JP3027681U - 浴湯濾過装置における浴湯吸込部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴湯濾過装置の浴湯吸込部に装着されたフ
ィルターを交換したり、あるいは洗浄する際に、フィル
ターを容易に浴湯吸込部から取り外すことができように
すること。 【解決手段】 従来浴湯吸込部が具備していたフィル
ターフレームを無くし、前蓋にフィルターを保持したフ
ィルターカバーを直接取出し自在に取り付けた。また、
フィルターカバーに多数の浴湯通過孔を形成するととも
に、フィルターカバーと前蓋との間に保持手段を設け
た。さらに、フィルターカバーに、浴湯通過孔の一部を
なす複数の指挿通孔を並設し、同指挿通孔を指の挟持力
で挟持することにより、前記保持手段の保持力を解除す
る方向に湾曲の荷重をかけられるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、浴湯濾過装置の浴湯吸込部に関する。

【０００２】

【従来の技術】

浴槽に装着された家庭用の浴湯を浄化する浴湯濾過装置は、浴槽本体の近傍に 配設され、その内部にポンプと濾過材とを内蔵するとともに、同ポンプに連通連 結した浴湯吸水パイプ及び浴湯噴出パイプの先端部を浴槽内に配設している。そ して、ポンプの駆動によって、浴湯吸水パイプと浴湯噴出パイプを介して浴湯を 循環させながら、濾過タンク内の濾過材で浴湯の浄化を行うようにしている。

【０００３】 また、浴槽本体内に配設した浴湯吸水パイプの先端部には、ある程度のゴミを 捕捉するスポンジ状のフィルターを収納した浴湯吸込部を取り付けている。

【０００４】 かかる、従来の浴湯濾過装置における浴湯吸込部は、図５に示すように、浴湯 吸込パイプ28の先端部に、浴槽の壁面B2に取り付ける吸込ケース23を連通連結し 、同吸込ケース23に、吸込口29を有する前蓋24を上下方向に着脱自在に取り付け 、さらに、同前蓋24に、フィルター25及び同フィルター25を保持するフィルター カバー26を装着したフィルターフレーム27を上下にスライドさせて着脱自在とな るように取り付けていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記浴湯吸込部にあっては、上述したように、フィルター25を取り外 す際には、前蓋24を吸込ケース23の上方に持ち上げて、前蓋24を吸込ケース23か ら取り外し、さらにその後、フィルターフレーム27を前蓋24の上方に引上げて、 前蓋24からフィルターフレーム27を取り外し、またさらに、フィルターフレーム 27からフィルター25を保持するフィルターカバー26を取り外してフィルター25を 取り出さなければならなかった。

【０００６】 そのため、フィルター25を交換したり、あるいはフィルター25を洗浄する際に 、非常に煩雑な手間を要するという問題点があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の問題点を解決するために、本考案は、従来浴湯吸込部が具備していたフ ィルターフレームを無くし、前蓋にフィルターを保持したフィルターカバーを直 接取出し自在に取り付けることとしている。すなわち、浴湯吸込パイプに連通連 結した吸込ケースと、同吸込ケース前方より着脱自在に取付け、浴湯吸込口を有 し、かつ、浴湯中のゴミ等を捕捉するためのフィルターを収容した前蓋とを具備 し、さらに、前記フィルターを前記フィルターカバーにより保持させるとともに 、同フィルターカバーを、前記吸込ケースより分離させた前記前蓋後方より取出 し自在としている。

【０００８】 また、フィルターカバーに多数の浴湯通過孔を形成するとともに、フィルター カバーと前蓋との間に保持手段を設けることとしている。

【０００９】 さらに、フィルターカバーに、浴湯通過孔の一部をなす複数の指挿通孔を並設 し、同指挿通孔を指の挟持力で挟持することにより、前記保持手段の保持力を解 除する方向に湾曲の荷重をかけられるようにしている。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案は、浴湯濾過装置における浴湯吸込部を、浴湯吸込パイプに連通連結し た吸込ケースと、同吸込ケース前方より着脱自在に取付け、浴湯吸込口を有し、 かつ、浴湯中のゴミ等を捕捉するためのフィルターを収容した前蓋とから構成し 、さらに、前記フィルターをフィルターカバーにより保持させるとともに、同フ ィルターカバーを、吸込ケースより分離させた前蓋後方より取出し自在としたも のである。

