JP3027493U - 側壁からも植え込み可能な植木鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は植木鉢の側部も利用して鉢全体の表
面積を有効に利用することが出来ると共に植木鉢を室内
用に吊るして使用すると見栄えが極めて良くなる植木鉢
を提供すると共に、その開口部や側部に植木の苗を植え
付け、多種類の植木を生育し、鑑賞期間が長くなる植木
鉢を提供することを目的とする。 【解決手段】 鉢本体１の側壁に小鉢部２を、横や縦方
向に多数設けたものと成す。また小鉢部２を植込穴21
と、それが囲われる囲い部材22とから成しても良く、一
方、鉢本体１の側壁に、押圧して植込穴21が開口し形成
されるための穴用切込溝を多数刻設させ、囲い部材22を
備えると共に、それを接着剤等で後から固定する構造と
しても良い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は側壁からも植え込み可能な植木鉢に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の植木鉢は上方広がりの円筒状或いは多角筒状に鉢本体を形成し、その底 部には水抜用穴が穿設された構造のものが大半である。これを使用する場合には 、鉢本体の内部に土を入れ、そこに植物の苗を植えていた。この際、植え付け面 積が少なく、一般には一鉢に一種類の植物が植えられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このため、従来の植木鉢を使用して多種類の植物を植える際には、植木鉢の数 を多く用意しなければならず、しかも、棚などに乗せた植木鉢は、開口の上方に 植え付けられる植物に比べて植木鉢全体の表面積が多いので、植物よりも植木鉢 が目立つ場合もあった。また植木鉢に植えた植物が一種類であると、それを室内 に飾った場合、飽き易く、且つ日持ちのしない植物であると、直ぐに萎れて鑑賞 期間が短い等の問題点があった。

【０００４】 本考案は植木鉢の側部も利用して鉢全体の表面積を有効に利用することが出来 ると共に植木鉢を室内用に吊るして使用すると見栄えが極めて良くなる側壁から も植え込み可能な植木鉢を提供するにある。

【０００５】 本考案の他の目的としては、植木鉢の開口部及び側部にも植木の苗を植え付け て同時に多種類の植木の生育をすることが出来ると共に見飽きにくくなり、且つ 鑑賞期間を長く維持出来る側壁からも植え込み可能な植木鉢を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記問題点を解決するために本考案は成されたものであり、つまり、植木鉢の 表面全体に植物が植え込み出来るために、鉢本体の側壁に小鉢部を、横や縦方向 に多数設けたものと成す。また前記小鉢部は植込穴とそれを囲う囲い部材とから 成しても良く、且つ前記小鉢部が鉢本体の側壁に後から設ける構造、つまり、鉢 本体の側壁に、押圧して植込穴が開口し形成されるための穴用切込溝を多数刻設 させ、前記植込穴を囲う囲い部材を備えると共に、それを接着剤等で固定する構 造としても良い。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１，図２は本考案の第１実施形態を示す図であり、これに基づき説明する。 （１）は上方に開口部（11）を有する円筒状の鉢本体であり、該鉢本体（１）の 底部（12）には水抜用穴（13）が穿設されている。また鉢本体（１）の材質とし ては素焼きもの，陶磁器もの，合成樹脂ものなどが用いられる。尚、鉢本体（１ ）の形状は上記円筒状に限定されるものではない。（２）は鉢本体（１）の側壁 の横方向及び縦方向に多数設けた小鉢部であり、該小鉢部（２）には鉢本体（１ ）の側壁に穿設した植込穴（21）と、該植込穴（21）を囲う上方が開口した囲い 部材（22）とがあり、鉢本体（１）と一体に成形する。又、前記小鉢部（２）の 断面形状としては、図６の（ａ）に示すようにＶ字状に形成されている。尚、前 記小鉢部（２）の配列は、一般に横方向へは２〜８個、縦方向に１段〜数段設け るが、鉢本体（１）の大きさや形状によって適宜に決めれば良い。又、前記植込 穴（21）の形状としては、丸形或いは四角などの多角形を形成させ、且つ、鉢本 体（１）と小鉢部（２）が連通されるものとする。

【０００８】 図３は本考案の別実施形態を示す図であり、これは第１実施形態と比べると、 鉢本体（１）の形状が短円筒状であり、小鉢部（２）は鉢本体（１）の側壁の横 方向に多数設けている。また小鉢部（２）の断面形状としては、図６の（ｂ）に 示すようにコの字状に形成されている。他の部分は第１実施形態と同じである。

