JP3028498B2 - 成形体燃料、その製造法および製造装置 - Google Patents

成形体燃料、その製造法および製造装置

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JP3028498B2 JP6256697A JP25669794A JP3028498B2 JP 3028498 B2 JP3028498 B2 JP 3028498B2 JP 6256697 A JP6256697 A JP 6256697A JP 25669794 A JP25669794 A JP 25669794A JP 3028498 B2 JP3028498 B2 JP 3028498B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は火力発電所周辺で調達で
きる原料を使用し、かつ廃棄物を有効利用すると同時に
地球環境の保全にも貢献できる成形体燃料およびその製
造法、および該成形体燃料の製造装置に関する。より詳
しくは本発明は石炭を原料とし、脱硫剤として貝殻粉末
を使用し、排ガス中のCO2 を藻類の光合成により固定
化して得られる培養藻類を使用した成形体燃料、その製
造法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】世界のエネルギー使用量は近年益々増大
してきており、エネルギー源の枯渇が近未来の問題とし
てクローズアップされてきている。このような状況か
ら、最近燃料としての石炭の利用価値が見直され、石炭
の粉末や、スラリーおよびブリケットの形態の石炭燃料
が火力発電用燃焼炉や焼却炉で使用されてきている。
【0003】それと同時に環境汚染の問題も大きくとり
あげられるようになってきており、石炭燃焼排ガス中に
含まれるSO2 による環境汚染やCO2 による地球温暖
化が世界的に問題となり、それらの大気中への排出抑制
および排出量規制が現実の課題となっている。このよう
なエネルギー問題と環境問題とを同時に解決するため、
石炭に木材カスや藁などの植物質を加えて燃焼性を改善
し、およびさらに脱硫剤として消石灰を加え、さらに粘
結剤として糖蜜を混合した複合固形燃料は既に公開され
ている(特開平6−80974号公報)。また、炭素質
燃料に、脱硫剤としての消石灰や炭酸カルシウム等、お
よび低温時の脱硫剤としてアンモニウム化合物を混合し
た固形燃料も開示されている(特開平5−105889
号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし石炭に混合され
る木材、藁、バガスなどの植物質は地域性、時期、定常
的入荷などに問題があり、収集コストを無視できない。
また、石炭中には石油よりはるかに多量の硫黄が含有さ
れているので、燃焼排ガス中に多量の硫黄酸化物が生成
し、これらによる環境汚染を防止するための脱硫剤とし
て従来法では消石灰、炭酸カルシウムなどが石炭原料に
添加するかもしくは炉内に投下されている。しかし、脱
硫剤の消費量が多いためそのコストが無視できないもの
となっており、また適当な形状例えばブリケットに成型
するための粘結剤として添加されるコーンスターチ、糖
蜜、タール、重質油、等も製造コストを押し上げてい
る。
【0005】ところで、火力発電所の冷却水取水口や排
出口周辺に種々の貝類が付着し、特に取水口周辺では冷
却水の取り込みを妨害したり、発電機の故障原因となる
ため定期的に採取し廃棄されている貝類が埋め立て処理
されたり、廃棄物業者に廃棄料金を払ってただ廃棄物と
して処分されているという事実がある。この廃棄物から
は運搬時に悪臭を放ち、水が滴り、周辺住民の苦情のも
