JP3033404B2 - 回折格子パターンを有するディスプレイ - Google Patents

回折格子パターンを有するディスプレイ

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JP3033404B2
JP3033404B2 JP5239916A JP23991693A JP3033404B2 JP 3033404 B2 JP3033404 B2 JP 3033404B2 JP 5239916 A JP5239916 A JP 5239916A JP 23991693 A JP23991693 A JP 23991693A JP 3033404 B2 JP3033404 B2 JP 3033404B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面状の基板の表面
に、微小な回折格子(グレーティング)からなるセルを
複数個配設することにより形成されるディスプレイに係
り、特に観察時の明るさが極めて明るく、また中間色を
含めて表現可能な色の範囲が広く、さらに微妙な色の違
いも表現できると共に、電子線露光装置等の2値デバイ
スを用いても階調表現が簡便に実現でき、しかも複製工
程においても成形性がよく、より簡便な複製が行なえる
ようにした回折格子パターンを有するディスプレイに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、平面状の基板の表面に、回折
格子からなる複数の微小な回折格子セル(以下、単にセ
ルと称する)を配設することにより、回折格子パターン
が形成されたディスプレイが多く使用されてきている。
この種の回折格子パターンを有するディスプレイを作製
する方法としては、例えば“特開昭60−156004
号公報”に開示されているような方法がある。この方法
は、2光束干渉による微小な干渉縞(以下、回折格子と
する)を、そのピッチ、方向、および光強度を変化させ
て、感光性フィルムに次々と露光するものである。
【0003】一方、最近では、例えば電子ビーム露光装
置を用い、かつコンピュータ制御により、平面状の基板
が載置されたX−Yステージを移動させて、基板の表面
に回折格子からなる複数の微小なドットを配置すること
により、ある絵柄の回折格子パターンが形成されたディ
スプレイを作製する方法が、本発明者によって提案され
てきている。その方法は、1988年11月25日にフ
ァイルされた“米国特許出願シリアル番号第276,4
69号”に開示されている。
【0004】ところで、このような回折格子パターンを
有するディスプレイにおいて、階調表現を行なう場合に
は、画素である各セルに形成する回折格子の面積を変え
る等して、階調表現を行なうしかなかった。このため、
回折格子が遍在して局所的に形成されることになり、例
えばエンボス等による複製における成形性等の点で問題
がある。
【0005】また、回折格子の深さを制御することによ
り、回折光強度を変化させる方法も考えられるが、例え
ば電子線露光装置のような2値デバイスでの作製は非常
に困難であり、また仮に作製できた場合でも、複製時に
深さ方向の忠実な再現性が要求され、複製にも高度な技
術が必要となり、エンボス等による複製方法では厳しい
条件で管理しなければならない。
【0006】一方、回折格子パターンを有するフルカラ
ー・ディスプレイにおいて、中間色表現を行なう場合に
は、あらかじめ赤(R),緑(G),青(B)の3色を
1組として、画像の1画素を表示している。このため、
例えば、赤(R)の色のみを表現する時には、ディスプ
レイ上の面積の2/3が無駄になり、従って観察時の明
るさが比較的暗くなっている。
【0007】また、回折格子パタ−ンを有するフルカラ
ー・ディスプレイにおいて、同様にR,G,Bの3色の
セルを1組として画像を表現することを考えると、例え
ば赤(R)の色のみを表現する時には、ディスプレイ上
の面積の2/3が無駄になることはもちろんのこと、回
折格子の分布が局所的になり、従ってエンボス等を用い
た複製時の成形性が問題となる。
【0008】さらに、これまでのR,G,Bの3色を1
組とするフルカラー・ディスプレイでは、色度図上にお
いて、 R,G,Bに用いる3つの波長を線分で結んで
できる3角形の内部にある範囲しか表示できず、広い範
