JP3035700B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP3035700B2
JP3035700B2 JP8153980A JP15398096A JP3035700B2 JP 3035700 B2 JP3035700 B2 JP 3035700B2 JP 8153980 A JP8153980 A JP 8153980A JP 15398096 A JP15398096 A JP 15398096A JP 3035700 B2 JP3035700 B2 JP 3035700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体材料や各種
ポリマーの改質剤等として有用な新規な硬化性組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、重合性を有し、各種ポリマー
の改質剤として用いられる分子内に二重結合を有する多
官能性化合物として、ジブチルフマレート等のフマル酸
ジアルキルエステル、エチレングリコールビス(イソプ
ロピルフマレート)、ビスフェノールAビス(セカンダ
リーブチルフマレート)等のジオールビスアルキルフマ
レート(特開昭62−45561号、特開昭62−10
6059号、特開昭62−235902号、特開昭63
−14757号)、不飽和アルキド樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂等の不飽和カルボン酸エステル系化合物が知
られている。
【0003】しかし、これらの化合物の内、フマル酸ジ
アルキルエステルは、分子内の二重結合が1個のみで架
橋性がなく、重合性にも乏しいという欠点がある。ま
た、ジオールビスアルキルフマレートは、分子内の二重
結合が2個であり、フマル酸ジアルキルエステルの上記
欠点を改善するものであるが、重合性が尚不十分であ
り、得られる重合物の架橋密度が不足している為、耐熱
性、耐薬品性、機械強度等の物性が十分ではないという
欠点がある。
【0004】また、不飽和アルキド樹脂は、通常、マレ
イン酸等の不飽和二塩基酸とエチレングリコール等のグ
リコール成分とを重縮合させて製造されるが、高粘度で
取扱い難いという欠点がある。また、該樹脂をスチレン
で希釈した不飽和ポリエステル樹脂の場合、スチレンが
揮発して強烈な臭気が発生し、作業環境の悪化や環境汚
染を引き起こすという欠点がある。
【0005】本願人は、上記カルボン酸エステル系化合
物の諸欠点が解消され、重合性及び架橋性に優れ、又耐
熱性等に優れた重合物が得られる重合性フマル酸エステ
ル誘導体を先に開発した(特開平7−304709
号)。しかし、この重合性フマル酸エステル誘導体に汎
用のビニル重合性単量体を配合した硬化性組成物は、重
合性等は十分であるが、重合物の強度と伸びやこれらの
バランス即ち靱性が必ずしも充分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬化
性に優れ、硬化収縮率が小さく、且つ靱性、耐熱性等の
物性に優れた硬化物を与えることができる硬化性組成物
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の重
合性フマル酸エステル誘導体に、特にウレタン(メタ)
アクリレートを配合した組成物が、上記目的を達成でき
るものであることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】即ち、本発明は、(A)一般式
【0009】
【化5】
【0010】[式中、R1およびR2は、同一又は異なっ
て、ハロゲン置換若しくは非置換の炭素数1〜12のア
ルキル基、ハロゲン置換若しくは非置換の炭素数6〜1
8のベンゼン環を含有する有機基、炭素数3〜20のシ
クロアルキル基、テトラヒドロフルフリル基又はピリジ
ル低級アルキル基を示す。R3は、基
【0011】
【化6】
【0012】を示す。ここで、Xは水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基又はハロゲン原子を示す。Dは、直接
結合、
【0013】
【化7】
【0014】を示し、R4は、
【0015】
【化8】
【0016】を示す。iは1〜4の整数を、lは0〜3
0の整数を、mは0〜30の整数を、pは1〜12の整
数を、それぞれ示す。nは、平均値で1.1〜4.0を
示す。]で表される重合性フマル酸エステル誘導体10
0重量部、(B)ウレタン(メタ)アクリレート1〜2
00重量部、(C)ビニル重合性単量体0〜199重量
部、且つ、(B)成分と(C)成分の合計が1〜200
重量部、並びに(D)重合開始剤(A)成分、(B)成
分及び(C)成分の合計に対して、0.01〜10重量
%を含有してなる硬化性組成物に係る。
【0017】上記本発明硬化性組成物は、低粘度液状で
取り扱い易く、硬化性即ち重合性及び架橋性に優れ、架
橋密度が高く、特に靱性、耐熱性に優れた重合物を与え
ることができる。従って、重合体材料や各種ポリマーの
架橋性改質剤等として好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の硬化性組成物の(A)成
分は、前記一般式(I)で表される重合性フマル酸エス
テル誘導体であって、(無水)マレイン酸またはフマル
酸である不飽和二塩基酸と、ビスフェノール骨格を有す
るジオールから導かれる平均縮合度nが1.1〜4.0
である縮合物の両末端を一価アルコールでエステル化し
たものである。
【0019】前記一般式(I)のR3は、ジオール成分
の残基であり、ビスフェノール骨格を有するジオールを
使用することにより、得られる重合性フマル酸エステル
誘導体および組成物の重合物の耐熱性等が向上する。
【0020】ビスフェノール骨格を有するジオールとし
ては、例えば、4,4’−イソプロピリデンビスフェノ
ール(以下、ビスフェノールAという)、4,4’−メ
チレンビスフェノール(以下、ビスフェノールFとい
う)、4,4’−スルホニルジフェノール(以下、ビス
フェノールSという)、4,4’−オキシビスフェノー
ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,
