JP3019806B2 - 芳香族ポリイミド多層フィルム - Google Patents

芳香族ポリイミド多層フィルム

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JP3019806B2
JP3019806B2 JP9166532A JP16653297A JP3019806B2 JP 3019806 B2 JP3019806 B2 JP 3019806B2 JP 9166532 A JP9166532 A JP 9166532A JP 16653297 A JP16653297 A JP 16653297A JP 3019806 B2 JP3019806 B2 JP 3019806B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリイミド
多層フィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】耐熱性および各種物性の優れた芳香族ポ
リイミドフィルムを、磁気記録媒体、印刷回路基板用フ
ィルムなどの用途に利用するために、基体となる芳香族
ポリイミドフィルムの表面に、接着性の付与、適度な凹
凸の形成など各種の目的で基体フィルムとは別の特性機
能を付与したポリイミドを積層して、多層構造を有する
フィルムとすることが考えられている。 【0003】上述のような多層構造を有する芳香族ポリ
イミドフィルムの製造方法のひとつとして、溶媒を含有
する自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルム(基体フ
ィルム)上に、芳香族ポリアミック酸溶液を塗布したの
ち、加熱処理することによって自己支持体フィルムおよ
び塗布層の溶媒を除去するとともにイミド化し、基体フ
ィルム層と塗布層とが一体化した芳香族ポリイミド多層
フィルムを製造する方法が、特公昭55−2193号公
報に開示されている。 【0004】しかしながら、本発明者の検討によると、
基体フィルムとして自己支持性芳香族ポリアミック酸フ
ィルムを用い、該フィルムに張力がかかった状態で芳香
族ポリアミック酸溶液組成物を塗布する場合には、亀裂
(ソルベントクレージング)が発生することがあること
が判明した。そして、この亀裂は、基体フィルムの芳香
族ポリアミック酸が芳香族ポリアミック酸溶液組成物の
溶媒に部分的に溶解され、フィルムの脆化部に力が作用
するときに生じるものであることも確認した。多層構造
を有する芳香族ポリイミドフィルムを工業的に製造しよ
うとする場合には、長尺の基体フィルムを原反ロールか
ら巻き出し、他方のロールに巻き取りながら、塗布、加
熱などの加工を行なうことが一般的であり、基体フィル
ムに若干の張力がかかることが避けられない。そこで、
ソルベントクレージングを発生させることなく、多層構
造を有する芳香族ポリイミドフィルムを工業的に安定し
て製造することが望まれる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
に無機微粒子の存在に起因する凹凸を有し、かつソルベ
ントクレージングの発生のないポリイミド表面層を有す
る一体的に結合した芳香族ポリイミドフィルムを提供す
ることである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、溶媒を含有す
る自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムを延伸処理
した後、その上に、溶媒を含有し、かつ無機質粒子を含
有する芳香族ポリアミック酸溶液層を直接積層して積層
体とし、次いで積層体を加熱することによりイミド化し
て得た、無機質粒子を含有する層側の表面にソルベント
クレージングの発生のない芳香族ポリイミド多層フィル
ムにある。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の芳香族ポリイミド多層フ
ィルムの無機微粒子の存在に起因する凹凸を有する側の
表面層の製造ために好ましく用いられる芳香族ポリアミ
ック酸溶液組成物は、芳香族ポリアミック酸の貧溶媒と
良溶媒とを特定の割合にて混合してなる溶媒に、芳香族
ポリアミック酸が溶解されてなる組成物である。上述の
芳香族ポリアミック酸溶液組成物は、例えば、芳香族テ
トラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とをほぼ等モ
ル、芳香族ポリアミック酸の良溶媒中で重合し、該溶媒
に芳香族ポリアミック酸が均一に溶解している芳香族ポ
リアミック酸溶液を得、次いで該芳香族ポリアミック酸
の良溶媒溶液に、芳香族ポリアミック酸の貧溶媒を添加
することにより調製することができる。 【0008】上記の芳香族テトラカルボン酸成分として
