JP3022987B2 - ポリアセタール樹脂製中空成形体 - Google Patents

ポリアセタール樹脂製中空成形体

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリアセタール樹脂製中空成形体に関するも
のである。更に詳しくは射出ブロー成形法により成形さ
れた、優れた衝撃強度を有するポリアセタール樹脂製中
空成形体に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリアセタール樹脂はバランスのとれた機械物性を有
するエンジニアリングプラスチックとして、電気・電子
部品,自動車部品等に幅広く用いられている。
しかしその多くは射出成形法によって成形されたいわ
ゆる型物であり、ブロー成形法によって成形された中空
成形体はほとんどない。これはポリアセタール樹脂の溶
融流動特性がニュートン流動に近く、成形時のパリソン
がドローダウンし易い事、及びドローダウンに起因して
成形体に偏肉が生じ、その薄肉部の衝撃強度が著しく弱
く、液体を入れる容器として要求される強度が不充分で
あるという欠点を有するためである。
中空成形体としての衝撃強度を上げる方法として、ポ
リアセタール樹脂にポリウレタン等のエラストマーを配
合した組成物を原料として中空成形体を製造する方法が
公知となっているが、上記従来技術で製造されたポリア
セタール樹脂組成物を原料として製造した中空成形体
は、衝撃強度の向上は見られるものの中空成形体の偏肉
は完全には改良されないために衝撃強度は不充分であ
り、更なる改良が望まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を克服し、液
体等を入れる容器として充分な衝撃強度を有するポリア
セタール樹脂製中空成形体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、検討を進め
た結果、特定のメルトインデックスを有するポリアセタ
ール樹脂を、特定の樹脂温度で、射出ブロー成形法によ
って成形した中空成形体が、その偏肉の度合が極めて小
さく、極めて優れた衝撃性能を有するポリアセタール樹
脂製中空成形体を取得できる事を見い出し、本発明に到
った。
すなわち本発明は、0.05〜10のメルトインデックスを
有するポリアセタール樹脂を、180〜240℃の樹脂温度
で、射出ブロー成形法によって成形した、ポリアセター
ル樹脂製中空成形体である。
本発明ではメルトインデックス(以降MIと略記)が、
0.05〜10、好ましくは0.5〜3の範囲にあるポリアセタ
ール樹脂を原料として用いる。
ここで本発明のMIはASTM D−1238で測定した値を言
う。(単位g/10分) MIが0.05未満の場合には、溶融粘度が高いために、パ
リソンを射出成形で形成することが著しく困難となる。
一方、MIが10を超える場合には、溶融強度が小さくな
り、パリソンをブローアップする過程でドローダウンを
引き起こしてしまい、良好な衝撃強度を有する成形体を
得る事が出きない。
また、本発明では樹脂温度が180〜240℃の範囲にある
ことが必要である。好ましくは185〜220℃である。樹脂
温度が180℃未満の場合には、良好な形状を有する成形
体を得ることができない。一方、樹脂温度が240℃を超
える場合には、樹脂の溶融強度が小さく、ドローダウン
を引き起こしてしまい、成形体に偏肉が生じて所望の衝
撃強度を有する成形体を得ることができない。
本発明の中空成形体の原料として用いられるポリアセ
タール樹脂は、ポリアセタール樹脂のMIが0.05〜10の範
囲であれば、ポリアセタールは、直鎖、分岐、架橋のい
づれの分子構造のものも使用できる。これらの分子構造
の中でも、成形体の外観の観点、すなわち成形体の表面
仕上りの観点とドローダウン防止の観点から、分岐もし
くは架橋の分子構造がより好ましい。
ここで直鎖の分子構造を有するポリアセタールは、ホ
ルムアルデヒドもしくはトリオキサンを単独重合する
か、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンと環状エー
テルとを共重合する事によって得られる。
また分岐の分子構造を有するポリアセタールは、水酸
基、アミノ基、カルボキシル基等の官能基を1分子中に
3個以上含有する多官能性化合物の存在下で、ホルムア
ルデヒドもしくはトリオキサンを単独重合するか、ホル
ムアルデヒドもしくはトリオキサンと環状エーテルとを
共重合する事によって得られる。
また架橋の分子構造を有するポリアセタールは、エポ
キシ基を1分子中に2個以上含有する多官能性グリシジ
ルエーテルの存在下にて、ホルムアルデヒドもしくはト
