JP3023383U - 外装袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題とその解決手段】 ノッチ部分で手指を傷めるこ
とがなく、かつノッチ部分からのひび割れの発生を防ぐ
ことを可能とするため、袋体の外周シール分１ａに設け
た開封用のミシン目またはスリット状のノッチ１ｂが非
開封時にノッチ部分で折れてひび割れが生じシール幅全
域に進行することを阻止する張り出しシール部１ｃを前
記ノッチ１ｂの延長上の外周シール部１ａより内方に設
け、前記外周シール部１ａと張り出しシール部１ｃとの
間に該張り出しシール部１ｃにより囲まれた無シール部
１ｄを形成したことにある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は輸液（薬液等）用容器などを密封状にカバーする外装袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば病院等において衰弱した患者に栄養剤を補給するために点滴（注射）が 行われているが、この点滴に使用される輸液の入った容器ａは、図４に示すよう な形状を有しており、酸素を通す透明の材質からなっている。このような薬品が 充填された容器ａは大量生産されてこのままストックされた場合は長い間に薬品 が酸化して使用不能になってしまう。かかる不具合を防止するためにこれら薬品 充填容器の保管は酸素を通さないフイルム等からなる外装袋ｂにより一個ずつ包 装されて密閉状態に置かれるようになっている。

【０００３】 ところでこのような外装袋ｂは生産側からユーザ側に納品するにはバラのまま で引き渡しすることはなく、当然収納箱に詰められた状態で引き渡されるように なっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかして外装袋ｂには内装された薬品充填容器ａの取り出しを容易にするため に左右の上縁のシール部分ｄに図５に示すようなノッチｅが設けらているが、こ のノッチｅは拡大して見ると図６のようにコーナ部ｆが角張った切欠状の形状の ものであり、このためにユーザがこのコーナ部ｆに指先等が触れたときに怪我を すると云う不具合があった。この不具合を解消するために図７のようにミシン目 のノッチｇをシール部分の幅の半分程度の長さに設けたものがあるが、この場合 でも外装袋ｂを箱詰めするために袋の上部を折り曲げた際にミシン目のノッチｇ に沿ってシール部分ｄにひびが入り、このひびが内部へ進むと、ピンホールとな ってしまい、結局、薬品充填容器ａ内の薬品の酸化は免れない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、外装袋の取扱い時にノッチによる指先等の怪我をもたらすことを防 ぎながら、ノッチ部分で袋が折れてシール部にひび割れが生じても、内方まで進 行することを防止し、保存中のバリア性を損うことのない外装袋を提供すること を課題としてなされたもので、袋体の外周シール部に設けた開封用のミシン目ま たはスリット状のノッチが非開封時にノッチ部分で折れてひび割れがシール幅全 域に進行することを阻止する張り出しシール部を前記ノッチの延長上の外周シー ル部より内方に設け、前記外周シール部と張り出しシール部との間に該張り出し シール部により囲まれた無シール部を形成したことにある。また前記無シール部 に代え、ノッチの内端に山形状の切目を設け、ノッチを矢印形状としたことにあ る。

【０００６】 こうしたことにより、ノッチ部分で外周シール部が折れ曲がり、ノッチにそっ てひび割れが生じたとしても、そのひび割れは無シール部または山形状の切目で 確実に止まり、外周シール部を越えて進行することが防がれる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図面に示す実施形態を参照して説明する。

【０００８】 図１は本考案にかかる外装袋１の正面図を示すもので、材質はガスバリア性を 有する複合ナイロン等のフイルムを複数層とした厚さ１００〜１５０μ程度のも ので、四角形状に形成にされている。この外装袋１の左右側と下側には一定幅の 外周シール部１ａが連続して設けられている。そして上記外周シール部１ａの左 右上方位置にはＰで示すように開封用のミシン目のノッチ１ｂ，１ｂが外端から 内側に向かってそれぞれ外周シール部１ａの幅の半分程度の長さにわたり設けら れている。