囲での色表現を行なうことができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
回折格子パターンを有するディスプレイにおいては、エ
ンボス等による複製における成形性等の点で問題があ
り、また電子線露光装置のような2値デバイスでの作製
が困難であり、複製を簡便に行なえないばかりでなく、
観察時の明るさが暗く、さらに表現可能な色の範囲が限
られるという問題があった。
【0010】本発明は上記のような問題を解決するため
に成されたもので、観察時の明るさが極めて明るく、ま
た中間色を含めて表現可能な色の範囲が広く、さらに微
妙な色の違いも表現できると共に、電子線露光装置等の
2値デバイスを用いても階調表現簡便に実現でき、し
かも複製工程においても成形性がよく、より簡便な複製
行なうことが可能な回折格子パターンを有するディス
プレイを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、平面状の基板の表面に、微小な回折格子からなる
セル(回折格子セル)を複数個配設することにより形成
されるディスプレイにおいて、まず、請求項1に対応す
る発明では、各回折格子セルを複数の領域に分割し、同
一回折格子セルの中では、格子角度が同一でかつ格子間
隔が異なる回折格子によって各領域を構成し、ディスプ
レイ本体を作製するための第1の元データに基づいて、
各領域の回折格子の格子間隔を設定するようにしてい
る。
【0012】また、請求項2に対応する発明では、各回
折格子セルを複数の領域に分割し、同一回折格子セルの
中では、格子角度が同一でかつ格子間隔が異なる回折格
子によって各領域を構成し、ディスプレイ本体を作製す
るための第1の元データに基づいて、各領域の面積比を
設定すると共に、各領域の回折格子の格子間隔を設定す
るようにしている。
【0013】さらに、請求項3に対応する発明では、上
記請求項1または請求項2に記載の回折格子パタ−ンを
有するディスプレイにおいて、ディスプレイ本体を作製
するための第2の元データに基づいて、各回折格子セル
を構成する回折格子の線幅と格子間隔との比を変化させ
るようにしている。
【0014】また、請求項4に対応する発明では、上記
請求項1または請求項2に記載の回折格子パタ−ンを有
するディスプレイにおいて、ディスプレイ本体を作製す
るための第3の元データに基づいて、各回折格子セルを
構成する回折格子の角度を変化させるようにしている。
【0015】さらに、請求項5に対応する発明では、上
記請求項1または請求項2に記載の回折格子パタ−ンを
有するディスプレイにおいて、ディスプレイ本体を作製
するための第2の元データに基づいて、各回折格子セル
を構成する回折格子の線幅と格子間隔との比を変化させ
ると共に、ディスプレイ本体を作製するための第3の元
データに基づいて、各回折格子セルを構成する回折格子
の角度を変化させるようにしている。
【0016】ここで、特に上記複数の領域を2領域と
し、格子間隔として色度図上で任意の中間色を表現する
2波長を選択するようにしている。この場合、2領域の
それぞれの面積の比を、色度図上の2波長の点から表現
する中間色の点までのそれぞれの距離の比に比例させる
ようにしている。
【0017】また、上記回折格子の線幅と格子間隔との
比として、下記式に基づいて各回折格子セルの明るさを
コーディングするようにしている。
【0018】
【数2】 ただし、η:回折効率(0〜1の値をとる)、r:回折
格子の深さ、l:線幅、d:格子間隔、θ:再生照明光
の入射角、λ:再生照明光の波長。
【0019】さらに、上記回折格子セルとして、反射型
の回折格子セル、または透過型の回折格子セルのいずれ
かのものを用いるようにしている。
【0020】
【作用】従って、請求項1に対応する発明の回折格子パ
ターンを有するディスプレイにおいては、ディスプレイ
本体を作製するための第1の元データに基づいて、各領
域の回折格子の格子間隔を設定することにより、各領域
の回折光強度比を利用して、再生時に中間色表現を実現
できる。また、ディスプレイ上の面積を100%有効に
使うことが可能であるため、観察時の明るさを著しく明
るくできる。
【0021】また、請求項2に対応する発明の回折格子
パターンを有するディスプレイにおいては、上記の中間
色表現に関する特性を備えた上、ディスプレイ本体を作
