JP3035006U - 身体障害者等のためのリフター - Google Patents

身体障害者等のためのリフター

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JP3035006U
JP3035006U JP1996009239U JP923996U JP3035006U JP 3035006 U JP3035006 U JP 3035006U JP 1996009239 U JP1996009239 U JP 1996009239U JP 923996 U JP923996 U JP 923996U JP 3035006 U JP3035006 U JP 3035006U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】移動可能なキャスター付きながら、身体障害者
等が乗り降りする際の昇降基板と床面等との高低差を小
さくし、スロープ板の傾斜角度が小さくかつ短い身体障
害者等のためのリフターの提供。 【解決手段】両側枠体1間に設けた昇降基板2が昇・降
可能で、かつ下部のキャスター5で移動可能とした身体
障害者等のためのリフターにおいて、各キャスター5
を、両側枠体1下部寄り前・後部に設けた支持板6上の
ナット7に、各キャスター5上部のボルト8を螺合さ
せ、操作杆によるボルト8の回動で各キャスター5を昇
・降可能とする。また動力伝達手段にチェーン4を用
い、該チェーン4を、昇降基板2の前部と後部寄りの内
下部を経て、他方の側枠体1の内上部に各端部を各々掛
止し、かつ該各2本のチェーン4の内、各1本のチェー
ン4を、補助動力伝達用として常時は他方のチェーン4
より緩くチェーンホイル10に巻き掛ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、足腰の弱った老人や身体特に足腰に障害を持つ人(以下身体障害者 等という)が、歩いて又は車椅子に乗って段差のある場所へ昇ったり降りたりす る際に、その人を乗せて昇・降することで段差を乗り越えられるようにした、身 体障害者等のためのリフターの改良に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
床面や地面(以下床面等という)から段差のある場所へ上がったり、そこから 降りたりする場合に、健常者なら階段等を利用すれば難なく昇り降りできること でも、身体障害者等にとっては容易ではない。例えば、公共施設でもある公民館 ・市民(区民)会館・体育館・講堂・劇場等においても、多くの建造物は健常者 のことだけを考えた構造で、壇上へは階段が設けられているだけに過ぎない。身 体障害者等が壇上等へ上がる必要が生じたような場合に、多くの人の手を借りて 階段を昇り降りせねばならなかった。
【0003】 その問題を解消するため、身体障害者等のためのリフターが開発されている。 例えば、実用新案登録第3021763号の登録実用新案公報の図3で示されて いる如く、昇降基板(上面板とその下部の基板支承部材とを含む)上に身体障害 者等が乗り込み、該昇降基板を電動・油圧または空圧等の駆動手段と、X形のパ ンタグラフ式・送りネジ式またはピストン式等の動力伝達手段とにより昇降可能 としたものである。
【0004】 ところでこの種のリフターは、人と車椅子を乗せて昇降するもので、かなりの 大きさで嵩張るものであるから、使用しない場合もこれを壇上への階段近くに常 時設置しておくことは邪魔になる。また、昇降機構の内蔵でかなり重量があるか ら、別の場所へ移動して収納させるためにかなりの力を要する。そのため、下部 四隅にキャスターを設けて移動式としておくことが望ましい。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このリフターの下部にキャスターを設けて移動式とした場合、 床面等上に多少の凹凸が有ってもスムーズに移動ができるようにするためには、 床面等とリフターの下端面との間隔(最低地上高)を、通常は30mm程度有る ようにしておく必要がある。
