダなどの殺菌用薬剤を直接 洗濯機の槽内に注入し、薬剤の混合された洗浄液中で撹拌し、洗浄・殺菌処理を 行い、脱水機で脱水し、しかる後乾燥機で乾燥させ、最後にプレス仕上げして袋 詰めしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の洗浄・殺菌処理においては、次亜塩素酸ソー ダなどの濃厚水溶液（殺菌用薬剤）を直接攪拌型洗濯機の槽内に注入するうえに 、洗浄槽が水平軸の回りに回転されるので、その遠心力により汚染衣服が洗浄槽 の底部に集まって洗浄液に渦が発生し、槽内に注入された次亜塩素酸ソーダが洗 濯水中に均一に分散されず、槽下部は薬剤濃度が濃く、槽上部は薬剤濃度が薄く なる。そのため、汚染衣服が十分に洗浄・殺菌がされないという問題があった。

【０００４】 さらに、従来の攪拌型洗浄槽による洗浄は、洗浄・殺菌工程と乾燥工程とが別 装置で行うため、洗浄・殺菌と乾燥の間で、作業空間が生じ、洗浄・殺菌すみの 衣服に微塵が付着したり、細菌が付着する恐れがあり、十分に洗浄・殺菌した作 業衣服が得られなかった。 特に、上記のような汚染衣服は、使用面の特殊性か ら他の洗濯物と併せて洗浄・殺菌できないという、より高度な無塵・無菌が要求 されている。

【０００５】 また、洗浄・殺菌工程と乾燥工程とが別装置で行うため、装置が複雑となると いう問題があった。 本考案は、このような従来の問題を解決したもので、汚染衣服を洗浄・殺菌度 にむらを生じさせるとことなく、完全にかつ効率良く洗浄・殺菌と乾燥を一体的 におこなうことのできる無塵・無菌衣服の洗浄・殺菌装置を提供することを目的 とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係わる無塵・無菌衣服の洗浄装置は、収容された汚染衣服を懸架でき る懸垂体を配設されてなる軌道体を上部に配設した洗浄槽と、該洗浄槽に配設さ れて不純物を濾過した洗浄・殺菌液を汚染衣服に向けて噴射させるノズルを備え た洗浄・殺菌液噴射装置と、該洗浄・殺菌液噴射装置に連接して配設され、無塵 ・無菌状態にした加熱空気を洗浄殺菌済み衣服に向けて噴射させるノズルを備え た乾燥装置とからなり、懸垂体に汚染衣料を懸架し、駆動装置で回転させつつ、 不純物を濾過した洗浄・殺菌液を前記洗浄殺菌液噴射装置の複数のノズルから汚 染衣服全体に噴射させて洗浄・殺菌させた後、乾燥装置のノズルから無塵・無菌 状態にした加熱空気を噴射して洗浄・殺菌と乾燥を一体に行う。

【０００７】 本考案の洗浄・殺菌装置においては、ノズルから洗浄・殺菌液が噴射され、洗 浄・殺菌された後、連続して無菌状態の加熱空気が乾燥装置のノズルから連続的 に供給されて乾燥される。したがって、洗浄槽内の衣服は、各々の洗浄・殺菌さ れた状態のままで各部の洗浄・殺菌度にむらが生じることがなく、乾燥まで一体 に行う。

【０００８】 また、次亜塩素酸ソーダ（濃厚水溶液）のような殺菌用薬剤が、洗浄槽のノズ ルから一体的に供給される。したがって、洗浄槽内の衣服は、各々の洗浄・殺菌 度あるいは各部の洗浄・殺菌度にむらが生じることがなく、完全・均一に洗浄・ 殺菌される。