4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノ
ール)(以下、テトラブロモビスフェノールAとい
う)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジブロモフェ
ノール)(以下、テトラブロモビスフェノールFとい
う)等が挙げられる。これらの内、核置換又は無置換の
ビスフェノールA及びビスフェノールFが、得られる重
合性フマル酸エステル誘導体の耐熱性及び組成物の重合
物の耐熱性、靱性等の点から好ましい。
【0021】炭素数1〜4のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル、n
−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル等が例示される。
【0022】前記一般式(I)のX基におけるハロゲン
原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例
示される。
【0023】前記一般式(I)のR3基におけるR4Oで
示されるオキシアルキレン基としては、例えば、エチレ
ングリコール又はエチレンオキサイドからのオキシエチ
レン基、プロピレングリコール又はプロピレンオキサイ
ドからのオキシプロピレン基、エピクロルヒドリンから
のヒドロキシオキシプロピレン基等が挙げられる。
【0024】前記一般式(I)のR3である基として
は、オキシアルキレン基付加型ビスフェノール類が好適
である。その理由は、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF等のビスフェノール類は固体であるが、これにオキ
シアルキレン基が付加することにより液状となるため、
エステル化反応が容易となり、且つ得られる重合性フマ
ル酸エステル誘導体自体の粘度も低くなり取扱い易くな
るからである。
【0025】前記一般式(I)のR3である基の中のl
及びmは、0〜30の整数、好ましくは0〜20の整数
である。l又はmが30を越えると、得られる重合性フ
マル酸エステル誘導体を含有する組成物の重合性や組成
物の重合物の耐熱性、耐薬品性、機械的強度等の物性が
低下するので好ましくない。また、pは、1〜12の整
数、好ましくは1〜4の整数である。pが12を越える
と、該ビスフェノール類が固体状となり取扱い難くなる
と同時に、得られる重合性フマル酸エステル誘導体の粘
度が高く取扱い難くなり、組成物の重合物の耐熱性、耐
薬品性、機械的強度等の物性が低下するので好ましくな
い。
【0026】前記一般式(I)のR1及びR2は、末端エ
ステル化(封鎖)に用いた一価アルコール成分残基であ
るが、同一又は異なって、ハロゲン置換若しくは非置換
の炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン置換若しくは
非置換の炭素数6〜18のベンゼン環を有する有機基、
炭素数3〜20のシクロアルキル基、テトラヒドロフル
フリル基又はピリジル低級アルキル基であるエステル残
基である。
【0027】炭素数1〜12のアルキル基としては、例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−
オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ドデシル基等
の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
【0028】ハロゲン置換の炭素数1〜12のアルキル
基としては、例えば、クロロエチル基、2,3−ジブロ
モプロピル基、トリブロモネオペンチル基等が挙げられ
る。
【0029】ハロゲン置換又は非置換の炭素数6〜18
のベンゼン環を有する有機基としては、フェニル基、ハ
ロゲン核置換フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基核
置換フェニル基、ベンジル基、ハロゲン核置換ベンジル
基、炭素数1〜4のアルキル基核置換ベンジル基、フェ
ネチル基、2−フェノキシエチル基等を挙げることがで
きる。
【0030】炭素数3〜20のシクロアルキル基として
は、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロナノ
ニル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、シク
ロトリデカニル基、シクロテトラデカニル基、シクロオ
クタデカニル基、シクロナノデカニル基等が挙げられ
る。
【0031】ピリジル低級アルキル基としては、ピリジ
ルメチル基(ピコリル基)、ピリジルエチル基、ピリジ
ルプロピル基等が挙げられる。
【0032】R1、R2としては、ハロゲン置換若しくは
非置換の炭素数6〜18のベンゼン環を有する有機基、
炭素数3〜20のシクロアルキル基、テトラヒドロフル
フリル基又はピリジル低級アルキル基が好ましく、特に
フェノキシアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒド
ロフルフリル基又はピコリル基が好ましい。
【0033】一般式(I)の重合性フマル酸エステル誘
導体において、nの平均値は、1.1〜4.0、好まし
くは、1.5〜3.0であり、従って分子中に二重結合
を平均2.1〜5.0個有する。nの平均値が4を越え
ると、分子量が高くなって高粘度化し、取扱い難くなり
架橋性改質剤等としての使用に適さなくなるので好まし
くない。一方、nの平均値が1.1未満の場合には、硬
化性が低下し、又組成物の硬化物の架橋密度が不足し耐
熱性、機械的強度等の物性が不十分となり好ましくな
い。
【0034】従って、nの平均値が1.1〜4.0の範
囲においてのみ、低粘度液状で取扱い易く、該重合性フ
マル酸エステル誘導体を含有する組成物は硬化性に優
れ、架橋性改質剤として好適であり、しかもその硬化物
の架橋密度が十分で耐熱性、機械的強度等の物性に優れ
ている。
【0035】本発明の組成物に用いられる一般式(I)
の重合性フマル酸エステル誘導体の好ましい具体例とし