【0006】 そのため、昇降基板を最下位置へ下降させた際に、その下端面がリフターの下 端面と同じ位置まで下降できるとしても、身体障害者等が該リフターを利用すべ く昇降基板上に乗り込む場合には、上記30mmと昇降基板の厚みを加えただけ の段差を乗り越えねばならない。例えば昇降基板の厚みを40mmとすると、身 体障害者等は約70mmの段差を乗り越えないと昇降基板上へ乗り込めない。
【0007】 この約70mmの段差は、昇降基板から床面等へ向けたスロープ板の傾斜角度 を大きくするので、身体障害者等が歩いてまたは車椅子で昇降基板上へ乗り込む のはかなりの負担となる。また傾斜角度を小さくするとスロープ板が長くなるの で、それを使用しない場合に足や車椅子を引っかけて邪魔になる、等の問題点が 生じる。
【0008】 本考案は、上記従来の身体障害者等のためのリフターがもつ問題点の解消を課 題としたものである。即ち本考案の目的は、使用時以外は別の場所に収納し、使 用時に必要場所へ設置可能とするキャスター付きの移動式でありながら、昇降基 板上への高さを小さくして、スロープ板が短くかつ傾斜角度も緩くでき、身体障 害者等が乗り降りし易いリフターを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
A 本考案に係る身体障害者等のためのリフターの第1は、 対向状に立設した両側枠体1間に設けた昇降基板2を、駆動手段3と動力伝達 手段4により昇・降可能とし、かつ両側枠体1下部に設けたキャスター5で移動 可能とした身体障害者等のためのリフターにおいて、 上記各キャスター5は、両側枠体1下部寄り前・後部の支持板6にナット7を 各々固着し、各キャスター5上部のボルト8を各ナット7に螺合させ、操作杆に よるボルト8の回動で該各キャスター5を昇・降可能としてなるものである。
【0010】 B 本考案に係る身体障害者等のためのリフターの第2は、
【請求項2】対向状に立設した両側枠体1間に設けた昇降基板2を、駆動手段 3と動力伝達手段4により昇・降可能とし、かつ両側枠体1下部に設けたキャス ター5で移動可能とした身体障害者等のためのリフターにおいて、 上記各キャスター5は、両側枠体1下部寄り前・後部の支持板6にナット7を 各々固着し、各キャスター5上部のボルト8を各ナット7に螺合させ、操作杆に よるボルト8の回動で該各キャター5を昇・降可能とし 一方の側枠体1内上部に設けた駆動軸9の前部と後部寄りに、各々2個のチェ ーンホイル10を軸装し、該各ホイル10に各々巻き掛けた動力伝達手段として の各チェーン4を、昇降基板2の前部と後部寄りの内下部を経て、他方の側枠体 1の内上部に各端部を各々掛止し、 かつ、上記駆動軸9前部と後部寄りの各2本のチェーン4の内、各1本のチェ ーン4を、補助動力伝達用として常時は他方のチェーン4より緩くチェーンホイ ル10に巻き掛けてなるものである。
【0011】
【考案の実施の形態】
上記構成のリフターの構成において、両側枠体1は正面から見て両側に対向状 に立設してあり、身体障害者等が乗り込む昇降基板2は該両側枠体1間で昇降可 能となっている。該両側枠体1下部の前部と後部寄りに、各々キャスター5を備 えてある。
【0012】 各キャスター5は、市販のものと同様に、各車輪の横軸を断面コ字形金具で軸 支し、かつ縦軸の回りに転向可能としたものであるが、該各キャスター5の上部 には垂直状に長めのボルト8を立設してある。なお各ボルト頭部11には、上方 から操作杆(図示略)の先端を係合可能な凹凸部を有する。
【0013】 上記キャスター5を両側枠体1に取り付けるには、両側枠体1の前・後各下部 に水平状に設けた支持板6にナット7を固着し、該ナット7に上記ボルト8を螺 合させてある。