【００１１】 そのため、従来浴湯吸込部が具備していたフィルターフレームを無くすことが でき、フィルターを取り外す際には、吸込ケースから前蓋を前方向に取り外すと ともに、前蓋からフィルターカバーを取り外すだけで、容易にフィルターを取り 外すことができる。

【００１２】 また、フィルターカバーに多数の浴湯通過孔を形成するとともに、同フィルタ ーカバーと前蓋との間に保持手段を設けたものである。

【００１３】 そのため、浴槽内で前蓋を取り外しても、フィルターに付着したゴミ等によっ て浴槽内を汚してしまうことがない。

【００１４】 さらに、フィルターカバーに、前記浴湯通過孔の一部をなす複数の指挿通孔を 並設し、同指挿通孔を指の挟持力で挟持することにより、前記保持手段の保持力 を解除する方向に湾曲の荷重をかけられるようにしたものである。

【００１５】 そのため、前蓋からフィルターカバーを容易に取り外すことができ、フィルタ ーを洗浄、交換する際の手間を省くことができる。

【００１６】

【実施例】

以下、添付図面を参照しながら本考案の実施例について詳述する。

【００１７】 浴湯濾過装置Ａは、図１に示すように、浴槽Ｂ本体の縁部B1に載置した浴湯濾 過装置本体１と、浴湯Ｃを取り込むために、浴槽Ｂ本体内の浴湯Ｃ中に垂下した 浴湯吸込部２と、同じく、浴湯Ｃ中に垂下した浴湯吐水部３とから構成されてい る。そして、浴湯濾過装置本体１と、浴湯吸込部２及び浴湯吐水部３とを、それ ぞれ、浴湯吸込パイプ４と浴湯噴出パイプ５とで連通連結している。

【００１８】 浴湯濾過装置本体１は、浴湯の循環を行わせる循環ポンプＰ、浴湯の流れる方 向を切換可能とした五方弁Ｖ、浴湯を加熱するヒータＨ、浴湯の濾過を行う濾過 機Ｄ、浴湯の殺菌を行う紫外線殺菌装置Ｅとを具備しており、それぞれを送水パ イプで連通連結している。

【００１９】 このようにして、浴湯濾過装置Ａは、循環ポンプＰを駆動し、浴湯吸込パイプ ４から浴湯吸込部２を介して浴槽Ｂ内の浴湯Ｃを吸い込み、紫外線殺菌装置Ｅ及 び濾過機Ｄにより浴湯を浄化し、浴湯噴出パイプ５から浴湯吐出部３を介して浴 湯を浴槽Ｂ内に吐き出すことによって、浴湯Ｃの浄化を行っており、長期間にわ たり浴湯を換えることなく使用できるようにしている。また、ヒータＨにより濾 過機Ｄで浄化した浴湯を加熱して、浴湯Ｃの温度を一定に保つこともできるよう にしている。

【００２０】 なお、五方弁Ｖを選択的に開閉することにより浴湯の流路を切換え、通常の濾 過運転の他、逆洗運転、及び、洗浄運転をそれぞれ自動的に行えるようにしてい る。かかる濾過運転、逆洗運転、洗浄運転は、ボタン操作で自動的に行えるよう に制御されており、その操作は、浴湯濾過装置本体１の前部に設けられた操作パ ネルＦで行うようにしている。

【００２１】 次に、本考案の要部である浴湯吸込部２の構造について詳説する。

【００２２】 浴湯吸込部２は、図２及び図３に示すように、フィルター８を収納保持したフ ィルターカバー９を前蓋７に、前蓋７の後方より着脱自在に取り付け、さらに、 その前蓋７を吸込ケース６に、吸込ケース６の前方より着脱自在に取り付けて構 成している。フィルターカバー９には、浴湯が通過する複数の浴湯通過孔15を形 成している。

【００２３】 浴湯Ｃは、循環ポンプＰを駆動すると、前蓋７の前面下部に形成した吸込口12 より浴湯吸込部２内に流入し、スポンジ状のフィルター８及びフィルターカバー ９に形成された複数の浴湯通過孔15を通過し、吸込ケース６の連結部10より浴湯 吸込パイプ４を介して浴湯濾過装置本体１へと吸い込まれる。その際に、フィル ターが浴湯中の髪の毛やゴミ等を捕捉して、浴湯濾過装置本体１内部に比較的大 きなゴミ等が流入しないようにしている。