とになっている。また埋め立て処理するにしても処理場
に余力はなく、いずれは発電所内で自己完結的に処理す
ることを考えねばならない状態となっていた。
【0006】本発明者らはこの貝殻の約75%が炭酸カ
ルシウムであるという事実に着目した。この貝類を廃棄
せず脱硫剤として有効利用できればゴミ処理問題を解決
できると同時に有望な炭酸カルシウム源にもなる。ま
た、近年地球温暖化防止の観点から排ガス中の炭酸ガス
をできるだけ低減させることが課題となっており、炭酸
ガスの総量規制が実施されるのは時間の問題となってい
る。従って炭酸ガスを除去するための種々の方法が世界
的規模で研究されており、なかでも、炭酸ガスは植物の
光合成により固定化されて酸素に変換されること、およ
び藻類は森林のおよそ10倍の炭酸ガス固定能力を有す
ることから、藻類に光合成させて排ガス中の炭酸ガスを
固定化除去する方法が炭酸ガスの効果的除去法の一つと
してほぼ確立されている。
【0007】しかし、光合成による固定化方法は、炭酸
ガス除去法としては効果的でも、例えば50万キロワッ
トの火力発電所の場合で数千トンもの培養藻類がバイオ
マスとして得られ、今度は藻類の処分に困るという事態
を招いていた。これら培養藻類の処理法が種々検討され
たが、焼却によるのがコスト的には最も有利であること
が判明している。しかしただ焼却するのでは炭酸ガスの
低減という意図と矛盾するので、何か好都合な処理方法
が模索されていた。
【0008】本発明者らはこの光合成培養により生成す
るバイオマスが好都合なことに乾燥重量あたり50%の
炭素を含有する有力な燃料源でありかつ着火性に優れて
いるという事実に着目した。着火性に優れていることは
低温域での石炭の未燃炭素の発生を抑制できるため、石
炭の助燃剤として使用できる。しかも藻類は炭素質に加
え糖やタンパク質を含有していて藻類それ自体が粘結剤
としても役立つこともコスト削減に寄与できよう。
【0009】もしここで、前記回収貝殻中に含有される
炭酸カルシウムを脱硫剤として活用し、藻類の光合成に
よって得られた培養藻類を助燃剤とし、これらを火力発
電所で容易に入手できる石炭と混合して燃料に成形すれ
ば、すべて火力発電所およびその周辺という同一サイト
で容易に入手できる原料から性能のよい燃料を製造で
き、その上脱硫剤および助燃剤それ自体のコストも低減
できることを見出した。特に集中排気源である火力発電
所周辺での公害防止および環境対策を自己完結型のサイ
クルで達成でき、しかも廃棄物の回収再利用と資源の有
効活用を図れる点で産業上高い有用性を有する。
【0010】
【課題を解決するための手段】 それ故本発明は、石炭
粉末と、脱硫剤としての貝殻粉末と、助燃剤及び粘結剤
を兼ねる微細藻類との混合物を粒状に成形して成る成形
体燃料を提供する。特に、前記貝殻粉体が貝類を好気性
発酵させ有機物を分解除去して得られた貝殻の粉末であ
り、前記藻類が排ガス中のCO2 を藻類に光合成固定化
させることにより得られた培養藻類である前記成形体燃
料が好ましい。脱硫剤として貝類粉末を使用した例はこ
れまで存在しない。
【0011】 本発明はさらに、石炭粉末と、貝類を
養液中で好気性発酵させ有機物を分解除去して得られた
貝殻の粉末と、排ガス中のCO2 を藻類に光合成固定化
させることにより得られた培養藻類とを混合したのち、
粒状に成形する、成形体燃料の製造方法をも提供する。
本発明では前記貝殻粉末は火力発電所以外の大規模工場
取水口および/または排水口周辺で回収される貝類、そ
の他養殖、食品加工、食事等で廃棄された貝殻の粉末を
も含有できる。また前記藻類に加え、それ以外の植物質
例えば木質系物質の粉砕物も含有できる。
【0012】 本発明はまた前記した成形体燃料を製造