製するための第1の元データに基づいて、各領域の面積
比を設定することにより、中間色を含めて表現可能な色
の範囲をより一層広くできる、すなわち色度図上の純色
(単波長)の描く軌跡の内部にある点の全てで、中間色
表現を実現できる。
【0022】一方、請求項3および請求項5に対応する
発明の回折格子パターンを有するディスプレイにおいて
は、上記の中間色表現に関する特性を備えた上、ディス
プレイ本体を作製するための第2の元データに基づい
て、各回折格子セルを構成する回折格子の線幅と格子間
隔との比を変化させることにより、各回折格子セルを構
成する回折格子の線幅と格子間隔との比で階調を表現で
きるため、回折格子の分布が均一なままで階調画像が表
現できる。これにより、回折格子の分布が均一になり、
エンボス複製における成形性もよくなる。
【0023】また、請求項4および請求項5に対応する
発明の回折格子パターンを有するディスプレイにおいて
は、上記の中間色表現に関する特性を備えた上、ディス
プレイ本体を作製するための第3の元データに基づい
て、回折格子セルを構成する回折格子の角度を変化させ
ることにより、格子間隔が個々の領域毎に設定できるた
め、同じような色でも様々な格子間隔で表現することが
可能であり、微妙な色の違いも表現し易い。
【0024】さらに、以上の事項は、回折格子の深さと
は無関係であるため、2値表現が可能な電子線露光装置
等の微細加工能力を持った装置であれば作製が可能であ
り、また複製における深さに関する制御も容易であり、
エンボス等の方法で簡便に複製でき、安価にして大量生
産を実現できる。
【0025】
【実施例】本発明の要旨は、前述した回折格子パターン
を有するディスプレイにおいて、1個のセルを複数の領
域に分割し、同一回折格子セルの中では、格子角度が同
一でかつ格子間隔が異なる回折格子によって各領域を構
成し、各領域の回折格子の格子間隔を設定すると共に、
必要に応じて、各領域の面積比を設定することにより、
各領域の回折光強度比を実現することで、再生時に複数
種類の格子間隔および/または複数の領域の面積比に依
存した任意な中間色表現を可能とする点にある。
【0026】この場合、表現できる中間色の範囲は、色
度図上の純色(単波長)の描く軌跡の内部にある点の全
てである。
【0027】以下、上記のような考え方に基づいた本発
明の一実施例について、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0028】図1は、本発明による反射型の回折格子パ
ターンを有するディスプレイの構成例を示す平面図であ
る。なお、ここでは、太陽光のような白色光を入射光と
して用いて、ディスプレイを観察する場合を念頭におい
て述べる。
【0029】すなわち、本実施例の回折格子パターンを
有するディスプレイは、図1に示すように、平面状の基
板1の表面に、微小な回折格子(グレーティング)から
なるセル2を複数個、図示しない反射層を介して配設す
ることにより構成している。
【0030】ここで、各セル2は、複数(本例では2
つ)の領域に分割し、同一セル2の中では、格子角度が
同一でかつ格子間隔が異なる回折格子によって各領域を
構成している。そして、基本的には、ディスプレイ本体
を作製するための第1の元データ(フルカラー・デー
タ)に基づいて、各領域の面積比を適切に設定すると共
に、各領域の回折格子の格子間隔を適切に設定してい
る。
【0031】また、各セル2の中のある幾つかのセル2
については、上記構成に加えて、ディスプレイ本体を作
製するための第2の元データに基づいて、各セル2を構
成する回折格子の線幅と格子間隔との比を適切に変化さ
せたり、またはディスプレイ本体を作製するための第3
の元データに基づいて、各セル2を構成する回折格子の
角度を適切に変化させたり、若しくはディスプレイ本体
を作製するための第2の元データに基づいて、各セル2
を構成する回折格子の線幅と格子間隔との比を適切に変
化させると共に、ディスプレイ本体を作製するための第
3の元データに基づいて、各セル2を構成する回折格子
の角度を適切に変化させている。
【0032】すなわち、図1では、各セル2が2種類の
格子間隔から成っており、図3の「T」の上の横棒を形
成する各セル2において、2種類の格子間隔は共通であ
り、2つの領域の面積比のみを変えている。
