JP3020978B2 - カード状記録媒体 - Google Patents

カード状記録媒体

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JP3020978B2
JP3020978B2 JP2035754A JP3575490A JP3020978B2 JP 3020978 B2 JP3020978 B2 JP 3020978B2 JP 2035754 A JP2035754 A JP 2035754A JP 3575490 A JP3575490 A JP 3575490A JP 3020978 B2 JP3020978 B2 JP 3020978B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的; (産業上の利用分野) この発明は、プリペイドカード,クレジットカード等
のように磁性層に対して必要な情報を多値記録でき又は
多値記録情報を読出しできるようになっており、改ざん
が不可能なカード状記録媒体に関する。
(従来の技術) 従来、カード状記録媒体に記録される情報、例えば残
額,使用回数等は通常媒体に設けられた磁気ストライプ
に磁気記録されることが多かった。また、磁性物を記録
媒体に埋込んでその表面を不可視の部材で覆い、記録媒
体の使用の都度埋設された磁性物を打抜くようにしたも
のがあった(例えば特公昭48−16595号公報)。
さらに、磁気ストライプによる記録媒体では、記録で
きる情報量が少ないといった欠点があるため、第20図に
示すようにカード母層(例えばPET)41の全面に磁性層4
2を層設したカード状記録媒体40が出現している。
一般に、磁性層を有するカード状記録体媒は汎用性高
く利用されており、通常磁性層には1種類のみの磁性材
料が使用されると共に、磁性材料に関する磁化特性は磁
化化Hに対する磁束密度Φの関係で与えられるもので、
例えば第21図に示す磁気ヒステリシス曲線Cのようにな
っている。
即ち、磁性層に対する記録は、磁気ヘッドで磁界を与
えることにより磁束密度Φの残留磁束に関する正負値の
2値情報で行なわれ、第21図の例においては、残留磁束
A及びBの2値情報が記録されるようになっている。ま
た、読取時にはこうした2値情報が記録された磁性層を
磁気ヘッドギャップに接触させ、搬送によりコイルから
V=α・dφ/dt(但し、αは定数)なる信号を得て、
“0",“1"の2進符号化された情報を得るようになって
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記各記録媒体に記録された情報はい
ずれも容易に改ざんされる恐れがあった。すなわち、磁
気ストライプ又は磁性層に記録する場合は、記録情報を
多数の媒体から収集して解析すれば記録情報を解読する
ことができ、例えば価値のない媒体に新しく価値を与え
ることは容易である。また、特公昭48−16595号公報に
記載されたような記録媒体では、打抜かれて穴のあいた
部分に磁性物を埋込んで糊づけすれば容易に価値を回復
できる。
従って、磁性層を有するカード状記録媒体に対して
は、2値記録よりも多値記録を行なう方がより改ざん防
止が図られセキュリティが高くなるが、1種類の磁性体
に対して多値記録を行なうことは理論的に可能であるも
のの、現実問題としてはほぼ不可能である。何故なら
ば、情報を記録する際、磁気ヘッドと磁性層との接触面
における接触度合を完全に均一に保つのは加工精度上に
限界があるので困難であり、磁気ヘッドに対する記録時
の電流を高精度に維持することはコスト上に問題がある
からである。また、1種類の磁性体で構成された磁性層
の場合、第21図に示す如く記録時の磁界のずれとなる磁
化力の変化ΔHはある程度避けられないとしても、この
ΔHのずれが残留磁束ΦにおいてはΔΦというように大
きなずれとなってしまい、通常1種類の磁性体が示す磁
気ヒステリシス曲線Cに関しては、残留磁束を3値以上
の多値(以後、多値は3値以上をいう)にしようとして
も、正確に残留磁束を保持することができず、無理な多
値記録は読取時の安定性の保証を損なうだけとなるから
である。このため、事実上多値記録は不可能とみなされ
ている。然るに、現状においては記録密度や安全性に問
題を残しならがも2値記録が使用されている。
そこで、カード状記録媒体の磁性層を2層にし、各々