【0014】 昇降基板2は、上面板2aとその下部の基板支承部材2bとからなり、身体障 害者等が車椅子に座った状態でも乗り込める強度と面積を有して、両側枠体1間 で水平状を維持しながら、駆動手段と動力伝達手段とにより昇・降可能としてあ る。
【0015】 昇降基板2を昇・降させる駆動手段としては、例えば電動モータを用い、また 動力伝達手段としては、駆動軸9に軸装のチェーンホイル10で巻き上げられる チェーン4を用いるのが望ましい。
【0016】 上記チェーン4は、片方の側枠体1の内上部で、駆動軸9の前部と後部寄り設 けた各2個のチェーンホイル10に巻き掛けてあるが、昇降基板2の内下部を通 して、他端部を他方の側枠体1の内上部の前・後部寄りに各々掛止してある。
【0017】 上記本考案に係るリフターの第2のものでは、動力伝達手段としてのチェーン 4は,駆動軸9の前部と後部寄りの各2個のチェーンホイル10に巻き掛けてあ る。その各2本のチェーン4の内、各1本のチェーン4は常時荷重を受けるよう に各チェーンホイル10に巻き掛けてあるが、他の各1本のチェーン4を動力伝 達補助用として、常時は荷重がかからず他が切断した際にのみ荷重がかかるよう に、他方のチェーン4より緩めに巻き掛けてある。
【0018】 チェーン4をホイル10に緩めに巻き掛けるには、チェーン4自体に長短を持 たせてもよいし、チェーン4の他端部を掛止する掛止金具17(例えばチェーン ボルト)の長短や、該金具の取付け状態の調節、或いは他端部を側枠体1内で掛 止する位置に高低差を付ける等で行ってもよい。
【0019】 図において、12はチェーンホイルを示し、昇降基板1の両側の前部と後部寄 りに各々設けてあり、昇降基板1の内下部を通過する各チェーン4と噛合可能と させて、チェーン4を巻き上げ移動時に該チェーンホイル12を介して昇降基板 1が昇・降可能としてある。
【0020】 13,14は、前部・後部の各スロープ板を示し、身体障害者等が昇降基板2 へ乗り降りする際に、前方・後方へ倒し傾斜状としてなるように設けてある。
【0021】 上記本考案に係る身体障害者等のためのリフターの使用状態・作用は、次の如 くである。 本リフターは、例えば身体障害者等が床面等15から劇場の舞台上の如く高低 差のある場所へ昇り降りするような場合に使用する。不使用時には邪魔にならぬ 別の場所に載置してあるので、使用しようとする際にキャスター5よりそこから 移動させて来る。
【0022】 本考案での各キャスター5は、リフターを移動しない場合には床面等15から 上昇させてあり、床面等15にはリフターの下端面即ち両側枠体1の下端面が当 接した状態にある。そこで、各キャスター5上部の各ボルト8を、その頭部11 に操作杆を差し入れて、各ナット7に螺合された各ボルト8が下降する方向(通 常のネジでは右方向)へ回動させる。
【0023】 各ボルト8の下降で下部の各キャスター5が床面等15へ当接するが、さらに 各ボルト8を回動させることで、各キャスター5が各支持板6を介してリフター を床面等15から持ち上げる。これでリフターは、各キャスター5により移動が 容易となるから、床面等15上を舞台等の横まで押して移動させる。
【0024】 次いで操作杆により、各ボルト8が上昇する方向(通常のネジでは左方向)へ 回動させると、各キャスター5が上昇してくるので床面等15から離れ、リフタ ー下端面(両側枠体1の下端面)が床面等15へ着いて載置される。これで、該 リフターは位置ズレが無くなり安定するので、床面等15へ下ろした前部スロー プ板13から、身体障害者等が歩いて又は車椅子で昇降基板1上へ乗り込めばよ い。
【0025】 操作スイッチ(図示略)の操作で電動モータ3を回転させると、片側の側枠体 1内上部の駆動軸9が回転し、前部と後部寄りの各2個のチェーンホイル10に 巻き掛けられた各チェーン4が巻き上げられる。この際に、前部・後部のスロー プ板13,14は、昇降基板2の上昇の邪魔にならぬように上方へ起こした状態 にしておく。