は、芳香族テトラカルボン酸、およびその酸無水物、
塩、エステルを挙げることができるが、特に酸二無水物
を用いることが好ましい。芳香族テトラカルボン酸の例
としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテ
ル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、ピロメ
リット酸などを挙げることができる。 【0009】また、上記の芳香族ジアミン成分として
は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルプロパン、ベンチジン、3,3’−ジメチルベン
チジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレ
ンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,3’−ジア
ミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニル
プロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,3’−ジアミノフェニルスルホンなどを挙げること
ができる。これらの芳香族テトラカルボン酸成分と芳香
族ジアミン成分とは、それぞれ一種類ずつ用いても良い
が、それに限定される必要はなく、どちらかを二種以
上、または、両成分とも二種類以上用いても良い。 【0010】前記の芳香族ポリアミック酸の良溶媒は、
上記の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分とから形成されるポリアミック酸を、25℃において
20重量%以上の濃度で均一に溶解することができる溶
媒である。このような溶媒としては、例えば、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメ
チルスルホルアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジ
メチルスルホン、ジエチルスルホンなどのスルホン類か
ら選ばれる有機極性溶媒を挙げることができる。これら
の溶媒は、単独で用いてもよく、混合して用いても良
い。 【0011】芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジア
ミン成分とを芳香族ポリアミック酸の良溶媒中で重合さ
せる方法は、公知の方法により行えばよく、例えば、前
記の芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
とをほぼ等モル、前記の芳香族ポリアミック酸の良溶媒
中、100℃以下、好ましくは0〜80℃の温度範囲に
て0.1〜60時間重合し、該溶媒に芳香族ポリアミッ
ク酸が2〜50重量%の範囲で均一に溶解している芳香
族ポリアミック酸の良溶媒溶液を得る。上記の芳香族ポ
リアミック酸の良溶媒溶液に添加する貧溶媒は、前記の
芳香族ポリアミック酸を、25℃において2重量%以
上、好ましくは1重量%以上の濃度で溶解することのな
い溶媒である。このような溶媒として、例えば、水、、
アルコール類、エチレングリコール、キノリン、イソキ
ノリン等を挙げることができる。これらの貧溶媒は、単
独で用いても良く、混合して用いても良い。 【0012】貧溶媒として、キノリンとイソキノリンと
をそれぞれ単独で、もしくは混合して用いるときには、
その使用量は前記芳香族ポリアミック酸溶液組成物の溶
媒全量の10〜60重量%、さらには20〜60重量%
とすることが好ましく、それ以外の単独もしくは混合溶
媒を用いる場合には、その使用量を前記芳香族ポリアイ
ミック酸溶液組成物の溶媒全量の10〜40重量%、さ
らには20〜40重量%とすることが好ましい。前記の
貧溶媒の添加は、前記の芳香族ポリアミック酸の良溶媒
溶液に、貧溶媒を単独で添加しても良く、貧溶媒と良溶
媒とを混合して添加しても良い。貧溶媒と良溶媒とを混
合して添加することにより、前記芳香族ポリアミック酸
溶液組成物の溶媒の混合割合およびポリマー濃度を所望
に応じて調整できるので好都合である。 【0013】前記芳香族ポリアミック酸溶液組成物の溶
媒における貧溶媒と良溶媒との混合割合は、貧溶媒10
〜60重量%に対して良溶媒90〜40重量%の範囲と
することが望ましい。 【0014】前記の芳香族ポリアミック酸溶液組成物の
ポリマー濃度は、基体フィルムに付与しようとする特性
機能に応じて任意に設定してよいが、一般的には0.0
1〜25重量%、さらに0.05〜20重量%の範囲と
することが好ましい。 【0015】表面層形成用の芳香族ポリアミック酸溶液
組成物は、前述のように、芳香族ポリアミック酸の良溶