異なる保磁力を有する磁性体で2層の磁性層を構成し、
各層の記録を各々独立した2値情報で記録できるように
したものがある。しかし、各層の情報記録は2値記録に
とどまっており、一方の磁性層に真の記録、他方の磁性
層に偽の記録を施すという構成になっている。これは、
低保磁力磁性層に偽の記録が施されているため、例えば
磁気ヘッドに、低保磁力層の記録を消去するだけのバイ
アス磁界をかけることにより、真の記録の読取/書込が
可能となり、セキュリティの面でやはり問題を残してい
る。
この発明は上述のような事情に鑑みなされたもので、
この発明の目的は、保磁力が異なる多種の磁性体を混合
して成る1つの磁性層、カード全面(又は一部)に層設
して多値記録を行ない得るようにして、記録情報の改ざ
んが不可能なカード状記録媒体を提供することにある。
発明の構成; (課題を解決するための手段) この発明はカード状記録媒体に関するもので、この発
明の上記目的は、カード母層の上面全面又は一部に対
し、保磁力が異なる2種以上の磁性体を混合して成る1
つの磁性層を設けて、この磁性層に多値記録を行ない得
るようにすることによって達成される。あるいは、カー
ド母層の上面全面又は一部に対し、保磁力がそれぞれ3
倍以上異なる2種以上の磁性体から成る磁性層を設け
て、この磁性層に多値記録を行い得るようにすることに
よって達成される。あるいは、カード母層の上面全面又
は一部に対し、保磁力が異なる2種以上の磁性体から成
る磁性層を設けて、この磁性層の上面側に、熱供給手段
の加熱によって強磁性から非磁性に磁性変態を生じる記
録部材が層設されていることによって達成される。ある
いは、カード母層の上面全面又は一部に対し、保磁力が
異なる2種以上の磁性体から成る磁性層を設けて、この
磁性層の上面側又は前記カード母層の下面側に機械的変
形によって非磁性から強磁性に磁性変態を生じる記録部
材が層設されていることによって達成される。
(作用) この発明のカード状記録媒体は、情報の多値記録を行
ない得るようにする為,、互いに保磁力が異なる少なく
とも2種類以上の磁性体で磁性層を構成している。これ
は、単一の磁性体が有する磁化特性が磁気ヒステリシス
曲線上において2値となる為であり、保磁力が異なる磁
性体で磁性層を混合生成(若しくは層設)することによ
って、残留磁束値の多値化を図っている。
磁性体相互の保磁力の差は大きい程多値記録を容易に
するが、3倍程度以上の差があれば十分である。また、
1種の磁性体の残留磁束が2値であるのに対し、n種の
磁性体では2n値となるが、使用上は混合比(若しくは積
層比)を調整して、所定の磁化力の正負値に対して特定
の残留磁束が対応されるように、(n+1)値にして磁
気ヒステリシス特性上の合理化を図っている。
(実施例) 第1図はこの発明の一実施例(第1の実施例)である
カード状記録媒体10の外観を示しており、全体は磁気カ
ード等と同様に矩形状のカード構造となっており、PET,
紙等で成るカード母層1の上面全面には、少なくとも互
いの保磁力が3倍以上異なる2種の磁性体が混合されて
成る磁性層2が層設されており、磁性層2の上面全面に
強磁性体化されたオーステナイトステンレス鋼で成る金
属層3が、蒸着又はスパッタリングあるいは箔貼付によ
って層設されている。金属層3には、第2図に示すよう
なID記録部4及び度数記録部5が設けられると共に、第
3図に示すような印字部6が区画して設けられている。
また、磁性層2には主記録部7が割当てられている。
このようなカード状記録媒体10の磁性層2及び金属層
3を以下に説明する。
磁性層2は1種類の磁性体で形成されたものではな
く、互いに保磁力が異なる2種の磁性体で混合生成又は
層設されたものを使用している。第4図はこの磁性層2
の磁気ヒステリシス特性を示すもので、磁化力Hに対す
る磁束Φで与えられる磁化特性からは、磁化力H又は
のときに最大となる残留磁束D1又はD3の正負の2値
ばかりでなく、磁化力H又はHによる残留磁束D2が
現われる。H又はHは低保磁力部飽和磁界以上のΔ
Hの幅を持っている。そして、残留磁束は総計3値にな
っている。第5図は磁性層2の磁性体の磁性特性を示す
もので、磁束(密度)特性を磁化力Hに対する磁化率x
の関係で示し、保磁力に関しては磁性体Aは磁性体Bよ
りも5倍程度高く、同図の磁化特性から書込ヘッドの電
流を調整することによって、例えば第4図に示す如く多