【0026】 上記各チェーン4は、昇降基板2の内下部を通って、他端部が他側の側枠体1 の内上部に掛止してある。そのため、各チェーン4が巻き上げられるに伴い、昇 降基板2両側の前部・後部寄りに設けた各チェーンホイル12を介して、該昇降 基板2が徐々に引き上げられることになる。該昇降基板2が舞台等より僅かに高 くなった際に電動モータ3を停止させれば、付設したモータブレーキ(図示略) により空転が防止されて、昇降基板2はその位置が維持される。後部スロープ板 14を舞台等の上面へ下ろし、該後部スロープ板14から身体障害者等が舞台等 へ移ればよい。
【0027】 その後、身体障害者等が舞台等から床面等15へ下りる場合には、上昇位置に ある昇降基板2に後部スロープ板13から乗り込み、操作スイッチにより電動モ ータ3を今度は逆回転させる。駆動軸9・各チェーンホイル10が逆回転し、巻 き上げられていた各チェーン4が下降するから、それに伴い昇降基板2も徐々に 下降する。その際に前部・後部の各スロープ板13,14は邪魔にならぬように 上方へ立てかけてある。該昇降基板2が最下位置まで下降した後、前部スロープ 板13を前方へ倒し、そこから身体障害者等が床面等15へ移ればよい。
【0028】 リフターの使用終了後は、操作杆により各キャスター5上部の各ボルト8を回 動して下降させ、各キャスター5が床面等15へ当接しリフターを持ち上げた状 態にする。これでリフターの移動が容易となるから、所定の置き場所へ移動させ た後、各ボルト8を回動させ各キャスター5を上昇させて、リフターの下端面が 床面等15に着いた安定状態で載置しておけばよい。
【0029】 上記の使用状態時において、本考案に係るリフターでは、両側枠体1の前・後 下部に設けた各キャスター5を昇・降可能としてある。また動力伝達手段として チェーン4を用いているため、身体障害者等はこのリフターを使用し易くなって いる。
【0030】 即ち、一般に下部にキャスターを設けてリフターを移動させるには、床面等の 凹凸に対応するため、リフターの下端面から床面等への最低地上高が、通常は3 0mm程度が必要である。昇降基板自体の厚みを例えば40mmとすると、床面 等から昇降基板上面までの高低差は、上記最低地上高と昇降基板の厚みとの和で ある70mm程度になる。この段差では、スロープ板を設けても傾斜角度が大き く、身体障害者等が昇降基板へ乗り降りするのはかなりの負担になるし、また傾 斜角度を小さくするにはスロープ板が長くなってしまい、それにつまずくことが ある等で邪魔になった。
【0031】 しかし本考案のリフターでは、各キャスター5を昇・降可能としてあるので、 リフターを移動時には各キャスター5を下降させて用いるが、該リフターを舞台 等の如く段差のある場所へ移動後は、各キャスター5を上昇させてリフターの下 端面を床面等15へ着いた状態にする。そのため、床面等15から昇降基板2上 面への高さは、殆ど該昇降基板2自体の厚み分だけとなり、上記の例では40m m程度となる。これで、各スロープ板13,14は傾斜角度を小さくでき、身体 障害者等が昇降基板2へ乗り降りし易くなるし、またスロープ板13,14を短 くすることもできる。
【0032】 また、この種のリフターで昇降基板を昇降させる手段としては、従来公知の油 圧または空圧のピストン式、X形のパンタグラフ式、送りネジ式等もあるが、こ れらはリフター下部または昇降基板の内下部にそれらの付属部材が付設されてい る(例えば実開平7−315737号公報、第3021763号の登録実用新案 公報参照)。そのため、昇降基板を最も下降させても下部の付属部材等が床面等 に当たり、昇降基板は床面等から離れた位置にあるし、また昇降基板自体の厚み も大きくなってくる。これでは、キャスターを昇降式とし、かつキャスターが上 昇した状態でも、床面等から該昇降基板上面への高低差は大きいままである。
