JP3036447U - 成形容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】容器と紐とを一体成形することによって、人手
による紐の締結作業を省略して製造効率を高めると同時
に、使用時でも簡単に吊るすことができる成形容器を提
供する。 【解決手段】ヒンジを介して半割り状に展開した容器本
体と、この容器本体のうち何れか一方の半割り容器の一
部外周を基部とし、先端にはフックを備えた紐状体とか
らなり、上記紐状体の中間は上記それぞれの半割り容
器、あるいは一方の半割り容器の外周と容易に破断する
接合部で一体に接合した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、紐によって吊るす態様の小容器に係り、紐と容器を一体で成形する 構成に関するものである。

【０００２】

【考案が解決しようとする課題】

従来から、例えば塩素錠剤や防臭錠剤等を収納し、紐で吊るすような構造の容 器は図５に示すように公知である。図中、５は錠剤の容器で、ほぼ対称の半割り 容器５ａ・５ｂから成っている。６は紐であり、１本の紐を結んでループとし、 半割り容器５ａ・５ｂのヒンジ部５ｃを跨ぐようにしてこのループを引っかけ、 錠剤を容器中に収納して閉蓋するものである。そして、紐６を適宜引っかけて吊 るして用いる。

【０００３】 ところで、上記従来の構造の場合には製造工程として、容器１を樹脂成形し、 成形品に対して１個ずつ紐２を結ばなければならない。しかし、紐を結ぶ作業は 人手によって行わなければならず、効率が悪いと同時に歩留まりも悪く、その割 にはコストが嵩むという課題がある。

【０００４】 本考案は上記従来の課題を解決するものであって、容器と紐とを一体成形する ことによって、人手による紐の締結作業を省略して製造効率を高めると同時に、 使用時でも簡単に吊るすことができる成形容器を提供することを目的とするもの である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では上記目的を達成するために、ヒンジを介して半割り状に展開した容 器本体と、この容器本体のうち何れか一方の半割り容器の一部外周を基部とし、 先端にはフックを備えた紐状体とを一度の樹脂成形によって構成するが、その際 に、紐状体の中間は上記それぞれの半割り容器の外周と容易に破断する接合部で 一体に接合するという手段を用いた。このように成形すると、容器本体と紐状体 が１工程で完了するが、半割り容器を閉蓋した場合に、紐状体が接合部で容器と 一体になっているので小さく折りたたまれる。また、接合部は容易に破断できる ので、使用時に破断すれば吊り下げ用の紐として用いることができる。

【０００６】 一方の半割り容器の外周と紐状体を接合する構成は、半割り容器の外形に応じ て適用することが可能である。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の好ましい実施形態を、添付した図面に従って説明する。図１は 本考案容器の成形状態の平面図、図２は錠剤を収納して閉蓋した状態の側面図で ある。通常は図２の状態で販売に供される。図中、１は容器本体であって、半割 り容器１ａおよび１ｂからなっている。半割り容器１ａと１ｂはヒンジ１ｃによ って一体になっており、半割り容器１ｂの内部には錠剤保持のための４つの突起 １ｄが突設されている。１ｅおよび１ｆは一対の係合部であり、半割り容器１ａ と１ｂをヒンジ１ｃによって屈曲して係合部１ｅと１ｆを嵌め合わせることによ って容器として機能する。

【０００８】 ２は紐状体であって、成形品としては、基部が一方側の半割り容器１ａのヒン ジ１ｃとは反対側に接続され、それぞれの半割り容器１ａおよび１ｂの側面と接 合部３ａおよび３ｂで一体に接続されている。ただし、この接続状態は極めて弱 いものであって、力を加えれば容易に分断することができる程度である。２ａは 紐状体の先端に一体に設けられたフックである。なお、４は錠剤の効果を発揮す ることができるための多数の透孔である。

【０００９】 上記態様の容器を樹脂成形で一体に構成した場合には、塩素剤や防臭剤などの 錠剤を突起１ｄ間に保持し、半割り容器１ａおよび１ｂを閉蓋すれば、図２に示 したように紐状体２が適当に屈曲された状態で小さくまとめることができる。そ して、この状態で販売に供せられる。従って、本容器は一体成形によって容器と 紐が同時に成形され、錠剤を保持して閉蓋するだけで紐状体２が絡むことなく小 さくまとまるので、販売用のブリスターパックなどもコンパクトにすることがで きる。

【００１０】 続いて、図２の状態で販売に供せられた本容器を使用する場合には、接合部３ ａおよび３ｂが容易に分断できるので、図３および図４に示したように紐状体２ は基部から先端のフック２ａまでが連続する１本の紐になる。そこで、フック２ ａを引っかけて適宜吊るせば、従来と同様に吊り下げ容器として利用することが できる。

【００１１】 本考案は、容器本体の形状が展開図として略円形としているが、本体外形は円 形に限らず、多角形や矩形などであってもよい。また、本実施形態においては接 合部を２個所形成しているが、何れか一方、特にフック２ａに近い方のみに係合 部を形成することも可能である。必要なことは、紐状体２が販売に供するときに はばらけることがないように容器本体の一部と接合させ、使用に際して容易に接 合部を破断して１本の紐にすることができることであり、紐状体の基部の形成位 置、接合部の位置および接合部の個数などは容器本体の大きさや外形によって適 宜変更して採用される。

【００１２】

【考案の効果】

本考案では、容器本体を展開した一対の半割り容器で構成し、半割り容器の一 方から先端にフックを備える紐状体を伸長して、その途中を半割り容器の外周の 一部に容易に破断するように接合したので、錠剤などを容器本体に収納して閉蓋 した場合には紐状体がコンパクトにまとまり、販売に供する際に便利であると同 時に、使用時には接合部を破断するだけで吊り下げ用の紐が出現することになり 、極めて容易に利用できるものとすることができた。

【００１３】 また、本考案の容器は１工程で成形することができるので、従来のように紐を 結ぶという手作業を省略することができ、製造効率を向上することができると同 時に、コストも削減することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案品の一実施形態を示す展開図

【図２】同、側面図

【図３】同、使用状態を示す平面図

【図４】同、側面図

【図５】従来例を示す展開図

【符号の説明】

１ 容器本体 １ａ・１ｂ 半割り容器 １ｃ ヒンジ １ｄ 突起 １ｅ・１ｆ 係合部 ２ 紐状体 ２ａ フック ３ａ・３ｂ 接合部 ４ 透孔 ５ 容器 ５ａ・５ｂ 半割り容器 ６ 紐

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒンジを介して半割り状に展開した容器本
   体と、この容器本体のうち何れか一方の半割り容器の一
   部外周を基部とし、先端にはフックを備えた紐状体とか
   らなり、上記紐状体の中間は上記それぞれの半割り容器
   の外周と容易に破断する接合部で一体に接合されたこと
   を特徴とする成形容器。
2. 【請求項２】ヒンジを介して半割り状に展開した容器本
   体と、この容器本体のうち何れか一方の半割り容器の一
   部外周を基部とし、先端にはフックを備えた紐状体とか
   らなり、上記紐状体の中間は上記基部が設けられた半割
   り容器とは別の半割り容器の外周と容易に破断する接合
   部で一体に接合されたことを特徴とする成形容器。
3. 【請求項３】容器本体には塩素錠剤を収納する請求項１
   または２記載の成形容器。