JP3023112U - 仕切り板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】仕切り板の設置が必要な容器に好適な仕切り板
部材であって、該容器の運搬、展示の際には容器内にコ
ンパクトに格納でき、使用時には一対の仕切り板部材を
接合できる仕切り板を提供する。 【解決手段】方形な板体１を囲繞する周壁部２の一辺の
両端縁に互い違いとした凹凸部分を有する一対の仕切り
板部材Ａ１，Ａ２について、それらの片面の凹部３の幅
相当分だけ、他面に凸部４を形成する。該凹部３表面の
係合穴部５と対応して前記凸部４に突起６を設ける。前
記凹凸部分を突き合わせて接合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、分別用ゴミ箱等のように、仕切り板の設置が必要な容器に好適なプ ラスチック製の仕切り板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より各種各様の仕切り板についての提案が知られている。 具体的事例としては、実公昭５７−７６２１号公報（合成樹脂製仕切板が設置 された合成樹脂製容器）が知られ、また図７に例示したように仕切り板を不使用 時または運搬時に内装格納できる容器も知られている。 前記した先行技術のうち、実公昭５７−７６２１号公報に示される技術思想に 従えば、容器内側面に対設した蟻溝に仕切り板の嵌合片を嵌合することにより、 仕切り板の外れが防止され、外部的衝撃を受けても変形を減少させる効果が認め られる。 また図７の公知例の場合、仕切り板を内装格納できるので、不使用時または運 搬時に容器とともに在ることから紛失、損傷あるいは汚損を防ぐ効用を有してい る。

【０００３】 しかしながら、これら先行技術の場合、仕切り板を格納すると図７の図示例か ら理解されるように、容器を重積して運送する際に、斜めに納めた仕切り板が邪 魔になり、その納まりが悪いだけでなく嵩ばり、言わば容器が浮き上った状態と なるため、採算上、大量輸送が求められながらも、運送上の効率が低下し、製品 価格の上昇を招く結果となっていた。 そのため、従来、前記欠点を排除するべく、やむを得ず仕切り板自体の長手方 向の高さを極力低くすることによって解決を試みていた。 しかし、仕切り板を低く設定すると、本来の仕切り板としての機能が果せなく なり、分別ゴミ箱を例にすると、仕切り板を境に隣り合うゴミ袋が接触し汚れが 移り、擦過によるゴミ袋の損傷を時には生じるため、仕切り板を前記したように 低く設定することは本末転倒となり、それは技術的課題として未解決であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記問題の解決をはかるため、複数の分割した仕切り板部材を相互 に接合して組立て可能とした仕切り板であり、その具体的な一実施形態としては 、仕切り板部材の一辺の両端縁に、互い違いとした凹凸部分を設けることによっ て、生産者が仕切り板具備の容器を需要者に提供するための運送段階においては 、一対の仕切り板部材を分離したままの状態として容器内部に場所塞ぎとならぬ ように重積し、その後、購買した需要者が使用時に初めて簡単な操作で突き合わ せて接合できる仕切り板の提供を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案に係る仕切り板は、複数の分割した仕切り板 部材を相互に接合して組立て可能としたものである。

【０００６】 また、仕切り板の良好な形態としては、方形な板体を囲繞する周壁部の一辺の 両端縁に、互い違いとした凹凸部分を有する一対の仕切り板部材であって、それ ら仕切り板部材の片面の凹部の幅相当分だけ、他面に凸部を形成するとともに、 前記凹部表面に設けた係合穴部と対応する突起を前記凸部に設けることによって 、前記凹凸部分を突き合わせて接合してなるものである。

【０００７】 前記凹凸部分を突き合わせて接合せる仕切り板部材について、該凹凸部分を有 する一辺と対向する他辺の上部に、プラスチック製の容器開口縁内側の適宜位置 に付設した蟻溝と嵌合する鉤部を設けるとともに、前記容器内壁面の抜き勾配と 適合する下方に向うテーパを形成することもよい。

【０００８】 更に、前記係合穴部およびそれと対応する前記突起について、それらの数が相 互に合致するとともに、前記周壁部の一辺を上半および下半に二分し、奇数また は偶数に区別して配置することが好ましい。

【０００９】 加えて、前記仕切り板の板体について、前記周壁部の厚味よりも薄手に形成し 、かつその断面を波形形状とすることもよい。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案の最良の結果をもたらす良好な仕切り板の実施の形態を図面に 従い説明すると、図１は接合前の斜視図、図２は分別ゴミ箱に使用した状態を示 す説明図、図３は互い違いとした凹凸部分の要部説明図、図４は凹凸部分の接合 状態を示す説明図、図５は鉤部を対設しかつテーパを形成した場合における容器 への嵌挿状態を示す説明図、図６は容器内に重積した接合前の状態を示す説明図 、図７は横倒しに傾斜した状態で格納した従来の仕切り板の一例を示す説明図で ある。