【0033】 しかし本考案のリフターでは、動力伝達手段としてチェーン4を用い、リフタ ー下部には特別に何も付設する必要がないし、また昇降基板2の内下部はチェー ン4が移動するスペースがあればよく、両側に該チェーン4が噛合するチェーン ホイル12を設けるだけでよい。そのため、昇降基板2は床面等15にほぼ着く 状態まで下降させられるし、また該昇降基板2自体も厚みの薄いものになってい る。この点からも、床面等15と最下降位置での昇降基板2上面との高低差は、 殆ど昇降基板2自体の厚み分となるので、各スロープ板13,14の傾斜角度を 小さくでき、身体障害者等が昇降基板2上へ乗り降りし易くなるし、またスロー プ板13,14を短くすることもできる。
【0034】 さらに、動力伝達手段には一般に、その故障時に備えて補助機構を設けておく 必要があるが、油圧または空圧のピストン式、X形のパンタグラフ式、送りネジ 式その他のものでは、それを2重に設けては、機構が大型化・複雑化・コスト高 になる。
【0035】 しかし本考案のリフターでは、動力伝達手段として上記の如くチェーン4を用 いており、駆動軸9の前部・後部の各2個のチェーンホイル10に巻き掛けた各 2本のチェーン4の内、各1本のチェーン4を補助動力伝達用として常時は他方 のチェーン4より緩くチェーンホイル10に巻き掛けてある。
【0036】 そのため、昇降基板2の自重や乗っている人による荷重は、常時は昇降基板2 の前部・後部寄りに設けた各2本のチェーン4の内、チェーンホイル10に普通 に巻き掛けられている他の各1本のチェーン4が受けており、この各1本のチェ ーン4が昇降基板2を昇・降させている。その際、上記補助動力伝達手段として の各1本のチェーン4は、同じくチェーンホイル10により巻き上げられて移動 しているが、昇降基板2等の荷重は受けていない。
【0037】 いま仮に、昇降基板2等の荷重を受けて昇・降させているチェーン4が切断し た場合は、それに代わって直ちに、それまで緩くチェーンホイル10に巻き掛け られ、荷重を受けていなかった他の各1本のチェーン4が荷重を受けることにな る。そしてそのまま昇降基板2の昇・降作動を続けることになる。
【0038】 したがって、本考案に係るリフターは、動力伝達補助機構を備えながら、上記 の如く最下位置での該昇降基板2は床面等15に着いた状態になり、かつ昇降基 板2自体の厚みも薄いままであり、この面からも各スロープ板13,14の傾斜 角度を小さくして、身体障害者等が昇降基板2へ乗り降りし易く、また各スロー プ板13,14を短くしている。
【0039】
【実施例】
図1ないし図7は、本考案に係る身体障害者等のリフターの実施例を示すもの である。両側枠体1は、両側部に対称状に立設してあり、その間で昇降基板2を 昇降可能とするものであるが、該両側枠体1は角形パイプ16またはL形材で平 面図が四角形となる基台を形成して、その両側部に立設してある。後記の如く、 駆動モータ3や動力伝達手段4等の殆どが内装され、側板で覆われている。
【0040】 上記両側枠体1の片方(正面から見て右方)の側枠体1内の上部寄りに、駆動 手段としての電動動モータ3を設けてある。また動力伝達手段としては、該モー タ3により回転する駆動軸9を前後方向に軸支して、該駆動軸9の前部寄りと後 部寄りに各2個のチェーンホイル10を隣接して軸装してある。また該側枠体1 内には、図示は省略するが昇降基板2の水平バランスを維持するバランスチェー ン、モータブレーキ、制御盤等も内蔵してある。
【0041】 他方(正面からみて左方)の側枠体1の内上部には、動力伝達手段としての各 チェーン4の一端部を、掛止金具17にて掛止してある。
