JP3024181B2 - ガラス体の製造方法 - Google Patents

ガラス体の製造方法

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JP3024181B2 JP2210064A JP21006490A JP3024181B2 JP 3024181 B2 JP3024181 B2 JP 3024181B2 JP 2210064 A JP2210064 A JP 2210064A JP 21006490 A JP21006490 A JP 21006490A JP 3024181 B2 JP3024181 B2 JP 3024181B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、出発原料の金属有機化合物を加水分解およ
び縮重合反応によりゲル化させ、得られたゲル体を加熱
するゾルゲル法により、金属酸化物の結晶質成分を含む
ガラス体を製造する方法に関する。
「従来の技術」 従来、ゾルゲル法によって結晶質成分を含むガラス体
を製造する方法としては、金属有機化合物の加水分解お
よび縮重合により得られる非晶質のゲル体を高温に加熱
して結晶相を析出させる方法があり、このような方法
は、作花済夫ら編、ガラスハンドブック、朝倉書店刊
(1982年発行)、1013〜1017頁に開示されている。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら上記従来の方法では、ガラス体中に結晶
相を析出させるためには400℃以上の高温の加熱を必要
とし、とりわけ結晶相を形成する成分がゲル体中に小量
である場合は、結晶の析出のために高温度かつ長時間の
加熱を必要とする。したがって、たとえば基体の上にガ
ラス体の被膜を形成する場合、耐熱性が小さい基体につ
いては加熱温度および時間に制限があり、従来の方法で
は結晶相を有するガラス体を形成するのが困難であると
いう問題点があった。
本発明の目的は、上記従来の方法が有する問題点を解
決するためになされたものであって、すなわちより低い
加熱温度により結晶相を含むガラス体を製造する方法を
提供するにある。
「課題を解決するための手段」 本発明は、加水分解性の金属有機化合物および有機高
分子化合物を含む溶液からゲル体を形成し、その後前記
ゲル体中の有機高分子化合物を除去することにより前記
ゲル体を多孔質体とし、その後前記多孔質体を水蒸気に
より処理することにより、金属酸化物の結晶を含むガラ
ス体を製造する方法である。
本発明に用いられる金属有機化合物としては、加水分
解しさらに縮重合反応をおこなって酸化物を形成するも
のであればとくに限定されず、金属のメトキシド、エト
キシド、プロポキシド、ブトキシドなどの金属アルコキ
シド、−Cl、−COOH,−COOR,−NH2などの縮重合あるい
は架橋反応をおこない得る官能基を含む有機金属化合
物、アセチルアセテートなどのβ−ジケトン金属キレー
ト錯体が例示できる。また本発明に用いられる金属有機
化合物としては、単一の金属有機化合物であってもよ
く、2種以上の金属有機化合物を混合したものであって
もよい。たとえば、チタニウム有機化合物とジルコニウ
ム、アルミニウム、ゲルマニウム、タンタルなどの金属
有機化合物のいずれかと混合したものであってもよい。
また、金属有機化合物とシリコン、ホウ素、リンなどの
加水分解性の有機化合物のいずれかまたは2種以上を混
合して用いることもできる。前記したシリコン、ホウ
素、リンの化合物としては、シリコンメトキシド、シリ
コンエトキシド、シリコンプロポキシド、シリコンブト
キシド、ボロンメトキシド、ボロンエトキシド、ボロン
プロポキシド、ボロンブトキシド、ほう酸、燐酸、燐酸
トリメチル、燐酸トリエチル、燐酸トリピロピル等が挙
げられる。
本発明にかかる溶液に含まれる有機高分子化合物とし
ては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、等のポリアルキ
ルエーテル化合物、酢酸セルロース、硝酸セルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース化合物、