値の残留磁束D1〜D3を記録できる。磁性層2を構成する
磁性体の保磁力の相違は3倍以上で良いが、実際には5
倍以上とする方が多値記録を行なう上では望ましい。磁
性層2は複数の磁性体を混合生成する以外、磁性体を層
設する(多層にする)ことによっても構成することがで
き、この場合は各磁性体の配向性が良くなり、第4図に
示す変極部Eが混合生成された場合よりも幾分尖った形
状になる。
ところで、保磁力が異なる磁性体を用いて磁性層2を
構成した場合、通常その磁化特性を示す磁気ヒステリシ
ス曲線においては、n種の磁性体に対して2n値の残留磁
束が存在する。即ち、2種の磁性体で混合生成された磁
性層の場合は、第6図に示す如く磁化力H又はH
対応する残留磁束D1又はD4と、磁化力H又はHに対
応する残留磁束D2又はD3との総計4値が存在することに
なるが、実用面では(n+1)値の残留磁束(但し、0
を含む)のみを利用する方が望ましい。例えば残留磁束
D3(第4図)又はD4(第6図)を初期値に仮定し、それ
ぞれ第4図の(n+1)値及び第6図の2n値を比較する
と、(n+1)値では残留磁束D2(第4図)を記録する
ためには磁化力Hの磁界をかけ、残留磁束D1(第4
図)を記録するためには磁化力Hの磁界をかけてそれ
ぞれの磁界を取り去れば良いが、2n値では例えば残留磁
束D3(第6図)を記録する場合、一旦磁化力Hの磁界
をかけた後に引き続いて磁化力Hの磁界をかけ、その
後に磁界を取り去るようにしなければならず、手間の掛
る記録方法になってしまうからである。従って、3種の
磁性体で磁性層2を混合生成若しくは層設する場合は、
第7図に示す如く4値(1〜4)の残留磁束が得られる
ように構成すれば良いことになる。
上述のようにして構成された磁性層2に対し、初期状
態においては磁気ヘッドを調整することにより、第4図
に示す磁気ヒステリシス曲線上で磁化力Hの磁界をか
けた後、磁界を取り去り残留磁束D3の状態にしておき、
記録時には磁化力H又はHをかけてそれぞれ残留磁
束D2又はD1を得る。書換えを行なう場合も3値の情報を
読取った後、磁化力Hの磁界をかけて初期化してから
ヒステリシス曲線に従わせれば良い。
こうした3値情報の読取りをFM方式で行なう場合を、
第4図に示す残留磁束D3を初期状態と仮定して、第8図
に示すタイムチャートで説明する。先ずカード状記録媒
体10を一定速度で搬送させることによって磁気ヘッドで
同図(A)の如きdΦ/dt信号を得、クロック信号等に
従って同図(B)の如くdΦ/dt信号を積分することで
同図(C)の如く“0",“1",“2"の3値で再生情報を得
る。3値で情報の記録を行なうときには、逆の過程を行
なえば良い。
次に、金属層3について説明する。
鋼をオーステナイト域から臨界冷却速度以上で焼入れ
すると、マルテンサイトが得られることが知られてい
る。このマルテンサイトの発生温度をM点といい、鋼
の化学成分に依存する。しかし、マルテンサイトは不安
定なオーステナイトを加工しても誘発されることがあ
り、その発生温度はM点より高温にずれるが、M
より余り高くなると加工によるマルテンサイト化が生じ
なくなる。この点をM点といい、加工によって生じる
マルテンサイト化を加工誘発変態という。この場合、オ
ーステナイトを加工するために応力が負荷されていてこ
の加工ひずみによってマルテンサイト変態が誘発・進行
する。マルテンサイト変態の進行に伴って大きな塑性が
生じるが、これは変態誘起塑性(transformation−indu
ced plasticity,略称TRIP)と名付けられており、この
変態誘起塑性は超塑性の一種である。すなわち、加工に
よってオーステナイト→マルテンサイト変態が発生し、
加工誘発変態の起因となった応力集中が変態の発生によ
って緩和され、かなり大きい延性を示すことになる。
ところで、ステンレス鋼は次の表1のように分類され
る。
また、オーステナイトステンレスは301,304,316,321
の如く種々に分かれており、後述する第2の実施例に用
いる金属層3′としてのステンレスは、準安定なオース
テナイト相を室温で有するステンレス鋼、つまりM
は室温以上であり、M点は室温以下のオーステナイト
ステンレス鋼である。そして、室温において圧延,エン
ボス,パンチ穴等の機械的変形を上記オーステナイトス
テンレス鋼に与えることにより、非磁性のオーステナイ
トが強磁性のマルテンサイトに磁性変態が生じるが、数
