JP3025501U - 救急絆創膏 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 指の叉などの分岐している箇所の患部に貼付
しても擦れたり開閉動作に伴う圧迫感や違和感を感じさ
せず、患部に確実に貼付できて剥がれにくく、患部を保
護する救急絆創膏を提供する。 【解決手段】 救急絆創膏10は、合成樹脂フィルム製の
基材１と、基材１の裏面に形成された粘着剤層２とから
なるテープ体３に、このテープ体３の基材１の長手方向
の裏面略中央にパッド４が貼付されており、基材１の裏
面には剥離紙５が仮接着されているものであって、テー
プ体３には、テープ体３の側辺の端部からパッド４に向
かって切込み11が形成されている。このため、切込み11
によって形成された張り出し部12を分岐患部に張り出さ
せて貼付すれば、指の叉ｔを繰り返し擦り合わせたり開
閉させても、ゴワゴワした違和感を感じさせず、患部に
確実に貼付できて剥がれにくく、患部を保護することが
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は救急絆創膏に関する。さらに、詳しくは、指の叉用にとくに適した傷 の止血、殺菌、保護に用いられる救急絆創膏に関する。

【０００２】

【従来の技術】

軽い切傷等については救急絆創膏を患部に貼り付けて治療することが広く行な われているが、擦れたり開閉の動きがあって蒸れやすい指の叉などの患部に救急 絆創膏を貼付した場合には、剥がれやすいとともに、擦れたり開閉する動作に伴 ってゴワゴワした圧迫感や違和感を生じさせていた。つまり、救急絆創膏を指の 叉のごときＶ字状の患部、すなわち分岐患部に貼付し、指を開閉させると救急絆 創膏が折り重なり、この救急絆創膏の折り重なった部分同士が指と指の間に挟ま って、前記ゴワゴワした圧迫感を生じさせていた。また前記折り重なった部分の 救急絆創膏が互いに擦れ合うので、救急絆創膏のパッドが患部からズレたり、救 急絆創膏が分岐患部から剥がれたりして、これがゴワゴワした違和感を生じさせ ていた。そこで、前記ゴワゴワした圧迫感や違和感を解消するために、従来では 、全体の形状を小さくした救急絆創膏を分岐患部に貼付したり、また救急絆創膏 を薄くして分岐患部に貼付したりする方法で対処している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、上記従来の絆創膏において、小さな形状の救急絆創膏を使用する場 合には、前記分岐患部を動かしたときに救急絆創膏が皮膚の変形に追随すること ができずに、救急絆創膏が分岐患部から剥がれたり、分岐患部以外の箇所に貼着 してしまうという問題がある。また、薄くした救急絆創膏を使用する場合には、 パッドも薄くしなければならず、パッドが吸収しうる血液の容量を減少させる。 このため、出血が少なくても、パッドが血液を吸収しきれず、血液がパッドから 滲みでるという問題がある。

【０００４】 本考案はかかる事情に鑑み、指の叉などの分岐している箇所の患部に貼付して も擦れたり開閉動作に伴う圧迫感や違和感を感じさせず、患部に確実に貼付でき て剥がしやすく、患部を保護する救急絆創膏を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の絆創膏は、合成樹脂フィルム製の基材およびその裏面に形成された粘 着剤層からなるテープ体と、前記基材の長手方向の裏面略中央に貼付されたパッ ドと、前記基材の裏面に仮接着される剥離紙とからなる救急絆創膏であって、前 記テープ体に、該テープ体の側辺の端部から前記パッドに向かって切込みが形成 されていることを特徴とする。

【０００６】

【考案の実施の形態】

つぎに、本考案の実施形態を図面に基づき説明する。 図１は本考案の一実施形態に係わる救急絆創膏の概略斜視図、図２は同平面図 、図３は図１におけるIII-III 線断面図、図４は本考案の他の実施形態に係わる 絆創膏20の平面図、図５は本考案のさらに他の実施形態に係わる絆創膏30の平面 図である。図１〜３において、１は合成樹脂フィルム製の基材で、その裏面には 粘着剤層２が形成されている。この基材１の裏面に粘着剤層２を形成したものを テープ体３という。４はパッドで、基材１の長手方向の裏面略中央に貼付されて おり、５は剥離紙で、基材１の裏面に仮接着されるものであり、これらテープ体 ３、パッド４、剥離紙５によって救急絆創膏10が構成されている。なお、図３は 構造を明瞭に示すため、厚さ寸法が拡大されている。 本考案の一実施形態に係わる救急絆創膏10は、前記テープ体３の両側辺の両端 部からパッド４に向かって、テープ体３に丸みを帯びた形状の切込み11が形成さ れていることが特徴である。12は、切込み11によって形成された張り出し部であ る。