ポリビニルアルコール、ボリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ルなどのポリビニル化合物などの、加熱により燃焼しや
すく残渣が生じにくい化合物または、有機溶媒によりゲ
ル体中から溶出により除去しやすい化合物が好ましい。
上記の高分子化合物の添加量は、ゲル体を多孔質にした
ときの気孔率に関係し、ガラス体中に最終的に含まれる
金属酸化物に対する重量比で0.1〜10範囲にするのが好
ましい。
本発明の溶液には、必要に応じて加水分解および縮重
合反応を促進する触媒として水や塩酸、硝酸、酢酸、硫
酸などの酸やアンモニア、カセイソーダ、カセイカリな
どの塩基を添加することができる。
本発明においてゲル体を多孔質にする方法としては、
ゲル体中に含まれる有機高分子化合物が燃焼分解する温
度以上にゲル体を加熱する方法を用いることができる。
また、ゲル体中の有機高分子をエタノール、イソプロピ
ルアルコール、ブタノール、アセトン、酢酸ブチル、テ
トラヒドロフラン、ヘキサン、キシレン、ベンゼン、ア
セチルアセトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−エ
トキシエチルアセテートなどの有機溶媒により選択的に
溶出する方法を用いて多孔質にしてもよい。
本発明における多孔質ゲル体の水蒸気処理を迅速にお
こなうには、水蒸気圧力を10kPa(キロパスカル)以上
にするのが好ましい。これによりゲル体の表面近傍およ
び内部について金属酸化物の結晶化をおこなうことがで
きる。水蒸気圧力が10kPaよりも小さいとゲル体中の金
属酸化物を結晶化させるのに長時間を要する。また、水
蒸気圧力の上限はとくに結晶化する上では限定されない
が、1000kPaより大きい水蒸気圧力で水蒸気処理をおこ
なうことは、高価な耐圧設備を必要とするので経済上か
ら好ましくない。水蒸気処理を短時間にかつ経済的にお
こない、ガラス体中に均一に結晶を生じさせるには、水
蒸気圧力を10〜1000kPaでおこなうのが好ましい。そし
て温度を105〜200℃でおこなうのが好ましい。
上記した水蒸気の処理に代えて高圧水による処理によ
っても、本発明の目的は達成することができる。また、
水蒸気処理を施すゲル体としては、バルク、繊維、基体
上に被覆された薄膜などその形状に限定されるものでは
ない。
「作用」 本発明のゲル体中に含まれる有機高分子化合物は、ゲ
ル体が加熱されて分解燃焼することにより、あるいは有
機溶媒に溶解してゲル体中から溶出することにより、ガ
ラス体またはゲル体中に均一に分布し、かつ、連続する
微細な気孔を多数形成する。さらにこの連続した気孔を
有し内表面積が大きくなったガラス体またはゲル体を水
蒸気で処理すると、水蒸気は内部へ迅速に浸透するの
で、ガラス体またはゲル体中に均一にかつ迅速に金属酸
化物の結晶の核生成が起こり結晶成長が促進される。
「実施例」 本発明を以下に実施例に基づいて説明する。第1図
は、本発明の1実施例の一部断面図であって、ガラス基
板4の上にガラス体1が被覆されており、ガラス体1は
非晶質マトリックス2の中に金属酸化物の微結晶3が均
一に分布している。
実施例1 シリコンテトラエトキシド1モルに対してエチルアル
コール5モルからなる溶液23.97g調製した。この溶液に
希塩酸(3重量%)を4.06g添加し室温で30分間攪拌す
ることにより加水分解をおこなった。さらにこの溶液
に、最終的に二酸化チタニウムと二酸化珪素との酸化物
のモル比が9:91になるようにチタニウムテトラノルマル
ブトキシドを溶解し30分間攪拌して加水分解をおこなっ
た。得られた液は、無色透明であり基体に塗布して形成
される被膜の厚みを調整するためにさらにエチルアルコ
ールで希釈した。この溶液に平均分子量が600のポリエ
チレングリコール(PEG)を最終生成酸化物である二酸
化チタンおよび二酸化珪素にたいする重量比で(PEG)
/(TiO2+SiO2)=1.0になるように加え均一に溶解し
たものを塗布溶液とした。
上記溶液中にシリコンウエハ基板および石英ガラス基
板を漬けて、それぞれの基板上にポリエチレングリコー