【0033】また、格子間隔としては、図2に示すよう
な色度図上で、任意の中間色を表現する2波長を選択す
るようにしている。この場合、2つの領域のそれぞれの
面積の比を、色度図上の2波長の点から表現する中間色
の点までのそれぞれの距離の比に比例させるようにして
いる。
【0034】例えば、観察時に500nmの波長と60
0nmの波長となるように、下記の式に基づいて、2種
類の格子間隔を設定すると、図2の色度図の線分上の全
ての点が、2つの領域の面積比によって表現できる。こ
の時、図示pとqの比が、それぞれの領域の面積比と等
しくなるようにする。従って、図1の「T」の横棒の各
セル2は、2つの格子間隔から定義される線分上の、各
面積比と等しいpq比の位置にある色を表現しているこ
とになる。
【0035】mλ=d(sinα+sinβ) ただし、λ:照明光(入射光)の波長、d:格子間隔、
α:照明光の入射角度、β:m次の回折光の出射角度
で、この場合、観察者の観察する方向でもある。なお、
通常は、m=+1、すなわち1次の回折光について考慮
する。
【0036】一方、セル2において、回折格子の線幅と
格子間隔との比としては、下記式に基づいて回折光強度
をコーディングするようにしている。
【0037】
【数3】 ただし、この式は、表面レリーフ型の浅い矩形回折格子
について成り立つものである。
【0038】η:回折効率(0〜1の値をとる)、r:
回折格子の深さ、l:線幅、d:格子間隔、θ:再生照
明光の入射角、λ:再生照明光の波長。
【0039】図3は、本ディスプレイに適用するあるセ
ル2における回折格子の線幅と格子間隔との比による明
るさの変化の一例を示す平面図である。
【0040】図3において、回折格子の線幅が格子間隔
の2分の1になった場合、すなわち線幅:格子間隔=
1:2の場合に、回折効率が最大値となり、その値から
離れるほど回折効率は低下する。なお、かかる関係は、
上記式に基づくものである。
【0041】なお、図3では、凹部を線として記述して
いるが、凸部を線と見なしてもよい。また、図3では、
凹凸で回折格子を形成した例を挙げているが、光の透過
率や、反射率、あるいは位相を変化させる方法等、どの
ような方法で回折格子を形成するようにしてもよい(凹
凸で回折格子を形成するのは、位相を凹部と凸部で変化
させていることに相当する)。
【0042】光の透過率、反射率で回折格子を形成する
例としては、濃淡で回折格子を表現する方法(図3の凹
部と凸部に相当するところを、それぞれ黒(吸光、遮
光)や白(反射、透過)で表現する)が挙げられる。
【0043】また、位相で回折格子を形成する他の例と
しては、屈折率の異なる2つの媒質の層で格子を形成す
る方法(図3の凹部と凸部に相当するところを、それぞ
れ異なる媒質にする)が挙げられる。
【0044】図4は、表面の凹凸で矩形形状の回折格子
を形成した場合の構成例を示す断面図である。
【0045】図4に示すように、本実施例の回折格子パ
ターンを有するディスプレイを凹凸で形成する場合、深
さ方向については2値表現で十分である。従って、本デ
ィスプレイでは、例えば電子線露光装置等の2値デバイ
スを用いても作製が可能であり、しかも簡便な複製工程
において、成形性がよく、深さ等の制御の必要がない。
【0046】以上のように構成した本実施例の回折格子
パターンを有するディスプレイにおいては、各セル2を
2つの領域に分割し、同一セル2の中では、格子角度が
同一でかつ格子間隔が異なる回折格子によって2つの領
域を構成し、ディスプレイ本体を作製するための第1の
元データに基づいて、各領域の回折格子の格子間隔を適
切に設定していることにより、2つの領域の回折光強度
比を利用して、再生時に中間色表現を実現することが
きる。
【0047】また、ディスプレイ上の面積を100%有
効に使うことが可能であるため、観察時の明るさを著し
く明るくできる(観察時の明るさが最大3倍になる)。
【0048】さらに、ディスプレイ本体を作製するため
の第1の元データに基づいて、2つの領域の面積比およ
各領域の格子間隔を適切に設定していることにより、
中間色を含めて表現可能な色の範囲をより一層広くする
ことができる、すなわち色度図上の純色(単波長)の描
く軌跡の内部にある点の全てで、中間色表現を実現する
ことができる。
【0049】換言すれば、本実施例の回折格子パターン
