JP3035302U - 多目的遠赤外線放射バンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体の所望の部位に簡単な操作によって固定
することができ、遠赤外線放射によって温熱を患部深く
に浸透させ、当該患部の治癒促進乃至健康増進に効果あ
る多目的遠赤外線放射バンドを提供する。 【構成】 ホルダー本体１、遠赤外線放射シート２、簡
易発熱体４及びベルト部材５から構成される。ホルダー
本体１には網目状布８によってポケット部３が形成され
ている。ポケット部３内に遠赤外線放射シート２と簡易
発熱体４を、遠赤外線放射シート２が網目状布８側とな
るようにして入れる。ベルト部材５はホルダー本体１の
パイル布部６に係着し得る雄ファスナー１３を両端に形
成してあり、長手方向長さを異にするものが複数種類用
意されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は人体の所望の部位に固定して遠赤外線放射による温熱を患部に浸透さ せ患部の治癒促進乃至健康増進に役立てるようになした多目的遠赤外線放射バン ドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

遠赤外線放射セラミック体から放射される遠赤外線の人体の患部への浸透作用 及びこの浸透作用と発熱体とを併用することによってもたらされる温熱治療効果 乃至健康増進効果に着目した様々な健康器具がこれまでに開発されてきている。 たとえば、特開平６−３２７７０７号は遠赤外線によって効果ある身体の矯正 ができ、さらに温熱治療も行えるコルセットを提供し、特開平７−９６０４５号 は患者に肉体的苦痛を与えずに癌細胞を死滅させることができ、しかも経済的な 負担の少ない遠赤外線放射セラミックを用いた温熱治療具を提供している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記した従来の遠赤外線放射セラミック体を利用した健康器具 はいずれも取り扱い操作が厄介であったり、人体の所望の箇所に固定することが できず、さらに発熱体からの温熱を直接遠赤外線放射セラミック体に作用させる ことができず治療効果乃至健康増進効果にもある程度の限界があった。

【０００４】 そこで、本考案は人体の所望の部位に簡単な操作によって確実に固定すること ができると共に、簡易発熱体からの温熱を直接遠赤外線放射セラミック体に作用 させることができるようになして、遠赤外線放射による温熱を患部深くに浸透さ せ当該患部の治癒促進乃至健康増進に役立つ多目的遠赤外線放射バンドを提供す ることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するための本考案の構成を詳述すれば、一方の面に雌ファスナ ーとなるパイル布部、他方の面に熱反射シート部がくるようにして両者をその周 縁部において縫着すると共に、熱反射シート部側に網目状布を用いてポケット部 を形成してなるホルダー本体と、このホルダー本体に形成した前記ポケット部内 に着脱自在に挿着する遠赤外線放射セラミック体を配設してなる遠赤外線放射シ ートと、この遠赤外線放射シートと前記熱反射シートとの間に着脱自在に挿着す る簡易発熱体と、前記ホルダー本体のパイル布部に係着し得る雄ファスナーを両 端に形成したベルト部材とからなり、前記遠赤外線放射シートはシート部材に穿 設した取付孔内に遠赤外線放射セラミック体の裏面に形成した突出部を嵌め込み 、当該突出部がシート部材を貫通するようにして前記簡易発熱体に直接接触でき るようになっており、且つ前記ベルト部材は長手方向長さを異にする複数種類の ベルト部材からなっていて、ホルダー本体を取付ける人体の部位に応じて必要長 さのベルト部材を選択し、ベルト部材の両端に形成してある雄ファスナーをホル ダー本体の雌ファスナーとなるパイル布部に係着させてホルダー本体を人体の所 望部位に固定するように構成したことを特徴とする多目的遠赤外線放射バンドで ある。

【０００６】 前記したように、本考案においては遠赤外線放射シートが、シート部材に穿設 した取付孔内に遠赤外線放射セラミック体の裏面に形成した突出部を嵌め込んで 当該突出部がシート部材を貫通するようになっているので、簡易発熱体に遠赤外 線放射セラミック体を直接接触させることができ、該発熱体による温熱を直接遠 赤外線放射セラミック体に伝播させることが可能となり、且つ遠赤外線放射シー トを収納するホルダー本体に形成してあるポケット部が網目状布を用いて構成さ れているため、人体の患部に向け放射される遠赤外線が遮蔽されることがなく、 発熱体による温熱を遠赤外線の浸透作用によって人体の患部深くまで浸透させる ことができ良好な温熱治療を行うことができるものである。

