JP3034101U - 回転刃及び回転工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】所望の外径のものを短期間に作成する事ができ
る回転刃および回転工具。 【解決手段】板厚が０．２〜０．５ｍｍの帯状金属を用
いて作成した帯状刃が所望の直径の円筒に曲げられてな
る回転刃で、円筒の下端には波刃が形成され、波刃に近
接した波刃の上方には多数の空孔が等間隔に下端と平行
に配されてなる透し孔列が形成され、波刃と透し孔列に
は切削用砥粒が固着されている回転刃。波刃の波は波長
が１〜３ｍｍで振幅が０．２〜１ｍｍとすることができ
る。また円筒に凹を形成する波の中央に０．１〜０．２
ｍｍの突起を形成することができる。波刃はシャフトの
回転刃とりつけ部と環状のしめつけ具で挾みつけてシャ
フトに取りつけることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えば溝を刻設する際に用いる回転刃および回転工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

溝を刻設する装置としてはミリングが知られている。ミリングにおいて、直径 が刻設する溝の溝幅に等しい回転刃を用いると、均一な溝幅を有する溝を能率よ く刻設することができる。しかしこの方法では、溝幅が異なる溝を刻設する際に は、それぞれの溝の溝幅に見合った直径の多数の回転刃が必要となる。従って回 転刃の常備数が増加し工具の管理が煩瑣となる。直径が刻設する溝の溝幅よりも 小さい回転刃を用いる事も考えられるが、この場合は溝幅が不均一になり易く、 また刻設する能率が低いという問題点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

溝加工を受注した後で回転刃を調達する事も考えられる。しかし特注サイズの 回転刃は調達に期間がかゝるため受注品の納期遅れとなり易い。また従来の回転 刃は摩耗すると再生が難しいために工具コストが高い。

【０００４】 本考案は、短時間で容易に且つ安価に、所望の直径のものが得られる回転刃と 、その回転刃を装着した回転工具の提供を課題としている。

【０００５】 即ち本考案では、所望の直径のものが短時間で容易に得られる。従って常備し ていなくても直径が刻設する溝の溝幅に等しい回転刃を常に用いる事ができる。 また受注後の調達も迅速に行うことができるため、受注品の納期遅れを発生させ る事がない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

図１は本考案の回転刃の説明図で、（Ａ）は回転刃１の斜視図、（Ｂ）は帯状 刃２の説明図である。本考案の回転刃１は帯状刃２が所望の直径の円筒に曲げら れて形成されている。また帯状刃２は、板厚が０．２〜０．５ｍｍの金属帯板３ を用いて作成されている。回転刃１の円筒の下端には全周に亘って波刃４が形成 され、波刃４に近接した波刃の上方には多数の空孔５が等間隔に円筒の下端と平 行に配されてなる透し孔列６（６−１，６−２）が一列あるいは複数列形成され 、波刃４と透し孔列６には切削用砥粒７が静電蒸着法で固着されている。この回 転刃１は円筒軸を回転軸として回転させて用いる。

【０００７】 また本考案は（２）波刃の波の波長Ｌが１〜３ｍｍで振幅Ｗが０．１〜１ｍｍ の波である前記（１）に記載の回転刃であり、また（３）波刃の波が、円筒に凹 を形成する波８のそれぞれの中央に突出高さが０．１〜０．２ｍｍの突起９を有 する、前記（１）または（２）に記載の回転刃である。

【０００８】 図２は本考案の回転工具の説明図である。即ち本考案はまた（４）シャフト１ ０の下部の円柱状の回転刃取りつけ部１１が回転刃１の円筒の上部の内面に挿入 され、回転刃１の円筒の該上部の外面には環状のしめつけ具１２が配され、回転 刃１の円筒の上部が回転刃取りつけ部１１としめつけ具１２で挾みつけられてシ ャフト１０に取りつけられている事を特徴とする、前記（１）または（２）また は（３）に記載の回転刃を有する回転工具である。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の帯状刃の作成には板厚が０．２〜０．５ｍｍの例えばステンレス鋼や ばね鋼等の帯状金属を用いる。板厚が０．２ｍｍ未満では剛性が不十分で帯状刃 を形成し難い。また０．５ｍｍ超では、直径が小さい回転刃を作成する際に小さ い直径の円筒に曲げ難い。

