JP3031255U - ガラス瓶詰め品のプラスチックカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下に多数段積み重ねても、落下や荷
崩れを防止できるようにしたガラス瓶詰め品６のプラス
チックカバー１を提供する。 【解決手段】 飲料などを入れたガラス瓶４の上端開
口にアルミニウム蓋５を被せた下段のガラス瓶詰め品６
のガラス瓶４上端部のフランジ４ｃに、前記蓋５の係合
部５ｂを介し、プラスチックカバー１の周壁３の下部３
ｃ内周面に形成した係合凹部３ｆを着脱可能に係合さ
せ、前記蓋５上に前記カバー１の上壁２を支持させ、上
壁２上に上段のガラス瓶詰め品６の底部を支持させ、周
壁３の上部３ａに上段のガラス瓶詰め品６のガラス瓶４
下部を嵌め、周壁３の上部３ａに複数の凹部３ｂを周方
向に間隔を設けて形成し、上段のガラス瓶詰め品６が、
下段のガラス瓶詰め品６から滑り落ちるのを周壁３の上
部３ａで防止するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、ガラス瓶詰め品のプラスチックカバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば２００ｍｌの清酒を入れたガラス瓶の上端部外周にフランジを突 出させ、前記瓶の上端開口をアルミニウム蓋の上板で覆い、この上板の外周に連 らなる係合部を前記フランジに締め付けて上端開口を密封したガラス瓶詰め品が あった。

【０００３】 そして、弾性変形する熱可塑性樹脂の成形品からなるプラスチックカバーを、 ガラス瓶の係合部にアルミニウム蓋を介して着脱可能に係合保持させることで、 前記蓋が損傷、汚損することを防止している。また、プラスチックカバーおよび アルミニウム蓋を外し、清酒を飲んだ後に飲み残しがある場合、前記カバーをガ ラス瓶のフランジに着脱可能に嵌めて、飲み残しの漏れを防止している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前述したプラスチックカバーは、上壁に浅い凹部を形成しただけのも のであるため、上下方向にガラス瓶詰め品を複数段に積み重ねると、安定性が充 分でなく、滑りやすいこともあって、取り扱い時にコンクリート床などに落下さ せたり、荷崩れが生じたりして、ガラス瓶を破壊させる恐れが多く、積み重ねに くいという問題点があった。

【０００５】 この考案は、前述した問題点を解決して、安定した状態でガラス瓶詰め品を上 下多段に積み重ねることができ、陳列、販売時のスペースを小さくすることがで き、また上段のガラス瓶詰め品から順次容易に取り出すことができるように改良 した、ガラス瓶詰め品のプラスチックカバーを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、飲料または食品を入れたガラス瓶の上端開口にアルミニウ ム蓋を被せ、前記ガラス瓶の上端部外周に突出するフランジを前記アルミニウム 蓋の外周部の係合部で締め付けて上端開口を密封したガラス瓶詰め品のプラスチ ックカバーにおいて、下段のガラス瓶詰め品のアルミニウム蓋上に支持させる上 壁と、この上壁の外周に連らなる周壁とを、弾性変形するプラスチックによって 一体に形成し、前記上壁の下方に延びる周壁の内周面に、下段のガラス瓶詰め品 に設けたアルミニウム蓋の前記係合部を介してガラス瓶のフランジに着脱可能に 係合する係合凹部を環状に形成し、前記上壁の上方に、上段のガラス瓶詰め品に 設けたガラス瓶の下部が着脱可能に嵌まる前記周壁の上部を突出させ、上壁上に 上段のガラス瓶詰め品に設けたガラス瓶の底部を支持するようにすると共に、周 壁の上部に複数の凹部を周方向に間隔を設けた形成したものである。

【０００７】 請求項２の考案は、請求項１に記載したガラス瓶詰め品のプラスチックカバー において、周壁の上部の内周面を、下端から上端まで大径になるように僅かに傾 斜させたものである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の一実施形態につき、図を参照して説明する。 図１〜図３の各図に示すように、一実施形態に係るガラス瓶詰め品のプラスチ ックカバー１は、円板状の上壁２の外周に円筒状の周壁３を一体に設けたポリエ チレンなどの弾性変形可能な熱可塑性樹脂の一体成形品からなる。

