JP3019784U

JP3019784U - 置き型浄水器

Info

Publication number: JP3019784U
Application number: JP1994011267U
Authority: JP
Inventors: 良男原田
Original assignee: 良男原田
Priority date: 1994-05-17
Filing date: 1994-09-09
Publication date: 1996-01-12
Anticipated expiration: 2000-09-09
Also published as: JP3006759U

Abstract

(57)【要約】【目的】貯水槽内や濾過槽に仮に雑菌が繁殖しても、
飲料水の出水口からは雑菌や或は雑菌の死骸を含まない
飲料水を取り出すことのできる、置き型浄水器を提供す
る。【構成】注水口と出水口を有し一定量の水を貯留させ
る構造の貯水槽と、この貯水槽に附設され該貯水槽内の
水を浄水濾過させる濾過槽と、前記貯水槽の水を前記濾
過槽を介して循環させる循環ポンプ装置とを備え、前記
出水口には高分子中空糸膜を取り付けると共に、この高
分子中空糸膜へ水を圧送する出水ポンプ装置を設置す
る。その際、前記貯水槽内の水を殺菌させる殺菌ランプ
を設置したり、前記循環ポンプ装置によって循環される
水に酸素を溶かしこませる酸素溶解室と設置したりする
ことができる。さらに前記濾過槽を、カートリッジ式に
したり、或は内部に挿通口を有する仕切板によって仕切
られ、上部に前記仕切板を挟んで入口部と出口部を並設
した構造にし、入口部より出口部に向けて活性炭、ゼオ
ライト、及び麦飯石の順に充填させたものとすることが
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、卓上等に置いて水道水や井戸水等の飲料水の浄化を行う際に用いて好適な置き型浄水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、貯水槽に吸み入れた一定量の水道水や井戸水等の飲料水を、該貯水槽に附設した主として活性炭を用いた濾過槽を通過させて浄化させ、さらに紫外線ランプを用いて殺菌しつつ該貯水槽に貯水する置き型浄水器が公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この従来公知の置き型浄水器は、これはこれで充分に機能し、水道水中のカルキや有機物が除却されたおいしい飲料水を提供できるが、何といっても水が貯水槽内に滞溜する構造であるために、長時間水を使用しない状態でおいたり、或は継続的な使用でも長期間を経過すると雑菌が繁殖し易く、いかに紫外線ランプを用いても雑菌を完全に除去することができないという問題があった。それは、一つには紫外線ランプによる紫外線を照射しても、雑菌の裏にかくれている雑菌を殺菌できないし、濾過材に照射しても、その表面だけで内部まで照射されるわけではないからである。また、仮に殺菌できても、雑菌の死骸を飲むことになり好ましくない。

【０００４】この考案の目的は、貯水槽内や濾過槽に仮に雑菌が繁殖しても、飲料水の出水口からは雑菌や或は雑菌の死骸を含まない飲料水を取り出すことのできる、置き型浄水器を提供せんとするにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するために考案は、注水口と出水口を有し一定量の水を貯留させる構造の貯水槽と、この貯水槽に附設され該貯水槽内の水を浄水濾過させる濾過槽と、前記貯水槽の水を前記濾過槽を介して循環させる循環ポンプ装置とを備えたものにおいて、前記出水口に高分子中空糸膜を取り付けると共に、この高分子中空糸膜へ水を左送する出水ポンプ装置を設置したものである。

【０００６】この考案はまた、注水口と出水口を有し一定量の水を貯留させる構造の貯水槽と、この貯水槽に附設され該貯水槽内の水を浄水濾過させる濾過槽と、前記貯水槽内の水を殺菌させる殺菌ランプと、前記貯水槽の水を前記濾過槽を介して循環させる循環ポンプ装置とを備えたものにおいて、前記出水口に高分子中空糸膜を取り付けると共に、この高分子中空糸膜へ水を左送する出水ポンプ装置を設置したものである。

【０００７】この考案はさらに、注水口と出水口を有し一定量の水を貯留させる構造の貯水槽と、この貯水槽に附設され該貯水槽内の水を浄水濾過させる濾過槽と、前記貯水槽内の水を殺菌させる殺菌ランプと、前記貯水槽の水を前記濾過槽を介して循環させる循環ポンプ装置と、この循環ポンプ装置によって循環される水に酸素を溶かしこませる酸素溶解室とを備え、前記出水口に高分子中空糸膜を取り付けると共に、この高分子中空糸膜へ水を左送する出水ポンプ装置を設置したものである。

【０００８】その際にこの考案は、濾過槽が、内部に挿通口を有する仕切板によって仕切られ、上部に前記仕切板を挟んで入口部と出口部を並設した構造であり、入口部より出口部に向けて活性炭、ゼオライト、及び麦飯石の順に充填させることができる。

【０００９】この考案はまた、濾過槽を活性炭、又はこの活性炭と麦飯石の各層組み合わせから成る濾過材を充填させることによって構成したり、或は濾過槽自体をカートリッジ式にして交換自在とすることができる。

【００１０】

【作用】この置き型浄水器内の水に含まれている赤サビや雑菌或は雑菌の死骸等は、出水口に設けた高分子中空糸膜によって濾過され、外部へは赤サビや雑菌或は雑菌の死骸等の含まれていない浄化水が出水ポンプ装置によって左送され出水口より出水される。循環ポンプ装置による貯水槽から濾過槽を介しての水の循環にともない酸素溶解室で溶存酸素の多い水となる他、水道水に含まれているトリハロメタン、カルキ、悪臭物質等は、活性炭フィルターや麦飯石によって除去される。また、大腸菌のような雑菌は殺菌ランプによって殺菌される。麦飯石に含まれているミネラル、ジルコンその他の水を美味しくする有効物質は、水の循環にともないその中に溶解されるが、これらの有効物質は高分子中空糸膜によって除去されることなく出水口より出水される。