【０００７】 なお、切込みの形状については、図４に示すように、前記テープ体３の両側辺 の両端部からパッド４に向かって、テープ体３に斜め向きに直線の切込み21が形 成されていてもよい。22は、切込み21によって形成された張り出し部である。こ の場合、救急絆創膏20を簡単に作成することができる。 さらになお、図５に示すように、前記テープ体３の両側辺の両端部からパッド ４に向かって、テープ体３に鈎形の切込み31が形成されていてもよい。32は、切 込み31によって形成された張り出し部である。この場合、張り出し部32が広いの で、救急絆創膏30を分岐患部に強く貼着させることができる。

【０００８】 前記基材１は合成樹脂フィルムが用いられ、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレ フィン、ウレタン等のフィルムが好適である。粘着剤層２は公知の粘着剤を常法 によって前記基材１の裏面に形成すればよい。パッド４は綿や化学繊維、不織布 など公知の材料をとくに制限なく用いることができ、消毒液その他の薬液を任意 に含浸させてもよい。剥離紙５も公知の材料をとくに制限なく用いうる。

【０００９】 つぎに、分岐患部の例として指の叉ｔに本実施形態の絆創膏10を貼付する方法 を、図６に基づき説明する。 まず、前記図２に示すように、救急絆創膏10の剥離紙５をテープ体３およびパ ッド４から剥がし取っておき、指ｆを開いた状態にしておく。つぎに、図６に示 すように、救急絆創膏10のパッド４を指の叉ｔの患部に宛がい、かつテープ体３ の切込み11を開き、張り出し部12を指の付け根に張り出させて貼付し、救急絆創 膏10を指の叉ｔに貼付させる。このようにして、救急絆創膏10のパッド４を分岐 患部にあてて、分岐患部を保護させる。

【００１０】 つぎに、指ｆを閉じると、救急絆創膏10はＶ字状に変形し、指ｆを動かせば救 急絆創膏10はＶ字の内側で擦り合う。また、Ｖ字状の谷間では汗の分泌が多いの で蒸れて、救急絆創膏10が指の叉ｔから剥がれやすくなる。しかし、張り出し部 12は前記Ｖ字状の谷間から少し離れたところに貼付しているので、蒸らされたり 擦り合わされたりせず、指の叉ｔに貼り付いたままである。再び、指ｆを開いて も、前記救急絆創膏10を指の叉ｔに貼り付けた状態と何ら変わらず、粘着剤層２ は指の叉ｔに貼り付いたままである。したがって、救急絆創膏10は指を繰り返し 擦り合わせたり開閉動作させても救急絆創膏10は指の叉ｔに貼り付いたままであ る。

【００１１】 なお、分岐患部として手の指の叉ｔを例示したが、手の指の叉ｔだけでなく足 の指の叉など擦れ合ったり開閉の動きのある分岐患部であれば、同様にして分岐 患部に救急絆創膏10を貼付すれば、分岐患部が繰り返し擦れ合っても救急絆創膏 10は分岐患部に貼り付いたままである。 さらになお、絆創膏20や救急絆創膏30を分岐患部に貼付する方法は、救急絆創 膏10の貼付方法と実質同一であるので説明を省略するが、いずれの絆創膏20、30 も救急絆創膏10と同等の効果がある。

【００１２】 上記のごとく、本考案の救急絆創膏を、擦れ合ったり開閉する動きが多く蒸れ やすい分岐患部に貼付して、擦れ合わせたり開閉動作させたりしてもゴワゴワし た違和感がなく、患部に確実に貼り付けることができて剥がれにくく、患部を保 護できる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の絆創膏によれば、指の叉など擦れたり開閉の動きがあって、蒸れやす い箇所に貼付しても、切込みによって形成された張り出し部を指の付け根部分に 貼付させれば、救急絆創膏が指の叉から剥がれるのを防ぐことができるので、擦 れ合ったり開閉動作に伴うゴワゴワした違和感を感じさせず、また患部に確実に 貼付することができて剥がれにくく、患部を保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態に係わる絆創膏10の概略斜
視図である。

【図２】本考案の一実施形態に係わる絆創膏10の下面図
である。

【図３】図１におけるIII-III 線断面図である。

【図４】本考案の他の実施形態に係わる絆創膏20の平面
図である。

【図５】本考案のさらに他の実施形態に係わる絆創膏30
の平面図である。

【図６】絆創膏を指の叉ｔに装着した状態の説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 基材 ２ 粘着剤層 ３ テープ体 ４ パッド ５ 剥離紙 １０ 救急絆創膏 １１ 切込み ２０ 救急絆創膏 ２１ 切込み ３０ 救急絆創膏 ３１ 切込み ｆ 指 ｔ 指の叉

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂フィルム製の基材およびその裏面
   に形成された粘着剤層からなるテープ体と、前記基材の
   長手方向の裏面略中央に貼付されたパッドと、前記基材
   の裏面に仮接着される剥離紙とからなる救急絆創膏であ
   って、前記テープ体に、該テープ体の側辺の端部から前
   記パッドに向かって切込みが形成されていることを特徴
   とする救急絆創膏。