ては、下記表1に示されるR1、R2及びR3,の組合わせ
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0036】
【表1】
【0037】本発明で用いる重合性フマル酸エステル誘
導体は、次の様に調製することができる。
【0038】例えば、(無水)マレイン酸と縮合度に応
じた所定モル量の一価アルコールを反応させてマレイン
酸モノエステルを得、これと縮合度に対応する量のジオ
ールを酸性触媒の存在下にエステル化し、更に塩酸等の
酸性触媒又はモルホリン等の塩基性触媒の存在下で、フ
マル酸エステルに異性化することにより、合成すること
ができる。異性化は、マレイン酸モノエステルとジオー
ルとのエステル化前に行っても良い。また、(無水)マ
レイン酸に代えて、フマル酸を用い、異性化反応を省略
したプロセスによっても、重合性フマル酸エステル誘導
体を得ることができる。
【0039】また、R1とR2が異なる重合性フマル酸エ
ステル誘導体を調製する場合は、(無水)マレイン酸又
はフマル酸とそれぞれの一価アルコールを混合してエス
テル化反応させるか、又は一価アルコールを混合せず別
個に反応させることによりモノエステルを得、その後上
記と同様にジオールとの脱水縮合反応させることによ
り、目的物を得ることができる。
【0040】また別法として、上記と逆のプロセス即
ち、先に(無水)マレイン酸又はフマル酸とジオール成
分とを反応させ、次いで一価アルコールを反応させて末
端エステル化する方法によっても目的物が得られる。
【0041】更に、(無水)マレイン酸又はフマル酸、
ジオール及び一価アルコールを同時に仕込み、同時に反
応させる方法によっても、目的物を得ることができる。
【0042】本発明硬化性組成物においては、(A)重
合性フマル酸エステル誘導体に(B)ウレタン(メタ)
アクリレートを配合することを必須とする。かかる
(B)成分は、ポリイソシアネートとポリオールの反応
からなるウレタン結合を主骨格とし、且つ1個以上のア
クリロイル基または/およびメタクリロイル基を有する
ウレタン(メタ)アクリレートである。
【0043】該ウレタン(メタ)アクリレートは、通
常、ポリイソシアネート化合物(a)とポリオール
(b)、及びヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ
ート(c)を反応させて得られる。
【0044】ポリイソシアネート化合物(a)として
は、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート等の芳香族また
は脂肪族ジイソシアネート化合物やジメチルトリフェニ
ルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタント
リイソシアネート等の多官能イソシアネート等が挙げら
れる。これらのポリイソシアネート化合物は単独又は二
種以上併用しても良い。
【0045】ポリオール(b)としては、例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ポリエチレング
リコール、一般式(I)で用いたビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール
骨格にオキシアルキレン基が付加したオキシアルキレン
付加型ビスフェノール類等の2官能アルコール、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能ア
ルコール等が挙げられ、特に上記したオキシアルキレン
付加型ビスフェノール類がより好ましい。
【0046】ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ
ート(c)とは、分子中に一個以上の水酸基と一個以上
の(メタ)アクリロイル基を有する不飽和ヒドロキシ化
合物で、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールピ
ロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)
アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレートと(メタ)アクリル酸との等モル反応生成
物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
又これらは、単独又は2種以上併用することができる。
【0047】ウレタン(メタ)アクリレートを合成する
際の化合物(a)、(b)および(c)の量は、通常
(a)のイソシアネート基に対し(b)と(c)のヒド
ロキシル基の割合を、反応当量又はそれ以上、好ましく
は、ヒドロキシル基/イソシアネート基の比が、1.0
〜1.5程度の割合で使用する。(a)、(b)および
(c)の反応順序には特に制限はなく、例えば(a)、
(b)、(c)を同時に反応させる、(a)と(b)を
反応させてから(c)を反応させる等で、反応温度は通
常40〜70℃程度で、未反応のイソシアネート基が消
費されるまで、通常2〜5時間程度反応させる。反応を
促進する為にトリエチルアミン、ジブチルスズジラウレ
ート等の通常の反応触媒を用いたり、反応中の重合を防
止する為に、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、カテコール、フェノチアジ
ン等の重合禁止剤を用いることもできる。
【0048】ウレタン(メタ)アクリレートの分子量
は、特に制限はないが、組成物として取り扱う上で粘度
が高くならない方が好ましいことより、数平均分子量4
00〜3000程度が好適である。
【0049】ウレタン(メタ)アクリレートの(メタ)
アクリロイル基の数は、一分子当たり平均して1個以上
であるが、1〜4個であることが好ましい。
【0050】本発明の硬化性組成物には、重合性モノマ
ーとして(C)成分のビニル重合性単量体を併用する事
が出来る。(C)成分は、比較的粘度の高い(A)成分
及び(B)成分に対して、希釈剤としての役割も果た
す。
【0051】該ビニル重合性単量体としては、(メタ)
アクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエン、メチ