【００２４】 前蓋７及び吸込ケース６は、開口面を有する箱形の形状をしており、両開口面 を向き合わせて取付けている。

【００２５】 前蓋７は、前面下部に、下方に伸延した吸込口形成用筒体11を突設して前記吸 込口12を形成し、さらに、周壁内側面の右側及び左側にそれぞれ対向状態に溝30 ,30 を形成している。

【００２６】 一方、フィルターカバー９には、フィルター８と面接する面と、フィルター８ を収納保持する周壁とを形成し、同周壁外側の右側及び左側にそれぞれ対向状態 に、前記溝30,30 と嵌合する突起14,14 を形成している。

【００２７】 上記構成により、フィルター８をフィルターカバー９の周壁で保持し、前蓋７ 後方よりフィルターカバー９を挿入し、前蓋７に形成した左右の溝30,30 とフィ ルターカバー９に形成した左右の突起14,14 とを嵌合して、フィルターカバー９ 及びフィルターを前蓋７で保持できるようにしている。

【００２８】 また、前蓋７は、開口部上側及び下側に、吸込ケース６への挿入方向に伸びる 舌片16a,16b を形成している。一方、吸込ケース６は、開口部上側及び下側に、 前記舌片16a,16b と対応する位置に嵌合穴17a,17b を形成している。

【００２９】 このようにして、前蓋７を前方に傾けた状態で、下側舌片16b を嵌合穴17b に 挿入し、その挿入部分を支点として前蓋７を吸込ケース６側に回転し、上側舌片 16a を嵌合穴17b に嵌合して、前蓋７を吸込ケース６で保持できるようにしてい る。

【００３０】 そのため、フィルター８を取り外す際には、浴槽Ｂ内において吸込ケース６か ら前蓋７を取り外し、そして、浴槽Ｂ外で前蓋７からフィルターカバー９を取り 外すだけで、容易にフィルター８を取り外すことができ、その際に、フィルター ８は、フィルターカバー９によって前蓋７に保持されているため、フィルター８ に付着したゴミ等によって浴槽Ｂ内を汚してしまうことがない。

【００３１】 また、従来用いられていたフィルターフレームを無くしてるため、浴湯吸込部 ２の小型・軽量化が図れると伴に、コストダウンを図ることができる。

【００３２】 なお、本実施例では、フィルターカバー９を前蓋７で保持するための溝３０，
３０ や突起１４，１４ を前蓋７の裏面開口部右側及び左側に設けているが、前蓋７
の裏面 開口部の対向する位置、例えば上側及び下側に設けてもよい。また、前蓋７を吸 込ケース６で保持するための舌片16a,16b や嵌合穴17a,17b も、前蓋７の開口部 上側及び下側に設けているが、前蓋７の裏面開口部の対向する位置、例えば右側 及び左側に設けてもよい。

【００３３】 さらに、前蓋７の裏側に、複数のリブ18を設けており、同リブ18とフィルター カバー９によってフィルター８を挟み込んでフィルター８を確実に保持し、浴湯 を吸引する際に生じる吸引力等によってフィルター８がずれたり変形するのを防 止している。

【００３４】 また、吸込ケース６内には、吸込ケース６の開口部周縁及び中央部に補強リブ 19a,19b を設けており、前蓋７を取り付けた状態で、補強リブ19a,19b がフィル ターカバー９の背面に当たるようにし、浴湯を吸引する際に生じる吸引力や浴湯 の熱等によるフィルターカバー９の湾曲を防止できるようにしている。

【００３５】 また、フィルターカバー９には、図４に示すように、突起14,14 の間に、指を 挿入できる大きさの指挿通孔15a,15b を形成し、同指挿通孔15a,15b の間に長孔 15c を形成し、さらに、突起近傍の孔15d,15e,15f,15g をフィルターカバー９の 周壁近傍まで延設している。

【００３６】 このようにして、指挿通孔15a,15b に指を差し込み、指挿通孔15a,15b を指の 挟持力で挟持することにより、突起14を形成しているフィルターカバー９の周壁 を湾曲させることができるようにしている。

【００３７】 そのため、フィルターカバー９を前蓋７から取り外す時には、指挿通孔15a,15 b に親指及び人差指を差し込み、長孔15c の方向に軽く力を入れるだけで、フィ ルターカバー９に形成した突起14を、前蓋７に形成した嵌合溝との嵌合から開放 でき、容易にフィルターカバー９及びフィルター８を前蓋７から取り外すことが できる。