【0042】 昇降基板2は、上記の如く両側部を両側枠体1間で、ガイドされ水平状を維持 しながら昇・降可能に設けてある。該昇降基板2の内下部は各チェーン4が通過 可能なスペースを有し、かつ両側部で前部と後部寄りに、各2個のチェーンホイ ル12を隣接して設けてある。
【0043】 ここでの該昇降基板2は、上面板2a下部を基板支承部材2bで受けており、 昇降基板2が最下降位置では、該基板支承部材2bが上記角形パイプ16で形成 した四角形の基台の内側へ入り込み、上面板2aだけが基台上にくるようになっ ている。
【0044】 動力伝達手段としては、上記の如くチェーン4を用いているが、このチェーン 4は、上記の如く片方の側枠体1の内上部寄りでは、そこに軸支の駆動軸9の前 部寄りと後部寄りに隣接して軸装した各2個のチェーンホイル10に、各々巻き 掛けてある。
【0045】 また該各チェーン4は、その側の側枠体1からチェーンホイル12を介して昇 降基板2の内下部を通り、かつチェーンホイル12を経て他方の側枠体1の内上 部へ向かって伸び、各端部を上部寄りに設けた横板に掛止金具17にて各々掛止 させてある。
【0046】 これで、電動モータ1の回転により駆動軸9の各チェーンホイル10が回転し て、各チェーン4が巻き上げられた際に、各チェーン4を両側の各チェーンホイ ル12を介して受けた昇降基板2が引き上げられて上昇する。また電動モータ3 の逆回転で各チェーン4が下降する際に、両側の各チェーンホイル12を介して 昇降基板2は下降するようになっている。
【0047】 リフターの下部、詳細には両側枠体1下部寄りの前部と後部に、各々キャスタ ー5を設けてある。該各キャスター5は、市販のものと同様に、各車輪の横軸を 断面コ字形金具で軸支し、かつ縦軸を設けてその回りに転向可能としたものであ るが、ここでは縦軸として垂直状に長いボルト8を各々立設して、該各ボルト8 の頭部11に操作杆を係合可能な凹凸部を形成してある。
【0048】 上記各キャスター5は、両側枠体1の下部寄りの前部と後部に、水平状の支持 板6を各々突設して、該支持板6に形成した孔部に各々ナット7を固着し、該各 ナット7に上記各ボルト8を螺合させてある。これで、ボルト8を回動させるこ とにより、各キャスター5が昇・降可能となっている。
【0049】 なお、各ボルト8の頭部11寄り位置には、該各ボルト8を回動して下降させ て、各キャスター5でリフターを持ち上げる時に、その際の各ボルト8の下降位 置が揃うように、上記各ナット7上面と当接するキャスター位置決めナット18 を各々螺装してある。
【0050】 また、動力伝達手段としての各チェーン4は、片方の側枠体1の内上部で駆動 軸9の前部・後部寄りの各チェーンホイル10に巻き掛けられた各2本のチェー ン4の内、各一本は通常のチェーンとして昇降基板2等の荷重を受けて、各チェ ーンホイル10の回動で昇降基板2を昇・降可能としてある。
【0051】 そして他方の各一本のチェーン4は、同様にチェーンホイル10に巻き掛けら れているが、常時は荷重がかからぬ程度に緩くチェーンホイル10に巻きかけて ある。そのためにここでは、全長が上記の各1本のチェーン4よりもやや長めに して、他端部を他方の側枠体1の内上部に掛止させてある。
【0052】 図において、13は前部スロープ板を、また14は後部スロープ板を示し、そ れをスロープとして使用時には前・後方へ倒して水平状にでき、また昇降基板2 が昇・降時には邪魔にならぬように各々上方へ起こせるようにしてある。上方へ 起こした際の各スロープ板13,14は、その状態で一時的に掛止されるように して、昇降基板2の前部・後部の安全柵を兼ねさせることが望ましい。なお、上 方へ起こした状態時に、前部のスロープ板13が前方へ、後部のスロープ板14 が後方へ傾斜状になるようにしておけば、スロープとして使用時に水平状へ戻し 易くなる。