するための装置にも関する。すなわち、本発明は、石炭
粉砕装置と、貝類を培養液中で好気発酵させる湿式好
気性発酵装置と、発酵装置から貝殻を回収する装置
と、回収された貝殻の粉砕装置と、藻類を培養する光フ
ァイバー導入型光合成バイオリアクター装置と、培養藻
類を分離する装置とを備え、前記石炭粉砕装置からの
粉末と、前記貝殻の粉砕装置からの脱硫剤としての
殻粉末と、前記分離された助燃剤及び粘結剤を兼ねる
養藻類とを混合する混合装置と、該混合装置からの混合
物を粒状に成形する成形装置とを含む成形体燃料の製造
装置にも関する。
【0013】本発明による成形体燃料に含有される藻類
は、炭素質に加え糖やタンパク質、さらには幾分かの水
分も含有しており、従って藻類それ自体が助燃剤である
と同時に粘結剤として役立ち、別途粘結剤を添加する必
要がなくコスト削減に寄与できる。以下、本発明をより
詳細に説明する。
【0014】本発明による成形体燃料は石炭粉末を40
〜75重量%好ましくは55〜65重量%、前記脱硫剤
を5〜20重量%好ましくは8〜12重量%、そして前
記培養藻類を乾燥物として10〜40重量%好ましくは
15〜30重量%含有するような割合で混合するのが好
適である。本発明により使用される前記石炭粉末は50
〜200メッシュ、好ましくは80〜150メッシュ、
特に100メッシュ前後が好ましい。また貝殻粉末は5
0〜200メッシュ、好ましくは80〜150メッシ
ュ、特に100メッシュ前後であり、そして前記藻類は
それ自体が微細なので特に粉砕せずとも脱水しさえすれ
ばそのままでも充分使用できる。
【0015】石炭は火力発電所の石炭ヤードに野積みさ
れたものを粉砕後、混合装置に投入すればよい。粉砕機
としてはボールミル型例えば転動ボールミル、振動ボー
ルミル、遊星ミル、あるいは攪拌ミル型例えばスクリュ
ー型等任意の適当な石炭用粉砕機を使用すれば良い。転
動ボールミルが最も好ましい。脱硫剤の原料となる貝類
は、火力発電所の冷却水取水口および排水口周辺の壁、
柵等に付着する貝類であり、例えば、ふじつぼ類、ほや
類、ムラサキイガイ等の軟体動物類などがあげられる。
最も一般的で多量に採取されるものはムラサキイガイで
ある。これらには通常身が付着しており、貝殻のみを分
離して乾燥粉砕して使用するのが好ましいが、少量の身
が付着したままでも乾燥後粉砕して使用することができ
る。
【0016】貝殻から身を除去して貝殻のみを回収する
には、貝類を洗浄して付着した砂等をほぼ除去したの
ち、湿式好気性発酵により有機物を分解除去する。湿式
好気性発酵は連続式または回分式で操作でき、円筒型、
箱型等の発酵槽中で、種々の菌、例えばバクテリアとし
てバチルス(Bacillus)、ズーグロエア(Zoogloea)、カ
ンジダ(Candida)、およびシュードモナス(Pseudomona
s )、そして繊毛虫類としてボルチセラ(Vorticella)
、オペルクラリア(Opercularia)などの1種以上を含
有する発酵液中に浸漬し、大気圧下、空気通気量0.01〜
1vvm、温度15〜45℃、通常は室温で、約2週間から
2か月間、通常1か月間発酵させる。
【0017】発酵終了後は有機質である身が溶解消失
し、ほぼ貝殻のみが残るのでこれを発酵装置から取り出
して水切りし、場合により100〜200℃で熱風乾燥
後、所定の粉末度に粉砕したのち混合装置に投入する。
熱風乾燥には発電所の余熱を利用すればよく、新たなエ
ネルギーを必要としない。貝殻の粉砕にはボールミル型
例えば転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ミル、あ
るいは攪拌ミル型例えばスクリュー型等の、石炭の粉砕