【０００７】 また、ホルダー本体のパイル布部に係着し得る雄ファスナーを両端に形成した ベルト部材は長手方向長さを１０ｃｍ、１５ｃｍ、２０ｃｍ、３０ｃｍ、４０ｃ ｍ、５０ｃｍというようにそれぞれ異にするものを複数種類用意しておくことに よりホルダー本体を取付ける人体の部位に応じて必要長さのベルト部材を選択す ることができ、所望の箇所に確実に装着することができ、前記した温熱治療を遺 憾なく発揮することができるものである。

【０００８】 なお、遠赤外線を効率よく放射する物質についてはこれまでに幾多の研究・開 発がなされ、金属よりもセラミックス材質の方がより多くの遠赤外線を放射する ことが知られるようになってきている。

【０００９】 しかしながら、一概にセラミックスといっても材質的には各種あり、黒体（放 射能力が１００％であるとする仮定上の理想的物質）に近い放射率を示すセラミ ックス製の遠赤外線放射体については未だ開発途上にあるのが実態である。

【００１０】 本考案者による実験の結果、ペタライトと白陶土を主成分として高温にて焼成 処理して得た遠赤外線放射セラミック体が黒体に比較的近い放射率の遠赤外線を 放射することを見出した。また、これ以外のセラミック組成、たとえばジルコニ アと粘土との組合せ、あるいはチタニア、アルミナ等のセラミック材についても 赤外線放射スペクトルを測定した結果、近赤外域は放射率が低いが、波長４μｍ 付近より遠赤外側にかけて放射率が高くなる特性を有することを見出した。

【００１１】 したがって、本考案で用いる遠赤外線放射セラミック体はペタライトと白陶土 を主成分としたもの、あるいはこれらにジルコニアと粘土とを混ぜ合わせたもの や、チタニア、アルミナを配合したもの等が好適に用いられる。

【００１２】 遠赤外線放射セラミック体の組成としてペタライトと白陶土を用いる場合は、 本考案者による実験の結果では、ペタライト７０〜９０重量％に対し、白陶土３ ０〜１０重量％を配合することが必要であり、成形にあたっては両者を混練する ために適量の水を添加すると共に、成形時の潤滑性を向上させるため、場合によ ってはさらに適量の水溶性セルロースエーテルを加え、これらを良く混合してか ら成形型を利用した適宜の成形手段にて裏面に突出部を形成した小型円盤状等適 宜形状の成形物を得る。

【００１３】 次いで、当該成形物を自然乾燥あるいは温風吹き付けによる強制乾燥の後、焼 成窯に入れて１２８０℃程度の高温になるまで徐々に昇温焼成処理する。 １２８０℃程度の焼成温度を１〜２時間維持した後、焼成窯の火を落とし、一 昼夜自然に放置し常温近くまで下がってから窯出しとなる。

【００１４】 遠赤外線放射セラミック体を配設するシート地の材質については特に限定はな いが、柔軟性と耐熱性に優れた木綿製の布帛や不織布等が好適に用いられる。 しかしながら、遠赤外線放射セラミック体を取付けるのに充分な強度を有する と共に、柔軟性及び耐熱性を具える限りにおいて、これ以外の合成樹脂製シート 地や発泡ポリウレタン地のような材質を用いてもよいのは勿論である。

【００１５】 また、ホルダー本体のポケット部内に、遠赤外線放射シートと併せて着脱自在 に収納する簡易発熱体は、２種類の粉粒体を袋の中で区分して収容構成したもの であって、使用時に当該２種類の粉粒体を混合して空気との接触により化学変化 を起こさせ発熱するタイプのものであり、使用する材料及び量目を調節して発熱 温度が４５℃以上となるようにするものである。すなわち、これまでの医学的通 説によれば、癌細胞は熱に弱く４２．５℃程度の温熱を継続的に患部に作用させ ると消滅するといわれており、発熱体によって４５℃程度の温熱を生じさせれば 、遠赤外線放射セラミック体を介する伝播損失分を差し引いて４２．５℃前後の 温熱を患部に作用させることができるからである。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係る多目的遠赤外線放射バンドの具体的構成を図示の実施例に 基づき詳細に説明する。 図１はホルダー本体、遠赤外線放射シート及び簡易発熱体の分離状態斜視図、 図２はベルト部材の一例を示す平面図、図３は本考案多目的遠赤外線放射バンド の一実施例を示す部分拡大断面図である。