【０００９】 図２は図１のＰ部を拡大して示すもので、外装袋１の周囲に設けられている外 周シール部１ａのミシン目のノッチ１ｂの延長線上に中心を持つ略半環状の張り 出しシール部１ｃが形成されており、前記ミシン目の延長線上に半円状の無シー ル部１ｄが形成されている。これにより張り出しシール部１ｃの半環状に形成さ れた両端は外周シール部１ａと接触して外周シール部１ａとつながった状態とな っている。

【００１０】 なお、上記無シール部１ｄは図２の実施例では半円状としたが、これに限らず 四角形等であってもよい。

【００１１】 したがってミシン目のノッチについては外装袋１をまだ開封しない、例えば収 納状態にあった時、外周シール部１ａがミシン目のノッチ部分１ｂで折れてミシ ン目から発生したひびがシール幅全体に進行するような事態になっていたとして もそのひびの進行は外周シール部１ａから無シール部１ｄまでで止まる。したが って外装袋１は張り出しシール部１ｃにより未開封状態を保つことができる。開 封時には強制的にミシン目ノッチ部分１ｂで上下に引き裂くが、このとき張り出 しシール部１ｃも容易に破ることができる。

【００１２】 図３は本考案の他の実施の形態を示すもので、外周シール部１ａに入れられる ミシン目のノッチ１ｂの内端位置の外周シール部１ａに山形状の切目２が入れら れてノッチ１ｂが矢印形状に形成されている。

【００１３】 したがって外周シール部１ａがノッチ１ｂ部分で折れてひび割れが生じたとし ても、そのひびの進行は山形状の切目２により止められ、外周シール部１ａの幅 全域に及ぶことがない。開封時にはノッチ１ｂから切目２を経て引き裂くことに より容易に開封することができる。

【００１４】 なお前記無シール部１ｄと矢印形状のノッチ１ｂとを組合わせてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、取り扱い時や収納時にノッチ部分で折れ 曲ってノッチにそってひびが生じても、そのひびが外装袋の内部に及ぶことがな く、これにより外装袋としての機能を損わず、バリア性を保持することができる 。またノッチはミシン目等の線状のものとすることができることになるので、取 り扱い時に手指を傷つけることもなく、安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる外装袋の正面図。

【図２】本考案にかかる外装袋のノッチ部分の一実施形
態を示す拡大図。

【図３】本考案にかかる外装袋のノッチ部分の他の実施
形態を示す拡大図。

【図４】従来の外装袋の側面図。

【図５】従来の外装袋のノッチ部分を示す正面図。

【図６】図５の切欠状のノッチ部分の拡大図。

【図７】従来のミシン目状のノッチ部分の拡大図。

【符号の説明】

１ 外装袋 １ａ 外周シール部 １ｂ ミシン目ノッチ １ｃ 張り出しシール部 １ｄ 無シール部 ２ 切目

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】輸液用容器等を収納して全体を被包する外
   装袋において、袋体の外周シール部に設けた開封用のミ
   シン目またはスリット状のノッチが非開封時にノッチ部
   分で折れてシール部上にひび割れが生じ、シール幅全域
   に進行することを阻止する張り出しシール部を前記ノッ
   チの延長上の外周シール部より内方に設け、前記外周シ
   ール部と張り出しシール部との間に該張り出しシール部
   により囲まれた無シール部を形成したことを特徴とする
   外装袋。
2. 【請求項２】輸液用容器等を収納して全体を被包する外
   装袋において、袋体の外装シール部に設けた開封用のミ
   シン目またはスリット状のノッチが非開封時にノッチ部
   分で折れてひび割れが生じ、シール幅全域に進行するこ
   とを阻止するため該ノッチの内端に山形状の切目を設
   け、ノッチを矢印形状としたことを特徴とする外装袋。