媒中で芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成
分とを重合し、芳香族ポリアミック酸が生成したのちに
貧溶媒を添加して調製することが望ましい。貧溶媒が存
在する混合溶媒中に芳香族テトラカルボン酸成分と芳香
族ジアミン成分とを添加した場合には、重合反応が進行
しないことがある。 【0016】本発明の表面層形成用の芳香族ポリアミッ
ク酸溶液組成物は、ゲル化、イミド化などに影響を及ぼ
さない範囲の量で、無機質粒子を含む。この無機質粒子
として、例えば、コロイダルシリカ、二酸化ケイ素、導
電性金属、導電性金属酸化物などを挙げることができ
る。上記添加剤は、上記芳香族ポリアミック酸溶液に直
接添加したのち分散させてもよく、前記良溶媒などの溶
媒に予め分散させたのち添加し、さらに分散させてもよ
い。 【0017】上記の芳香族ポリアミック酸溶液組成物を
用いることにより、芳香族ポリイミド多層フィルムを工
業的に有利に製造することができる。 【0018】本発明の芳香族ポリイミド多層フィルムの
製造に際しては、例えば、基体フィルムとして溶媒を含
む自己支持性芳香族ポリアミック酸フィルムを用い、該
フィルムの少なくとも片面に前述の表面層形成用の無機
微粒子を有する芳香族ポリアミック酸溶液組成物を塗布
したのち、該塗布物を加熱処理して溶媒を除去するとと
もにイミド化し、基体フィルム層と塗布層とが一体化し
た芳香族ポリイミド多層フィルムを製造する。なお、こ
の加熱処理に先だって延伸処理を施すことによって、ソ
ルベントクレージング(亀裂)の発生が少なく、かつ機
械的強度が優れた芳香族ポリイミド多層フィルムを得る
ことができる。 【0019】上記自己支持性芳香族ポリアミック酸フィ
ルムは、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン
成分とから有機極性溶媒中で合成された芳香族ポリアミ
ック酸から得られた、有機溶媒を含有するフィルム層で
ある。 【0020】上記自己支持性芳香族ポリアミック酸フィ
ルムの芳香族ポリアミック酸の合成に用いられる芳香族
テトラカルボン酸成分および芳香族ジアミン成分として
は、前述の芳香族ポリアミック酸溶液組成物の芳香族ポ
リアミック酸を合成する場合に例示したものと同じ、芳
香族テトラカルボン酸成分および芳香族ジアミン成分を
挙げることができる。これらの芳香族テトラカルボン酸
成分と芳香族ジアミン成分は、それぞれ一種類ずつ用い
ても良いが、それに限定される必要はなく、どちらかを
二種類以上、または、両成分とも二種類以上用いても良
い。 【0021】前記自己支持性芳香族ポリアミック酸フィ
ルムの芳香族ポリアミック酸の合成に使用される有機極
性溶媒としては、芳香族ポリアミック酸を均一に溶解す
る溶媒を用いる。そのような有機極性溶媒の例として
は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチ
ルカプロラクタムなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホ
キシド、ヘキサメチルフォスホルアミド、ジメチルスル
ホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレ
ンスルホン、ピリジン、エチレングリコール、テトラメ
チル尿素、クレゾール、フェノールなどを挙げることが
できる。これらの有機極性溶媒は、ベンゼン、トルエ
ン、ベンゾニトリル、キシレン、ソルベントナフサ、お
よびジオキサンのような他の有機溶媒と混合して使用す
ることもできる。 【0022】前記芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族
ジアミン成分とから有機極性溶媒中で芳香族ポリアミッ
ク酸を合成する方法は、それ自体公知の方法を採用する
ことができる。 【0023】また、芳香族ポリアミック酸溶液からフィ
ルムを製造する方法としては、特にその方法は限定され
るものではなく、例えば、前記の芳香族ポリアミック酸
が前記の有機溶媒に均一に溶解しているポリアミック酸
溶液を金属ベルトあるいは金属ロール上に流延し、20
0℃以下の温度で自己支持性を持つようになるまで、溶
媒を蒸発させることによって、溶媒をフィルム重量に対
して10重量%以上含有するフィルムを得ることができ
る。 【0024】本発明の方法においては、上記自己支持性
芳香族ポリアミック酸フィルムは、有機溶媒をフィルム
全体の重量に対して10〜50重量%含有していること
が必要であり、さらには20〜50重量%含有している
ことが好ましい。 【0025】積層物の製法において、好ましくは、上記
フィルムの少なくとも片面に、前述の無機微粒子を含む
芳香族ポリアミック酸溶液組成物を塗布する。塗布層の