ル核置換スチレン、α−メチルスチレン、パラt−ブチ
ルスチレン、クロル核置換スチレン、ブロム核置換スチ
レン、ジビニルベンゼン、ジアリルオルソフタレート、
ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、ト
リアリル(イソ)シアヌレート、安息香酸ビニル、テト
ラクロルフタル酸ジアリル、ビニルエーテル類、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリロニトリル、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート、N−ビニルピロリドン、(メタ)
アクリロイルモルホリン等が挙げられ、単独または併用
することもできる。前記(メタ)アクリル酸エステルと
しては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso
−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロ
ペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
オキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート等の一官能(メタ)アクリル酸エステ
ル、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)ア
クリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート等の三官能(メタ)アクリル酸エステル等
が挙げられるがこれに限定されるものではない。これら
の単量体の内、スチレン、炭素数1〜18のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニルオキ シエチル(メタ)
アクリレート及び(メタ)アクリロイルモルホリンから
選択した一種または二種以上を使用した場合は、硬化物
の引張り強度、伸び、耐熱性等の物性が特に優れており
好ましい。
【0052】本発明組成物には、上記(A)、(B)及
び(C)の各成分に対する重合開始剤(D)が更に配合
される。
【0053】本発明組成物に用いられる重合開始剤
(D)の内、熱重合開始剤としては、常温硬化(通常5
〜40℃程度)法の場合、例えば、過酸化ベンゾイルと
ジアルキルアニリンやトルイジン誘導体等の促進剤との
併用、メチルエチルケトンパーオキサイド単独又はメチ
ルエチルケトンパーオキサイド等の常温硬化系の硬化剤
とナフテン酸コバルト、ジアルキルアニリン、トルイジ
ン誘導体等の促進剤との併用によるレドックス反応で行
われる。又、中温硬化(通常40〜90℃程度)法及び
高温硬化(通常90〜150℃程度)法では、過酸化ベ
ンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−n−プロピルパーオキシカーボネート、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジイソブチ
レート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、過酸化
ラウロイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニト
リル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等比較的高
温で分解するラジカル開始剤を挙げることができ、使用
に際し、単独又は併用して用いることができる。
【0054】光重合開始剤としては、光照射により分解
してラジカル等を生成する一般的な開始剤が使用され、
特に限定されないが例えば、ベンジル、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベ
ンゾインアルキルエーテル系、2,2−ジエトキシアセ
トフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン等のアセトフェノン系、2−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン等のプロピオフェノン系、チオキサン
トン系、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイ
ソブチルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジフ
ェニルスルフィド、トリフェニルフォスフィン、クロロ
ナフトキノン、アントラキノン、ベンゾイルパーオキサ
イド等があげられ、これらは単独で、あるいは複数併せ
て用いられる。また光重合速度を増す為に増感剤として
トリエチルアミン、アルキルモルホリン等の3級アミン
を用いることもできる。
【0055】本発明の硬化性組成物の構成成分の使用割
合は、通常、(A)重合性フマル酸エステル誘導体10
0重量部に対して、(B)ウレタン(メタ)アクリレー
トが1〜200重量部、好ましくは20〜150重量
部、(C)ビニル重合性単量体が0〜199重量部、好
ましくは10〜100重量部であって、且つ、(B)成
分と(C)成分の合計が1〜200重量部である。ま
た、(D)重合開始剤の使用量は、一般に(A)成分、
(B)成分及び(C)成分の合計に対して0.01〜1
0重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。該使
用量が0.01重量%未満では硬化が不十分で、硬化物
表面に粘着性が残ってしまう。また10重量%を越えて
も硬化は特に促進されず経済的に不利となる。
【0056】本発明の組成物には、必要に応じて、例え
ば塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン、スチレン・アクリ
ロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の
熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂等を併用することが
