JP3027197U - 金属製の手摺り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 支柱の連結部分が体裁良く隠れ、鍔板やボル
トに身体が触れなく、耐久性も良好な金属製の手摺りを
提供する。 【解決手段】 手摺り本体の支柱に挿入される芯支柱の
下端および支柱ベースの上端に、ボルトにより連結する
上鍔板および下鍔板をそれぞれ固着し、その連結につい
て、芯支柱に挿入により装着されるキャップと、その挿
入孔を封じるシーラーとを備え、キャップが上鍔板に、
シーラーがキャップに、それぞれ手摺り本体の重みを伴
う支柱により押さえ止められるように構成した。また、
上鍔板の上において、支柱の荷重に耐えてキャップを受
け止めるスペーサーを備え、スペーサーにボルトの回転
止めとしてその頭部が嵌まる凹部を設けると、さらに目
的達成に有効である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この発明は、建物の屋上やベランダ等に据え付けられる金属製の手摺りに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

この種の手摺りは、アルミ押出形材等の中空またはチャンネル形部材が主な組 立てに使用され、一般的な形態については、支柱間に架設した上下横桟の間に縦 桟が列設され、上端に笠を配列したものが一般的である。取付けについては、手 摺りの形態を整えた手摺り本体を工場で組み立て、現場に持ち込んで所定の箇所 に立設される。

【０００３】 支柱が立設される箇所は、コンクリート面であるので、支柱を固定する要領と しては、支柱ベースを予め建物躯体に固着し、それに手摺り本体の支柱が連結さ れる。その連結のために、支柱ベースの上端と、手摺り支柱の下端とに鍔板を溶 接してあって、それを六角ボルトにより締め付けられる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の手摺りであると、支柱ベースと手摺り支柱が合わさる上下 鍔板にボルトの通し穴を設けてあるので、それに通した六角ボルトが下側でナッ トにより締め付けられるが、鍔板や六角ボルトが露出しているために、それに身 体が接触して怪我する危険があり、また、体裁も悪かった。しかも、鉄製の上下 鍔板や六角ボルトが雨水に曝されるため、年月が経つと腐食して連結強度を失う ばかりでなく、さらに不体裁となるという問題があった。

【０００５】 この考案は、上記のような実情に鑑みて、支柱の連結部分が体裁良く隠れ、鍔 板やボルトに身体が触れなく、耐久性も良好な金属製の手摺りを提供することを 目的とした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案は、手摺り本体の支柱に挿入される芯 支柱の下端および支柱ベースの上端に、ボルトにより連結する上鍔板および下鍔 板をそれぞれ固着し、その連結について、芯支柱に挿入により装着されるキャッ プと、その挿入孔を封じるシーラーとを備え、キャップが上鍔板に、シーラーが キャップに、それぞれ手摺り本体の重みを伴う支柱により押さえ止められるよう に構成したことを特徴とするものである。

【０００７】 上鍔板の上において支柱の荷重に耐えてキャップを受け止めるスペーサーを備 え、スペーサーにボルトの回転止めとしてその頭部が嵌まる凹部を設けると、さ らに目的達成に有効である。

【０００８】

【作 用】

金属製の手摺りを上記のように構成したから、これを据え付ける場合には、ま ず、所定の箇所に予め支柱ベースを配置して固定する。それから、支柱ベース上 端の下鍔板に芯支柱下端の下鍔板をボルトで連結する。この段階においては、芯 支柱に手摺り本体の支柱が挿入されていても良いし、されていなくても良いが、 いずれにしても、据付け状態においては、手摺り本体の重みでキャップが確実に 保持されるし、シーラーが雨水の侵入を確実に阻止するようキャップの挿入孔を 密封し、その状態も永続的に保持される。

【０００９】

【実施例】

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 図１および図２は、この考案の金属製の手摺りについて、直列部およびコーナ ー部をそれぞれ取付け要領において示す。両方がほゞ同様の構造であり同時に説 明する。また、図３は、直列部の取付け状態を示したものであって、手摺り本体 Ｐの支柱１に芯支柱２が納まり、芯支柱２を介して支柱１が支柱ベース３に連結 され、連結部がキャップ４により被覆され、キャップ４が支柱１により押さえ止 められる。

【００１１】 手摺り本体Ｐは、アルミ押出形材から組み立てられ、支柱１，１の間に上下横 桟５，６を架設し、その間に多数の縦桟７が列設される。また、支柱１の上端に は笠木９が取り付けられ、連結箇所の位置には、潜抜け１１が架設される。

【００１２】 支柱１は、四角の箇形であって、各内側面には二条づつビスポケット１５が突 設され、芯支柱２がそれに擦り合うように挿入され、据付け状態においては、固 定ビス１７がその突条１５の位置において支柱１から芯支柱２に螺入される。

【００１３】 芯支柱２は、スチール製の四角筒形であって、下端に支柱ベース３と連結する ための上鍔板１９が溶接される。その上鍔板１９と、支柱ベース３の下鍔板２１ との各隅角に、六角ボルト２２の通し孔２３，２３が穿設されているので、それ に通した六角ボルト２２が下側でナット２４で締め付けられる。なお、上鍔板１ ９の通し孔２３は、横方向に長い調整用長穴に穿設され、下鍔板２１の通し孔２ ３は、内外方向に長い調整用長穴に穿設されている。この上下の通し孔２３，２ ３により、内外及び横方向の支柱の調整が容易に可能となる。また、この芯支柱 ２には、上鍔板１９の上方にキャップ４が串刺し状に装着される他、その上にシ ーラー２５が嵌め込まれている。