を有するディスプレイでは、色度図上で太線内にある範
囲の色が全て表現できる。すなわち、これまでのR,
G,Bの3色を1組とする従来のディスプレイでは、
R,G,Bに用いる3つの波長を線分で結んでできる3
角形の内部にある範囲しか表示できなかったのに対し
て、本実施例のディスプレイでは、従来よりも表現可能
な色の範囲を大幅に広げることができる。
【0050】また、この場合、ディスプレイ本体を作製
するための第2の元データに基づいて、各セル2を構成
する回折格子の線幅と格子間隔との比を適切に変化させ
ることにより、各セル2を構成する回折格子の線幅と格
子間隔との比で階調を表現できるため、回折格子の分布
が均一なままで階調画像が表現できる。これにより、回
折格子の分布が均一になり、エンボス複製における成形
性もよくなる。
【0051】さらに、ディスプレイ本体を作製するため
の第3の元データに基づいて、各セル2を構成する回折
格子の角度を適切に変化させることにより、上記の中間
色に関する特性を備えたまま、各セルの観察可能な方向
を自由に設定することができ、視点の移動に伴なった観
察される画像の変化等の様々なディスプレイ効果を実現
できる。
【0052】すなわち、本実施例のディスプレイでは、
ディスプレイ本体を作製するための元となるデ−タに基
づいて格子間隔およびその面積比を設定していることに
より、各セル2の観察される色を変化させればよく、ま
たこの時、各セル2の回折格子間隔と線幅比および格子
角度もデ−タに基づいて変化させていることにより、よ
り一層多彩な表現をすることができる。
【0053】さらにまた、以上の事項は、回折格子の深
さとは無関係であるため、2値表現が可能な電子線露光
装置等の微細加工能力を持った装置であれば作製が可能
であり、また複製における深さに関する制御も容易であ
り、エンボス等の方法で簡便に複製でき、安価にして大
量生産を実現できる。
【0054】上述したように、本実施例の回折格子パタ
ーンを有するディスプレイは、各セル2を2つの領域に
分割し、同一セル2の中では、格子角度が同一でかつ
子間隔が異なる回折格子によって2つの領域を構成し、
ディスプレイ本体を作製するための第1の元データに基
づいて、2つの領域の面積比を適切に設定すると共に、
2つの領域の回折格子の格子間隔を適切に設定し、また
ディスプレイ本体を作製するための第2の元データに基
づいて、各セル2を構成する回折格子の線幅と格子間隔
との比を適切に変化させると共に、ディスプレイ本体を
作製するための第3の元データに基づいて、各セル2を
構成する回折格子の角度を適切に変化させるようにした
ものである。
【0055】従って、次のような種々の効果が得られる
ものである。
【0056】(a)従来のフルカラ−・ディスプレイで
は、中間色を表現するために、あらかじめR,G,Bの
3色を1組として画像の1画素を表示していたことか
ら、例えば赤(R)の色のみを表現する時には、ディス
プレイ上の面積の2/3が無駄になるのに対して、本実
施例のディスプレイでは、どのような色の表現時にも面
積を100%有効に使うことができるため、最大3倍の
明るさを実現することが可能となる。
【0057】(b)従来のフルカラ−・ディスプレイで
は、同様にR,G,Bの3色のセルを1組として画像を
表現することを考えた場合、例えば赤(R)の色のみを
表現する時には、面積の2/3が無駄になることはもち
ろん、回折格子の分布が局所的になり、従ってエンボス
等を用いた複製時の成形性が問題となるのに対して、本
実施例のディスプレイでは、各セルについて、複数(本
例では2種類)の異なる格子間隔の回折格子の領域の面
積比によって中間色を表現しているため、回折格子の分
布を均一にすることができ、エンボス等の成形性を向上
させることが可能となる。
【0058】(c)従来のR,G,Bの3色を1組とす
るディスプレイでは、R,G,Bに用いる3つの波長を
線分で結んでできる3角形の内部にある範囲しか表示で
きないのに対して、本実施例のディスプレイでは、色度
図上で太線内にある範囲の色が全て表現することが可能
となる。
【0059】(d)回折格子の格子間隔を個々の領域毎
に設定できるため、同じような色でも様々な格子間隔で
表現することが可能であり、微妙な色の違いも表現し易
くなる。
【0060】(e)各セル2を構成する回折格子の線幅