できる。
【0057】又、ジブチルスズマレート、ジブチルスズ
メルカプタイド、金属石鹸、鉛化合物等の熱安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、ステアリン酸エステル、ステ
アリルアルコール、ポリエチレンワックス等の滑剤、炭
酸カルシウム、ガラスファイバー等の充填剤、酸化チタ
ン等の顔料、染料、可塑剤等を添加することができる。
更には、その他の改質剤を併用することもできる。
【0058】本発明の硬化性組成物は、各成分を常温又
は必要に応じ加熱下、混合、撹拌等をすることにより得
ることができる。
【0059】また、組成物を調製するに際して、(B)
成分であるウレタン(メタ)アクリレートを別途合成し
ておいて、他の成分と混合しても良いが、(B)成分の
粘度が高く、合成中に重合し易い場合には、予め調製し
た重合性フマル酸エステル誘導体(A)の存在下で反応
させる方が、粘度がより低くなり、合成、取扱いがさら
に容易となる。このようにして(B)成分を合成するに
は、(B)成分が合成された時に(A)成分と(B)成
分が所定の組成となるように反応させれば良い。この場
合、(A)成分と(B)成分は互いに反応するものでは
ない。
【0060】本発明の硬化性組成物は、熱、紫外線、電
子線又は放射線による優れた硬化性を有しており、物性
に優れた架橋重合体を生成する。本組成物の硬化条件は
特に限定されないが、例えば、熱重合の場合、通常、5
〜150℃程度で1〜24時間程度、加熱することによ
り硬化できる。また、光重合の場合、活性光線源として
は、低圧水銀灯、高圧水銀灯、紫外線用ケイ光灯、カー
ボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、
太陽光等を使用でき、例えば、高圧水銀灯(80W/c
m)を用いた場合、照射距離15cm程度で5〜300
秒間程度紫外線を照射することにより硬化することがで
きる。また、必要に応じて、二段階硬化により硬化を行
ってもよい。
【0061】本発明の組成物は、単独で、又は各種ポリ
マーに配合した改質剤として広範な用途、例えば塗料、
コーティング剤、印刷インキ、ワニス、接着剤、感光性
刷版材、フォトレジスト等の画像形成用材料用等の原料
又は改質剤として、又成形用材料や各種合成樹脂の改質
等への展開が可能である。成形する場合には、例えば、
直接所望の型内で硬化させる注型成形法等通常のFRP
と同様の成形法をとることができる。
【0062】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら各例
に限定されるものではない。
【0063】合成例1 重合性フマル酸エステル誘導体
(A)の合成 撹拌機、温度計、留出物除去装置の付いた2L四つ口フ
ラスコで、無水マレイン酸196gとシクロヘキサノ−
ル200gを、トルエン300g中90℃にて5時間反応
し、モノシクロヘキシルマレートを合成した。次に異性
化触媒として35%塩酸10gを加えて80〜100℃
で6時間異性化を行い、モノシクロヘキシルフマレート
を得た。
【0064】異性化は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)により分析し、ピークの移動によ
り異性化がほぼ100%近く完了していることを確認し
た。
【0065】これにビスフェノールAジ(ペンタエチレ
ングリコール)(BPA・10EOと略す)664gと
触媒としてパラトルエンスルホン酸10gを加え、12
0℃で6時間脱水反応を行い、水洗後トルエン、未反応
アルコール等を留去して黄色粘稠液状の重合性フマル酸
エステル誘導体(A)1004gを得た。
【0066】合成例2〜4 重合性フマル酸エステル誘
導体(B)〜(D)の合成 合成例1におけるシクロヘキサノールに代えて、表2に
示した一価アルコールを使用した以外は、合成例1と同
様にして、黄色粘稠液状の重合性フマル酸エステル誘導
体(B)、(C)及び(D)を得た。
【0067】合成例5 比較用重合性フマル酸エステル
誘導体(E)の合成 撹拌機、温度計、留出物除去装置の付いた2L四つ口フ
ラスコで、無水マレイン酸98gとシクロヘキサノール
100gをトルエン400g中、90℃で5時間反応させ
てモノシクロヘキシルマレートを合成した。これにトリ
エチルアミン101gを加えて、氷浴中で塩化チオニル
143gを滴下し、室温で10時間反応させた後、トリ
エチルアミン塩酸塩を濾別しモノシクロヘキシルフマル
酸クロライドを得た。このシクロヘキシルフマル酸クロ
ライドのトルエン溶液をビスフェノールAジ(ペンタエ
チレングリコール)(BPA・10EOと略す)332
gとピリジン/トルエン(1/1)150gからなる混合
液中に氷冷下に滴下し、室温で10時間反応させた。次
いでピリジン塩酸塩を濾別し、濾液を水洗後トルエンを
留去して、黄色粘稠液状の比較用重合性フマル酸エステ
ル誘導体(E)486gを得た。この化合物は、縮合度
の異なる重合性フマル酸エステル誘導体(A)に対応す
る。
【0068】合成例6〜8 比較用重合性フマル酸エス
テル誘導体(F)〜(H)の合成 合成例5におけるシクロヘキサノールを表2に記載の一
価アルコールに代えた以外は合成例5と同様にして、比
較用重合性フマル酸エステル誘導体(F)、(G)、
(H)を得た。この化合物は、それぞれ縮合度の異なる
重合性フマル酸エステル誘導体(B)、(C)、(D)
に対応する。
【0069】合成例1〜8で得た本発明の実施例及び比
較例で用いる各重合性フマル酸エステル誘導体の組成及
び粘度を、以下に示す方法により測定した。
【0070】[組成分析]各重合性フマル酸エステル誘
導体の組成を、GPCにより分析し、各ピークよりn=
0〜5の組成割合を算出し、更に該組成割合よりnの平
均値を算出した。
【0071】[粘度]各重合性フマル酸エステル誘導体
の粘度は、B型粘度計を用いて測定した。
【0072】組成分析の結果から、実施例で用いる重合
性フマル酸エステル誘導体(A)〜(D)は、一般式
(I)におけるnの平均値が1.1〜4.0の範囲内の
ものであることが判った。一方、比較例で用いる各重合
性フマル酸エステル誘導体(E)〜(H)は、低温下エ