【０００９】

【考案の実施の態様】

以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明する。 図１は本考案の無塵・無菌衣服の洗浄装置の一実施例の概略図、図２は模式図 である。 図において、１は通常角型をした洗浄槽である。洗浄槽１は収容され た使用済みの汚染衣服２を連続して懸架できる懸垂体３を配設されてなる軌道体 ４を上部を配設し、駆動装置（図示せず）で、懸垂体３が回転され、順次移動す る。軌道体４は下部にも配設して汚染衣服２を装填した懸垂体３の端部を固定さ せることができる。これにより汚染衣服２はノズル５、８からの風圧で互いに接 触することなく均一に洗浄・殺菌・乾燥を行うことができる。懸垂体３としては 各種のハンガーで作業衣を装填できるものであれはよい。また、軌道体４は洗浄 槽１の上部或は下部に固定する形で配設したもので、滑りの良いレールが好適で ある。この洗浄槽１の隅部、例えば四隅には洗浄・殺菌液を噴射させる複数のノ ズル５、５…を備えた洗浄・殺菌液噴射装置６が配設されている。洗浄・殺菌液 は、図２に示すように、清浄化装置７、例えば高性能フィルターなどで無塵・無 菌状態にされて噴射される。そしてこの洗浄・殺菌液噴射装置６に連接して、加 熱空気を複数のノズル８、…から噴射させる乾燥装置９が配設されている。また 、乾燥空気も、図２に示すように、清浄化装置１０、例えば高性能フィルターな どで無塵・無菌状態にされて噴射される。洗浄・殺菌液噴射装置６と乾燥装置９ は、洗浄槽１の隅部、例えば四隅にそれぞれ並設しても良いし、或は適宜箇所に 間隔をおいて配置することもできる。さらに、洗浄・殺菌液噴射装置６と乾燥装 置９は、両者を一体に形成してもよい。

【００１０】 この洗浄・殺菌液噴射装置６の複数のノズル５、５…より洗浄・殺菌液を、汚 染衣服２の全体に連続的に噴射させると、噴射の強い圧力で、汚染物や塵の洗浄 ・殺菌が行われる。ついで、乾燥装置９で各々の洗浄・殺菌された状態のままで 複数のノズル８、８…からの強い風圧で、各部の洗浄・殺菌度にむらが生じるこ とがなく、連続して洗浄・殺菌と乾燥を一体に行うことができる。加熱空気も、 清浄化装置１０、例えば高性能フィルターなどで無塵・無菌状態にされて噴射さ れので、無塵・無菌状態で乾燥がおこなわれる。図において、１１は排水管であ り、排水処理槽（図示せず）に連結される。

【００１１】 次に、本考案の洗浄装置の使用例を説明する。例えば、図２に示すように、揚 水ポンプ（Ｐ）等で井戸或は上水道から汲み上げられた用水が、濾過器（Ｆ）を 通って濾過された後、用水供給管２１を経て予備タンク２２に一旦送り込まれる 。併せてすすぎ水タンク２９にも供給される。予備タンク２２からそれぞれ洗浄 液槽２３と殺菌液槽２４に供給される。２５は洗浄剤タンク、２６は殺菌剤タン クである。

【００１２】 洗浄液槽２３で、洗浄剤と混合された洗浄水は配管２７を通って、清浄化装置 ７の高性能フィルターで無塵・無菌状態にされて、洗浄槽１の槽内に配設された 複数のノズル５、５…から汚染衣服３全体に噴射され、汚染衣服３の洗浄がおこ なわれる。洗浄後の洗剤の混入された排水は、排水管１１を通って排出され、中 和薬品タンクが並置された排水タンク３０に貯溜され、中和された後排水口から 外部に排出される。ついで、殺菌液槽２４で殺菌剤、例えば次亜塩素酸ソーダな どが混合された殺菌水は、配管２８を通って、清浄化装置７で無塵・無菌状態に されて、洗浄槽１の複数のノズル８、８…から洗浄済みの衣服３全体に噴射され 、殺菌が行われる。殺菌後の次亜塩素酸ソーダなどの混入された排水は、排水管 １１を通って排出され、中和薬品タンクが並置された排水タンク３０に貯溜され 、中和された後排水口から同じように外部に排出される。

【００１３】 洗浄・殺菌後は、すすぎ水タンク２９からすすぎ水を洗浄槽１の複数のノズル ５、５…に供給し、ノズル５、５…を通して噴射されてすすぎを行う。すすぎも 清浄化装置７の高性能フィルターで無塵・無菌状態にされて、洗浄槽１の槽内に 配設された複数のノズル５、５…から汚染衣服３全体に噴射され、汚染衣服３の すすぎがおこなわれる。すすぎ後のすすぎ水は、排水管１１を通って、すすぎ水 タンク２９に供給され再利用される。