百℃以上に加熱しない限り非可逆性である。カーボン含
有量により400℃〜1000℃程度で非磁性に戻る。
一方、第1の実施例に用いる金属層3としてのオース
テナイトステンレス鋼は、M点以下の機械的変形によ
り磁性変態を起こし、強磁性マルテンサイト組織とな
る。強磁性マルテンサイト組織は、レーザビーム,サー
マルヘッド等の熱供給手段で加熱することによって磁性
変態を生じて再び室温で非磁性オーステナイト組織とな
る。第9図はその様子を示しており、カード状の強磁性
マルテンサイト化されたオーステナイトステンレス鋼13
の表面にサーマルヘッド11を押当てて加熱すると、加熱
部分12が非磁性化され、その非磁性化部分の深さDは加
熱エネルギーにほぼ依存する。したがって、サーマルヘ
ッド11の加熱エネルギーを制御しながら強磁性体化され
たステンレス鋼10上を移動させると、たとえば第10図に
示す如く3値(0,1,2)の状態に対応した情報を記録す
ることができる。サーマルヘッド11の代りにレーザビー
ムを用いた場合も全く同様であり、レーザビームの場合
にはエネルギーの他にビーム径や形状をも任意に変える
ことができる。また、第12図(A)はエンボスによって
オーステナイトステンレス鋼20の凹部21が強磁性化され
た様子を示しており、同図(B)はパンチ穴22によって
穴が開けられた周辺が強磁性化された様子を示してい
る。このようにして、カード上の強磁性体層に非磁性部
分を2値もしくは多値的に形成したり、非磁性体層に強
磁性部分を形成することにより、別の磁気記録を行なう
ことができる。
上記第1の実施例ではこのように室温で準安定オース
テナイト組織を持ち得て、しかも室温で特殊な方法、例
えば強加工あるいは蒸着,スパッタリング等の成膜によ
り強磁性体化させられ、加熱によって強磁性から非磁性
に磁性変態を生じる金属あるいは合金を、カード母層1
の上面全面又は一部に層設された磁性層の上面側に設け
て金属層3を構成する。こうした金属層3への情報の記
録は第9図で説明したようにサーマルヘッド等の熱供給
手段で行ない、ID記録部4にはカード製造時或いは発行
時に熱供給手段により強磁性体化された金属層3を局部
加熱して、第2図に示すような非磁性のマーク4Aを形成
する。マーク4Aは数,間隔,形状等によってコード化さ
れており、ID記録部4にはカードの金額情報及び発行店
情報等を記録し、磁気ヘッド又は磁気抵抗(MR)素子に
よって非磁性マーク4Aの位置,形状(幅,大きさ等),
数を読取る。また、度数記録部5には、使用度数に応じ
て熱供給手段によって金属層3を局部加熱して非磁性の
ポイントもしくはバーを第2図の度数記録情報52の如く
形成するが、機械的には破壊されないので高密度の記録
が可能である。使用度数が増加すればそれに従って度数
記録情報52は長くなる。そして、磁気ヘッド或いは磁気
抵抗素子によって非磁性ポイントの位置,数あるいは長
さを読取るようになっており、又ユーザ目視用に、別の
パンチ穴51が並列に穿孔されるようにしても良い。
なお、第2図ではマーク4A,度数記録情報52ははっき
り明示しているが、実際は強磁性から非磁性に変態させ
るだけなら、目で見て変態個所は殆ど認識することがで
きない。
さらに、印字部6に対して、使用度数に応じて熱供給
手段によって金属層3表面を印字形状に従って局部加熱
し、表面にブルーの酸化膜を形成して残額や利用年月日
等を目視可能に印字する。すなわち、記録層3の表面を
熱供給手段で長い時間加熱するか又は高い温度にする
と、銀白色の記録層3の表面が黄金色を経てブルーに変
化して第3図の如く印字される。
第11図は磁気コア31に1次コイル32及び2次コイル33
を巻回された磁気ヘッド30の例を示しており、磁気ヘッ
ド30の読取部が金属層3の強磁性化部(又は強磁性と非
磁性の混在部)又は非磁性化部に在るかで2次コイル33
の出力VOUTが異なるので、これによって金属層3の1D
記録部4及び度数記録部5の情報を読取ることができ
る。即ち、この実施例のカード状記録媒体10は、磁性層
2に対しては多値記録を行ない得るようにしてから情報
の磁気記録を行なうと共に、上記金属層3に対しては熱
供給手段によって必要な情報の記録を行なうようになっ
ている。
なお、上述の実施例ではカード母材の全面に磁性層2
を層設すると共に、磁性層2の上面全面に金属層3を層
設しているが、いずれもカードの一部に設けるようにし