【００１７】 図中１はホルダー本体、２はこのホルダー本体１に形成したポケット部３内に 着脱自在に挿着する遠赤外線放射シート、４は簡易発熱体、５はベルト部材をそ れぞれ示す。

【００１８】 先ず、ホルダー本体１は、一方の面が雌ファスナーとなるパイル布部６、他方 の面が熱反射シート部７となるようにして両者６，７をその周縁部において縫着 すると共に、熱反射シート部７側に網目状布８を用いてポケット部３を形成して なるものである。

【００１９】 熱反射シート部７は、たとえばアルミニウム、金、銀、白金のような熱を良好 に反射する物質を含有もしくは付着させた糸を織成して得た布地を用いるように してもよいし、あるいはシート地に前記したような熱反射物質を蒸着させた熱反 射シートを用いるようにしてもよいものである。

【００２０】 遠赤外線放射シート２は、シート部材９に複数個の遠赤外線放射セラミック体 １０を配設してなるもので、図示する実施例においてはシート部材９に穿設した 取付孔１１内に遠赤外線放射セラミック体１０の裏面に形成した突出部１２を嵌 め込み、当該突出部１２の周縁鍔部とシート部材９を接着してシート部材９に遠 赤外線放射セラミック体１０を付設するようにしたものであり、図３に示すよう に遠赤外線放射セラミック体１０の裏面に形成した突出部１２はシート部材９を 貫通するようになっている。

【００２１】 次に、簡易発熱体４は、前記したように適宜材質からなる袋の中に２種類の粉 粒体をそれぞれ区分して密封収容したものであって、使用時に外側から袋体を揉 みほぐして２種類の粉粒体を袋体内で混合し、空気との接触により化学変化を起 こさせ発熱させるようにしたものであり、使用する粉粒体の材質乃至量目を調節 して発熱温度が４５℃以上となるよう設定してある。

【００２２】 この簡易発熱体４は、ホルダー本体１のポケット部３内に、遠赤外線放射シー ト２と併せて収納するものであるが、簡易発熱体４の挿着位置は決められており 、遠赤外線放射シート２と前記熱反射シート部７との間に簡易発熱体４がくるよ うにして収納するものである。 なお、前記したように遠赤外線放射セラミック体１０の突出部１２がシート部 材９に穿設した取付孔１１を貫通しているので、遠赤外線放射セラミック体１０ は直接簡易発熱体４に接触することができ、簡易発熱体４から生ずる温熱は熱損 失なく遠赤外線放射セラミック体１０に伝播される。

【００２３】 ベルト部材５は、図２に示すように前記ホルダー本体１のパイル布部６に係着 し得る雄ファスナー１３を長手方向両端に形成してあり、長手方向長さを異にす るものを複数種類、すなわち図示する実施例では２種類を示しているが、前記し たように１０ｃｍ、１５ｃｍ、２０ｃｍ、３０ｃｍ、４０ｃｍ、５０ｃｍという ように６種類以上のものを用意しておくと便利である。 なお、雄ファスナー１３を付設する面と反対側の面には、特に図示しないがホ ルダー本体１を構成するパイル布部６と同じ材質のものを用いておくと、ベルト 部材５同士を係着させ必要長さの調節を行うことができるようになって使い勝手 が一層良好なものとなる。

【００２４】 その他、図中の１４はホルダー本体１の両端部に形成した通孔であり、この通 孔１４を利用して紐を通し、前記したベルト部材５を使わずに人体の必要箇所に ホルダー本体１を取付けるようにすることもできるものである。１５は遠赤外線 放射シート２をなすシート部材９に穿設した通気孔である。