【0053】 19は、昇降基板2の両側の安全柵を示し、昇降基板2両側に立設してある。 20はキャスターの保護カバーを示し、各キャスター5を覆う如く両側枠1下部 寄りの前部と後部に取り付けてあり、上部に形成に孔部21を形成して、そこか ら差し入れた操作杆がボルト頭部11へ係合可能としてある。
【0054】
【考案の効果】
以上で明らかな如く、本考案に係る身体障害者等のためのリフターは、必要に 応じて移動できるキャスター付きでありながら、身体障害者等が乗り降りする際 の昇降基板と床面等との高低さを小さくして、スロープ板の傾斜角度が小さくか つ短いものにでき、身体障害者等がきわめて使用し易いものにできる。
【0055】 a)従来のこの種のリフターでは、たとえ下部にキャスターを設けて移動式と したものでも、床面等の凹凸に対応するためリフターの最下端面から床面等への 最低地上高がかなりのものとなり、それに昇降基板自体の厚みを加えると、床面 等から昇降基板上面までの高低差は例えば70mm程度となり、この段差ではス ロープ板を設けても傾斜角度が大きくなり、身体障害者等が昇降基板上へ乗り降 りするにはかなりの負担であり、スロープ板が長くなって嵩張ってしまう。
【0056】 これに対して本考案に係るリフターでは、各キャスターを昇降可能としてある ために、各キャスターを下降させてリフターを使用する場所へ移動した後は、各 キャスターを上昇させリフターの下端部が床面等へ着いた状態にして使用する。 この状態では、床面等から昇降基板上面への高さが殆ど昇降基板自体の厚み分だ けで、床面等との高低差が小さくなっているから、スロープ板の傾斜角度を小さ くかつ短くできる。即ち、身体障害者等がこのリフターを利用すべく昇降基板上 へ乗り降りする際には、昇降基板上への高低差が小さく、スロープ板は傾斜角度 が小さくかつ短くなっているので、身体障害者等にとってもきわめて利用し易い ものになる。
【0057】 b)従来のこの種のリフターで、その昇降手段を従来公知の油圧または空圧の ピストン式、X形のパンタグラフ式、送りネジ式等としたものでは、リフター下 部または昇降基板の内下部にそれらの付属部材が付設され、昇降基板は最下位置 でも床面等から高くなるし、昇降基板自体の厚みも大きい。これでは、仮にキャ スターを昇降式として、該キャスターを上昇させた状態でも、床面等から昇降基 板上面への高低差は大きいままであり、身体障害者等がスロープ板から昇降基板 上へ乗り降りするのは負担が大きく、かつスロープ板も長くて嵩張る。
【0058】 これに対して本考案に係るリフターでは、昇降手段の内の動力伝達手段として チェーンを用い、昇降基板の内下部を通して巻き上げ可能としている。そのため リフター下部に付属部材を設ける必要がなく、昇降基板自体も薄いものにできる から、最下位置での昇降基板は床面等にほぼ着いた状態であり、また床面等から 該昇降基板上面への高低差も小さくなる。したがって、この面でもスロープ板は 傾斜角度を小さくかつ短くできるので、身体障害者等が昇降基板へ乗り降りする ことが容易となる。
【0059】 c)従来のこの種のリフターでは、動力伝達手段の故障に備えて補助機構や安 全機構を設ける場合、油圧または空圧のピストン式、X形のパンタグラフ式、ま たは送りネジ式等のものを重複して設けては、機構が大型化・複雑化・コスト高 になる。
【0060】 これに対して本考案に係るリフターの第2のものでは、動力伝達手段としてチ ェーンを用い、駆動軸の前部・後部寄りに設けた各2個のチェーンホイルに隣接 して設けた各2本のチェーンの内、各1本のチェーンを他の各1本のものより僅 かに長めとしてある。そのため、常時は上記各2本のチェーンの内の短めの各1 本のチェーンが荷重を受け、チェーンホイルの回動により昇降基板を昇・降させ ており、もしそのチェーンが切断すると、それに代わって直ちに上記長めの各1 本のチェーンが荷重を受けて、このチェーンがチェーンホイルの回動により昇降 基板の昇・降を継続させる。
