JP3021752B2 - 複合構造ラジアルラインスロットアンテナ - Google Patents

複合構造ラジアルラインスロットアンテナ

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JP3021752B2
JP3021752B2 JP3097607A JP9760791A JP3021752B2 JP 3021752 B2 JP3021752 B2 JP 3021752B2 JP 3097607 A JP3097607 A JP 3097607A JP 9760791 A JP9760791 A JP 9760791A JP 3021752 B2 JP3021752 B2 JP 3021752B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面アンテナに関し、
特に衛星放送、衛星通信、あるいは地上通信等の準ミリ
波帯に用いて好適なラジアルラインスロットアンテナに
関する。
【0002】
【従来の技術】図8(a)に示すように、多数のスロッ
トが形成された導体板からなるスロット板aとこれに相
対向する導体板からなるフレームbとでラジアル導波路
が形成されたものや、図8(b)に示すように、同様に
形成されたラジアル導波路内に中間金属板dが周壁eと
の間に給電電力迂回用隙間fを残して設けられたものが
知られている。前者は、フレームbの背面中央の給電部
gから供給された電力がラジアル導波路内を中心から周
縁に向かう放射状の進行波hとなり、スロット板に形成
されたスロットアレーを中心から周縁に向かって順次励
振する外向進行波アンテナ(一般に、一層式ラジアルラ
インスロットアンテナと呼ばれている)である。これに
対して後者は、ラジアル導波路内に中間金属板dが周壁
eとの間に給電電力迂回用隙間fを残して設けられ、前
記ラジアル導波路を空間S1 ,S2 に分割している。よ
って、フレームの背面中央の給電部から供給された電力
は、空間S1 を中心から周縁に向かう放射状の進行波と
なるが、給電電力迂回用隙間fを通って空間S2 を周縁
から中心に向かう進行波iとなってスロット板に形成さ
れたスロットアレーを順次励振していく内向進行波アン
テナ(前者に対して、二層式ラジアルラインスロットア
ンテナと呼ばれている)となる。いずれも、スロット板
全面にスロットが形成されアンテナ開口面を形成してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アンテナの放射素子が
スロットのような共振器で構成されるアレーアンテナで
は、共振周波数(通常は、これを設計値としている)で
利得が最大となり、この共振周波数から離れるにしたが
って利得は低下する。つまり、共振周波数(設計値)を
中心周波数とする一定の周波数帯域内(使用周波数帯
域)においては、図6の3に示すように共振周波数を離
れるにつれて利得が低下する共振特性を示す。一方、利
得は周波数およびアンテナの開口面積に比例する。すな
わち、開口面積を一定とすると共振周波数が高いほど
(波長が短かいほど)利得は高く、共振周波数を一定と
すると開口面積が大きいほど利得は高くなる。
【0004】ところで、アレーアンテナでは周波数帯域
を決定する他の要素として、各素子を励振する給電線路
長差がある。すなわち、最初に励振する素子までの給電
線路長ρmin と最後に励振する素子までの給電線路長ρ
max との距離差である。これをLS とすると、周波数帯
域は1/LS つまり1/(ρmax −ρmin )に比例す
る。各素子への給電線路長が全て等しいアレーアンテナ
は、伝達損失は大きくなるが、LS は0となり理論的に
は周波数帯域は無限大となる。
【0005】図7はラジアルラインスロットアンテナの
開口径に対する使用周波数帯域の最大利得と、各周波数
帯域端の利得を示している。例えば、開口径50cmの
ラジアルラインスロットアンテナについてみると、周波
数帯域300MHzでは最大利得に対して帯域端の利得
低下量は0.5dB程度でそれほど問題ではない。しか
し、使用周波数帯域500MHz、800MHzでは、
利得低下量は各々1.5dB、3.5dBとなる。ま
た、800MHzでは開口径を大きくしていくと帯域端
利得は逆に低下してしまう。現在は、規定の周波数帯域
を多数チャンネルに分割して利用しているため、周波数
帯域が広くなると周波数帯域端近傍のチャンネルでの受
信画像の品質は著しく低下することになる。
【0006】また、近年は、混信、盗信を防ぐために衛
星の出力を低下する傾向にある。このとき受信画像の品
質を保つには、アンテナの性能向上が必要となる。この