リオキサンを単独重合するか、ホルムアルデヒドもしく
はトリオキサンと環状エーテルとを共重合する事によっ
て得られる。
また本発明では、耐衝撃性改良のための重合体を、直
鎖、分岐、架橋のポリアセタールに配合もしくは反応し
てなる組成物を原料として使用しても良いし、或いはこ
れらの重合体を配合もしくは反応せずに、ポリアセター
ル単体を原料として使用しても良い。
しかしながら得られる中空成形体の実用性能を向上さ
せる観点から、ビニル重合体、エラストマーを主成分と
する耐衝撃性改良のための重合体をポリアセタールに配
合もしくは反応させて用いる方が好ましい。
ここで耐衝撃性改良のための重合体とは、−125〜80
℃のガラス転移温度を有するビニル重合体もしくは/及
びエラストマーである。
ここでビニル重合体を具体的に説明する。
ビニル重合体の第1のグループは、低密度ポリエチレ
ン(LD)、高密度ポリエチレン(HD)、直鎖低密度ポリ
エチレン(LL)、低密度ポリエチレン・スチレングラフ
ト共重合体、低密度ポリエチレン・アクリロニトリルス
チレングラフト共重合体、変性低密度ポリエチレン(水
酸基変性)等のポリエチレン系重合体である。
ビニル重合体の第2のグループは、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合
体、変性エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(水酸
基変性)、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・
メタアクリル酸・2−ヒドロキシルエチルメタアクリル
酸共重合体、変性エチレン・酢酸ビニル共重合体(水酸
基変性)等のエチレン系重合体である。
ビニル重合体の第3のグループは、ポリブタジエン、
変性水添ポリブタジエン(水酸基変性)、イソプレン・
ブタジエン共重合体等のブタジエン系重合体である。
これらのビニル重合体の他に、ガラス転移温度が−12
5〜80℃の間にあるビニル重合体を用いる事も可能であ
る。
次にエラストマーを具体的に説明する。
本発明で言うエラストマーとは、熱可塑性の重合体で
あり、無定形でありガラス転移温度の低いセグメント
(ソフトセグメント)と熱可逆的な架橋・結合構造をつ
くるガラス転移温度の高いセグメント(ハードセグメン
ト)の共重合体である。
本発明では、ソフトセグメント及びハードセグメント
のガラス転移温度が、−125〜80℃の間にあるエラスト
マーを用いる事が可能である。
エラストマーの第1のグループは、ポリスチレン系エ
ラストマーであり、ポリスチレンをハードセグメントと
するものである。ポリスチレンと組み合わされるべきソ
フトセグメントには、ポリブタジエン、ポリイソプレン
等のジエン系、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリ
イソプレン等の水素添加ジエン系がある。これらのポリ
スチレン系エラストマーの中でも特にポリスチレン−ポ
リブタジエンブロック共重合体及びポリスチレン−水素
添加ポリブタジエンブロック共重合体が好ましい。
エラストマーの第2のグループは、ポリエステル系エ
ラストマーであり、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、変性・ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン・ブチレンテレフタレート等のポ
リエステルをハードセグメントとするものである。ポリ
エステルと組み合わされるべきソフトセグメントには、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等のポリエーテルがある。
これらのポリエステル系エラストマーの中でも特にポ
リブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコ
ールブロック共重合体、ポリエチレン・ブチレンテレフ
タレート−ポリテトラメチレングリコールブロック共重
合体が好ましい。
エラストマー部分の第3のグループは、ポリアミド系
エラストマーであり、ナイロン6、ナイロン6−6、ナ
イロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド
をハードセグメントとするものである。ポリアミドと組
み合わされるべきソフトセグメントには、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリ
エーテル、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサク
シネート等のポリエステルがある。これらのポリアミド
系エラストマーの中でも特にナイロン6−ポリプロピレ
ングリコールブロック共重合体、ナイロン6−ポリテト
ラメチレングリコールブロック共重合体が好ましい。
エラストマーの第4のグループは、ポリウレタンエラ
ストマーであり、ウレタンをハードセグメントとするも
のである。
ここでウレタンは、4,4′−ジフエニルメタンジイソ
シアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート等のジイソシアネートとエチレングリコール、
テトラメチレングリコール等のグリコールとを反応させ
る事によって得られる。
ウレタンと組み合わされるべきソフトセグメントには
ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等の
ポリエステルジオール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール
がある。
これらのポリウレタンエラストマーの中でも特に4,
4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、テトラメチ
レングリコール及びポリテトラメチレングリコールより
合成されたポリウレタンが好ましい。
これらのエラストマーの他に、ガラス転移温度が−12
5〜80℃の間にあるエラストマーを用いる事も可能であ
る。
ビニル重合体、エラストマーは、直鎖、分岐、架橋の
ポリアセタールと配合されるか、ジイソシアネート等の
結合剤を媒介としてポリアセタールと反応して用いられ
る。
ビニル重合体、エラストマーを主成分とする耐衝撃性
改良のための重合体の配合もしくは反応量は、ポリアセ
タール100部に対して、0.5〜50部の範囲にある事が好ま
しい。重合体の配合、反応量が0.5部未満の場合には、
射出ブロー成形法によって得られた中空成形体の耐衝撃
性が不充分となる場合がある。一方、重合体の配合、反
応量が50部を超える場合には、中空成形体の耐溶剤性が
不充分となり、容器として実用上問題となる場合がある 本発明の中空成形体の原料として用いられるポリアセ
タール樹脂には、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、滑
剤、難燃剤、結晶核剤、着色剤等の公知の安定剤、添加
剤を配合しても差し支えない。
本発明の中空成形体は公知の射出ブロー成形機によっ
て成形されるが、通常ポリオレフィン、ポリスチレン等
の成形体を製造する際に用いられる一般的な射出ブロー
成形機によって製造されることが好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。な
お、実施例中の用語の意味する所は下記のとおりであ
る。
MI :190℃、2.16kg標準荷重下での溶融指数(AS
TM D−1238E条件に準じて測定) 酸化防止剤:2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール) 熱安定剤 :ナイロン3 また、得られた中空成形体の諸物性は、以下に示した
方法に準じて測定した。
肉厚及び偏肉度合:円筒状の容器を下吹き込み法でブロ
ー成形し、その側面部の肉厚を市販のマイクロメーター
で測定した。底面より高さ10mmの側面部の肉厚T1(mm)
と、容器全体の高さのちょうど半分に相当する高さの側
面部の肉厚T2(mm)について測定を実施し、その比(T1
/T2)を求めた。本測定法で求めたT1/T2の値が1に近い
ほど好ましく、さらに好ましくはT1/T2の値が0.9以上1.
1以下の範囲にある中空成形体が、液体等を入れる容器
として好適に用いられる。
耐衝撃性能:得られた中空成形体中に、中空成形体の内
容積の80%の体積に相当する純水を入れ、栓をして密封
した後、地上1mの高さからコンクリート地面上に落下さ
せて成形体の破壊状態を測定した。成形体の栓以外の部
分に割れ、傷等が生じ、中に封入した水が少しでも外部
に漏れたものは不可と判定し、成形体1000個当りの、不
可と判定された個数を衝撃強度指数として、耐衝撃性能
を測定した。
本測定法で測定した衝撃強度指数が10(個/1000個)
以下、好ましくは5(個/1000個)以下の中空成形体
が、液体等を入れる容器として好適に用いられる。
実施例1 ポリアセタール樹脂(分岐)の製法 無水のホルムアルデヒドを、分岐剤としてグリセリ
ン、重合触媒としてテトラブチルアンモニウムアセテー
トを含むシクロヘキサン中に吹き込み、50℃にて重合を
行なった。重合体をろ過によってシクロヘキサンより分
離後、無水酢酸を用いて重合体の末端を安定化せしめ
た。