【0061】 このように本考案に係るリフターは、シンプルな構成の補助機構と安全機構を 具備する動力伝達手段を有しながら、床面等から昇降基板上面への段差は小さい ままで変わらず、スロープ板の傾斜角度も小さくかつ短く維持することができ、 身体障害者等にはきわめて利用し易いものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る身体障害者等のためのリフターの
実施例を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】図1で示した実施例で、昇降基板が最下降位置
にある際の斜視図である。
【図3】図1で示した実施例で、昇降基板が上方位置に
ある際の斜視図である。
【図4】図1で示した実施例で、キャスターを下降させ
た際の状態を示す一部の切り欠き側面図である。
【図5】図1で示した実施例で、キャスターを上昇させ
た状態を示す一部の切り欠き側面図である。
【図6】図1で示した実施例で、昇降基板が最下降位置
にある際の縦断正面図である。
【図7】図1で示した実施例で、昇降基板が上方位置に
ある際の縦断正面図である。
【符号の説明】
1−側枠体 11−ボルト頭部 2−昇降基板 12−チェーンホイル 2a−上板 13−スロープ板 3−駆動手段,電動モータ 14−スロープ板 4−動力伝達手段,チェーン 15−床面等 5−キャスター 16−角形パイプ 6−支持板 17−掛止金具 7−ナット 18−位置決めナット 8−ボルト 19−安全柵 9−駆動軸 20−保護カバー 10−チェーンホイル 21−孔部

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向状に立設した両側枠体1間に設けた昇
    降基板2を、駆動手段3と動力伝達手段4により昇・降
    可能とし、かつ両側枠体1下部に設けたキャスター5で
    移動可能とした身体障害者等のためのリフターにおい
    て、 上記各キャスター5は、両側枠体1下部寄り前・後部の
    支持板6にナット7を各々固着し、各キャスター5上部
    のボルト8を各ナット7に螺合させ、操作杆によるボル
    ト8の回動で該各キャター5を昇・降可能としてなる、
    身体障害者等のためのリフター。
  2. 【請求項2】対向状に立設した両側枠体1間に設けた昇
    降基板2を、駆動手段3と動力伝達手段4により昇・降
    可能とし、かつ両側枠体1下部に設けたキャスター5で
    移動可能とした身体障害者等のためのリフターにおい
    て、 上記各キャスター5は、両側枠体1下部寄り前・後部の
    支持板6にナット7を各々固着し、各キャスター5上部
    のボルト8を各ナット7に螺合させ、操作杆によるボル
    ト8の回動で該各キャター5を昇・降可能とし一方の側
    枠体1内上部に設けた駆動軸9の前部と後部寄りに、各
    々2個のチェーンホイル10を軸装し、該各ホイル10
    に各々巻き掛けた動力伝達手段としての各チェーン4
    を、昇降基板2の前部と後部寄りの内下部を経て、他方
    の側枠体1の内上部に各端部を各々掛止し、 かつ、上記駆動軸9前部と後部寄りの各2本のチェーン
    4の内、各1本のチェーン4を、補助動力伝達用として
    常時は他方のチェーン4より緩くチェーンホイル10に
    巻き掛けてなる、身体障害者等のためのリフター。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230161737A (ko) * 2022-05-19 2023-11-28 이영돈 엘리베이터용 바닥 처짐 방지 장치

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