一手段としてアンテナ開口径の増大が考えられる。そこ
で、図8に示すアンテナの開口径つまりスロット板aを
大きくすると共振周波数での利得は高くなるが、いずれ
もLS がスロット板aの半径とほぼ等しいためLS も大
きくなり、利得の周波数特性は図6の4に示すように、
急峻な共振特性を示すことになるので最高利得と周波数
帯域端との利得低下量は、さらに大きくなり実用となら
ない。
【0007】そこで本発明は、使用周波数帯域端での利
得低下量が少なくいラジアルラインスロットアンテナを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、多数のスロットを有するス
ロット板とこのスロット板に対向配置されたフレームと
で構成されるラジアル導波路と、このラジアル導波路内
に電力を供給する給電部とを具備してなるラジアルライ
ンスロットアンテナにおいて、周縁から中心方向に向か
う進行波が前記スロットを励振する内向進行波励振部
と、中心から周縁方向に向かう進行波が前記スロットを
励振する外向進行波励振部とに分割する中板が前記ラジ
アル導波路内に配置されたことを特徴とする複合構造ラ
ジアルラインスロットアンテナである。
【0009】また、前記スロット板のスロットの配置
は、前記内向進行波励振部と、前記外向進行波励振部と
で異なることを特徴とする複合構造ラジアルラインスロ
ットアンテナである。
【0010】さらに、前記スロット板のスロットが配置
される螺旋の向きが、前記内向進行波励振部と、前記外
向進行波励振部とで異なることを特徴とする複合構造ラ
ジアルラインスロットアンテナである。
【0011】
【作用】上記のように構成されているので、給電部から
供給された電力は内向進行波励振部と外向進行波励振部
とに分割され、この分割点から順次スロットアレーを励
振することになり、最初に励振するスロットと最後に励
振するスロットとの給電線路長差が短縮されることにな
る。
【0012】すなわち、開口面の半径をa:bに分割し
た場合について説明する。開口面をその半径のa:bの
位置で内側部と外側部に分割する。内側部にはラジアル
導波路内に中板が設けられ、内側上部と内側下部に分割
されている。給電部から供給された給電電力はまず、内
側下部を中心から周縁に向かう放射状の進行波となって
伝送する。そして、中板の周縁部で、内側上部を周縁か
ら中心方向に向かって収斂する進行波(内向進行波)と
外側部を中心から周縁方向に向かう放射状の進行波(外
向進行波)に分割される。そして、内向進行波は内側部
のスロットアレーを、外向進行波は外側部のスロットア
レーを分割点から順次励振することになる。つまり、内
側部は内向進行波励振部、外側部は外向進行波励振部と
なる。よって、内向進行波励振部の給電線路長差LS
a/(a+b)に、外向進行波励振部の給電線路長差L
S はb/(a+b)に、いずれも短縮されることにな
る。例えば、a<bとすれば使用周波数帯域は給電線路
長差LS に反比例するため、(a+b)/bだけ広帯域
化される。
【0013】また、内側部と外側部とでは各々のスロッ
トアレーを励振する進行波の向きが異なるため、内側部
は周縁から中心方向に向かって収斂する進行波が励振す
る内向進行波アンテナのスロット配置とし、外側部は中
心から周縁方向に向かう放射状の進行波(励振波)が励
振する外向進行波アンテナのスロット配置というよう
に、異ならせることにより全開口面から互いに打消し合
うことがなく同一の偏波面をもつ電波が放射される。
【0014】さらに、スロットが螺旋上に配置される場
合は、内側部と外側部で前記螺旋の向きを異ならせるこ
とにより、全開口面から互いに打消し合うことがなく同
一の偏波面をもつ電波が放射される。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。図1は本考案の第一の実施例を示す断面図である。
導体からなるフレーム2と、このフレーム2に対向して
設けられた導体からなるスロット板1とで、ラジアル導
波路(以下、単に「導波路」と記す)が形成されてい
る。前記スロット板1は、所定位置にスロットを配列し
ており、内側部Aと外側部Bとに半径の1/2の位置
(つまり、a:b=1:1)で分割されている。各々1
A 、1B とする。よって、内側部Aと外側部Bの開口面
積比SA :SB は1:3となる。前記ラジアル導波路内
の内側部Aには、前記スロット板1の分割に対応して中
板3が、その上部に低発泡誘電体からなる遅波回路7A
を介在して、前記スロット板1と平行に挿入されてい
る。中心部には、金属で裏打ちされた電波吸収体10A