【００１１】 図面上、Ａ１，Ａ２は同形のプラスチック製の一対の仕切り板部材であり、後 記互い違いとした凹凸部分Ｂを突き合わせて接合する場合、いずれか一方の仕切 り板部材を裏返すようにして反転させて一体的とする。 １は長方形状に形成した板体、２は板体１を囲繞する周壁部、Ｂは互い違いと した凹凸部分であり、それは仕切り板部材Ａ１，Ａ２の一辺の両端縁に交互に形 成される凹部３、凸部４の全体を総称している。 凹部３は仕切り板部材Ａ１，Ａ２の板体１の片面に凹設され、凸部４は凹部３ に対し板体１の他面であって、凹部３の幅相当分だけ凸設される。 ５は、凹部３表面に設けた係合穴部、６は凸部４に前記係合穴部５と対応して 設けた突起である。 図面において、Ｃは容器、７は鉤部、８は容器Ｃ開口縁内側の適宜位置に付設 した蟻溝、９は容器Ｃ底部表面に蟻溝８と対応して形成した溝部であり、仕切り 板部材Ａ１，Ａ２下縁が嵌着する。

【００１２】 本考案は、図１、３および４に図示されるように、一対の仕切り板部材Ａ１， Ａ２について、いずれか一方の仕切り板部材を反転させて凹凸部分Ｂを突き合わ せて接合し、一体化する。 その場合、凹部３には係合穴部５が、また凸部４には突起６が設けられている ので（図３）、仕切り板部材Ａ１，Ａ２を突き合わせて両方向から咬合させなが ら圧接すると、前記突起６が摺動しながら係合穴部５に嵌入して緊密に接合し、 以後、意図的に一体化した状態を引離し解除しない限り、その接合は確実に保持 される。 本考案の場合、分別ゴミ箱等の商品として、運送、展示される状態では、接合 前の分離した状態の複数組の一対の仕切り板部材Ａ１，Ａ２が商品たる容器内に 重積して格納されており、購買者が使用時に一対の仕切り板部材Ａ１，Ａ２を前 記手順に従い接合し一体化するものである。

【００１３】

【実施例】

本考案の構成上、図１、２および５に示すように、接合し一体化した仕切り板 部材Ａ１，Ａ２の凹凸部分Ｂを有する一辺と対向する他辺の上部に鉤部７を設け るとともに、前記凹凸部分Ｂを有する一辺と対向する他辺に、下方に向けてテー パを形成することが好ましい。 上記鉤部７、テーパの採用により、前記鉤部７が容器Ｃの蟻溝８に嵌合し、容 器Ｃを抜き勾配とした内壁面に前記テーパが密接するものである。 前記抜き勾配とは、プラスチック成形品を金型から容易に取出することができ るように金型につけられた勾配を意味し、この勾配は当然成形品につけられ、通 常、抜き勾配は角度にして約２°〜１°が標準とされている。 また前記係合穴部５および突起６は、それぞれ凹部３および凸部４に設けられ るが、前記凹凸部分Ｂを突き合わせ対応させた場合、係合穴部５、突起６相互の 数は合致し嵌着することが必要である。

【００１４】 更に、前記周壁部２の一辺を上半と下半に二分して、前記係合穴部５、突起６ の設定される数を奇数または偶数に区別して配置することがよく、図１では、上 半を偶数の２個所、下半を奇数の３個所とする一例が示してある。 かくすることにより、需要者が同形の一対とした仕切り板部材Ａ１，Ａ２を突 き合わせて接合する場合に、一見して正しい接合状態を判識でき、誤って逆に接 合することを防止できるものである。故に、需要者が無理に接合しようとしても 、前記係合穴部５、突起６の数が相互に合致しないため正しく嵌着せずに、完全 にいわゆるロックしないことが弁別でき、再び正しく接合し直すことが容易であ る。

【００１５】 前記板体１については、例えば周壁部２と同厚としても差し支えないが、軽量 性、価格面での経済性を考慮した場合、周壁部２の厚味よりも薄手に形成すると ともに、その強度性を保持し歪み等を防ぐために、板体１の断面を波形形状（な まこ板）とすることが好適である。 本考案の仕切り板について、分別ゴミ箱の場合を例示したが、それに限られる ものではなく、一般的な容器にも当然適用可能である。 なお、本考案の構成上図示を省略したが、容器Ｃに公知の前記蟻溝８、溝部９ を設けること以外に、同様に公知の二条のリブ、あるいは案内溝のごときを容器 Ｃ内壁面に形成して、仕切り板部材Ａ１，Ａ２を挿着するようにすることもよい 。