【０００９】 前記上壁２は、外周部を残して浅い凹部２ａを形成し、下面に環状凸部２ｂを 突出させてある。前記周壁３は、上壁２上方に突出する上部３ａに５つの切欠部 ３ｂを周方向に等間隔で設けた、上縁を波状に形成してあり、内周面を下端から 上端に向けて大径となるように僅かに傾斜させてある。また、周壁３は、上壁２ 下方に突出する下部３ｃの内周面に、基部側突出部３ｄと下端側突出部３ｅとを 上下方向に間隔を設けてそれぞれ環状に形成し、これらの間に環状の係合凹部３ ｆを形成してある。

【００１０】 図１において、４は２００ｍｌの清酒を入れた底付き円筒状のガラス瓶であり 、底部の外周面に円弧状の面取り部４ａおよび下方に突出する環状突出部４ｂを 形成し、上部に小外径部４ｄを形成すると共に、上端部に小外径部４ｄより大外 径のフランジ４ｃを形成し、このフランジ４ｃの外周部上に厚さが薄いアルミニ ウム蓋５の外周部５ａを支持させ、外周部５ａの下方に延びる環状の係合部５ｂ を前記フランジ４ｃの外周面に締め付けることで、ガラス瓶４の上端開口部に前 記蓋５を被せてガラス瓶４の開口を密封し、前記係合部５ｂの下方にプルタブ５ ｃをガラス瓶４の外周面下方に沿わせて突出させ、前記蓋５の外周部５ａより中 心側に浅い上面凹部５ｄを形成して、従来公知のガラス瓶詰め品６を構成してあ る。

【００１１】 次に、前述した実施形態のプラスチックカバー１の使用について説明する。 図１に示すように、プラスチックカバー１の周壁３の下部３ｃを、上方からア ルミニウム蓋５に押し込み、基部側突出部３ｄと下端側突出部３ｅとの間に形成 した環状の係合凹部３ｆに、前記蓋５の環状の係合部５ｂを介してガラス瓶４の 上端部のフランジ４ｃに係合させると共に、前記カバー１の上壁２下面に突出た 環状凸部２ｂと前記蓋５の外周部５ａ上との間に一定距離をもたせて支持し、前 記カバー１をガラス瓶詰め品６の前記蓋５に装着する。

【００１２】 この装着状態では、前記カバー１が前記蓋５の径方向にがたつかず、上下方向 にもほとんどがたつかず、さらに、プルタブ５ｃがカバー１の周壁３下方に突出 している。 そして、下段のガラス瓶詰め品６に装着した前記カバー１の上方から、これの 周壁３の上部３ａに上段のガラス瓶詰め品６のガラス瓶４の下部を嵌め、これの 環状突出部４ｂをカバー１の上壁２に設けた浅い凹部２ａに嵌合支持させると共 に、上段のガラス瓶詰め品６に設けたガラス瓶４の下部を周壁３の上部３ａ内周 面に嵌め、同様にして順次上方に前記カバー１に装着したガラス瓶詰め品６を多 数に積み重ねて、店頭などに陳列する。

【００１３】 この状態では、下段のガラス瓶詰め品６のガラス瓶４の上端部に前記カバー１ の周壁３の下部３ｃを係合保持して、これが径方向にがたつかず、また前述のよ うに、上段のガラス瓶詰め品６のガラス瓶４の底部をカバー１の上壁２に支持さ せて、ガラス瓶４の下部をカバー１の周壁３の上部３ａに嵌めてあるので、ガラ ス瓶詰め品６を上下多数段に安定して積み重ねることができる。

【００１４】 そして、多数段に積み重ねた上段のガラス瓶詰め品６は水平方向などから力が 加わっても、下段のガラス瓶詰め品６のカバー１に設けた周壁３の上部３ａによ って支えられるので、滑り落ちたり、荷崩れしたり、コンクリート床などに衝突 しガラス瓶が破壊したりすることを防止できる。 上下多数段に積み重ねたガラス瓶詰め品を取り出すには、上段のガラス瓶詰め 品６を下段のガラス瓶詰め品６に装着した前記カバー１の周壁３の上部３ａ上方 に引き抜けばよい。この際、前記カバー１の周壁３の上部３ａには複数の凹部３ ｂが間隔を設けて形成してあるので、上段のガラス瓶詰め品６を真上ではなく、 ある程度傾斜させて上方に引き抜いても、前記周壁３の上部３ａが凹部３ｂによ って引抜き側に弾性変形して倒れることで、下段のガラス瓶詰め品６を傾けたり 倒したりすることなく、安全に取り出すことができる。