安定化された重合体100部に対して、ポリウレタンエ
ラストマー、(4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネ
ート、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールより合成、ガラス転移温度−48℃及び15℃)
12部、酸化防止剤0.5部、熱安定剤0.3部を配合し、65mm
φ二軸押出機で溶融混合せしめペレットとした。このペ
レットのMIは0.13であった。
中空成形体の製法及び中空成形体の物性 上記ペレットを用いて、東芝機械製IB150型改造射出
ブロー成形機にて、210℃の樹脂温度で、直径50mmφ、
高さ100mm内容積200mlの円筒状の容器を下吹き込み法で
成形した。成形性は良好であり、得られた成形体は光沢
のある優れた表面性を有していた。また、この中空成形
体の肉厚はT1=1.01mm、T2=1.03mmであり、偏肉度合T1
/T2は0.98であり、偏肉度合は極めて小さいものであっ
た。更にこの中空成形体の衝撃強度指数は2(個/1000
個)であり、良好な耐衝撃性能を有していた。
実施例2 ポリアセタール樹脂(架橋)の製法 トリオキサン、エチレンオキシドに架橋剤として1,4
−ブタンジオールグリシジルエーテル、重合触媒として
三弗化ホウ素ジブチルエーテレートを加え、二軸ニーダ
ー中で85℃で重合せしめた。重合体にトリエチルアミン
及び水を加え65mmφ二軸押出機中で安定化せしめた。次
いでこの重合体100部に対して、ポリエステル系エラス
トマー(テレフタル酸、アジピン酸、イソフタル酸、1,
4−ブタンジオールより合成、ガラス転移温度−18℃)
5部、酸化防止剤0.4部、熱安定剤、0.3部を配合し、65
mmφ二軸押出機で溶融混合せしめ、ペレットとした。こ
のペレットのMIは2.2であった。
中空成形体の製法及び中空成形体の物性 上記のペレットを用いて、実施例1と同じ成形機に
て、190℃の樹脂温度で、直径40mmφ、高さ50mm、内容
積60mlの円筒状の容器を下吹き込み法で成形した。この
中空成形体は以下の物性を有していた。
肉厚 :T1=0.99mm、T2=1.00mm 偏肉度合(T1/T2) :0.99 衝撃強度指数 :1(個/1000個) 以上の如く、この中空成形体は優れた衝撃特性を有し
ていた。
実施例3 ポリアセタール樹脂の製法 トリオキサン、1,3−ジオキソランに、重合触媒とし
てトリフロロメタンスルホン酸を加え、二軸ニーダー中
で90℃で重合せしめた。この重合体にトリブチルアミ
ン、水を加え、65mmφ二軸押出機中で安定化せしめた。
次いでこの重合体100部に対して、酸化防止剤0.3部、熱
安定剤0.25部を配合し、65mmφ二軸押出機で溶融混合せ
しめペレットとした。このペレットのMIは4.2であっ
た。
中空成形体の製法及び中空成形体の物性 上記のペレットを用いて、実施例1と同じ成形機に
て、205℃の樹脂温度で、直径50mmφ、高さ50mm、内容
積100mlの円筒状の容器を下吹込法で成形した。この中
空成形体は以下の物性を有しており、耐衝撃性に優れて
いた。
肉厚 :T1=1.02mm,T2=1.09mm 偏肉度合(T1/T2) :0.94 衝撃強度指数 :5(個/1000個) 比較例1(押出ブロー成形法の例) 押出ブロー成形法による中空成形体の製法及び中空成形
体の物性 実施例1で用いたポリアセタール樹脂を、50mmφ単軸
押出機付ブロー成形機にて、押出樹脂温度210℃で、直
径50mmφ、高さ100mm、内容積200mlの円筒状の容器を下
吹き込み法で成形した。成形時にはパリソンがドローダ
ウンし、成形性は不良であった。得られた中空成形体の
肉厚はT1=0.67mm、T2=1.07mmであり、偏肉度合T1/T2
は0.63であり、その度合の大きいものであった。更にこ
の中空成形体の衝撃強度指数は174(個/1000個)であ
り、容器として充分な衝撃強度を有していなかった。
比較例2(樹脂温度の例) 実施例1で用いたポリアセタール樹脂を、実施例1と
同じ成形機にて、178℃の樹脂温度で射出ブロー成形す
ることを試みたが、得られた成形体の形状は不完全で、
良好な成形体を得ることができなかった。
また樹脂温度を243℃まで上げて成形を試みた。得ら
れた成形体は以下の物性を有しており、偏肉の度合が大
きく、良好な耐衝撃性を有していなかった。
肉厚 :T1=0.62mm,T2=1.10mm 偏肉度合(T1/T2) :0.56 衝撃特性指数 :256(個/1000個) 比較例3(MIの例) 無水のホルムアルデヒドを重合して、MIが10.8の直鎖
の構造を有するポリアセタールを合成した。このポリア