にあげられたと同様の粉砕機を適宜使用でき、転動ボー
ルミルが好ましい。
【0018】水切り後の発酵液中には発酵菌が残存する
ので捨てないで循環再使用するかまたは後述する光合成
バイオリアクター反応槽に導入し、環境中に放流する水
分量を低減させることができる。また湿式好気性発酵槽
からの排気は臭気が強いので、脱臭装置を通して排気し
てもよいが、この排気は炭酸ガスを含有するので光合成
バイオリアクター反応槽に導入して炭酸ガスを浄化し同
時に脱臭したのち排気した方が好都合である。
【0019】こうして得られた貝殻粉末には炭酸カルシ
ウムが約75%含まれる他リン、カリウム等も含まれる
が、それらを分離精製することなく貝殻粉末全体をその
まま脱硫剤として使用できる。脱硫剤として貝殻粉末を
使用するのは本発明が初めてであり、安価に原料を入手
できること、しかも廃棄物を有効利用できることは当業
者にとっても予想外であり、価値ある発明である。
【0020】脱硫剤としては前記した貝殻粉末に加え、
他の回収貝類、養殖、食品加工、食事等の際に廃棄され
る貝殻の粉末も使用できる。従って貝類の産地で身を取
り出した後の、大量に廃棄される貝殻の処分にも貢献で
きる。本発明の成形体燃料における藻類には種々のもの
が使用可能であるが、火力発電所の排ガス中のCO2
藻類に光合成固定化させることにより得られた培養藻類
が好ましい。前記光合成とは植物が二酸化炭素と水から
光の存在下に炭水化物を合成する反応を指す。本発明の
成形体燃料の製造法において光合成に使用できる藻類を
あげれば、入手容易で取扱容易で、しかも乾燥すれば特
に粉砕操作せずともそのまま使用できる微細藻類、例え
ば2〜10ミクロンの寸法のものが好ましく、具体的に
は藍藻のスピルリナ、緑藻のクロレラ、等があげられ
る。緑藻クロレラが好ましい。
【0021】藻類の光合成装置は、藻類が光合成できる
装置であれば種類を問わないが、光を装置内部まで浸透
せしめることのできる内部照射型の光ファイバー導入型
光合成バイオリアクターが好ましい。光合成バイオリア
クターの形状は円筒型、箱型、等任意のものでよく、バ
イオリアクター装置の下方から排ガスを導入しCO2
吸収させる。CO2 吸収率が低い場合はバイオリアクタ
ー装置からの排気をリアクター装置に戻して再循環させ
ることによりCO2 吸収率をさらに高めることができ
る。
【0022】藻類はバイオリアクター中で適切な濃度、
好ましくは0.5〜2.0g/Lの濃度に懸濁させる。
火力発電所からの排ガスはCO2 濃度が20%前後であ
り、温度が60℃前後であるのでバイオリアクターに導
入した場合に程よい温度をもたらし、藻類によるCO2
の固定に好適に使用できる。光合成条件としては、大気
圧下、排ガス通気量0.01〜1vvmで、太陽光およ
び、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、蛍
光灯のような人工光(100〜1000μE/m2 s)を
使用し、バイオリアクター内部への光の導入は石英ガラ
スまたはプラスチック製の光ファイバーを使用すればよ
い。培養温度10〜60℃、好ましくは20〜40℃で
光合成培養により増殖させる。培養温度は排ガスの余熱
によりもたらされる熱分で十分に賄えるので、新たなエ
ネルギーを必要としない。
【0023】増殖した藻類はバイオリアクターから適宜
継続的または断続的に取り出し、分離装置で培養母液と
分離脱水し、藻類に混入した培養液中の塩分を除去する
ため数回洗浄水を加えては脱水する操作を繰り返したの
ち、最終的に含水率20〜70%、好ましくは40〜6
0%程度となるまで脱水する。このものは成形体燃料の
製造にほどよい水分を含有するのでそのまま混合装置に