厚みは、乾燥後に基体フィルムに付与しようとする特性
機能に応じ任意に設定して良いが、一般的には0.01
〜20μm、さらに0.05〜10μmの範囲とするこ
とが好ましい。塗布する方法としては、特にその方法は
限定されるものではなく、例えば、グラビアコート法、
ドクターブレード法、リバースロールコート法などを挙
げることができる。 【0026】基体フィルムの芳香族ポリアミック酸組成
と塗布液の芳香族ポリアミック酸組成とは、同一であっ
てもよく、異なっていてもよいが、形成される多層フィ
ルムの物理的耐久性などの各種特性を考慮すると、同一
とすることが好ましい。 【0027】上記のようにして調製した塗布物(積層
体)には加熱処理が施される。この加熱処理はまず、5
0〜200℃の温度で一次加熱処理し、次いで150℃
以上の温度、好ましくは180〜500℃の温度で二次
加熱処理して行なうことが望ましい。二次加熱処理は、
温度を変化させず一段で行なってもよく、また、200
℃付近で加熱し、ついで400℃付近で加熱を行なうと
いったように、温度を変化させて二段以上の多段で行な
ってもよい。上記加熱処理は、熱風炉、赤外線加熱炉な
どの公知の種々の装置を使用して行なうことができる。 【0028】上記の加熱処理によって、前記塗布物(積
層体)から溶媒を除去するとともにアミック酸を閉環し
てイミド化し、基体フィルム層および塗布層の一体化し
た芳香族ポリイミド多層フィルムを得る。 【0029】 【実施例】 [実施例1]3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとを、N,
N−ジメチルアセトアミド溶媒中で、25℃で4時間重
合して得られた芳香族ポリアミック酸の溶液[ポリマー
濃度:20重量%、25℃の溶液粘度(回転粘度計によ
って測定した溶液粘度):500ポイズ]をガラス板上
に均一な厚さに流延し、その結果形成された薄膜を、1
00℃で10分間加熱処理して、溶媒含有率がフィルム
重量に対して35重量%であり、厚さが25μmの自己
支持性芳香族ポリアミック酸フィルムを得た。 【0030】一方、上記と同様にして調製した芳香族ポ
リアミック酸溶液50gに、イソキノリン49gを添加
し、さらに、コロイダルシリカ[平均粒子径:204
Å、固形分濃度:10重量%、溶媒:N,N−ジメチル
アセトアミド]1gを均一に分散して、芳香族ポリアミ
ック酸溶液組成物[ポリマー濃度:10重量%、25℃
の溶液粘度(回転粘度計によって測定した溶液粘度):
50ポイズ]を得た。芳香族ポリアミック酸溶液組成物
の溶媒は、芳香族ポリアミック酸の良溶媒(N,N−ジ
メチルアセトアミド)50重量%と、貧溶媒(イソキノ
リン)50重量%とからなるものである。 【0031】上記の自己支持性芳香族ポリアミック酸フ
ィルムをガラス板から剥離し、該フィルムに対して一方
向に1kg/cm幅の張力をかけて延伸し、その片面に
上記の芳香族ポリアミック酸溶液組成物をドクターブレ
ードにより塗布したのち、120℃で5分間一次加熱
し、次いで200℃で10分間、さらに420℃で5分
間二次加熱することによって二層構造の芳香族ポリイミ
ドフィルムを得た。無機微粒子の存在に起因する凹凸の
ある側の表面には、ソルベントクレージングの発生はな
かった。 【0032】この二層構造の芳香族ポリイミドフィルム
の塗布層の厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax )が
450オングストローム、表面突起密度が4.0×10
7 個/mm2 の表面特性を有しており、磁気記録媒体用
ベースフィルムとして好適な特質を備えていた。 【0033】[実施例2]3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテルとを、N,N−ジメチルアセトアミド
溶媒中で、25℃で1時間重合して得られた芳香族ポリ
アミック酸の溶液[ポリマー濃度:20重量%、25℃
の溶液粘度(回転粘度計によって測定した溶液粘度):
500ポイズ]を使用して芳香族ポリアミック酸溶液組
成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、二層構
造の芳香族ポリイミドフィルムを得た。ソルベントクレ
ージングは同様に発生していなかった。 【0034】この二層構造の芳香族ポリイミドフィルム
の塗布層の厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax )が
500オングストローム、表面突起密度が6.0×10
7 個/mm2 の表面特性を有しており、磁気記録媒体用
ベースフィルムとして好適な特質を備えていた。 【0035】[比較例1]実施例1で調製した芳香族ポ
リアミック酸溶液に、N,N−ジメチルアセトアミド4
