JP3026574U

JP3026574U - 農用マルチングシート

Info

Publication number: JP3026574U
Application number: JP1996000292U
Authority: JP
Inventors: 暁黒崎
Original assignee: 暁黒崎
Priority date: 1996-01-05
Filing date: 1996-01-05
Publication date: 1996-07-16
Anticipated expiration: 2002-01-05

Abstract

(57)【要約】【課題】通気性、吸水性、及び断熱性を有し、畝の形
状になじみ易い柔軟性をも備え、使用後は土に鋤き込ん
で土に還元できる農用マルチングシートを得る。【解決手段】紙Ｐからなり、その片面ａから縦横に所
定の間隔を保って突出する凸の突起群１を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、畑の畝の上に敷き、雑草が生えるのを防ぎ、且つ畝に植えられた野菜などの農作物を保護する農用マルチングシートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

実開平３−７４２３７号公報により、ポリビニールアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性合成樹脂のシートからなり、そのシートの全面又は一部に波形の壁を設けた農用マルチングシートが公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記公知のシートの襞は、畝の上に敷いて使用中、農作物が大きく生長するにつれ、襞を伸ばして生長するのを阻害しないようにし、シートを緩めたり、敷き直したりする手数を解消するためのものであるが、材質が熱可塑性合成樹脂であるため通気性、通水性が無いので、シートの上に水が溜ったり、シートの下に湿気が籠り、農作物の根が腐ることがある。更に、土に還元しないので、使用が終ったら産業廃棄物として処理しなければならず、手数、費用がかゝる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述した問題点を解消するために開発されたもので、請求項１の農用マルチングシートは、紙からなり、その片面から縦横に所定の間隔を保って突出する凸の突起群を有することを特徴とする。又、請求項２の農用マルチングシートは、紙からなり、その片面から縦横に所定の間隔を保って突出する凸の第１突起群を有すると共に、上記第１突起群の間隔に位置して他の片面から突出する凸の第２突起群を有することを特徴とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図１，２は請求項１の農用マルチングシート、図３，４は請求項２の農用マルチングシートを示す。請求項１、請求項２のどちらのマルチングシートも通気、通水性、吸水性、及び断熱性を有する紙からなる。紙の原料はパルプでも、故紙でもよいが、畝の上に敷いて使い捨て、土に戻すこと、及び資源の有効利用の点から故紙の中でも下級故紙を使用するのが好ましい。紙の厚さは任意であるが、坪量５０〜１５０ｇ程度で、厚さは０．１５〜０．３ｍｍ位、段ボール紙の中芯程度のものでよい。農作物の種類によって、畝に敷いておく期間が１ケ月程度から１年程度と相違するが、製紙の際に原料に混合する紙力増強剤の量を加減し、１ケ月用、３ケ月用、６ケ月用、１年用等の数種類にし、農作物を収穫して使用期間が終ったら土のなかに鋤き込んで土に還元する。製品としては、幅１３００ｍｍ程度のものをロール状に２００ｍ位巻いたものとする。

【０００６】請求項１のシートを構成する紙Ｐは、その片面ａから縦横に所定の間隔を保って突出する凸の多数の突起１を有する。従って、紙の他の片面ｂの突起１の部分は窪み１´になっている。又、請求項２のシートを構成する紙Ｐは、その片面ａから縦横に所定の間隔を保って突出する凸の多数の第１突起１と、この第１突起１の間隔に位置して紙の他の片面ｂから突出する凸の多数の第２突起２を有する。このため紙の片面ａの第２突起２の部分は窪み２´になり、紙の他の片面ｂの突起１の部分は窪み１´になっている。

【０００７】突起１，２の平面形状は円形のものを図示したが、円形であることに限らず、四角形その他の多角形でもよい。又、突起が円形の場合の直径は２〜５０ｍｍ程度、突起の紙面からの高さ、ないし窪み１´，２´の深さは０．２〜１５ｍｍ程度である。これらの突起は紙をエンボス加工することによって高能率に形成することができる。尚、突起の縦横の間隔は任意であるが、約３〜１００ｍｍ位である。これらの突起の直径、窪みの深さ、突起の縦横の間隔は、適用する農作物によって最適な寸法を選択する。