導入できるが、場合により100〜200℃の熱風で乾
燥し、さらに所定の粉末度に粉砕したのち混合装置に導
入することもできる。熱風乾燥には発電所の余熱を利用
すればよく、新たなエネルギーを必要としない。
【0024】培養藻類の分離機としては、遠心分離式、
フィルタープレス型等、種々使用でき、遠心分離式が好
都合である。藻類を分離後の母液は光合成バイオリアク
ターまたは湿式好気発酵装置に循環再使用できる。バイ
オリアクターは継続運転できるので、ひとたび運転を開
始したら自動操作により長期間運転できる。こうして得
られた藻類は乾燥重量あたり約50%の炭素を含有し、
炭素源として役立つのみならず、500〜700℃とい
う低温領域での炉内着火性を高めることができるので、
石炭が不完全燃焼して未燃焼炭素が生成するのを阻止で
きる助燃剤であると同時に、成形体となすための粘結剤
としても有用である。
【0025】本発明における成形体燃料には、藻類の他
にも間伐材や木質系粗大ゴミのような木質系物質の粉砕
物をも含有することができる。上記のようにして得られ
た石炭粉末、脱硫剤、および培養藻類を任意の順序で混
合装置に投入して混合し、次にこの混合物を当業上慣用
に使用される通常の成形装置、例えば大塚鉄工製K14
4型または高圧ブリケット製造装置に導入して温度20
〜100℃、好ましくは40〜80℃で1〜4t/cm2
の圧力の下に成型し、適当な形状となす。成形体燃料の
形状は、燃料としての使用目的および取扱の容易さなど
からみて長さ20〜50mm×20〜50mm、厚み20
mm程度の顆粒やブリケットがよく、40×35×20mm
程度の顆粒状が好適である。
【0026】
【実施例】
実施例1 本発明の成形体燃料の製造工程および装置の1例を示す
図1のフローチャートにより、本発明をさらに説明す
る。石炭を転動型ボールミル中で100メッシュに粉砕
した。
【0027】これと別に、発電所取水口および排水口周
辺からロボットを用いて回収した付着貝を洗浄槽1で洗
浄後、バクテリアとしてバチルス(Bacillus)、ズーグ
ロエア(Zoogloea)、カンジダ(Candida)、およびシュー
ドモナス(Pseudomonas )、そして繊毛虫類としてボル
チセラ(Vorticella) 、オペルクラリア(Opercularia)
の混合物を含有する培養液1m3 を含む箱型の空気導入
式開放型湿式好気発酵装置2(容量1.5m3 )にスク
リューコンベア3Aで供給した。発酵液温を30℃前後
に保持し、送風機から1.0vvmの通気量で空気を導
入しながら大気圧下好気的に発酵させた。1か月後には
繊維状物質がわずかに残るのみで、貝の身がほぼ溶解消
失した。貝殻をスクリューコンベア3Bで水洗/水切り
コンベア4に移して洗浄、水切りし、転動式ボールミル
粉砕機5中で100メッシュに粉砕した。水切り水受槽
12で回収された発酵液は湿式好気発酵装置2あるいは
光合成バイオリアクター6に循環して再利用した。
【0028】集光装置7およびプレート状(30mm×
10mm×60mm)のプラスチック製内部照射用光フ
ァイバー照射板8を備えた光合成バイオリアクター6
(処理量一日当たりCO2 200g/m3 )中に、緑藻
クロレラを1.0g/Lの濃度に懸濁させた培養液(5
0リットル)を充填し、火力発電所からの排ガス(温度
約60℃、CO2 約20%含有)を、通気量0.5vv
mで導入した。液温は排ガスのもつ温度のためほぼ25
〜30℃に保たれた。このバイオリアクターに昼間は太
陽光を導入し、夜間や曇りの場合は蛍光灯(100〜1
000μE/m2s)および太陽光と蛍光灯を併用し、
大気圧下で光合成させた。
【0029】クロレラの濃度を経時的に観察し、約2.