【００２５】 本考案多目的遠赤外線放射バンドは以上のような構成からなり、使用にあたっ てはホルダー本体１のポケット部３内に、遠赤外線放射シート２と揉みほぐした 簡易発熱体４を、簡易発熱体４が遠赤外線放射シート２と熱反射シート部７との 間にくるようにして共に収納し、装着する人体の部位に応じて必要長さのベルト 部材５を選択してベルト部材５の両端に形成してある雄ファスナー１３，１３を ホルダー本体１の雌ファスナーとなるパイル布部６に係着させるものである。

【００２６】 たとえば、腹部に装着するには比較的長いベルト部材５を用いて、ポケット部 ３が内側となるようにして固定するものであり、足の関節部に装着するには比較 的短いベルト部材５を用いて固定するものである。 このように、本考案によった場合は人体の如何なる部位にも装着することがで き、簡易発熱体４から生ずる温熱を遠赤外線放射シート２から放射される遠赤外 線の浸透作用によって人体の患部にまで浸透させることができ、良好な温熱治療 を行うことが可能となるものである。

【００２７】

【考案の効果】

このように本考案によれば、人体の所望の部位に簡単な操作によって確実に固 定することができ、黒体に比較的近い遠赤外線放射率を示す遠赤外線を簡易発熱 体による温熱と併せて人体の患部に浸透させることができ、当該患部の治癒促進 乃至健康増進に役立つ多目的遠赤外線放射バンドを提供することができるもので ある。

【００２８】 特に、本考案においては遠赤外線放射シートが、シート部材に穿設した取付孔 内に遠赤外線放射セラミック体の裏面に形成した突出部を嵌め込んで当該突出部 がシート部材を貫通するようになっているので、簡易発熱体に遠赤外線放射セラ ミック体を直接接触させることができ、該発熱体による温熱を直接遠赤外線放射 セラミック体に伝播させることが可能になり、ホルダー本体に熱反射シート部を 付設してあることと、遠赤外線放射シートを収納するホルダー本体に形成してあ るポケット部が網目状布を用いて構成されているため、人体の患部に向け放射さ れる遠赤外線が遮蔽されることがなく、簡易発熱体による温熱を遠赤外線の浸透 作用によって人体の患部深くまで浸透させることができるという多大な効果を有 するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ホルダー本体、遠赤外線放射シート及び簡易発
熱体の分離状態斜視図である。

【図２】ベルト部材の一例を示す平面図である。

【図３】本考案多目的遠赤外線放射バンドの一実施例を
示す部分拡大断面図である。

【符号の説明】

１：ホルダー本体 ２：遠赤外線放射
シート ３：ポケット部 ４：簡易発熱体 ５：ベルト部材 ６：パイル布部 ７：熱反射シート部 ８：網目状布 ９：シート部材 １０：遠赤外線放射
セラミック体 １１：取付孔 １２：突出部 １３：雄ファスナー １４：通孔 １５：通気孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の面に雌ファスナーとなるパイル布
   部、他方の面に熱反射シート部がくるようにして両者を
   その周縁部において縫着すると共に、熱反射シート部側
   に網目状布を用いてポケット部を形成してなるホルダー
   本体と、このホルダー本体に形成した前記ポケット部内
   に着脱自在に挿着する遠赤外線放射セラミック体を配設
   してなる遠赤外線放射シートと、この遠赤外線放射シー
   トと前記熱反射シートとの間に着脱自在に挿着する簡易
   発熱体と、前記ホルダー本体のパイル布部に係着し得る
   雄ファスナーを両端に形成したベルト部材とからなり、
   前記遠赤外線放射シートはシート部材に穿設した取付孔
   内に遠赤外線放射セラミック体の裏面に形成した突出部
   を嵌め込み、当該突出部がシート部材を貫通するように
   して前記簡易発熱体に直接接触できるようになってお
   り、且つ前記ベルト部材は長手方向長さを異にする複数
   種類のベルト部材からなっていて、ホルダー本体を取付
   ける人体の部位に応じて必要長さのベルト部材を選択
   し、ベルト部材の両端に形成してある雄ファスナーをホ
   ルダー本体の雌ファスナーとなるパイル布部に係着させ
   てホルダー本体を人体の所望部位に固定するように構成
   したことを特徴とする多目的遠赤外線放射バンド。