ても良い。
更に、上述では強磁性体化されたオーステナイトステ
ンレス鋼13の記録部に対して3値の記録を行なうように
しているが、2値もしくは4値以上の多値情報を記録す
ることも可能である。また、各記録部材上に保護層,磁
気記録隠蔽の為の軟磁性層,カラー印刷層,印字層もし
くは美観のための層を設けて、外部より各記録層を見え
ないようにすることも可能である。また、磁性層2の主
記録部7には、多値記録を行ない得るように調整された
磁気ヘッドで上層を通して読み書きを行なうことができ
る。従って、こうした磁気記録,度数記録の態様は本実
施例に限られることなく、種々変更可能である。
第13図は第2の実施例としてのカード状記録媒体50の
外観を、第1の実施例に対応させて示している。第1の
実施例のカード状記録媒体10との基本的な相違点は、金
属層3としての強磁性体化されたオーステナイトステン
レス鋼の代わりに、非磁性のオーステナイトステンレス
鋼の金属層3′としている点である。PET,紙等で成るカ
ード母層1の上面全面に、2種の磁性体が混合されて成
る磁性層2が層設され、カード母層1の下面全面に、非
磁性のオーステナイトステンレス鋼で成る金属層3′が
箔貼付等により層設された構成になっている。又、磁性
層2の上面全面には磁性層2を保護するためのコート層
51が層設され、その表面は残額,利用年月日等を目視可
能に印字するための印字面となっている。また、金属層
3′の下面全面には金属層3′を隠蔽するためのPET,紙
等で成る保護層52が層設され、その表面には予め所要の
印字がなされている。そして、金属層3′にはID記録部
4と度数記録部5とが割当てられており、磁性層2には
主記録部7が割当てられている。金属層3′への記録
は、穿孔(パンチ孔)によったり、或いはエンボス状に
変形せしめることにより行なわれる。即ち、金属層3′
の非磁性のオーステナイトステンレス鋼に対して機械的
変形が加えられることにより、第13図に示す如く穿孔部
H(又はエンボス部)の周囲にのみ磁性変態が起って強
磁性になるので、磁気ヘッドや磁気抵抗素子(MR)を用
いれば穿孔部H(又はエンボス部)の位置やその数を読
取ることが出来る。
第14図は記録部が紙面と垂直方向に搬送される場合の
穿孔部H付近の強磁性を検出するための磁気ヘッド60の
例を示しており、磁気抵抗(MR)素子62及び63を直列に
接続し、その間に直流バイアスDを印加すると共に、
永久磁石61で磁化させている。この場合、MR素子62はキ
ャンセル用として作用し、MR素子63の出力VOUTが穿孔部
H付近の強磁性部によって変化するので、これによって
記録部の記録情報を読取ることができる。
第15図は磁気ヘッド80で記憶部の情報を読取る例を示
しており、第16図は磁石84で強磁性体化部Sを着磁して
後、記録媒体を搬送して出力コイル83が巻回された磁気
ヘッド80で読取る例を示している。この場合、強磁性体
化部Sは磁石84で着磁されて磁化されているので、強磁
性体化部Sが磁気ヘッド80位置に来たときの出力コイル
83の出力電圧VOUTが変化し、これによって強磁性体化部
Sを検出することができる。第17図〜第19図は磁気抵抗
素子(MR素子)を用いた検出装置例を示しており、第17
図は検出用MR素子(MR1)70及びキャンセル用MR素子(M
R2)を電磁石72の磁界中に置いて検出するようになって
おり、第18図は1つのMR素子73を電磁石74の磁界中に置
き、抵抗75を介して駆動している。また、第19図の例は
2つのMR素子76及び77を電磁石78を介して分離している
例である。
しかして、このような磁気ヘッドや磁気検出装置を適
宜選定することにより、穿孔部H(又はエンボス部)の
位置やその数をID記録部4及び度数記録部5の記録情報
として読取ることが出来る。
尚、第13図に示すカード状記録媒体50の金属層3′
は、磁性層2の上面に全面層設したり、或いは第1の実
施例の金属層3と共に層設するようにしても良い。
発明の効果; 以上のようにこの発明のカード状記録媒体によれば、
互いに保磁力が異なる磁性体を混合生成若しくは層設し
て磁性層を構成することによって、情報の記録を高密度
でしかも多値で行ない得るような斬新なカードが提供さ
れる。即ち、磁気記録は従来の書込み方法とは異なり、
多値のための技術を導入しているので、情報のスキミン
グ(データコピー)やリフレッシュ(データ変更)等の