9gを添加し実施例1で使用したものと同じコロイダル
シリカ1gを均一に分散して芳香族ポリアミック酸溶液
組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、二層
構造の芳香族ポリイミドフィルムの製造を試みたが、芳
香族ポリアミック酸溶液組成物の塗布時に自己支持性芳
香族ポリアミック酸フィルムに微小クラック(ソルベン
トクレージング)が多数発生し、正常なフィルムが得ら
れなかった。 【0036】[実施例3]3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミ
ンとを、ジメチルスルホン溶媒中で、25℃で4時間重
合して得られた芳香族ポリアミック酸の溶液[ポリマー
濃度:20重量%、25℃の溶液粘度(回転粘度計によ
って測定した溶液粘度):300ポイズ]50gに、蒸
留水27gとジメチルスルホン22.9gとからなる混
合溶媒を添加し、さらに、二酸化ケイ素0.1gを均一
に分散して、芳香族ポリアミック酸溶液組成物[ポリマ
ー濃度:10重量%、25℃の溶液粘度(回転粘度計に
よって測定した溶液粘度):80ポイズ]を調製した以
外は、実施例1と同様にして、二層構造の芳香族ポリイ
ミドフィルムを得た。上記芳香族ポリアミック酸溶液組
成物の溶媒は、芳香族ポリアミック酸の良溶媒(ジメチ
ルスルホン)70重量%と、貧溶媒(水)30重量%と
からなる。ソルベントクレージングの発生はなかった。 【0037】この二層構造の芳香族ポリイミドフィルム
の塗布層の厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax )が
800オングストローム、表面突起密度が2.5×10
7 個/mm2 の表面特性を有しており、磁気記録媒体用
ベースフィルムとして好適な特質を備えていた。 【0038】[実施例4]蒸留水の代わりにイソプロパ
ノールを使用して芳香族ポリアミック酸溶液組成物を調
製した以外は、実施例3と同様にして、二層構造の芳香
族ポリイミドフィルムを得た。ソルベントクレージング
の発生はなかった。 【0039】この二層構造の芳香族ポリイミドフィルム
の塗布層の厚みは1μmであり、表面粗さ(Rmax )が
500オングストローム、表面突起密度が6.0×10
7 個/mm2 の表面特性を有しており、磁気記録媒体用
ベースフィルムとして好適な特質を備えていた。 【0040】[比較例2]実施例3で芳香族ポリアミッ
ク酸溶液組成物を調製するために使用した芳香族ポリア
ミック酸溶液に、ジメチルスルホン49.9gを添加
し、二酸化ケイ素0.1gを均一に分散して芳香族ポリ
アミック酸コーティング溶液組成物を調製した以外は、
実施例1と同様にして、二層構造の芳香族ポリイミドフ
ィルムの製造を試みたが、芳香族ポリアミック酸溶液組
成物の塗布時に自己支持性芳香族ポリアミック酸フィル
ムに微小クラック(ソルベントクレージング)が多数発
生し、正常なフィルムが得られなかった。 【0041】 【発明の効果】本発明の芳香族多層ポリイミドフィルル
ムは、一方の側に無機微粒子に起因する凹凸を有し、か
つソルベントクレージング(亀裂)の発生がないため、
その表面側において高い接着剤受容性を示したり、ある
いは低い表面摩擦抵抗を示し、かつフィルム自体の物理
的強度も高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−66932(JP,A) 特開 昭56−118857(JP,A) 特開 昭61−64730(JP,A) 特開 昭51−103147(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/34

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.溶媒を含有する自己支持性芳香族ポリアミック酸フ
    ィルムを延伸処理した後、その上に、溶媒を含有し、か
    つ無機質粒子を含有する芳香族ポリアミック酸溶液層を
    直接積層して積層体とし、次いで積層体を加熱すること
    によりイミド化して得た、無機質粒子を含有する層側の
    表面にソルベントクレージングの発生のない芳香族ポリ
    イミド多層フィルム。 2.溶媒を含有し、かつ無機質粒子を含有する芳香族ポ
    リアミック酸溶液層の溶媒が、芳香族ポリアミック酸を
    25℃において2重量%以上溶解することのない貧溶媒
    10〜60重量%と、芳香族ポリアミック酸を25℃に
    おいて20重量%以上溶解する良溶媒90〜40重量%
    とからなる混合溶媒である請求項1に記載の芳香族ポリ
    イミド多層フィルム。
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