ステル交換反応を起こさない条件下で合成した結果、縮
合度としてn=1のものがほぼ純品で得られていること
が判った。
【0073】重合性フマル酸エステル誘導体の原料、収
量、組成及び粘度を、表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】以下に示すウレタンメタアクリレートは、
次のようにして合成した。即ち、ウレタンメタアクリレ
ート(U−1)は、合成例1〜4で得られた重合性フマ
ル酸エステル誘導体(A)〜(D)の存在下で合成さ
れ、(A)/(U−1)、(B)/(U−1)、(C)
/(U−1)、(D)/(U−1)という組成物として
得られた。また、以下の合成例10〜12のウレタンメ
タアクリレートの合成も、同様に重合性フマル酸エステ
ル誘導体の存在下で行った。また、比較例で用いられる
ウレタンメタアクリレート(U−1)、(U−2)及び
(U−4)も、合成例5〜8で得られた低縮合度の重合
性フマル酸エステル誘導体の存在下で合成された。
【0076】合成例9 ウレタンメタアクリレート(U
−1)の合成 実施例1に用いるウレタンメタアクリレート(U−1)
を、重合性フマル酸エステル誘導体(A)とウレタンメ
タアクリレート(U−1)の配合比率が50/50wt
%となるように仕込み量を決定した。すなわち重合性フ
マル酸エステル誘導体(A)1004gの存在下、撹拌
機、温度計の付いた2L四つ口フラスコに、2,4−ト
リレンジイソシアネート275gを仕込み、約50℃に
加温しメトキシハイドロキノン約0.2gを溶解させた
2−ヒドロキシエチルメタクリレート液205gを約2
時間で追加しながら反応させ、さらにビスフェノールA
ジ(ペンタエチレングリコール)524gを仕込んだ
後、約60℃で反応、熟成させることにより、重合性フ
マル酸エステル誘導体(A)/ウレタンメタアクリレー
ト(U−1)である組成物を得た。
【0077】同様に、実施例2に用いる(U−1)とし
て、重合性フマル酸エステル誘導体(B)の存在下でウ
レタンメタアクリレート(U−1)を合成した。すなわ
ち、重合性フマル酸エステル誘導体(B)977g存在
下、撹拌機、温度計の付いた2L四つ口フラスコに、
2,4−トリレンジイソシアネート268gを仕込み、
約50℃に加温しメトキシハイドロキノン約0.2gを
溶解させた2−ヒドロキシエチルメタクリレート液20
0gを約2時間で追加しながら反応させ、さらにビスフ
ェノールAジ(ペンタエチレングリコール)511gを
仕込んだ後、約60℃で反応、熟成させることにより、
重合性フマル酸エステル誘導体(B)/ウレタンメタア
クリレート(U−1)組成物を得た。
【0078】同様にして、実施例3、4に用いる(U−
1)として、重合性フマル酸エステル誘導体(C)又は
(D)の存在下でウレタンメタアクリレート(U−1)
を合成した。
【0079】実施例1〜4において用いられるウレタン
メタアクリレート(U−1)は、合成時に存在する重合
性フマル酸エステル誘導体の種類にかかわらず、一分子
当たり平均して2個のメタクリロイル基を有し、数平均
分子量は1300(GPC分析、ポリスチレン換算値、
以下同様)であった。
【0080】合成例10 ウレタンメタアクリレート
(U−2)の合成 ジイソシアネート化合物として、2,4−トリレンジイ
ソシアネートのかわりに、イソホロンジイソシアネート
を用いた。すなわち重合性フマル酸エステル誘導体
(A)1004gの存在下、撹拌機、温度計の付いた2
L四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート32
6gを仕込み、約50℃に加温しメトキシハイドロキノ
ン約0.2gを溶解させた2−ヒドロキシエチルメタク
リレート液191gを約2時間で追加しながら反応さ
せ、さらにビスフェノールAジ(ペンタエチレングリコ
ール)485gを仕込んだ後、約60℃で反応、熟成さ
せることにより、重合性フマル酸エステル誘導体(A)
/ウレタンメタアクリレート(U−2)組成物を得た。
【0081】得られたウレタンメタアクリレート(U−
2)は、一分子当たり平均2個のメタクリロイル基を有
し、数平均分子量は1400であった。
【0082】合成例11 ウレタンメタアクリレート
(U−3)の合成 重合性フマル酸エステル誘導体(A)1004gの存在
下、撹拌機、温度計の付いた2L四つ口フラスコに、
2,4−トリレンジイソシアネート491gを仕込み、
約50℃に加温しメトキシハイドロキノン約0.2gを
溶解させた2−ヒドロキシエチルメタクリレート液36
7gを約2時間で追加しながら反応させ、ジエチレング
リコール149gを仕込んだ後、約60℃で反応、熟成
させることにより、重合性フマル酸エステル誘導体
(A)/ウレタンメタアクリレート(U−3)組成物を
得た。
【0083】得られたウレタンメタアクリレート(U−
3)は、一分子当たり平均2個のメタクリロイル基を有
し、数平均分子量は700であった。
【0084】合成例12 ウレタンメタアクリレート
(U−4)の合成 メタアクリレートとして、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートのかわりに、グリセリンジメタクリレートを用
い、ウレタンメタアクリレートを合成した。すなわち、
重合性フマル酸エステル誘導体(A)1004gの存在
下、撹拌機、温度計の付いた2L四つ口フラスコに、
2,4−トリレンジイソシアネート239gを仕込み、
約50℃に加温しメトキシハイドロキノン約0.3gを
溶解させたグリセリンジメタクリレート313gを約2
時間で追加しながら反応させ、さらにビスフェノールA
ジ(ペンタエチレングリコール)451gを仕込んだ
後、約60℃で反応、熟成させることにより、重合性フ
マル酸エステル誘導体(A)/ウレタンメタアクリレー
ト(U−4)組成物を得た。
【0085】得られたウレタンメタアクリレート(U−
4)は、一分子当たり平均4個のメタクリロイル基を有
し、数平均分子量は1500であった。
【0086】実施例1 重合性フマル酸エステル誘導体(A)/ウレタンメタア
クリレート(U−1)=50/50wt%組成物100
gに対して、熱重合開始剤として55%メチルエチルケ
トンパーオキサイド2gと6%ナフテン酸コバルト0.