と格子間隔の比で階調を表現できるため、回折格子の分
布が均一なままで階調画像を表現することが可能とな
る。
【0061】(f)以上の事項は、回折格子の深さとは
無関係であるため、2値表現が可能な電子線露光装置等
の装置であれば作製可能であり、また複製における深さ
に関する制御も容易であり、エンボス等の方法で簡便に
複製でき、安価な大量生産を実現することが可能とな
る。
【0062】(g)回折格子の格子間隔と線幅との比を
変えることにより、各観察時のセル2の明るさを変える
ようにしているため、階調画像を表現した際にも、回折
格子の分布が均一であり、エンボス等による成形性がよ
く、大量生産にも適している。 尚、本発明は上記実施
例に限定されるものではなく、次のようにしても同様に
実施できるものである。
【0063】(a)上記実施例では、セルとして反射型
のセルを用いる場合について説明したが、これに限ら
ず、セルとして透過型のセルを用いることも可能であ
る。
【0064】そして、セルとして透過型のセルを用いる
場合には、回折格子セルを基板に配設する際に反射層を
設ける必要がなくなるため、その分だけディスプレイの
作製作業工程を簡略化することができる。
【0065】(b)上記実施例では、ディスプレイとし
て、第1ないし第3の元データに基づいて複数種類のパ
ターンを有する場合について説明したが、これに限ら
ず、少なくとも1種類のパターンを有するようにしても
よい。
【0066】(c)上記実施例では、セルとして、ディ
スプレイ本体を作製するための第1の元データに基づい
て、2つの領域の面積比を適切に設定すると共に、2つ
の領域の回折格子の格子間隔を適切に設定し、またディ
スプレイ本体を作製するための第2の元データに基づい
て、各セル2を構成する回折格子の線幅と格子間隔との
比を適切に変化させると共に、ディスプレイ本体を作製
するための第3の元データに基づいて、各セル2を構成
する回折格子の角度を適切に変化させる場合について説
明したが、これに限らず、1個のセルについて、少なく
ともディスプレイ本体を作製するための第1の元データ
に基づいて、2つの領域の回折格子の格子間隔を適切に
設定するようにしてもよい。
【0067】(d)上記実施例では、セルを2つの領域
に分割する場合について説明したが、これに限らず、セ
ルを3つ以上の複数の領域に分割して、色度図上の点を
表わすように3つ以上の波長を選択する場合について
も、本発明を同様に適用できるものである。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、平
面状の基板の表面に、微小な回折格子からなるセル(回
折格子セル)を複数個配設することにより形成されるデ
ィスプレイにおいて、各回折格子セルを複数の領域に分
割し、同一回折格子セルの中では、格子角度が同一で
格子間隔が異なる回折格子によって各領域を構成し、
ディスプレイ本体を作製するための第1の元データに基
づいて、各領域の回折格子の格子間隔を設定すると共
に、必要に応じて、各領域の面積比を設定し、また必要
に応じて、ディスプレイ本体を作製するための第2の元
データに基づいて、各回折格子セルを構成する回折格子
の線幅と格子間隔との比を変化させ、さらに必要に応じ
て、ディスプレイ本体を作製するための第3の元データ
に基づいて、各回折格子セルを構成する回折格子の角度
を変化させるようにしたので、観察時の明るさが極めて
明るく、また中間色を含めて表現可能な色の範囲が広
く、さらに微妙な色の違いも表現できると共に、電子線
露光装置等の2値デバイスを用いても階調表現簡便に
実現でき、しかも複製工程においても成形性がよく、よ
り簡便な複製行なうことが可能な回折格子パターンを
有するディスプレイが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回折格子パターンを有するディス
プレイの一実施例を示す平面図。
【図2】同実施例における回折格子パターンを有するデ
ィスプレイに適用する色度図。
【図3】同実施例における回折格子パターンを有するデ
ィスプレイに適用する、あるセルにおける回折格子の線
幅と格子間隔との比による明るさの変化の一例を示す平
面図。
【図4】同実施例における回折格子パターンを有するデ
ィスプレイのセルを構成する矩形形状の回折格子の一例
を示す断面図。
【符号の説明】