【０００９】 図４，図５は本考案の第２実施形態を示す図であり、これに基づき説明する。 （１）は上方に開口部（11）を有する円筒状の鉢本体であり、該鉢本体（１）の 底部（12）には水抜用穴（13）が穿設されている。また鉢本体（１）の材質とし ては素焼きもの，陶磁器もの，合成樹脂ものなどが用いられる。又、前記の鉢本 体（１）の側壁には、植込穴（21）が開口し形成されるための穴用切込溝（21a ）を、横方向及び縦方向に多数刻設している。この時の小鉢部（２）としては、 適宜に穴用切込溝（21a）を外側から押圧したり、或いは叩いたりして植込穴（2 1）を開口させる。開口した植込穴（21）に、鉢本体（１）と同材質或いは合成 樹脂の囲い部材（22）を用意し、それを植込穴（21）の外周部に接着させること により、小鉢部（２）を形成するのである。又、前記小鉢部（２）の断面形状と しては、図６の（ｃ）に示すようにＶ字状に形成される。

【００１０】 次に本考案の使用方法について説明する。先ず鉢本体（１）の側壁に設けた一 番低い植込穴（21）の下まで土を入れる。次にその植込穴（21）に向かって、草 花（３）の苗を小鉢部（２）の上方から挿入し、その根が植込穴（21）を通過し て鉢本体（１）の土がある所まで挿入する［図７（ａ）参照］。下段の各植込穴 （21）に草花（３）の苗を植え込み終えた後、上段の植込穴（21）の下まで土を 入れる。そして、下段の時と同じ要領で草花（３）の苗を小鉢部（２）の上方か ら挿入し、その根が植込穴（21）を通過して鉢本体（１）の土がある所まで挿入 する［図７（ｂ）参照］。上段の各植込穴（21）に草花（３）の苗を植え込み終 えた後、鉢本体（１）の開口部（11）上方から主とする草花（３）の苗を入れ、 土を入れて植え付けが終了する［図７（ｃ）参照］。尚、この時の主とする草花 （３）の苗を入れる際には、苗の種類によっては、下段の各植込穴（21）に草花 （３）の苗を植え込み終えた後、開口部（11）上方から主とする草花（３）の苗 を入れて植え付けても良い。

【００１１】 本考案の第２実施形態のものを使用する時には、予め必要とする間隔の小鉢部 （２）を決めておく。そして、先ず合成樹脂の鉢本体（１）の場合には、外側か ら穴用切込溝（21a）を押圧して所定数の植込穴（21）を開口させる。又、素焼 きものや陶磁器ものの鉢本体（１）の場合には、外側から穴用切込溝（21a）に 沿って叩いて所定数の植込穴（21）を開口させる。その後、予め用意した鉢本体 （１）と同材質或いは合成樹脂の囲い部材（22）を植込穴（21）の外周部に接着 させて、小鉢部（２）を形成しておく。小鉢部（２）が形成された後は、上記要 領で草花（３）の苗を各小鉢部（２）及び開口部（11）から植え込めば良い。

【００１２】 鉢本体（１）に主とする草花（３）を植えると同時に鉢本体（１）の側壁に設 けた多数の小鉢部（２）からも別の種類の草花（３）の苗が寄せ植えされた後は 、適宜に草花（３）へ水を与えたり或いは土へ肥料をやることにより、鉢本体（ １）の表面に植え込まれた草花（３）は生育し続けるのである。そして花を咲か せることにより、草花（３）が鉢本体（１）全体に渡って覆い（図８参照）、見 栄えの良い、且つ飽きにくいものとなる。しかも主とする草花（３）と側壁の別 の種類の草花（３）が萎れて枯れるまでの長期に渡って楽しむことができるもの となる。尚、前記鉢本体（１）の開口部（11）上方の草花（３）として、例えば 桜草を植え込み、鉢本体（１）の側壁の小鉢部（２）の草花（３）としては色違 いのパンジ−などを植え込むと良く、この場合には、室内に飾ると長期に渡って 飽きがこなく、且つ色彩豊かになるので、室内が華やいた雰囲気を醸し出す。