1gを添加、混合して、本発明硬化性組成物を得た。こ
れを、ASTM D−648に従った試験片用のサイズ
のテフロン型枠に注入し、二段階硬化により硬化した。
即ち、常温硬化(約20℃で24時間)後、ポストキュ
アーとして120℃で2時間でほぼ完全に硬化し耐熱性
試験片を作成した。
【0087】一方、熱重合開始剤に代えて、光重合開始
剤として「イルガキュア651」(チバ・ガイギー社
製、商品名、ベンジルジメチルケタール)を5g添加、
混合して、本発明硬化性組成物を得た。上下が解放され
たテフロン型枠の底面を、ポリエステルフィルムで離型
処理したガラス板で押さえ、上記本発明硬化性組成物を
注入し、注入後該型枠の上面を前記と同じ処理をしたガ
ラス板で押さえ、これに高圧水銀灯(80W/cm)で
距離15cmの所から片面2分ずつ両面照射し、耐熱性
以外の物性測定用試験片を作成した。
【0088】実施例2〜7 後記表3に示す種類の重合性フマル酸エステル誘導体と
ウレタンメタアクリレートからなる組成物に、実施例1
と同量の熱重合開始剤又は光重合開始剤を添加、混合し
て、本発明硬化性組成物を得た。これを用い、実施例1
と同様の方法で試験片を作成した。
【0089】実施例8 重合性フマル酸エステル誘導体(A)/ウレタンメタア
クリレート(U−1)=50/50wt%組成物100
gに対して、ビニル重合性単量体としてアクリロイルモ
ルホリン50gを添加し、実施例1と同量の熱重合開始
剤又は光重合開始剤を添加、混合して、本発明硬化性組
成物を得た。これを用い、実施例1と同様の方法で試験
片を作成した。
【0090】実施例9〜11 実施例8において、ビニル重合性単量体として、アクリ
ロイルモルホリンの代わりに、表3に示すビニル重合性
単量体を50g添加した以外は実施例8と同様にして本
発明硬化性組成物を得た。これを用い、実施例1と同様
の方法で試験片を作成した。
【0091】比較例1〜2 ウレタンメタアクリレートを使用しない他は実施例1又
は2と同様の処方で比較用硬化性組成物を得た。これを
用い、実施例1と同様の方法で物性測定用の試験片を作
成した。
【0092】比較例3〜5 合成例6〜8で得られた低縮合度の重合性フマル酸エス
テル誘導体(F)〜(H)/ウレタンメタアクリレート
(U−1)=50/50wt%組成物100gを用い、
実施例1と同様の処方で比較用硬化性組成物を得た。こ
れを用い、実施例1と同様の方法で試験片を作成した。
【0093】比較例6〜8 合成例5で得られた重合性フマル酸エステル誘導体
(E)と表4に示す種類のウレタンメタアクリレートの
組成物100gを用い、実施例1と同様の処方で比較用
硬化性組成物を得た。これを用い、実施例1と同様の方
法で試験片を作成した。
【0094】実施例1〜11及び比較例1〜8で得られ
た各硬化性組成物を熱硬化又は光硬化して得た試験片に
ついて、硬化物の硬度、重合収縮率、引張り強度、伸
び、耐熱性を下記の方法で測定した。
【0095】[硬度]ASTM,D−2583に従い、
光重合させた試験片を用い、バーコール硬度を測定し
た。
【0096】[重合収縮率]配合液の比重pと、光重合
物の比重qとを測定し、(1−p/q)×100の式に
従って算出した。
【0097】[引張り強度、伸び]ASTM,D−63
8の1号ダンベル形状の厚さ2mmの試験片を光重合に
よって作成し、引張り速度10mm/分での強度、伸び
を測定した。
【0098】[耐熱性]ASTM,D−648に従い、
縦127mm、横10mm、厚さ13mmの試験片を熱
重合によって作成し、荷重18.6Kg/cm2での荷
重たわみ温度を測定した。
【0099】また、各組成物の硬化性の指標としての重
合率を、次の方法により測定した。
【0100】(1)熱重合 表3又は表4に示した配合液を試験管に10gとり、熱
重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.05gを仕込み
窒素置換後80℃で5時間重合を行った。重合後、硬化
したポリマーをトルエンで5時間ソックスレー抽出し、
重合率を求めた。
【0101】(2)光重合 表3または4に示した配合液に光重合開始剤として、ベ
ンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製、商品
名:イルガキュア651を1wt%添加して本発明硬化
性組成物を得た。上下が解放されたテフロン型枠の底面
を、ポリエステルフィルムで離型処理したガラス板で押
さえ、上記本発明硬化性組成物を注入し、注入後該型枠
の上面を前記と同じ処理をしたガラス板で押さえ、高圧
水銀灯(80W/cm)の下で距離15cmの所から片
面2分ずつ両面照射し、熱重合性の場合と同様の方法で
重合率を求めた。
【0102】実施例1〜11及び比較例1〜8の各硬化
性組成物の配合及び試験結果を表3及び表4に示す。
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】表3及び表4に示す実施例1、2と比較例
1、2を比較すると、重合性フマル酸エステル誘導体を
単独で用いた場合と比較して、本発明に従い該誘導体に
ウレタン(メタ)アクリレートを配合した場合は重合
率、得られた硬化物の硬度、強度と伸び及び耐熱性のい
ずれにも優れていることが判る。又、実施例1〜7と比
較例3〜8を比較すると、ウレタン(メタ)アクリレー
トが配合されていても、nの平均値が1.1〜4.0即
ち二重結合を平均2.1〜5.0個含む重合性フマル酸
エステル誘導体を用いる本発明組成物と、当該誘導体の
