JP3025253U - センターロックホイールの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホイールを車軸に固定するためのセンターロ
ック構造において、ナットのゆるみを防止することとホ
イールの盗難防止ができるものを提供する。 【構成】 センターロックナットの少なくとも一部にす
り割り部を設け、すり割り部の間隙を変化させるための
ボルトを用意し該ボルトを締めつけることでナットの緩
みを防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、センターロックホイールのアダプターフランジへの取付構造に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

センターロックホイールは、意匠性の高い乗用車やスポーツカーに用いられて おり、車社会の中で一つのステータスシンボルとなっている。又、カーレース用 の車輌においては、ホイールの着脱を素早く行う必要があるので、センターロッ ク方式を採用している。一方、一般車輌におけるホイールの装着は車輌のハブフ ランジに埋め込まれた４本乃至５本のボルトにホイールの取付穴を差し込みナッ トで締着するようになっているから、ホイール全体の意匠を考慮する際、ナット 及びその周辺を意匠の中に取り込まなければならない欠点がある。その点センタ ーロック方式は意匠の自由度は大きく、クラシックカーにおけるスポークタイプ のホイールの美しさは、センターロック方式によるところ大である。

【０００３】 センターロック方式において最も注意しなければならないところは、ホイール を固定するナットが唯一つであることに起因するセンターロックナットの緩みで ある。走行中のホイールの振動と急激な加減速によりナットの緩みが発生する。 そのため、従来ネジの形状、ピッチ、車輌の右側と左側での左螺子右螺子の使い 分けや、緩み止めのためのネジやピン設置など種々の手段が用いられてはいるが 更に安全で確実なナットの緩み止め構造が要望されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする課題は、簡便で確実にセンターロックナットの緩みを防止す ることができるセンターロックホイールの取付構造を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、車軸のハブフランジに軽合金製ホイールなどの車輌用ホイールを装 着するための、アダプターフランジを用いるセンターロックホイールの取付構造 において、センターロックナットの少なくとも一部にすり割り部を設け、該すり 割り部の間隙を変化させることでセンターロックナットの緩みを防止する。

【０００６】 又、センターロックナットにすり割り部を設けることで分割される２つの部分 の高さ寸法Ｘ及びＹを、Ｘ＜Ｙの条件を満たすようにすり割り部を設けることで 、ナットがホイールを接触する面積が変化しないようにする。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案になるセンターロック構造を断面図で示すものである。１はホ イール、２はアダプターフランジ、３はナット、４はすり割り部、５はボルトで ある。先ず、車軸に設けられたハブフランジ６にアダプターフランジ２をホイー ルナット１１を用いて固定する。このアダプターフランジ２にはトルクピン７が 複数個圧入されており、ホイール側に設けた穴８がこれに嵌合し車軸の回転力が 伝達される。アダプターフランジ２の一端には螺子９が設けられており、ナット ３がねじ込まれてホイール１をアダプターフランジ２に固定する。ナット３は所 定のトルクレンチにて締結する。

【０００８】 ナット３にはすり割り部４が設けられている。ナット全体の平面図を図２に示 し、すり割り部のＡ−Ａ’断面を図３に示した。すり割り部で２つに分割された 部分の片側に螺子穴１０、１０−１、１０−２が設けられ、分割された他の側に はボルト５、５−１、５−２が用意されて、該ボルトを締めつけることで、すり 割り部の間隙を変化させることができるからネジピッチが変化しナット３の緩み を防止することができる。

【０００９】 図１において、すり割り部４により分割される２つの部分のそれぞれの高さを Ｘ及びＹとし、本考案ではＸ＜Ｙの条件即ちＸの高さをＹの高さより小さくした 。その理由は、ボルト５，５−１，５−２を締めつけるときＸ部分の方を変形し やすくすることでＹ部分の変形を抑制し、ホイール１との接触面を減少させずに 済むからである。このためナット３がホイール１を押圧する力を維持しながら且 つ緩みを防止しうるものである。

【００１０】 ボルト５，５−１，５−２を締めつける際に用いるレンチが嵌合する接合孔あ るいは頭部外周面の形状を菊花模様のような特殊な形状にすることで、一般に入 手できる工具が使用できず、盗難の防止に役立てることができる。

【００１１】 ナット３を覆うようにカバー１２が嵌合される。カバーにはフック１３が複数 個設けられており、アダプターフランジ側に設けられた溝１４に係止できるよう になっている。このカバーの表面にはブランド名などを表示し全体の意匠性を向 上させることができる。又、カバーの周縁部１５を深く形成してナット３の側面 のほぼ全体を覆うようにしてすり割り部へ塵や泥の進入を防止する。

【００１２】 又、上記カバーは、図４に示すような小型のカバー１２−１のような形状にし て、アダプターフランジの開口部だけを覆うような小型の形状にするか、あるい は、図５に示すようにアダプタフランジの開口部を無くしてカバーを省略しても よい。なおこれらの外部から視認できる部位に商標などロゴを記載することも可 能である。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のセンターロック構造は、ナットを締めつけてホイ ールを固定した後、ナット３内に用意されたボルトを締めることでナットの緩み を防止できる。又、ボルト５を締める場合特殊な工具でのみ締めることができる ような構造のボルトを用いれば盗難の防止に役立つものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のセンターロック構造を示す断面図。

【図２】ナットの全体を示す平面図。

【図３】ナットのＡ−Ａ’断面図。

【図４】小型カバーを示す断面図。

【図５】アダプターフランジの他の実施例を示す断面
図。

【符号の説明】

１ ホイール ２ アダプターフランジ ３ ナット ４ すり割り部 ５、５−１、５−２ ボルト ６ ハブフランジ ７ トルクピン ９ 螺子 １０、１０−１、１０−２ 螺子穴 １２、１２−１ カバー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車軸のハブフランジに軽合金製ホイール
   を装着するためにアダプターフランジを用いる車輌用ホ
   イールのセンターロック構造において、センターロック
   ナットの少なくとも一部にすり割り部を設け、該すり割
   り部の間隙を変化させることでセンターロックナットの
   緩みを防止するようにしたセンターロックホイールの取
   付構造。
2. 【請求項２】 センターロックナットにすり割り部を設
   けることで分割される２つの部分の高さ寸法Ｘ及びＹ
   を、Ｘ＜Ｙの条件を満たすように設定したことを特徴と
   する請求項１に記載のセンターロックホイールの取付構
   造。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のセンターロックホイー
   ルにおいて、すり割り部をボルト５，５−１，５−２で
   締めつける際に用いるレンチが嵌合する接合孔を、菊花
   模様のような特殊な断面形状にして盗難を防止するよう
   にしたことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の
   センターロックホイールの取付構造。