が設置されている。前記フレーム2には前記スロット板
1の分割に対応して内側部に凹部4が形成され、その終
端部はエッジがカットされたコーナー部6を形成してい
る。前記フレーム2の背面中央には同軸線路からなる給
電部5が結合されている。この給電部5は、先端にトッ
プローディング部8をもつ同軸線路で構成されている。
また、前記フレーム凹部4と前記中板3から構成される
ラジアル導波路内には、空気の誘電率に等しい誘電率の
高発泡誘電体からなるスペーサ7が介在し、前記中板3
を所定の間隔に保持してる。そして、前記ラジアル導波
路の外側部Bには低発泡誘電体からなる遅波回路6B
介在している。内側部Aのスロット板1と中板3との高
さdA と、外側部Bのスロット板1とフレーム2の高さ
B はdA :dB =1:3に設定されている。
【0016】給電部5から供給されたTEM波の給電電
力は、同軸線路のトップローディング部8が設けられた
プローブを介してフレーム凹部4と中板3から構成され
る導波路内を中心から周縁に向かう放射状の進行波とな
って伝送される。この進行波は、前記中板3の周縁部で
外側部Bの導波路と内側部A上部の導波路とに分割され
る。ここで、中板3に対応して前記フレーム凹部4の終
端部にはコーナー部9が形成されているため滑らかに分
割される。このコーナー部9のカット量はフレーム2と
中板3の距離に対応した値である。そして、この分割点
から順次スロットアレーを励振することになる。外側部
Bはスロット板1B 、遅波回路6B 、フレーム2により
導波路が構成され、中心から周縁に向かう外向進行波に
よって前記スロット板1B のスロットアレーを励振する
外向進行波励振部となる。また、内側部Aの上部は、ス
ロット板1A 、遅波回路6A 、中板3により導波路が構
成され、周縁から中心に向かう内向進行波によってスロ
ット板1A のスロットアレーを励振する内向進行波励振
部となる。
【0017】ここで、低発泡誘電体からなる遅波回路6
A 、6B は同材質、同誘電率のものを使用することが好
ましい。こうすれば、給電部5からの給電電力を内側部
Aと外側部Bの各々の導波路に開口面積に応じて分割す
ることが容易となる。さらに、給電電力の分割をスムー
ズに行うためには、中板3の半径を分割点の半径Rより
も少し小さくし、フレーム凹部4の半径をRよりも少し
大きくすることが好ましい。
【0018】内側部Aの内向進行波励振部のスロットア
レーで放射しきれない残留電力は、中心部の電波吸収体
10A で吸収消滅される。また、外側部Bの外向進行波
励振部の部4のスロットアレーで放射しきれない残留電
力は、周端部の電波吸収体(図示せず)で吸収消滅され
る。また、この周端部には整合スロット、整合スパイラ
ル等の整合素子を設けて残留電力を積極的に放射し有効
に利用することもできる。
【0019】このように構成することにより、開口面の
分割点から順次スロットアレーを励振することになるた
め、図8に示す従来のアンテナに比較しての給電線路長
差L S が1/2となる。即ち、周波数帯域はLS に反比
例するため、帯域端での利得を同一値とすると使用周波
数帯域は2倍となる(図6の5)。またマイクロストリ
ップ線路による給電と異なり損失の少ない導波路により
構成されているので、広帯域かつ低損失である。
【0020】次に、本発明のスロット板の一実施例を図
4に示す。これは、直線偏波のうちX軸の正の方向(図
中の矢印)に向かう水平偏波に対応すべくスロットアレ
ーを配置した場合である。アンテナ開口面は半径Rの位
置で内側部Aと外側部Bとに分割されており、内側部A
は周縁より中心に向かう内向進行波がスロットアレーを
励振することになる。半径方向の間隔が管内波長λg の
1/2の同心円上でX軸と角度φの交点上にある二つの
スロット111 ,112 の長手方向とY軸とのなす各々
の角度をθ1 、θ2 として、 θ1 =φ/2 θ2 =φ/2−π/2 の関係をもつペアスロット11A をスロットアレーとし
ている。このとき前記ペアスロット11A の合成放射波
は、X軸の正の方向に向かう水平偏波となる。そして、
周方向の間隔Sφは相隣合うペアスロットが機械的に干
渉しない程度に密とし、半径方向の間隔Sρ=λg の同
心円上に配列されている。
【0021】一方、外側部Bは中心より周縁に向かう外
向進行波がスロットアレーを励振することになり、半径
方向の間隔が管内波長λg の1/2の同心円上でX軸と
角度φの交点上にある二つのスロット113 ,114
長手方向とY軸とのなす各々の角度をθ3 、θ4 とし
て、 θ3 =φ/2−π/2 θ4 =φ/2−π の関係をもつペアスロット11B をスロットアレーとし
