JP3029635B2 - 抗体産生変異株の取得方法 - Google Patents

抗体産生変異株の取得方法

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、抗体産生細胞株から元来のクラス以外の他
のクラス抗体産生変異株を取得する方法に関するもので
ある。
「従来の技術」 抗体は、重鎖の定常部のアミノ産配列に基づいてIgA,
IgD,IgE,IgG及びIgMの5つのクラスに分類されており、
それぞれのクラスの抗体は異なる生理機能を有してい
る。例えば、IgAは単量体及は2量体のものがあり、乳
汁、だ液等の分泌液中にも存在し、乳児の場合には腸か
ら体内に吸収され得るという特徴がある。また、IgEは
アレルギー反応に深く関与している。5量体であるIgM
は一次免疫応答の初期に出現し、補体の活性化を引き起
こす。更に、二次応答により、IgMはIgGに置きかえられ
る。IgGは、妊娠時に胎盤を通して母体から胎児に移行
できる唯一の抗体であり、血液中で最も高い濃度を有す
る。すなわち、これらのクラスの抗体は、それぞれ特有
の性質を持っており、生体中ではそれぞれ独自の役割を
になっている。
一方、近年、抗体産生細胞とミエローマ細胞株とを融
合させてハイブリドーマを取得し、このハイブリドーマ
をクローニングして、モノクローナル抗体産生細胞株を
得る試みが盛んになされている。モノクローナル抗体産
生細胞株は、一つの抗原決定基を認識する均一な抗体集
団を大量に繰り返し作ることができる。こうして得られ
たモノクローナル抗体は、病気の診断あるいは治療な
ど、医学領域への応用、及び細胞分化の研究、ウイルス
糖タンパクの抗原解析及び機能解析など、各種の研究に
用いられている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、抗体産生細胞株が産生する抗体は、そ
れらのクラスの内のひとつのクラスの抗体であるため、
その使用目的によっては、同一の抗原決定基を認識する
他のクラスの抗体を得る必要が生じることがある。
この場合、新たにクラスの異なった抗体産生細胞株を
作製するという方法もあるが、同じ特異性を有する抗体
を作製することは不可能に近いとされている。従って、
現有する抗体産生細胞株から、同一の抗原決定基を認識
する他のクラスの抗体を産生する変異株を作製する方法
の開発が望まれることとなる。
このような方法として、抗体産生細胞株から自然に変
異した細胞株を選択する方法も考えられるが、自然に変
異する細胞株は104〜106個に1個という低い割合でしか
出現しないため、この中から目的とする変異株を取得す
ることは大変な労力を必要とする。
この発明は、このような問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、抗体産生細胞株からクラ
ス・スイッチされた抗体産生変異株を効率的に取得する
方法を提供することにある。
「課題を解決するための手段」 本発明者らは、抗体産生細胞株からクラス・スイッチ
された抗体産生変異株を出現させる誘因物質を検索する
方法を確立し、この方法に基づいて種々の物質について
検索を行なった結果、インターロイキン類及び抗体産生
増強因子類がこの目的に適合することを見出し、これに
基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の抗体産生変異株の取得方法は、抗
体産生細胞株を、インターロイキン2、イターロイキン
3、イターロイキン4、イターロイキン6及び抗体産生
増強因子よりなる群から選ばれた少なくとも一種を添加
した培地で培養し、クラス・スイッチされた抗体産生変
異株を分離することを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
(1)抗体産生細胞株 ヒト−ヒトハイブリドーマ、マウス−マウスハイブリ
ドーマ、EBウィルスで形質転換した細胞等の各種の抗体
産生細胞株が使用できる。これらの抗体産生細胞株とし
ては、例えばMPC−11(IgG分泌型の骨髄腫細胞株)、ST
K−1(マウスハイブリドーマ)、ナマルバ細胞株(ヒ
トバーキットリンパ種、IgM分泌型)などが挙げられ
る。これらの細胞株は、いずれも大日本製薬(株)から
入手することができる。
また、細胞株ではないが、ヒトBリンパ球も利用でき
る。ヒトBリンパ球は、血液からフィコールを用いた通
常の方法で容易に分離することができる。
(2)細胞培養に用いる培地 通常用いられる無血清培地又は血清培地が利用でき
る。血清培地としては基本合成培地に10%牛胎児血清
(FCS)を添加した培地が励磁できる。また、無血清培
地としては、基本合成培地に血清アルブミン(又は卵黄
リポタンパク質)、インシュリン、トランスフェリン、
エタノールアミン、セレニウム等の因子を添加した培地
が好ましく用いられる。基本合成培地としては、ダルベ
ッコMEM(DMEM)培地、ハムF−12培地、RDF培地(RPMI
1640,DMEM及びハムF−12培地を2:1:1で混合した培
地)、E−RDF培地(RDF培地のアミノ酸及びビタミンを
強化した培地)等が用いられるが、好ましくは、RDFあ
るいはE−RDF培地が用いられる。
(3)変異誘因物質 インターロイキン2、インターロイキン3、インター
ロイキン4、インターロイキン6及び抗体産生増強因子
よりなる群から選ばれた少なくとも一種が用いられる。
ここで、抗体産生増強因子とは、ナマルバ細胞由来のオ
ートクライン物質を意味し、分子量約110Kダルトン、pH
6からpH12で安定であり、加熱することにより失活する
タンパク質からなっている。これらのインターロイキン
類及び抗体産生増強因子は、既に公知の物質であり、容
易に入手できる。インターロイキン類は、例えばゼンザ
イム社(コスモ・バイオ(株)が取り扱い店)、シグマ
社などから入手できる。
また、抗体産生増強因子は、例えばイン・ビトロ・セ
ルラー・デベロップメンタル・バイオロジー(In Vitro
Cell.Develop.Biol.),25巻,243〜247ページ,1989に記