【００１５】 さらに、カバー１の周壁３は、上部３ａの内周面を、下端から上端に向けて大 径になるように僅かに傾斜させてあるので、上段のガラス瓶詰め品６の上方への 引抜きが容易にできて好ましい。 なお、プラスチックカバー１を装着したガラス瓶詰め品６の使用は、ガラス瓶 ４と前記カバー１とを持って、これをアルミニウム蓋５の上方に強く引き抜くこ とで、カバー１が弾性変形して外れるので、以後は従来のガラス瓶詰め品と同様 にプルタブ５ｃを手前側に引いて引き上げることで、アルミニウム蓋５をガラス 瓶４から外し、この瓶４内の清酒を飲むことができる。そして、飲み残しがある 場合には、取り外したカバー１の周壁３の下部３ｃをガラス瓶４の上端部に嵌め 、そのフランジ４ｃに、周壁３の下部３ｃに設けた基部側突出部３ｄが係合され るように、深く押し込んで係合し、前記基部側突出部３ｄと下端側突出部３ｅと によって、瓶４口を密閉する密閉蓋として着脱可能に係合させ、必要な時に、カ バー１を外して清酒を飲むことができる。

【００１６】 カバー１の周壁３の下部３ｃの内面側には、基部側突出部３ｄと、下端側突出 部３ｅとを形成した構成としたので、このカバー１をアルミニウム蓋５を取り除 いた状態での瓶蓋として使用する場合は、瓶口に係合される前記両突出部３ｄ， ３ｅが瓶口外表面に上下で係合されることで密閉が確実に行われ、液漏れなどの 恐れがない。

【００１７】 前述した実施形態では、清酒を入れた小型のガラス瓶を用いたが、ガラス瓶の 容量，形状は、この考案の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更でき、また、内容物 は清酒の外に、焼酎、果実酒などの飲料や、振りかけ食品などの食品に広く適用 でき、さらに、アルミニウム蓋は、プルタブによってガラス瓶から全体を取り外 すことなく、アルミニウム蓋に別体のプルタブを固定し、前記蓋の一部に孔を形 成するようにしてもよい。 そして、プラスチックカバーの周壁の上部に形成する凹部は、３〜６箇所に等 間隔で波状に形成するなど、適宜変更できる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１の考案に係るガラス瓶詰め品のプラスチックカ バーは、上壁と、この上壁の外周に連らなる周壁とを、弾性変形するプラスチッ クによって一体に形成してあり、前記上壁を下段のガラス瓶詰め品のアルミニウ ム蓋上に支持させ、上壁の下方に延びる周壁の内周面に環状の係合凹部を形成し 、この係合凹部を前記下段のガラス瓶に設けたアルミニウム蓋の係合部を介して ガラス瓶のフランジに係脱可能に係合させ、前記上壁の上方に周壁の上部を突出 させ、この上部に複数の凹部を周方向に間隔を設けて形成し、上段のガラス瓶詰 め品のガラス瓶の下部を周壁の上部に着脱可能に嵌め、この周壁上に上段のガラ ス瓶詰め品に設けたガラス瓶の底部を支持するようにしたので、次の効果が得ら れる。

【００１９】 すなわち、前記ガラス瓶詰め品に設けたアルミニウム蓋上に、プラスチックカ バーの上壁を支持し、この上壁に連らなる周壁の下部内周面に形成した係合凹部 を、ガラス瓶詰め品に設けたアルミニウム蓋の係合部を介して前記ガラス瓶詰め 品のガラス瓶のフランジに係合させて、ガラス瓶に前記カバーを装着し、下段の ガラス瓶詰め品の前記瓶の上方に突出する前記カバーの周壁の上部に上段のガラ ス瓶詰め品の前記瓶の下部を嵌めて、その底部を前記カバーの上壁に支持させた ことで、下段のガラス瓶詰め品上に前記カバーを介して、真直ぐ柱状に上段のガ ラス瓶詰め品を積み重ね、安定状態にできる。