【００１０】 本考案の回転刃は円筒の下端に波刃が形成されているが、この波刃の波の形状 は円滑な曲線で形成された波形状でもよいし、凸台形と凹台形とが連結されてな る波形状であってもよい。

【００１１】 本考案の回転刃には、一列あるいは複数列の透し孔列６−１，６−２が形成さ れている。この透し孔列は切削に際して切粉の排出路となる。また図１（Ｂ）で 波刃４が損耗した際に（ハ−ハ）よりも先を除去すると、図３に示す如く、すか し孔列６−１が新たな波刃を形成する。これ等のためにすかし孔列の空孔は等間 隔にかつ下端と平行に配する。本考案ではすかし孔列の空孔は円形に形成する。 空孔が四角形あるいは６角形等の角形の場合は、帯状刃を小さい直径の円筒に曲 げた際に、すかし孔列に該当する位置の外周に凹凸が発生し易い。

【００１２】 本考案の回転刃においては、波刃と透し孔列の内面及び外面には切削用砥粒が 静電蒸着法で固着されている。従って波刃の先端と内面及び外面とで溝を刻設す る。

【００１３】 本考案者等の知見によると、波長が１〜３ｍｍで振幅が０．２〜１ｍｍの波の 波刃にすると、加工対象物が硬質材の場合にも滑らかな仕上面を得る事ができる 。

【００１４】 本考案の回転刃においては、円筒に凹を形成する波のそれぞれの中央に突出高 さが０．１〜０．２ｍｍの突起を形成することができる。本考案者等の知見によ ると、この突起には、他部よりも厚く切削用砥粒が固着され、従来よりも深い溝 の切り込みが可能となる。切削用砥粒が突起に厚く固着される理由は詳かではな いが、静電蒸着法を行った際に突起部の静電価が大きくなるためと想考される。

【００１５】 本考案では、帯状刃を在庫するが、回転刃や回転工具の在庫の必要はない。溝 の刻設加工を行う際には、帯状刃を所望の長さに切断し、これを直径が刻設する 溝の溝幅に等しい円筒に曲げて回転刃を作成する。この切断と曲げは、短時間で 簡易に行う事ができる。またこの回転刃は例えば図２で述べたシャフト１０に強 固に取りつける事ができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によると、所望の直径の回転刃と所望の直径の回転刃を配した回転工具 が短時間で容易に且つ安価に得られる。このため、常に均一な溝幅を有する溝を 能率よく刻設する事ができる。また本考案によると直径が異なる多数の回転刃を 常備する必要がないため工具の管理が容易であり、工具コストも安い。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案の回転刃の説明図。

【図２】本考案の回転工具の説明図。

【図３】は本考案の透し孔列の作用を説明する図。

【符号の説明】

１：回転刃、 ２：帯状刃、 ３：帯状金属、 ４：波
刃、 ５：空孔、６−１（６−２）：透し孔列、 ７：
切削用砥粒、 ８：円筒に凹を形成する波、 ９：突
起、 １０：シャフト、 １１：回転刃取りつけ部、
１２：環状のしめつけ具。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板厚が０．２〜０．５ｍｍの帯状金属を用
   いて作成した帯状刃が所望の直径の円筒に曲げられてな
   る回転刃であって、該円筒の下端には全周に亘って波刃
   が形成され、波刃に近接した波刃の上方には多数の円形
   の空孔が等間隔に下端と平行に配されてなる透し孔列が
   一列あるいは複数列形成され、波刃と透し孔列には切削
   用砥粒が静電蒸着法で固着されている事を特徴とする円
   筒軸を回転軸として回転させて用いる回転刃。
2. 【請求項２】波刃の波が、波長が１〜３ｍｍで振幅が
   ０．２〜１ｍｍの波である、請求項１に記載の回転刃。
3. 【請求項３】波刃の波が、円筒に凹を形成する波のそれ
   ぞれの中央に突出高さが０．１〜０．２ｍｍの突起を有
   する波である、請求項１または２記載の回転刃。
4. 【請求項４】シャフトの下部の円柱状の回転刃取りつけ
   部が回転刃の円筒の上部の内面に挿入され、回転刃の円
   筒の該上部の外面には環状のしめつけ具が配されて、回
   転刃の円筒の上部が回転刃取りつけ部としめつけ具で挾
   みつけられてシャフトに取りつけられている事を特徴と
   する、請求項１または２または３に記載の回転刃を有す
   る回転工具。