セタールに酸化防止剤、熱安定剤を加えてポリアセター
ル樹脂とした。このポリアセタール樹脂を用いて、実施
例1と同じ成形機にて射出ブロー成形を試みたが、パリ
ソンのドローダウンが激しく、ブロー成形は不可能であ
った。
一方、無水のホルムアルデヒドと分岐剤としてグリセ
リンとより、MIが0.03の分岐の構造を有するポリアセタ
ールを合成した。このポリアセタールに酸化防止剤、熱
安定剤を加えたポリアセタール樹脂とした。このポリア
セタール樹脂を用いて、実施例1と同じ成形機にて射出
ブロー成形を試みたが、樹脂の流動性が悪くパリソンを
射出成形することができなかった。
実施例4〜10、比較例4〜7 第1表に示す直鎖、分岐、架橋の構造を有するポリア
セタール、第1表に示す耐衝撃性改良のための重合体、
酸化防止剤及び熱安定剤より、第1表に示す樹脂温度
で、実施例1と同じ成形機にて実施例1と同一の中空成
形体の成形を行った。成形性はいづれの実施例において
も良好であった。
また、各実施例のポリアセタール樹脂製中空成形体
の、肉厚、偏肉度合、衝撃特性指数を第1表に併わせて
示したが、これらの実施例においてはいずれも良好であ
り、優れた衝撃特性を有していた。
一方、比較例においては、いずれも得られた成形体の
偏向度合が大きく、衝撃特性は不充分であった。
〔発明の効果〕 本発明のポリアセタール樹脂製中空成形体は、特定の
MIを有するポリアセタール樹脂を、特定の樹脂温度で射
出ブロー成形法によって成形されることによって、その
肉厚の偏肉度合が著しく小さくなり、優れた衝撃強度を
有する。本発明の中空成形体は、有機溶媒や水溶液等の
液体又は粉体を保存する容器等の用途において新市場を
形成する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 49/00 - 49/80

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.05〜10のメルトインデックスを有するポ
    リアセタール樹脂を、180〜240℃の樹脂温度で射出ブロ
    ー成形法によって成形した、ポリアセタール樹脂製中空
    成形体。
  2. 【請求項2】ポリアセタール樹脂が、ポリアセタール10
    0部に対して、−125℃〜80℃のガラス転移温度を有する
    ビニル重合体又はエラストマーを主成分とする耐衝撃性
    改良のための重合体0.5〜50部を配合又は反応してなる
    組成物である請求項1記載のポリアセタール樹脂製中空
    成形体。
  3. 【請求項3】メルトインデックスが0.5〜3であるポリ
    アセタール樹脂を用いて成形した請求項1又は2記載の
    ポリアセタール樹脂製中空成形体。
  4. 【請求項4】ポリアセタールがトリオキサン及び1,3−
    ジオキソランをモノマーとして重合されたものである請
    求項1、2又は3記載のポリアセタール樹脂製中空成形
    体。
  5. 【請求項5】耐衝撃性改良の為の重合体がポリウレタン
    エラストマーである請求項2記載のポリアセタール樹脂
    製中空成形体。
  6. 【請求項6】ポリウレタンエラストマーが4,4′−ジフ
    ェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレングリコ
    ール及びポリテトラメチレングリコールより合成された
    ポリウレタンである請求項5記載のポリアセタール樹脂
    製中空成形体。
  7. 【請求項7】ポリアセタールが水酸基、アミノ基、カル
    ボキシル基等の官能基を1分子中に3個以上含有する多
    官能性化合物の存在下でホルムアルデヒドもしくはトリ
    オキサンを単独重合するか、ホルムアルデヒドもしくは
    トリオキサンと環状エーテルとを共重合することによっ
    て得られる分岐のポリアセタールである請求項1、2又
    は3記載のポリアセタール樹脂製中空成形体。
  8. 【請求項8】ポリアセタールがエポキシ基を1分子中に
    2個以上含有する多官能グリシジルエーテルの存在下に
    て、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンを単独重合
    するか、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンと環状
    エーテルとを共重合する事により得られる架橋ポリアセ
    タールである請求項1、2又は3記載のポリアセタール
    樹脂製中空成形体。
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