ルおよびチタニウム有機化合物とシリコン有機化合物と
の加水分解−縮重合物とからなるゲル膜を被覆した。こ
れらを350℃で15分間加熱して、ポリエチレングリコー
ルが完全に熱分解して消失した、多孔質で厚みが約250n
mの非晶質膜を得た。その後基板を135℃、相対湿度90
%、水蒸気圧240kPaで50時間水蒸気で処理した。シリコ
ンウエハおよび石英ガラス基板に被覆されたいずれの膜
も、透過型電子顕微鏡および電子線回折で調べたとこ
ろ、10〜30nmの大きさのアナターゼ結晶が膜内部に均一
に分散析出した透光性の膜が得られていることが分かっ
た。た。また水蒸気処理により二酸化珪素と二酸化チタ
ンの膜中の比率は変動しなかった。得られた膜の硬度は
水蒸気処理により1.5倍に増加した。
実施例2 シリコンテトラエトキシド1モルに対してエチルアル
コール5モルからなる溶液を23.97g調製した。この溶液
に希塩酸(3重量%)を4.06g添加し室温で30分間攪拌
することにより加水分解をおこなった。さらにこの溶液
に、最終的に二酸化チタニウムと二酸化珪素との酸化物
のモル比が50:50になるようにチタニウムテトラノルマ
ルブトキシドを溶解し30分間攪拌して加水分解をおこな
った。得られた液は、無色透明であり基体に塗布して形
成される被膜の厚みを調整するためにさらにエチルアル
コールで希釈した。この溶液に平均分子量が600のポリ
エチレングリコール(PEG)を最終生成酸化物である二
酸化チタンおよび二酸化珪素に対する重量比で(PEG)
/(TiO2+SiO2)=1.0になるように加え、均一に溶解
したものを塗布溶液とした。
上記溶液中にシリコンウエハ基板および石英ガラス基
板を漬けて、それぞれの基板上にポリエチレングリコー
ルおよびチタニウム有機化合物とシリコン有機化合物と
の加水分解−縮重合化合物とからなるゲル膜を被覆し
た。これらを350℃で15分間加熱して、ポリエチレング
リコールが完全に熱分解して消失した多孔質で厚みが約
250nmの非晶質膜を得た。その後基板を135℃、相対湿度
90%、水蒸気圧240kPaで50時間水蒸気処理した。シリコ
ンウエハおよび石英ガラス基板に被覆されたいずれの膜
も、10〜30nmの大きさのアナターゼ結晶が膜内部に均一
に分散析出した透光性の膜が得られた。また水蒸気処理
により二酸化珪素と二酸化チタンの膜中の比率は変動し
なかった。得られた膜の硬度は水蒸気処理により1.4倍
に増加した。
実施例3 シリコンテトラエトキシド1モルに対してエチルアル
コール5モルからなる溶液を23.97g調製した。この溶液
に希塩酸(3重量%)を4.06g添加し室温で30分間攪拌
することにより加水分解をおこなった。さらにこの溶液
に、最終的に二酸化チタニウムと二酸化珪素との酸化物
のモル比が9:91になるようにチタニウムテトラノルマル
ブトキシドを溶解し30分間攪拌して加水分解をおこなっ
た。得られた液は、無色透明であり基体に塗布して被膜
の厚みを調整するためにさらにエチルアルコールで希釈
した。この溶液に平均分子量が600のポリエチレングリ
コール(PEG)を最終生成酸化物である二酸化チタンお
よび二酸化珪素にたいする重量比で(PEG)/(TiO2+S
iO2)=1.5になるように加え均一に溶解したものを塗布
溶液とした。
上記溶液中にシリコンウエハ基板および石英ガラス基
板を漬けて、それぞれの基板上にポリエチレングリコー
ルおよびチタニウム有機化合物とシリコン有機化合物と
の加水分解−縮重合物とからなるゲル膜を被覆した。こ
れらを350℃で15分間加熱して、ポリエチレングリコー
ルが完全に熱分解して消失した多孔質で厚みが約350nm
の非晶質膜を得た。その後基板を135℃、相対湿度90
%、水蒸気圧240kPaで50時間水蒸気処理した。シリコン
ウエハおよび石英ガラス基板に被覆されたいずれの膜
も、10〜30nmの大きさのアナターゼ結晶が膜内部に均一
に分散析出した透光性の膜が得られた。また水蒸気処理
により二酸化珪素と二酸化チタンの膜中の比率は変動し
なかった。得られた膜の硬度は水蒸気処理により1.8倍
に増加した。
実施例4 シリコンテトラエトキシド1モルに対してエチルアル