1…基板、2…セル。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面状の基板の表面に、微小な回折格子
    からなるセル(回折格子セル)を複数個配設することに
    より形成されるディスプレイにおいて、 前記各回折格子セルを複数の領域に分割し、 同一回折格子セルの中では、格子角度が同一でかつ格子
    間隔が異なる回折格子によって各領域を構成し、 ディスプレイ本体を作製するための第1の元データに基
    づいて、前記各領域の回折格子の格子間隔を設定するよ
    うにしたことを特徴とする回折格子パタ−ンを有するデ
    ィスプレイ。
  2. 【請求項2】 平面状の基板の表面に、微小な回折格子
    からなるセル(回折格子セル)を複数個配設することに
    より形成されるディスプレイにおいて、 前記各回折格子セルを複数の領域に分割し、 同一回折格子セルの中では、格子角度が同一でかつ格子
    間隔が異なる回折格子によって各領域を構成し、 ディスプレイ本体を作製するための第1の元データに基
    づいて、前記各領域の面積比を設定すると共に、前記各
    領域の回折格子の格子間隔を設定するようにしたことを
    特徴とする回折格子パタ−ンを有するディスプレイ。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または請求項2に記載の回
    折格子パタ−ンを有するディスプレイにおいて、 ディスプレイ本体を作製するための第2の元データに基
    づいて、前記各回折格子セルを構成する回折格子の線幅
    と格子間隔との比を変化させるようにしたことを特徴と
    する回折格子パタ−ンを有するディスプレイ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1または請求項2に記載の回
    折格子パタ−ンを有するディスプレイにおいて、 ディスプレイ本体を作製するための第3の元データに基
    づいて、前記各回折格子セルを構成する回折格子の角度
    を変化させるようにしたことを特徴とする回折格子パタ
    ーンを有するディスプレイ。
  5. 【請求項5】 前記請求項1または請求項2に記載の回
    折格子パタ−ンを有するディスプレイにおいて、 ディスプレイ本体を作製するための第2の元データに基
    づいて、前記各回折格子セルを構成する回折格子の線幅
    と格子間隔との比を変化させると共に、前記ディスプレ
    イ本体を作製するための第3の元データに基づいて、前
    記各回折格子セルを構成する回折格子の角度を変化させ
    るようにしたことを特徴とする回折格子パターンを有す
    るディスプレイ。
  6. 【請求項6】 前記複数の領域を2領域とし、前記格子
    間隔として色度図上で任意の中間色を表現する2波長を
    選択するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請
    求項5のいずれか1項に記載の回折格子パタ−ンを有す
    るディスプレイ。
  7. 【請求項7】 前記2領域のそれぞれの面積の比を、色
    度図上の2波長の点から表現する中間色の点までのそれ
    ぞれの距離の比に比例させるようにしたことを特徴とす
    る請求項6に記載の回折格子パタ−ンを有するディスプ
    レイ。
  8. 【請求項8】 前記回折格子の線幅と格子間隔との比と
    して、下記式に基づいて各回折格子セルの明るさをコー
    ディングするようにしたことを特徴とする請求項3また
    は請求項5に記載の回折格子パターンを有するディスプ
    レイ。 【数1】 ただし、η:回折効率(0〜1の値をとる)、r:回折
    格子の深さ、l:線幅、d:格子間隔、θ:再生照明光
    の入射角、λ:再生照明光の波長。
  9. 【請求項9】 前記回折格子セルとして、反射型の回折
    格子セル、または透過型の回折格子セルのいずれかのも
    のを用いるようにしたことを特徴とする請求項1ないし
    請求項8のいずれか1項に記載の回折格子パターンを有
    するディスプレイ。
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