載された方法によって精製することもできる。因に、本
発明の実施例では、下記の方法によって精製した抗体産
生増強因子を用いた。
ナマルバ細胞を10%FCS/RDF培地で培養後、細胞を集
め、1×106細胞/mlの細胞密度にリン酸緩衝化生理食塩
水で懸濁した。これをソニケーターで細胞破砕後、遠心
により上清を集めた。上清中のタンパク質濃度は約100
μg/mlであった。この上清を、10mMリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.4)で平衡化したDEAE−カラム(容量60ml)
に供した。増強因子の溶出は、同緩衝液中に0〜1M食塩
を加えたグラジエントにより行い、同因子は約0.4Mの食
塩濃度で溶出された。
溶出された因子画分を10mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.7)で平衡化したハイドロキシアパタイトカラム
(容量5ml)に供し、10〜600mMの同緩衝液(pH6.7)の
グラジエントにより溶出した。同因子は約400mMの濃度
のところで溶出された。溶出された同因子画分を再度上
記のハイドロキシアパタイトカラムにより精製した。更
に、再度ハイドロキシアパタイトカラムにより精製した
同因子画分をスーパーロース6HR10/30カラム(ファルマ
シア社製)に供し高純度に精製し、抗体産生増強因子を
得た。
(4)変異株取得方法 抗体産生細胞株を上記の血清培地あるいは無血清培地
で培養し、変異株を分離する2〜5日前からそれらの培
地に上記変異株誘因物質を加え、通常の条件で培養を行
う。上記誘因物質中での培養で得られた変異株を、蛍光
励起セルソーター(fluorescence activated cell sort
er;FACS)あるいはクローニングなどにより分離する。
なお、蛍光励起セルソーターとは、抗体産生細胞の表
面に存在する抗原と蛍光標識した抗体を結合させ、蛍光
標識した抗体が結合した細胞を電場において分画する装
置である。蛍光励起セルソーターとしては、例えばコー
ルターコープ(CoulterCorp)社製の「EPICS」(商品
名)などが使用できる。
「作用及び効果」 本発明の抗体産生変異株の取得方法によれば、変異誘
因物質としてインターロイキン2、インターロイキン
3、インターロイキン4、インターロイキン6及び抗体
産生増強因子よりなる群から選ばれた少なくとも一種を
加えて培養することにより、特異抗体産生変異株の出現
率を10培以上に上昇させることができる。更に、元来の
クラス以外の種々のクラスにクラス・スイッチした変異
株について、それら出現率の上昇が認められることか
ら、任意のクラスの特異抗体産生変異株を高頻度で得る
ことが可能となる。
「実施例」 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
抗体産生細胞株として、ヒト−ヒトハイブリドーマHB
4C5(IgMクラスのヒト型モノクローナル抗体を生産する
細胞株、微工研条寄第1879号)を用い、このハイブリド
ーマHB4C5を種々の変異誘因物質中で培養し、クラス・
スイッチされた変異株の出現率を測定した。
変異誘因物質としては、インターロイキン2、インタ
ーロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン
6及び抗体産生増強因子をそれぞれ単独で用いた。すな
わち、ハイブリドーマHB4C5を、5及び25μg/mlの抗体
産生増強因子、あるいは1〜100U/mlのインターロイキ
ン類を含有する10%FCS/E−RDF培地中で、常法により3
日間培養した。
こうして培養した後、セルソーター(商品名「EPICS
752」、コールターコープ社製)を用いて、変異株の
分離を行なった。
変異株の分離手順は、まず、上記の変異誘因物質中で
培養したHB4C5細胞を、FITC(蛍光)標識抗ヒトIgG,Ig
A,IgD或はIgE抗体と、4℃で1時間反応させた。
あるクラスの抗体を生産するHB4C5変異株は、細胞表
面にそのクラスの抗体を有している。従って、例えば、
IgGにクラス・スイッチした変異株は、細胞表面にIgGを
有していることから、FITC標識抗ヒトIgGと反応させる
ことにより、FITC標識抗ヒトIgG抗体が細胞表面のIgGと
反応し、FITC標識された細胞となる。このようにして、
FITC標識抗ヒトIgG抗体と反応させた蛍光を発する細胞
を、セルソーターで集めることにより、IgG産生変異株
を得ることができる。同様にして、FITC標識抗ヒトIgA
と反応させて、蛍光を発する細胞を集めれば、IGA産生
変異株を得ることができる。
このような方法で得られた変異株の出現率を第1表に
示した。
なお、比較のため、変異誘因物質を添加しない培地で
培養した細胞についても、同様に変異株の出現率を求め
た。
第1表から明らかなように、抗体産生増強因子あるい
はインターロイキン類を添加した培地中で培養すること
により、種々のクラスにクラス・スイッチした変異株が
高頻度で得られることがわかる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 5/00,15/00 CA(STN) BIOSIS(DIALOG) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗体産生細胞株を、インターロイキン2、
    インターロイキン3、インターロイキン4、インターロ
    イキン6及び抗体産生増強因子よりなる群から選ばれた
    少なくとも一種を添加した培地で培養し、クラス・スイ
    ッチされた抗体産生変異株を分離することを特徴とする
    抗体産生変異株の取得方法。
  2. 【請求項2】前記培養を2〜5日間行なう請求項1記載
    の抗体産生変異株の取得方法。
  3. 【請求項3】前記抗体産生変異株の分離を蛍光励起セル
    ソーターを用いて行なう請求項1又は2記載の抗体産生
    変異株の取得方法。
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