不正使用に対する防止対策が図られ、セキュリティを顕
著に向上することができる。又、多値の残留磁束を使用
する性質上、例えば磁性体の強い保磁力の残留磁束をダ
ミー情報用とし、必要な情報を弱い保磁力の残留磁束に
記録し、読取りには弱い保磁力以上で行なう等の隠蔽機
能で使用することが可能になる。更に、この磁性層上の
強磁性体化されたオーステナイトステンレス鋼又は同様
の作用を示す合金で成る金属層に対し、熱を加えること
によって非磁性部を形成でき、それによって情報の記録
を行ない得るようなカードも実現している。かかる変態
した非磁性部は強加工させない限り強磁性化しないた
め、このような記録部材に対し、元の状態に戻すことは
極めて困難であり、カードデータの改ざんは事実上不可
能となり、しかも上記磁性変態は外部から見ても分ら
ず、コピーすることも不可能である。又、非磁性のオー
ステナイトステンレス鋼を用いた金属層では、穿孔等に
よって強磁性体部を形成でき、しかもこの強磁性体部は
数百℃以上に加熱しなければ元の非磁性の状態に戻らな
いので、安定性高い優れた記録媒体を提供することが出
来る。
第1の実施例のカードは、磁性層の上面に強磁性の金
属層を設けているので、例えば磁性層の主記録部に磁気
記録を多値で行なった後に、上面の金属層に別途他のダ
ミー情報の記録を行なうようにすれば、カード利用のセ
キュリティを究極的に向上せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1の実施例としてのカード状記録
媒体を示す外観図、第2図及び第3図はその一部を示す
図、第4図はこの発明のカード状記録媒体に関する磁性
層の磁気ヒステリシス曲線の一例を示す図、第5図はそ
の磁性体の特性図、第6図は別の磁性層に関する磁気ヒ
ステリシス曲線を示す図、第7図は他の磁性層に関する
残留磁束を説明するために示す磁気ヒステリシス曲線
図、第8図は磁性層からの多値情報の読取を説明するた
めに示すタイムチャート、第9図は強磁性体化されたオ
ーステナイトステンレス鋼を加熱する様子を示す図、第
10図は加熱によって磁性変態を生じた様子を示す図、第
11図はこの発明のカード状記録媒体に適する磁気ヘッド
の一例を示す構造図、第12図(A)及び(B)は機械的
処理により非磁性体が強磁性に磁性変態する様子を説明
するために示す図、第13図はこの発明のカード状記録媒
体の第2の実施例を示す外観図、第14図乃至第16図はそ
れぞれこの発明のカード状記録媒体に適する他の磁気ヘ
ッドの例を示す構造図、第17図乃至第19図はそれぞれこ
の発明のカード状記録媒体に適する磁気抵抗素子の例を
示す図、第20図は従来のカード例を示す図、第21図は従
来の磁性層の磁気ヒステリシス曲線図である。 1…カード母層、2…磁性層、3,3′…金属層、4…ID
記録部、5…度数記録部、6…印字部、7…主記録部、
10,40,50…カード状記録媒体、30…磁気ヘッド。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カード母層の上面全面又は一部に対し、保
    磁力が異なる2種以上の磁性体を混合して成る1つの磁
    性層を設けて、この磁性層に多値記録を行い得るように
    したことを特徴とするカード状記録媒体。
  2. 【請求項2】カード母層の上面全面又は一部に対し、保
    磁力がそれぞれ3倍以上異なる2種以上の磁性体から成
    る磁性層を設けて、この磁性層に多値記録を行い得るよ
    うにしたことを特徴とするカード状記録媒体。
  3. 【請求項3】カード母層の上面全面又は一部に対し、保
    磁力が異なる2種以上の磁性体から成る磁性層を設け
    て、この磁性層の上面側に、熱供給手段の加熱によって
    強磁性から非磁性に磁性変態を生じる記録部材が層設さ
    れていることを特徴とするカード状記録媒体。
  4. 【請求項4】カード母層の上面全面又は一部に対し、保
    磁力が異なる2種以上の磁性体から成る磁性層を設け
    て、この磁性層の上面側又は前記カード母層の下面側に
    機械的変形によって非磁性から強磁性に磁性変態を生じ
    る記録部材が層設されていることを特徴とするカード状
    記録媒体。
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