コール5モルからなる溶液23.97g調製した。この溶液に
希塩酸(3重量%)を4.06g添加し室温で30分間攪拌す
ることにより加水分解をおこなった。さらにこの溶液
に、最終的に二酸化チタニウムと二酸化珪素との酸化物
のモル比が9:91になるようにチタニウムテトラノルマル
ブトキシドを溶解し30分間攪拌して加水分解をおこなっ
た。得られた液は、無色透明であり基体に塗布して形成
される被膜の厚みを調整するためにさらにエチルアルコ
ールで希釈した。この溶液に平均分子量が200のポリエ
チレングリコール(PEG)を最終生成酸化物である二酸
化チタンおよび二酸化珪素にたいする重量比で(PEG)
/(TiO2+SiO2)=1.0になるように加え均一に溶解し
たものを塗布溶液とした。
上記溶液中にシリコンウエハ基板および石英ガラス基
板を漬けて、それぞれの基板上にポリエチレングリコー
ルおよびチタニウム有機化合物とシリコン有機化合物と
の加水分解−縮重合物とからなるゲル膜を被覆した。こ
れらを350℃で15分間加熱して、ポリエチレングリコー
ルが完全に熱分解して消失した、多孔質で厚みが約220n
mの非晶質膜を得た。その後基板を135℃、相対湿度90
%、水蒸気圧240kPaで50時間水蒸気処理した。シリコン
ウエハおよび石英ガラス基板に被覆されたいずれの膜
も、10〜30nmの大きさのアナターゼ結晶が膜内部に均一
に分散析出した透光性の膜が得られた。また水蒸気処理
により二酸化珪素と二酸化チタンの膜中の比率は変動し
なかった。得られた膜の硬度は水蒸気処理により1.3倍
に増加した。
実施例5 シリコンテトラエトキシド1モルに対してエチルアル
コール5モルからなる溶液23.97g調製した。この溶液に
希塩酸(3重量%)を4.06g添加し室温で30分間攪拌す
ることにより加水分解をおこなった。さらにこの溶液
に、最終的に二酸化チタニウムと二酸化珪素との酸化物
のモル比が9:91になるようにチタニウムテトラノルマル
ブトキシドを溶解し30分間攪拌して加水分解をおこなっ
た。得られた液は、無色透明であり基体に塗布して形成
される被膜の厚みを調整するためにさらにエチルアルコ
ールで希釈した。この溶液に平均分子量が10000のポリ
エチレングリコール(PEG)を最終生成酸化物である二
酸化チタンおよび二酸化珪素にたいする重量比で(PE
G)/(TiO2+SiO2)=1.0になるように加え均一に溶解
したものを塗布溶液とした。
上記溶液中にシリコンウエハ基板および石英ガラス基
板を漬けて、それぞれの基板上にポリエチレングリコー
ルおよびチタニウム有機化合物とシリコン有機化合物と
の加水分解−縮重合物からなるゲル膜を被覆した。これ
らを350℃で15分間加熱して、ポリエチレングリコール
が完全に熱分解して消失した、多孔質で厚みが約360nm
の非晶質膜を得た。その後基板を135℃、相対湿度90
%、水蒸気圧240kPaで50時間水蒸気処理した。シリコン
ウエハおよび石英ガラス基板に被覆されたいずれの膜
も、10〜30nmの大きさのアナターゼ結晶が膜内部に均一
に分散析出した透光性の膜が得られた。また水蒸気処理
により二酸化珪素と二酸化チタンの膜中の比率は変動し
なかった。得られた膜の硬度は水蒸気処理により2.1倍
に増加した。
実施例6 実施例1と同様の方法でモル比で二酸化チタニウム1
6.5%二酸化珪素83.5%を含む溶液を調製した。被膜の
厚みを調整するためのエチルアルコールによる希釈をお
こなわずに平均分子量が10000のポリエチレングリコー
ルを最終生成酸化物である二酸化チタンおよび二酸化珪
素にたいする重量比で(PEG)/(TiO2+SiO2)=1.0と
なるように加え均一な溶液とした。得られた溶液を室温
で放置することによりバルク状のゲル体とした。このゲ
ル体をエタノールと水の混合溶液に漬けてゲル体中のポ
リエチルングリコールを溶液中に溶出させ、非晶質でか
つ多孔質のバルク状のゲル体を得た。その後この非晶質
ゲル体を135℃、相対湿度90%、水蒸気圧240kPaで400時
間水蒸気処理した。この水蒸気処理により、15〜50nmの
アナターゼの微結晶がバルク内部に均一に分散析出した