【００３８】 また、吸込ケース６の裏面には、複数の吸盤20を取り付けており、浴槽Ｂの壁 面B2に浴湯吸込部２を吸着可能に構成している。前記吸盤20は、吸込ケース６の 裏面に設けた吸込ケース６と一体成形したボス21に、吸盤20に設けた取付穴20a を嵌合して取付けており、回動自在となっている。

【００３９】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果 を奏する。

【００４０】 (1) 請求項１記載の本考案では、浴湯濾過装置における浴湯吸込部を、浴湯吸込 パイプに連通連結した吸込ケースと、同吸込ケース前方より着脱自在に取付け、 浴湯吸込口を有し、かつ、浴湯中のゴミ等を捕捉するためのフィルターを収容し た前蓋とから構成し、さらに、前記フィルターをフィルターカバーにより保持さ せるとともに、同フィルターカバーを、吸込ケースより分離させた前蓋後方より 取出し自在としたため、従来浴湯吸込部が具備していたフィルターフレームを無 くすことができ、フィルターを取り外す際には、浴槽内で吸込ケースから前蓋を 取り外し、そして、浴槽外で前蓋からフィルターカバーを取り外すだけで、容易 にフィルターを取り外すことができる。

【００４１】 また、従来用いられていたフィルターフレームを無くすことができるため、浴 湯吸込部の小型・軽量化が図れると伴に、コストダウンを図ることができる。

【００４２】 (2) 請求項２記載の本考案では、フィルターカバーに多数の浴湯通過孔を形成す るとともに、同フィルターカバーと前蓋との間に保持手段を設けたため、浴槽内 で前蓋を取り外しても、フィルターが前蓋から離脱することがなく、フィルター の前蓋側に付着したゴミ等が浴湯内に散乱して浴槽内を汚すことなくフィルター を取り外すことができる。

【００４３】 (3) 請求項３記載の本考案では、フィルターカバーに、浴湯通過孔の一部をなす 複数の指挿通孔を並設し、同指挿通孔を指の挟持力で挟持することにより、前記 保持手段の保持力を解除する方向に湾曲の荷重をかけられるようにしたため、前 蓋からフィルターカバーを容易に取り外すことができ、フィルターを洗浄、交換 する際の手間を省くことができる。

【００４４】 また、従来より浴湯を通過させるために設けていた浴湯通過孔の形状を変更さ せただけであるため、コストアップを生ずることなく、フィルターカバー及びフ ィルターを前蓋から容易に取り外せる構成とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】浴湯濾過装置の全体構成を示す斜視図

【図２】本考案に係る浴湯吸込部を示す斜視図

【図３】同断面図

【図４】フィルターカバーの正面図

【図５】従来技術を示す断面図

【符号の説明】

１ 浴湯濾過装置本体 ２ 浴湯吸込部 ３ 浴湯吐水部 ６ 吸込ケース ７ 前蓋 ８ フィルター ９ フィルターカバー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽内の浴湯を循環させるポンプと、浴
   湯の浄化を行う濾過機と、浴槽内に開口する浴湯吸込パ
   イプ及び浴湯噴出パイプよりなる浴湯濾過装置におい
   て、 前記浴湯吸込パイプに連通連結した吸込ケースと、 同吸込ケース前方より着脱自在に取付け、浴湯吸込口を
   有し、かつ、浴湯中のゴミ等を捕捉するためのフィルタ
   ーを収容した前蓋とを具備し、 さらに、前記フィルターを前記フィルターカバーにより
   保持させるとともに、同フィルターカバーを、前記吸込
   ケースより分離させた前記前蓋後方より取出し自在とし
   たことを特徴とする浴湯濾過装置における浴湯吸込部。
2. 【請求項２】 前記フィルターカバーに多数の浴湯通過
   孔を形成するとともに、同フィルターカバーと前記前蓋
   との間に保持手段を設けたことを特徴とする請求項１記
   載の浴湯濾過装置における浴湯吸込部。
3. 【請求項３】 前記フィルターカバーに、前記浴湯通過
   孔の一部をなす複数の指挿通孔を並設し、同指挿通孔を
   指の挟持力で挟持することにより、前記保持手段の保持
   力を解除する方向に湾曲の荷重をかけられるようにした
   ことを特徴とする請求項２記載の浴湯濾過装置における
   浴湯吸込部。