ている。このとき、前記ペアスロット11B の合成放射
波は、X軸の正の方向に向かう水平偏波となる。そし
て、周方向の間隔Sφは相隣合うペアスロットが機械的
に干渉しない程度に密とし、半径方向の間隔Sρ=λg
の同心円上に配列されている。
【0022】このようにスロットアレーを配列すること
によって、開口面から放射される電波はすべて同一の偏
波となり、しかも放射電力は開口面全体に一様分布とな
【0023】図5は、スロットアレーの他の実施例を示
す図である。これは、BS対応の右旋円偏波用を示して
いる。内側部Aは内向進行波励振部であり、外側部Bは
外向進行波励振部である。また、これらは同一導体円板
で構成されている。
【0024】まず、内側部Aについて述べる。使用波長
をλ、導波路(内向進行波励振部)の管内波長をλg と
すると、スロットの長さがλ/2でスロットの長手方向
が互いに直交し、かつ中心距離がλg /4であるハの字
の一組をペアスロット12A として合成波が円偏波とな
るようにしている。また、各ペアスロット12A から導
波路への反射波を互いに相殺さすためにアルキメデスの
螺旋上にペアスロットを配列してスロットアレーを構成
している。アルキメデスの螺旋の方向はスロット板に対
向して見て時計方向とすることによって、右旋円偏波と
なる。
【0025】次に外側部Bは、使用波長をλ、導波路
(外向進行波励振部)の管内波長をλg とすると、同様
に、スロットの長さがλ/2でスロットの長手方向が互
いに直交し、かつ中心距離がλg /4であるハの字の一
組をペアスロット12B としている。また、各ペアスロ
ット12B から導波路への反射波を互いに相殺さすため
にアルキメデスの螺旋上にペアスロットを配列してスロ
ットアレーを構成している。アルキメデスの螺旋の方向
は、前記スロットアレーを外側進行が励振するため内側
部Aと反対方向となる。つまり、スロット板に対向して
見て反時計方向とすることによって、右旋円偏波とな
る。
【0026】ここで、アンテナの性能向上は、放射され
る電力の振幅と位相を開口面全体で一様分布とすること
にある。内向進行波励振部(内側部A)では、周縁より
中心方向に向かってスロットを順次励振する。ラジアル
導波路内の進行波の減衰量は、半径方向の長さをρとす
ると1/√ρに比例するが、スロット数が周縁から中心
方向に向かって急激に減少するので、ペアスロットを配
置する螺旋の半径方向の距離をSρ、ペアスロットの周
方向の距離をSφ、スロット長をlとすると、Sρ=λ
g 、Sφ=λ/2、l=λ/2といずれも一定としても
放射電力はほぼ一様分布となる。しかも、供給された給
電電力はペアスロットよりほとんど放射されるため、中
心に収束する残留電力は極めて微量となる。この微量の
残留電力を中心金属で裏打された電波吸収体で吸収し消
滅させることによって高効率とすることができる。
【0027】一方、外向進行波励振部(外側部B)で
は,導波路内の進行波が中心から周縁方向に向かって、
同様に1/√ρに比例して減衰する。しかも、スロット
数が中心から周縁方向に向かって急激に増大するので、
ペアスロットからの放射電力と、さらに導波路内の遅波
回路による波長短縮効果を考慮し、周縁部に行くに従っ
て、Sρはλに対して徐々に小さくし、Sφは0.35
λから0.5λと徐々に大きくしてペアスロットが機械
的に相互に干渉しない程度に近づける。スロット長は内
周側をl1 、周縁側をl2 とすると中心部は放射を押さ
えるためにl1 <λ/2とし、周縁部に向かって徐々に
大きくしていきl2 ≒1.2l1 としてスロットの結合
率を強めて放射量を増加させることにより、開口面の放
射電力を一様分布とする。
【0028】ところが、このようなスロットアレーの場
合、励振波の約20%は残留電力として周縁部に進行す
る。この残留電力を有効利用することにより、さらに高
性能とすることができる。すなわち、周端から2巻目ほ
ど内側の位置よりスロットの結合率を一定とする。つま
り、この部分のSρ、Sφ、lを一定とすると進行波は
減衰して放射エネルギーは非一様分布となるが残留電力
は数%にまで低減できるため全放射電力を増加させ高性
能となる。
【0029】さらに、内側部Aと外側部Bの境界点は螺
旋の方向が反転し、ペアスロット同士が重なるためこれ
を避け、かつ開口面内に密に配列するために内側部Aの
終点と外側部Bの始点とを螺旋の中心に対して対称位置
に配置することで、開口面全面の有効活用を可能にして
いる。このため隔壁は、半径R1 、R2 の半円よりなり
(R1 +R2 )/2=(ρmax −ρmin )/2であり、
中板の端部は隔壁と所定の間隔をおいた一回り小さい形