【００１３】

【考案の効果】

本考案はこのように構成させたことにより、下記の効果を有する。

【００１４】 請求項１に示すように鉢本体（１）の側壁に小鉢部（２）を多数設けたことに より、従来と同様に主とする草花（３）を植え、更に鉢本体（１）の側壁からも 多数の別の種類の草花（３）の苗を寄せ植えすることが出来る。このため、鉢本 体（１）の表面全体が草花（３）の花や葉などによって覆われ、見栄えの良い、 且つ室内に飾っても飽きにくいものとなると共に室内が色彩豊かになって、華や いた雰囲気を醸し出すことが可能となる。また主とする草花（３）と側壁の別の 種類の草花（３）が萎れて枯れるまでの長期に渡って楽しむことができる。

【００１５】 請求項２に示すように小鉢部（２）として植込穴（21）と囲い部材（22）とか ら成すことにより、鉢本体（１）の開口部（11）から草花（３）に水を与えても 、囲い部材（22）があるので、植込穴（21）から水や土が出ても鉢本体（１）の 外部に出る心配が無く、室内の装飾用として用いることが容易に出来る。

【００１６】 請求項３のように小鉢部（２）として鉢本体（１）の側壁の横方向或いは、横 方向及び縦方向に多数設けることにより、草花（３）の種類が一鉢で多数を植え 込んで鑑賞でき、その分だけ多く楽しむことが可能となる。

【００１７】 請求項４のように小鉢部（２）の囲い部材（22）を鉢本体（１）と一体に成形 することにより、植木鉢の大量生産ができ、安価に市場へ提供出来るものとなる 。また本考案の鉢本体（１）をアパ−トやマンションに見立てれば、小鉢部（２ ）が各部屋のベランダに相当し、従来にない形状で目立つ植木鉢となるのである 。

【００１８】 請求項５に示すように植木鉢用の鉢本体（１）の側壁に、植込穴（21）が開口 し形成されるための穴用切込溝（21a）を多数刻設させ、且つ前記植込穴（21） を囲う囲い部材（22）を備えて、側壁からも植え込み可能と成すことにより、好 みの草花（３）の種類に応じて鉢本体（１）の側壁に小鉢部（２）を設けること ができ、適切な間隔で、且つ一鉢で多数の草花（３）の種類を植え込んで簡単に 鑑賞できるものとなる。又、このように鉢全体の表面積を有効に利用することが 出来ると共に植木鉢を吊るして使用すると見栄えが極めて良くなる。更に同時に 多種類の草花（３）或いは盆栽などと寄せ植えし、それらの生育が出来ると共に 見飽きにくくなり、且つ鑑賞期間を長く維持出来るものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施形態を示す斜視図である。

【図２】図１の縦断面である。

【図３】本考案の別実施形態を示す斜視図である。

【図４】本考案の第２実施形態を示す斜視図である。

【図５】図４の縦断面である。

【図６】本実施形態の小鉢部の断面を示す説明図であ
る。

【図７】本考案の作用を示す説明図である。

【図８】本考案の使用状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 鉢本体 ２ 小鉢部 21 植込穴 21a 穴用切込溝 22 囲い部材

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 植木鉢用の鉢本体（１）の側壁には小鉢
   部（２）を多数設けて成る側壁からも植え込み可能な植
   木鉢。
2. 【請求項２】 前記小鉢部（２）が、鉢本体（１）の側
   壁に穿設した植込穴（21）と、該植込穴（21）を囲う上
   方が開口した囲い部材（22）とから成る請求項１記載の
   側壁からも植え込み可能な植木鉢。
3. 【請求項３】 前記小鉢部（２）が、鉢本体（１）の側
   壁の横方向或いは、横方向及び縦方向に多数設けて配列
   された請求項１記載の側壁からも植え込み可能な植木
   鉢。
4. 【請求項４】 前記小鉢部（２）が鉢本体（１）と一体
   に成形された請求項１、２又は３記載の側壁からも植え
   込み可能な植木鉢。
5. 【請求項５】 植木鉢用の鉢本体（１）の側壁には、押
   圧するか或いは叩いた場合に植込穴（21）が開口し形成
   されるための穴用切込溝（21a）を、横方向或いは、横
   方向及び縦方向に多数刻設させ、且つ前記植込穴（21）
   を囲う囲い部材（22）を備えて成る側壁からも植え込み
   可能な植木鉢。