【０００８】請求項１のマルチングシートは使途に応じ、突起１が突出する紙の面ａを上にして畝に敷く（図２Ａ）か、突起１が突出する紙の面ａを下にして畝に敷く（図２Ｂ）。これに対し請求項２のマルチングシートは紙の面ａを上にして畝に敷いても、面ｂを上にして畝に敷いても、第１，第２のどちらかの突起が紙面から上に突出すると共に、第２，第１のどちらかの突起の部分の窪みが上に向くので、面ａ，ｂのどちらを上にして畝に敷いてもよい（図４）。

【０００９】こうしてマルチングシートを畝に敷いたら、農作物に応じて最適な間隔でシートに孔を明けるか、十字形などの切込みを形成し、その孔や切込みを通じ畝のなかに農作物の種子を埋めたり、農作物の苗の根を畝に植付ける。

【００１０】

【考案の効果】

請求項１、請求項２のどちらのマルチングシートも紙であるため適度の通気、通水性、吸水性、及び断熱性を有する。従って、畝に敷いて使用した場合、その通気、通水性と吸水性によって敷いたまゝで施肥や散水が行え、その肥料成分や水分を吸収し、農作物に供給することができる。又、その断熱性により真夏時でも土地の昇温が抑えられ、農作物の根の発揮が良くなる。更に、その通気性によって下に籠る湿気を大気に放出するので根腐れが起きない。

【００１１】又、農作物を収穫するなどして使用が終ったら、土の中に鋤き込むことで土に還元するため、使用後の処理が簡単に行える。

【００１２】そして、エンボス加工により形成した突起によって表面積が大になるので通気、通水性はより高まると共に、紙の繊維の配列に基づく紙の縦方向、又は横方向の硬さは無くなり、全方向に対して柔軟になる。従って、畝の形状になじみ易くなるため、畝に敷く作業が容易になる。

【００１３】請求項１のマルチングシートは、突起１が突出する紙の面ａを上にして畝に敷くと、豪雨の場合、突起１の間隔を通じ雨を流して畝の間に排出するので、雨がシート上に溜らない。この場合でも紙は雨を或る程度、吸水、保有し、畝に供給することができる。

【００１４】又、請求項１のマルチングシートを、突起１が突出する紙の面ａを下にして畝に敷くと、紙面Ｂに生じた突起１の部分の窪み１´に肥料や水を溜め、それを徐々に畝に供給することができる。特に固形肥料を窪み１´に溜めた場合は、散水する都度、窪み１´中の肥料は徐々に溶け、畝に供給される。

【００１５】請求項２のマルチングシートは、前述したように、紙の面ａとｂのどちらかを下にして畝に敷いても同じで指向性が無く、豪雨の際に上向きの突起の間隔にある窪みに少量宛の水を溜めながら、大部分の水を畝の間に排出する。勿論、この場合も紙は雨を或る程度、吸水、保有し、畝に供給する。又、窪み溜った少量の雨も徐々に畝に供給される。そして、肥料を窪みに溜め、徐々に畝に供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は請求項１のマルチングシートの一例の
平面図、（Ｂ）はそのＸ−Ｘ線での断面図である。

【図２】（Ａ）と（Ｂ）は請求項１のマルチングシート
の使用状態の説明図である。

【図３】（Ａ）は請求項２のマルチングシートの一例の
平面図、（Ｂ）はそのＸ−Ｘ線での断面図である。

【図４】請求項２のマルチングシートの使用状態の説明
図である。

【符号の説明】

Ｐ紙ａ紙の片面ｂ紙の他の片面１突起１´ 突起１による窪み２第２突起２´ 第２突起２による窪み

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】紙からなり、その片面から縦横に所定の
間隔を保って突出する凸の突起群を有することを特徴と
する農用マルチングシート。
【請求項２】紙からなり、その片面から縦横に所定の
間隔を保って突出する凸の第１突起群を有すると共に、
上記第１突起群の間隔に位置して他の片面から突出する
凸の第２突起群を有することを特徴とする農用マルチン
グシート。