【００２０】 そして、積み重ねた上段のガラス瓶詰め品に、水平方向などから力が加わって も、下段のガラス瓶詰め品のカバーに設けた周壁によって、そのガラス瓶の下部 が支えられることで、上段のガラス瓶詰め品が滑り落ちたり、荷崩れしたりしに くい。このため、カバーの改良のみによって、ガラス瓶詰め品を上下多段に安定 した状態で積み重ねることができ、陳列，販売時のスベースを小さくすることが できる。

【００２１】 また、上下多数段に積み重ねたガラス瓶詰め品を取り出すには、上段の側を下 段のガラス瓶詰め品に装着したプラスチックカバーの周壁の上部から上方に引き 抜けばよい。この際、前記カバーの周壁の上部には複数の凹部が間隔を設けて形 成してあるので、上段のガラス瓶詰め品をある程度傾斜させて上方に引き抜いて も、前記周壁の上部が凹部によって引抜き側に弾性変形し倒れ、下段のガラス瓶 詰め品を傾けたり倒したりすることなく、上段のガラス瓶詰め品を安全に取り外 すことができる。

【００２２】 なお、請求項１の考案に係るガラス瓶詰め品のプラスチックカバーは、従来の ものと同様に、アルミニウム蓋の損傷，汚損を防止し、また、ガラス瓶詰め品内 の飲料や食品が残った場合には、前記蓋を外し、あるいは前記蓋に孔を形成した 状態で、ガラス瓶のフランジに直接または前記蓋の係合部を介して前記カバーを 着脱可能に装着して、残った飲料や食品を使用可能にすることもできる。

【００２３】 請求項２の考案は、請求項１に記載したガラス瓶詰め品のプラスチックカバー において、周壁の上部の内周片を下端から上端まで大径になるように僅かに傾斜 させたので、上段のガラス瓶詰め品を、下段のガラス瓶に装着したプラスチック カバーの周壁の上部に対し着脱する操作がより容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施形態に係るガラス瓶詰め品の
プラスチックカバーを示した半截正面図。

【図２】図１に示したガラス瓶詰め品のプラスチックカ
バーの平面図。

【図３】図１のＡ部の拡大説明図。

【符号の説明】

１ プラスチックカバー ２ 上壁 ２ａ 浅い凹部 ２ｂ 環状凸部 ３ 周壁 ３ａ 上部 ３ｂ 凹部 ３ｃ 下部 ３ｄ 基部側突出部 ３ｅ 下端側突出部 ３ｆ 係合凹部 ４ ガラス瓶 ４ａ 面取り部 ４ｂ 環状突出部 ４ｃ フランジ ５ アルミニウム蓋 ５ａ 外周部 ５ｂ 環状係合部 ５ｃ プルタブ ５ｄ 上面凹部 ６ ガラス瓶詰め品

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料または食品を入れたガラス瓶の上端
   開口にアルミニウム蓋を被せ、前記ガラス瓶の上端部外
   周に突出するフランジを前記アルミニウム蓋の外周部の
   係合部で締め付けて上端開口を密封したガラス瓶詰め品
   のプラスチックカバーにおいて、下段のガラス瓶詰め品
   のアルミニウム蓋上に支持させる上壁と、この上壁の外
   周に連らなる周壁とを、弾性変形するプラスチックによ
   って一体に形成し、前記上壁の下方に延びる周壁の内周
   面に、下段のガラス瓶詰め品に設けたアルミニウム蓋の
   前記係合部を介してガラス瓶のフランジに着脱可能に係
   合する係合凹部を環状に形成し、前記上壁の上方に、上
   段のガラス瓶詰め品に設けたガラス瓶の下部が着脱可能
   に嵌まる前記周壁の上部を突出させ、上壁上に上段のガ
   ラス瓶詰め品に設けたガラス瓶の底部を支持するように
   すると共に、周壁の上部に複数の凹部を周方向に間隔を
   設けて形成したことを特徴とするガラス瓶詰め品のプラ
   スチックカバー。
2. 【請求項２】 周壁の上部の内周面を、下端から上端ま
   で大径になるように僅かに傾斜させたことを特徴とする
   請求項１に記載したガラス瓶詰め品のプラスチックカバ
   ー。