【００１４】 さらに、洗浄槽１への供給配管２７、２８とすすぎ用水供給配管３１および排 水管１１には、それぞれ弁（図示を省略。）が介挿されており、これらの弁の開 閉により洗浄用の温水供給と排水、およびすすぎ用水の供給が順に行われるよう に構成されている。

【００１５】 更に洗浄・殺菌済の衣服３を、図２に示すように、加熱装置３２で加熱された 空気を清浄化装置１０、例えば高性能フィルターなどで無塵・無菌状態にし、洗 浄槽１の槽内に配設された複数のノズル８、８…から洗浄済みの衣服３全体に噴 射して乾燥させる。加熱空気は、送風機３３が取り付けられ、循環して利用され る。循環空気も、清浄化装置１０で無塵・無菌状態に清浄化されてから噴射され る。乾燥装置９は洗浄・殺菌液噴射装置６の後に設置され、洗浄槽１の隅部、例 えば四隅にそれぞれ並設してもよいし、或は適宜箇所に間隔をおいて配置するこ ともできる。

【００１６】 このように構成される実施例の装置によれば、洗浄剤を混入した洗浄液或は殺 菌用薬剤である次亜塩素酸ソーダなどの濃厚な殺菌液が、直接洗浄槽１に注入さ れることがなく、一旦清浄化装置７を通っフィルターにかけられてから洗浄槽１ のノズル５で噴射供給されるように構成されているので、無塵・無菌状態であり 、洗浄槽内に収容された汚染衣服は、各々の洗浄・殺菌度あるいは各部の洗浄・ 殺菌度にむらが生じることなく、完全にかつ効率的に精度高く、洗浄・殺菌処理 される。また、洗浄後の洗浄準に、亜塩素酸ソーダのような殺菌用薬剤を混入す ることにより、洗浄槽１までの温水供給配管２８の内部の殺菌が同時に行われる ので、汚染衣服３の洗浄・殺菌を極めて衛生的に行うことができると共に、洗浄 後の乾燥処理を連続して一体的におこなうことができる。

【００１７】

【考案の効果】 以上説明したように本考案の装置によれば、多量の汚染衣服を各部の洗浄・殺 菌度にむらを生じさせることなく、完全にかつ効率的に洗浄・殺菌と乾燥処理を 連続して行うことができる。このことによって、洗浄・乾燥工程で、塵が付着し たり、細菌に汚染されることがない。

【００１８】 また、洗浄・殺菌と乾燥を一体に行うことができるので、途中で汚染される恐 れがない。 さらに、洗浄槽への温水等の供給配管内の殺菌をも同時に行うことができ、極 めて衛生的な処理が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の汚染衣服の洗浄・殺菌装置の一実施例
を概略図。

【図２】本考案の汚染衣服の洗浄・殺菌装置の一実施例
を模式的に示す図。

【符号の説明】

１………洗浄槽 ２………汚染衣服 ３………懸垂体 ４………軌道体 ５、８…ノズル ６………洗浄殺菌液噴射装置 ７、１０…清浄化装置 ９………乾燥装置 １１………排水管

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【手続補正書】

【提出日】平成８年１１月８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】収容された汚染衣服を懸架できる懸垂体を
   配設されてなる軌道体を上部に配設した洗浄槽と、 該洗浄槽に配設されて不純物を濾過した洗浄・殺菌液を
   汚染衣服に向けて噴射させるノズルを備えた洗浄・殺菌
   液噴射装置と、 該洗浄・殺菌液噴射装置に連接して配設され、無塵・無
   菌状態にした加熱空気を洗浄殺菌済み衣服に向けて噴射
   させるノズルを備えた乾燥装置とからなり、 前記懸垂体に汚染衣料を懸架し、駆動装置で回転させつ
   つ、不純物を濾過した洗浄・殺菌液を前記洗浄殺菌液噴
   射装置のノズルから汚染衣服全体に噴射させて洗浄・殺
   菌させた後、前記乾燥装置のノズルから無塵・無菌状態
   にした加熱空気を噴射して洗浄・殺菌と乾燥を一体に行
   うことを特徴とする無塵・無菌衣服の洗浄装置。