5g/Lを越えたらリアクターから内容物を毎時0.6
Lで取り出し、遠心分離式脱水機9で培養液と培養藻類
とを分離すると同時に水洗を数回繰り返し、含水率50
%となるまで脱水した。バイオリアクター上方から排出
される排ガスはなおCO2 を約19%含有しており、バ
イオリアクターに再循環させた。
【0030】前記粉砕石炭65重量部、貝殻粉砕物10
重量部、および培養クロレラ25重量部を混合装置10
に導入し、よく混合したのち全量を大塚鉄工製高圧ブリ
ケット装置11に供給し、およそ60℃の温度で2.5
トン/cm2 の圧力の下、40×40×20mmの顆粒
状のブリケット成形体となした。こうして得られたブリ
ケット成形体を、脱硫剤として水酸化カルシウムを含有
する従来法固形燃料と比較して燃焼実験を行い、得られ
た灰中の硫黄分を分析して固定化硫黄量を比較した。従
来法固形燃料はCa/Sモル比1〜2で固定化率が60
〜80%であったのに対し、本発明のブリケット成形体
は同じモル比で固定化率75〜85%を示した。これは
貝殻の主成分である炭酸カルシウムの他に、貝殻に含有
されている微量の金属成分が硫黄分の固定化促進効果を
及ぼしたものと考えられる。 実施例2 円筒状の湿式好気発酵装置(容量150リットル)を使
用し、身が消失後の貝殻を回収後、乾燥機中150〜1
60℃で30〜45分間熱風乾燥し、そして培養藻類を
分離後140〜160℃で30分間熱風乾燥し転動式ボ
ールミルで100メッシュに粉砕する以外は実施例1に
おけると同様にして操作した。実施例1におけると同様
の成形体燃料が得られた。
【0031】
【発明の効果】火力発電所周辺で従来はただ廃棄処分さ
れていた貝殻を脱硫剤として有効利用してコスト削減を
はかると同時に亜硫酸ガスの発生を阻止できる。また、
地球温暖化をもたらす排ガス中の炭酸ガスを光合成によ
り固定化除去して浄化すると同時に藻類を培養し、得ら
れた培養藻類をブリケット燃料の炭素源かつ助燃剤かつ
粘結剤として使用でき、地球温暖化の防止および燃料製
造コスト削減に寄与できる。従って火力発電所およびそ
の周辺という同一サイトで容易に調達可能な材料から、
自己完結型のプロセスで価値の高い成形体燃料を提供で
き、同時に公害防止と環境破壊防止を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形体燃料の製造工程のフローチャートの一例
を示す。
【符号の説明】
1 貝洗浄槽 2 湿式好気発酵
装置 4 洗浄/水切りコンベア 5 粉砕機 6 光合成バイオリアクター 7 光ファイバー
照射板 9 分離装置 11 高圧ブリケッ
ト装置 M モータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10L 5/02 C10L 9/10 C10L 10/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭粉末と、脱硫剤としての貝殻粉末
    と、助燃剤及び粘結剤を兼ねる微細藻類との混合物を粒
    状に成形して成る成形体燃料。
  2. 【請求項2】 石炭粉末と、貝類を培養液中で好気性発
    酵させ有機物を分解除去して得られた貝殻の粉末と、排
    ガス中のCO2 を藻類に光合成固定化させることにより
    得られた培養藻類とを混合したのち、粒状に成形する、
    成形体燃料の製造方法。
  3. 【請求項3】 石炭粉砕装置と、貝類を培養液中で好気
    発酵させる湿式好気性発酵装置と、発酵装置から貝
    殻を回収する装置と、回収された貝殻の粉砕装置と、藻
    を培養する光ファイバー導入型光合成バイオリアクタ
    ー装置と、培養藻類を分離する装置とを備え、前記石炭
    粉砕装置からの石炭粉末と、前記貝殻の粉砕装置からの
    脱硫剤としての貝殻粉末と、前記分離された助燃剤及び
    粘結剤を兼ねる培養藻類とを混合する混合装置と、該混
    合装置からの混合物を粒状に成形する成形装置とを含む
    成形体燃料の製造装置。
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