JP3023325U - 固定式端子台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、導電体１の固定ボルト２との嵌着部
に打刻部１０を施すことによって工数を少なく安価にし
て取外しの容易な固定式端子台を提供せんとすることを
目的とする。 【構成】左右１対の孔ｈの穿孔された細長の導電体１
と、該各孔に挿通された固定ボルト２と、該各ボルトに
丸型端子４の板状部、平ワッシャー６、スプリングワッ
シャー７が順次嵌挿されてナット８で螺着される型式の
固定式端子台であつて、前記導電体１の前記孔ｈには、
その裏面より内歯座金３の嵌着された固定ボルト２が挿
通され、その上面周側に複数個の打刻部１０が形成され
ていることに構成上の特徴を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、両端に丸型端子を接続する固定式端子台の、とくに該端子を固定す る導電体の孔とボルト基部の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来行われているこの種固定式端子台の構造について、各側面図を示す図４、 図５を参照し乍ら述べると、図４は従来型式のものゝ一例を示すもので、先ず、 同図はにおいて、１は細長に板状を呈する両側近傍に後記する固定ボルト２を装 着する螺着孔ｈを備える導電体、３，３′は該導電体の裏面に固定ボルト２に挟 着される内歯座金又はスプリングワッシャー，４は、一方が固定ボルト２に嵌着 される板状の接続端子を、他方に電線５の接続される管状部を、夫々備える丸型 端子、６は前記接続端子の上面に接する平ワッシャー、７は該ワッシャーの上面 に接するスプリングワッシャー、８は前記固定ボルト２に螺着され前記丸型端子 を前記導電体に圧着固定するナットを示す。

【０００３】

【従来技術の問題点】

次に、図５は、従来型式のものゝ異なる例を示すもので、既述の図４図示のも のと同一箇所には同一符号を付け、異なる構成のみを述べると、９は導電体１の 裏面と固定ボルト２の頭部との間を熔着する銀鑞付部を示す。

【０００４】

【従来技術の問題点】

然るに、既述の図４図示の構成のものでは、組立後に上側より締付けたナット ８を、点検など必要があって戻す場合、固定ボルト２自体が導電体１と丸型端子 ４の板状部の摩擦力、及び平ワッシャー６又はスプリングワッシャー７とナット ８の摩擦力によって共回りを生ずることがあり、その結果、固定ボルト２の上面 とスプリングワッシャー３′又は内歯座金３との間に隙間［図４矢印参照］を生 じ、所謂、空回りしてナット８の取外しに苦労を余儀なくする。 一方、図５図示の構成のものにおいても、銀鑞付は、既述の図４図示の構成の もので生ずるような空回りは解消されるものゝ、銀鑞付部９の形成は高価に付き 、しかも、鑞付の際の加熱によって導電体１の当該部位の金属材質を鈍化せしめ 、更に丸型端子４の導電体えの締付時に緩みを生ずる、即ち、導電体１の当該部 位の機械的強度が低下する、これ亦、不都合を生ずる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、敍上の欠点を可及的に解消せんとするもので、その目的とするとこ ろは、導電体１の固定ボルト２との嵌着部に打刻部１０を施すことによって工数 を少なく安価にして取外しの容易な固定式端子台を提供せんとすることにある。

【０００６】

【課題を解消するための手段】

本考案は、左右１対の孔ｈの穿孔された細長の導電体１と、該各孔に挿通され た固定ボルト２と、該各ボルトに丸型端子４の板状部、平ワッシャー６、スプリ ングワッシャー７が順次嵌挿されてナット８で螺着される型式の固定式端子台に おいて、前記導電体１の前記孔ｈには、その裏面より内歯座金３の嵌着された固 定ボルト２が挿通され、その上面周側に複数個の打刻部１０が形成されている点 に特徴を有する。

【０００７】

【作用】

図３に要部拡大断面図として示すように、本考案においては導電体１に形成し た固定ボルト２の挿通部周縁に複数個の打刻部１０を形成することにより、該打 刻部により該導電体が圧潰されて凹部となり、その圧潰部位が該固定ボルト２の 螺子部の基部を押圧変形させて当該部位の戻しトルクを増大させ強力な固定状態 を保持するよう作用する。

【０００８】

【実施例】

図１は本案固定式端子台の一部切欠側面図、図２は図１の平面図、図３は導電 体に形成した固定ボルトの挿通部の要部拡大平面図、を夫々示すが、図４、図５ で述べた従来型式のものと同一箇所には同一符号を付け、冗長な説明を避け、本 案の構成上の特徴のみを具体的に述べると、１０は、導電体１に穿孔された固定 ボルト２を挿通する孔ｈの周側に形成された打刻部で、１１は、打刻部１０の形 成により当該部位に生ずる凹部を示す、なお、図１、図２は導電体１と、これに 挿通した固定ボルト２のみを示したが、該固定ボルトには従来型式のものと同様 に、内歯座金３が導電体１の裏面に当接するよう、又、その上面に丸型端子４の 板状部、平ワッシャー６、スプリングワッシャー７、が夫々挿通され、最後にナ ット８の螺着によって固定される。

【０００９】

【本案の効果】

本案は、敍上の構成よりなり、ついで本案構成に基ずく作用効果について述べ ると、図１図示のように固定ボルト２に内歯座金３を嵌め、該固定ボルトを導電 体１の孔ｈに挿通した状態で、図２図示のように該固定ボルト２の螺子部周側に 複数個の打刻部１０を形成しているため、該各打刻部が、その周縁部位を除き凹 部となって、その変形分が該固定ボルト２の螺子部に強力に密着し、即ち、斯く して該螺子部は、その周側より複数個の変形分により強力に貞締緊されるため、 当該部位に充分な戻しトルクを保持せしめることゝなり、したがって、従来型式 のもので述べたような、ナット８の取外しの際の共回りが皆無となる、のみなら ず、具体的形成手段として、打刻部１０の形成のみで終えるので、プレス作業で 連続的にできるので、製造工数が少なく、それだけ安価に付き、しかも、打刻部 １０は丸型端子４の取付孔より若干大きい程度であるので、導電体１と丸型端子 ４の接触面が減少せず、全く導電性に問題を生ずることもなく、更に打刻部１０ は、導電体１に穿孔した孔ｈの周側に部分的に行うので、当該部位が盛上らず、 寧ろ、固定ボルト２の螺子部と導電体１の孔ｈとの間隙を減少せしめるよう作用 する等、本案所期の目的を充分達成し得る優れた作用効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案固定式端子台の一部切欠側面図、

【図２】図１の平面図

【図３】導電体に形成した固定ボルトの挿通部の要部拡
大平面図、

【図４】従来型式のものゝ一例を示す、

【図５】従来型式のものゝ異なる例を示す、

【符号の説明】

１ 導電体 ２ 固定ボルト ３ 内歯座金 ３′スプリングワッシャー ４ 丸型端子 ５ 電線 ６ 平ワッシャー ７ スプリングワッシャー ８ ナット ９ 銀鑞付部 １０ 打刻部 １１ 凹部 ｈ 孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右１対の孔ｈの穿孔された細長の導電
   体１と、該各孔に挿通された固定ボルト２と、該各ボル
   トに丸型端子４の板状部、平ワッシャー６とスプリング
   ワッシャー７が順次嵌挿されてナット８で螺着される型
   式の固定式端子台において、前記導電体１の前記孔ｈに
   は、その裏面より内歯座金３の嵌着された固定ボルト２
   が挿通され、その上面周側に複数個の打刻部１０が形成
   されていることを特徴とする固定式端子台。