n=1(二重結合2個)相当品を含む比較組成物とで
は、本発明組成物の方が各種の物性に優れていることが
判る。
【0106】また、更にビニル重合性単量体を含む組成
物の場合(実施例8〜11)は、得られた硬化物はさら
に優れた物性を有することも判った。
【0107】
【発明の効果】本発明硬化性組成物は、特定の重合性フ
マル酸エステル誘導体に特にウレタン(メタ)アクリレ
ートを配合したことにより、熱又は光による硬化性に優
れ、硬化収縮率が小さく、高硬度で、硬化物の強度と伸
びが大きく且つバランスがとれ、即ち靱性に優れ、耐熱
性等の物性に優れた硬化物が得られ、重合体材料や架橋
性改質剤として極めて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07C 69/60 C07C 69/60 C08F 2/46 C08F 2/46 C09D 175/06 C09D 175/06 C09J 175/06 C09J 175/06 (56)参考文献 特開 平7−304709(JP,A) 特開 昭62−45561(JP,A) 特開 昭63−14757(JP,A) 特開 平2−219811(JP,A) 特開 昭48−12834(JP,A) 特開 平3−227390(JP,A) 特開 平3−227389(JP,A) 特開 昭54−81398(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 2/46 - 2/50 C08F 22/00 - 22/40 C08F 222/00 - 222/40 C08F 283/00 - 283/01 C08F 299/00 - 299/08 C09D 1/00 - 201/10 C09J 1/00 - 201/10 C07C 69/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 【化1】 [式中、R1およびR2は、同一又は異なって、ハロゲン
    置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、ハ
    ロゲン置換若しくは非置換の炭素数6〜18のベンゼン
    環を含有する有機基、炭素数3〜20のシクロアルキル
    基、テトラヒドロフルフリル基又はピリジル低級アルキ
    ル基を示す。R3は、基 【化2】 を示す。ここで、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキ
    ル基又はハロゲン原子を示す。Dは、直接結合、 【化3】 を示し、R4は、 【化4】 を示す。iは1〜4の整数を、lは0〜30の整数を、
    mは0〜30の整数を、pは1〜12の整数を、それぞ
    れ示す。nは、平均値で1.1〜4.0を示す。]で表
    される重合性フマル酸エステル誘導体100重量部、
    (B)ウレタン(メタ)アクリレート1〜200重量
    部、(C)ビニル重合性単量体0〜199重量部、且
    つ、(B)成分と(C)成分の合計が1〜200重量
    部、並びに(D)重合開始剤(A)成分、(B)成分及
    び(C)成分の合計に対して、0.01〜10重量%を
    含有してなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】一般式(I)に於てR1及びR2が、同一又
    は異なって、ハロゲン置換若しくは非置換の炭素数6〜
    18のベンゼン環を含有する有機基、炭素数3〜20の
    シクロアルキル基、テトラヒドロフルフリル基又はピコ
    リル基である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】一般式(I)に於てR1及びR2が、同一又
    は異なって、フェノキシアルキル基、シクロヘキシル
    基、テトラヒドロフルフリル基又はピコリル基である請
    求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、
    ポリオールと、ポリイソシアネート化合物及びヒドロキ
    シル基を有する(メタ)アクリレートとの反応物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】ウレタン(メタ)アクリレート(B)が、
    数平均分子量400〜3000であって、一分子中に平
    均1〜4個の(メタ)アクリロイル基を有する請求項1
    に記載の組成物。
  6. 【請求項6】ビニル重合性単量体(C)が、スチレン、
    炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル
    酸アルキルエステル、イソボルニル(メタ)アクリレー
    ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、
    シクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
    テニルオキシエチル(メタ)アクリレート及び(メタ)
    アクリロイルモルホリンより成る群から選ばれる少なく
    とも1種である請求項1に記載の硬化性組成物。
JP8153980A 1996-06-14 1996-06-14 硬化性組成物 Expired - Fee Related JP3035700B2 (ja)

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