【００１４】 キャップ４は、逆チャンネル形の形材にその両口を封じる側板２７，２７をビ ス止めしたもので、押出形状において内面にそのビスポケット２８が形成される 他、上鍔板１９に支える一対の脚片２９，２９が垂設される。また、中央部に芯 支柱２の挿入孔３１が穿設される。そこで、手摺りの重みを伴う支柱１によりキ ャップ４が上鍔板１９に押さえ止められる。なお、下面開放形であるので、ナッ ト２４を仮止めした状態でこのキャップ４を被せておくことができる。

【００１５】 シーラー２５は、この挿入孔３１を封じるもので、ゴムまたはゴム質の材料か らなる四角リング状であって、据付け状態においては、支柱１によりキャップ４ に圧縮されるので、その目的を確実に達することができる。上鍔板１９には、さ らに、キャップ４を受けて且つ六角ボルト２２を止める一対のスペーサー３３， ３３が備えてある。

【００１６】 スペーサー３３は、押出形材を切断したもので、下面に三条の脚を突設するこ とにより、それぞれ一対の六角ボルト２２，２１の頭部に嵌まる溝形の凹部３４ を設け、一側端にはキャップ４の上壁と芯支柱２の側面とに接触する受部３５が 突設されているので、キャップ４が支柱１からの荷重を確実に受け止め、その固 定が確実となり、また、六角ボルト２２の回転防止も確実となる。

【００１７】 支柱ベース３は、座板３７に円筒形において立設され、上端に前記した下鍔板 ２１を溶接したものである。手摺り本体Ｐを据え付けるときには、芯支柱２を支 柱ベース３に連結し、それにキャップ４とシーラー２５を挿入してから、支柱１ を芯支柱２に挿入し、最後に固定ビス１７で支柱１を芯支柱２に止める。また、 図１および図２に示すように、芯支柱２に支柱１を挿入した状態で連結作業をし ても良い。

【００１８】 なお、いずれかの段階で潜抜け１１の連結金具４１，４３を取り付ける。この 連結金具４１，４３については、図１に示す直列部と、図２に示すコーナー部と で異なっている。

【００１９】 連結金具４１，４３は、それぞれ断違いに屈折した形状であるが、段違いの高 さがコーナー部で対のものが異なっている。つまり、直列部においては、左右連 結金具４１，４１が同じ高さであるが、コーナー部においては、他方の連結金具 ４３がスペーサー３３を避けてビス止めする必要から、下鍔板２１にビス止めさ れるために、低い段違いとなっている。いずれの連結金具４１，４３においても 、それに掛止金具４５をビス止めし、それに潜抜け１１が掛止される。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の金属製の手摺りによれば、据付けについて芯 支柱の下端と支柱ベースの上端とに設けられる上鍔板と下鍔板、およびそれを連 結するボルトがキャップにより被覆されるので、体裁およびデザインが良好とな るばかりでなく、その上下鍔板や、ボルトに触れる危険がなくなり、また、キャ ップが手摺り本体の重みで安定して保持されるだけでなく、キャップに設けられ る芯支柱の挿入孔がシーラーにより同じく永続的に封じられるため、連結部の腐 食を防止でき、そのため、キャップやシーラーの取付けの作業性が良いことはも ちろん、金属製の手摺りの体裁と安全性において耐久性を格段に高めることがで きる。

【００２１】 スペーサーを備えたときには、支柱から受ける荷重にキャップが確実に耐え、 その取付けの安定性が良くなり、また、ボルトの緩みに伴うがたつきを体裁良く 確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による金属製の手摺りを直列部におけ
る据付け要領で示す斜視図である。

【図２】同金属製の手摺りをコーナー部における据付け
要領で示す斜視図である。

【図３】図１に対応する直列部における支柱下端部の連
結部を据付け状態で示す拡大断面図である。

【図４】同金属製の手摺りの据付け状態を示す一面の正
面図である。

【符号の説明】

Ｐ 手摺り本体 １ 支柱 ２ 芯支柱 ３ 支柱ベース ４ キャップ １９ 上鍔板 ２１ 下鍔板 ２２ ボルト ２５ シーラー ３１ 挿入孔 ３３ スペーサー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 手摺り本体の支柱に挿入される芯支柱の
   下端および支柱ベースの上端に、ボルトにより連結する
   上鍔板および下鍔板をそれぞれ固着し、その連結につい
   て、芯支柱に挿入により装着されるキャップと、その挿
   入孔を封じるシーラーとを備え、キャップが上鍔板に、
   シーラーがキャップに、それぞれ手摺り本体の重みを伴
   う支柱により押さえ止められるように構成したことを特
   徴とする金属製の手摺り。
2. 【請求項２】 上鍔板の上において支柱の荷重に耐えて
   キャップを受け止めるスペーサーを備え、スペーサーに
   ボルトの回転止めとしてその頭部が嵌まる凹部を設けた
   ことを特徴とする請求項１記載の金属製の手摺り。