ガラス体を得た。
比較例1 実施例1で調製した溶液を用いてポリエチレングリコ
ール含有ゲル膜をシリコン基板および石英ガラス基板状
に形成した。これらの基板を加熱炉中で700℃、5時間
加熱した。しかし、シリコン基板および石英ガラス基板
とも、被膜は硬く焼きしめられていたが二酸化チタニウ
ムは結晶化せず非晶質の膜であった。
比較例2 溶液にポリエチレングリコールを添加しなかったこと
のほかは、実施例1と同じようにしてシリコン基板およ
び石英ガラス基板にゲル膜を形成した。これらの基板を
350℃、15分間加熱して、厚みが約200nmの非晶質の膜と
した。その後これらの基板を135℃、相対湿度90%、水
蒸気圧240kPaで50時間水蒸気処理した。2種の基板とも
二酸化チタンの微結晶は膜表面のみに析出しているのが
認められ、膜内部では結晶の生成はほとんど認められな
かった。以上の例で示されるように、本発明の実施例で
は二酸化チタニウムの微結晶が均一に分散したガラス体
が得られることが分かる。
実施例1〜6で得られたサンプルは光触媒効果があ
り、アルケン(分子内に二重結合しているアルキル基を
有する)化合物やアルキン(分子内に三重結合している
アルキル基を有する)化合物を水と反応させてアルカン
化合物にするときの触媒とすることができる。
「発明の効果」 本発明によれば、金属酸化物の微結晶が均一に分散し
たガラス体が結晶核形成剤を用いずに得ることができ
る。またこのガラス体はバルク、繊維、薄膜などのいず
れの形状でも得ることができる。さらに本発明によれ
ば、比較的低い加熱温度により結晶を含むガラス体が得
られるので、たとえば耐熱性が小さい基板上に被膜を形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例の一部断面図である。 1……ガラス体、2……非晶質マトリックス、3……金
属酸化物結晶、4……基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 慎也 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 角 俊雄 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−159925(JP,A) 特開 昭48−913(JP,A) Noboru TOHGE et a l.,Journal of Non− Crystalline Solid s,(Holland),1988,Vo l.100,p.501−505 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 3/00 - 4/20 C03C 11/00 C03C 14/00 C03B 8/02 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解性の金属有機化合物および有機高
    分子化合物を含む溶液からゲル体を形成し、その後前記
    ゲル体中の有機高分子化合物を除去することにより前記
    ゲル体を多孔質体とし、その後前記多孔質体を水蒸気に
    より処理することにより、前記金属の酸化物の結晶を含
    むガラス体を製造する方法。
  2. 【請求項2】前記有機高分子化合物が、200〜10000の分
    子量を有するポリエチレングリコールであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】前記加水分解性の金属有機化合物としてチ
    タニウム化合物が含まれることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項の記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Noboru TOHGE et al.,Journal of Non−Crystalline Solids,(Holland),1988,Vol.100,p.501−505

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