【００１６】

【考案の効果】

以上のとおりの構成を有する本考案によれば、以下の効果をもたらすものであ る。 すなわち、請求項１または２の本考案によれば、複数の仕切り板部材または一 対の仕切り板部材Ａ１，Ａ２を接合しないまま、コンパクト化した状態で嵩ばら ずに容器Ｃ内に格納して運搬、展示できるので、輸送コストの低減に寄与し、ま た商品管理上有益である。 しかも請求項２の本考案の場合、互い違いとした凹凸部分Ｂ相互を突き合わせ 緊密に接合した一対の仕切り板部材Ａ１，Ａ２は、確実に一体化して一枚板のも とに予め成形した従来の仕切り板と比較し何等遜色のないものである。 請求項３の本考案によれば、対象となる容器Ｃ内壁面に既知の蟻溝８を設け、 仕切り板部材Ａ１，Ａ２に前記テーパを形成すればその納まりが良いものである 。

【００１７】 請求項４の本考案によれば、前記周壁部２の一辺を上半および下半に二分して 、相互に対応する前記係合穴部５および前記突起６の数を奇数または偶数に区別 して配置してある。その意図は、需要者において誤って逆に接合した場合、正し く接合し直すため分離して、その原形を復帰するには強い力を必要とし、困難を 伴うことになる。そこで、需要者が前記一対の仕切り板部材Ａ１，Ａ２の互い違 いとした凹凸部分Ｂを突き合わせて圧接する際に、一見して正しい接合状態を判 識できるようにして、前記問題点を未然に防止するものであり、無理に接合しよ うとしても、前記係合穴部５、突起６の数が相互に合致しないためロックしない ことが弁別でき、正しく接合し直すことが容易なものである。 請求項５の本考案によれば、板体１を周壁部２の厚味よりも薄手に形成し、そ の断面が波形形状とした結果、製造コストの低減をもたらすとともに、強度を保 ちながら軽量性を発揮し、外観上の見栄えも良好なものが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】接合前の斜視図

【図２】分別ゴミ箱に使用した状態を示す説明図

【図３】互い違いとした凹凸部分の要部説明図

【図４】凹凸部分の接合状態を示す説明図

【図５】鉤部を対設しかつテーパを形成した場合におけ
る容器への嵌挿状態を示す説明図

【図６】容器内に重積した接合前の状態を示す説明図

【図７】横倒しに傾斜した状態で格納した従来の仕切り
板の一例を示す説明図

【符号の説明】

Ａ１，Ａ２ 仕切り板部材 Ｂ 互い違いとした凹凸部分 Ｃ 容器 １ 板体 ２ 周壁部 ３ 凹部 ４ 凸部 ５ 係合穴部 ６ 突起 ７ 鉤部 ８ 蟻溝 ９ 溝部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の分割した仕切り板部材を相互に接
   合して組立て可能としたことを特徴とする仕切り板。
2. 【請求項２】 方形な板体を囲繞する周壁部の一辺の両
   端縁に、互い違いとした凹凸部分を有する一対の仕切り
   板部材であって、それら仕切り板部材の片面の凹部の幅
   相当分だけ、他面に凸部を形成するとともに、前記凹部
   表面に設けた係合穴部と対応する突起を前記凸部に設け
   ることによって、前記凹凸部分を突き合わせて接合する
   ことを特徴とする仕切り板。
3. 【請求項３】 前記凹凸部分を突き合わせて接合せる仕
   切り板部材について、該凹凸部分を有する一辺と対向す
   る他辺の上部に、プラスチック製の容器開口縁内側の適
   宜位置に付設した蟻溝と嵌合する鉤部を設けるととも
   に、前記容器内壁面の抜き勾配と適合する下方に向うテ
   ーパを形成してなることを特徴とする請求項１記載の凹
   凸部分を有する仕切り板。
4. 【請求項４】 前記係合穴部およびそれと対応する前記
   突起について、それらの数が相互に合致するとともに、
   前記周壁部の一辺を上半および下半に二分し、奇数また
   は偶数に区別して配置してなることを特徴とする請求項
   １または２記載の仕切り板の連結構造。
5. 【請求項５】 前記仕切り板の板体について、前記周壁
   部の厚味よりも薄手に形成し、かつその断面を波形形状
   としてなる請求項１、２または３記載の仕切り板。