状となる。また、本実施例はBS対応の右旋円偏波用に
ついて、スロット配置について説明したが、これを裏返
せば左旋円偏波用となる。
【0030】このようにスロットアレーを配列すること
によって、円偏波、直線偏波いずれの場合も開口面から
放射される電波はすべて同一の偏波となり、しかも放射
電力は開口面全体に一様分布となる高性能アンテナとな
る。
【0031】以上説明したように、本実施例のラジアル
ラインスロットアンテナは、内側部Aは内向進行波アン
テナの条件を満足し、外側部Bは外向進行波アンテナの
条件を満足することになる。つまり、これらを合成した
複合構造ラジアルラインスロットアンテナとなる。よっ
て、図3の2に示すスロットアレーを励振する進行波の
電力分布に対して全開口面からは互いに打消し合うこと
がなく同一の偏波面をもつ電波が放射され、かつ、放射
電力は図3の1に示すように開口面全体に一様分布とな
り高性能アンテナとなる。しかも、周波数帯域端での利
得低下量を一定とすると周波数帯域は2倍となる。
【0032】また、本実施例ではアンテナ開口面を二つ
に分割した場合について説明したが、三つ以上に分割し
た場合についても同様に構成することができる。この場
合はさらに広帯域とすることが可能となる。
【0033】
【効果】以上説明したように、本発明によればアンテナ
開口面を分割して給電することによって、アレーアンテ
ナを構成する各素子の給電線路長の最長差を縮小し、使
用周波数帯域端での利得低下量が少ない広帯域アンテナ
とすることができる。しかも、マイクロストリップ線路
による給電と異なり損失の少ないラジアル導波路により
構成されているので、広帯域かつ低損失の高性能アンテ
ナとすることができる。
【0034】また、開口面の各分割面のスロットアレー
を励振する進行波の向きに応じたスロット配置としてい
るので開口面全面からは互いに打消し合うことがなく同
一の偏波面をもつ電波が放射され、放射電力は開口面全
体に一様分布となる。
【0035】さらに、スロットが螺旋上に配置される場
合は、内側部と外側部で前記螺旋の向きを異ならせるこ
とにより、全開口面からは互いに打消し合うことがなく
同一の偏波面をもつ電波が放射され、放射電力は開口面
全体に一様分布となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】同実施例の給電電力を示す図である。
【図3】アレーアンテナの開口径と放射電力及び給電電
力の関係を示す図である。
【図4】本発明のスロット板の一実施例を示す図であ
る。
【図5】本発明のスロット板の他の実施例を示す図であ
る。
【図6】アレーアンテナの利得と周波数帯域の関係を示
す図である。
【図7】アレーアンテナの開口径と最大利得および周波
数帯域端利得の関係を示す図である。
【図8】従来のラジアルラインスロットアンテナを示す
図である。
【符号の説明】
1 スロット板 2 フレ−ム 3 中板 4 凹部 5 給電部 6 遅波回路 7 スペーサ 8 トップローディング部 9 コーナー部 10 電波吸収体 11、12 ペアスロット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 5/12 H01Q 13/20 H01Q 21/06 H01Q 21/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数のスロットを有するスロット板とこの
    スロット板に対向配置されたフレームとで構成されるラ
    ジアル導波路と、このラジアル導波路内に電力を供給す
    る給電部とを具備してなるラジアルラインスロットアン
    テナにおいて、 周縁から中心方向に向かう進行波が前記スロットを励振
    する内向進行波励振部と、中心から周縁方向に向かう進
    行波が前記スロットを励振する外向進行波励振部とに分
    割する中板が前記ラジアル導波路内に設けられたことを
    特徴とする複合構造ラジアルラインスロットアンテナ。
  2. 【請求項2】前記スロット板のスロットアレーの配置
    が、前記内向進行波励振部と、前記外向進行波励振部と
    で異なることを特徴とする請求項1に記載の複合構造ラ
    ジアルラインスロットアンテナ。
  3. 【請求項3】前記スロット板のスロットが配置される螺
    旋の向きが、前記内向進行波励振部と、前記外向進行波
    励振部とで異なることを特徴とする請求項1に記載の複
    合構造ラジアルラインスロットアンテナ。
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