【００１１】

【実施例】

図面はこの考案の一実施例を示し、１は例えば５リットル程度を入れることのできる貯水槽であり、上部に設けた水の注水口１ａに取り付けた蓋体１ｂを開いて水を吸み入れるものである。２は濾過槽であり、内部に交換可能にカートリッジ３が収装されている。このカートリッジ３は内部を挿通孔３ａを有する仕切板３ｂによって縦方向に仕切られており、その上部に仕切板３ｂを挟んで入口部３ｃと出口部３ｄが設けられている。カートリッジ３内部には、最下部の挿通孔３ａを設けた部分に細く砕いたゼオライト４ａがその上部の入口部３ｃに続く第１室５ａには活性炭４ｂが、出口部３ｄに続く第２室５ｂには麦飯石４ｃを小さく砕いたものが上部に至るほど粒度を大きくして４層に渡って充填されている。そして、入口部３ｃはガイドパイプ６を介して循環ポンプ装置７へ接続されており、出口部３ｄはガイドパイプ８に接続されている。このガイドパイプ８はさらに酸素溶解室９の噴出口９ａと連通している。貯水槽１の中には、囲設体１１に囲まれて、例えば紫外線ランプから成る殺菌ランプ１２が、貯水槽１内の水を２５３．７ｎｍを主波長とする紫外線で殺菌するために設置されている。循環ポンプ装置７はマグネット式の駆動モータ１３と送水翼１４を有し、駆動モータ１３を回転させることによって、貯水槽１内の水をガイドパイプ６を介してその入口部３ｃよりカートリッジ３内へ送る。カートリッジ３内へ送り込まれた水は、活性炭４ｂ、ゼオライト４ａ及び麦飯石４ｃの層を通過して出口部３ｄへ至り、さらにガイドパイプ８を介して酸素溶解室９内へ噴出口９ａを介して噴射され、酸素が溶かし込まれる。

【００１２】出水部１０には高分子中空糸膜１５が設置されており、水を必要とする場合は、スイッチ１６を押すことにより貯水槽１の底に設置された出水圧力２ｋｇ／ｃｍ²を有する例えば、ギアポンプ式の出水ポンプ装置１７がそのために回転する。すると貯水槽１内の水は連通口１ｃとガイドパイプ１８ａを介して出水ポンプ装置１７へ送られこれよりさらにガイドパイプ１８ｂを介して高分子中空糸膜１５へ圧送され、出水口１０ａを介して外部へ出水させるものである。尚、高分子中空糸膜１５は、ポリスルホン系のもので、膜孔径は標準０．０４μｍ、耐圧４ｋｇ／ｃｍ²以上のものを使用した。

【００１３】したがって、貯水槽１内に入れられた例えば水道水は、図示していない電源スイッチをＯＮすることによってタイマーが入り、循環ポンプ装置７が駆動を開始する。すると、貯水槽１内の水はガイドパイプ６からカートリッジ３内を通過し、ここで活性炭４ｂの層、ゼオライト４ａのような遠赤外線放射炉材層、及び麦飯石４ｃの層を介して浄水濾過され、さらにガイドパイプ８を介して酸素溶解室９内に噴射口９ａを介して噴射され、酸素を溶かし込んだ後、再び貯水槽１内に戻るというようにしてゆっくりと循環を開始する。この循環速度は例えば毎分８リットルである。その間殺菌ランプ１２が点灯して水の殺菌を行う。約２０分程度この処理を経た後、約４０分間例えば毎分１２リットルというような高速の循環を行い、再び最初の低速循環に戻る。その間時折殺菌ランプを点滅させる。そしてこのようなサイクルを電源スイッチを切るまで続ける。

【００１４】このような処理を通じて、水道水中のカルキや、トリハロメタン、悪臭物質はカートリッジ３を介して取り除かれ、酸素や麦飯石中のミネラルが溶け込んだ美味しい水となる。また、水中の雑菌は殺菌ランプ１２によって完全ではないが殺菌される。実施例のもので、運転開始から２０分程度でカルキ等が除去され、２時間経過すると完全ではないが大腸菌を含む雑菌の大幅な除去効果が認められた。

【００１５】出水口１０ａからの出水の際に、高分子中空糸膜１５によって生きている雑菌や雑菌の死骸は、完全に取り除かれることになる。尚、この高分子中空糸膜１５は、雑菌やその死骸、赤サビといったものは取り除くが、ミネラル、カリウム、カルシウム、マンガンといった水を美味しくする成分は取り除くことがない。また、カートリッジ３内には麦飯石の代りに活性炭のみを用いても良いであろう。

【００１６】

【考案の効果】

この考案は以上のように構成したので、仮に貯水槽内や濾過槽内のカートリッジに雑菌やその死骸等が存在しそれが水に含まれていても、出水口のところでほぼ完全に除去されるので、水の美味しさを損なうことなく、出水される水に雑菌やその死骸等が含まれ易いという置き型の浄水器の持つ問題点を解決することができるものである。

【００１７】高分子中空糸膜の持つ雑菌の除去効果は極めて高いので、必ずしも殺菌ランプを用いる必要はないが、殺菌ランプがあればさらに完全に近いものとなる効果があろう。また、酸素溶解室で水に酸素を溶解させると、溶存酸素量の多い美味しい水となる。

【００１８】また、濾過槽を内部に挿通孔を有する仕切板を設け、この仕切板を挟んで左右に入口部と出口部を設けて、内部に入口部より活性炭、ゼオライト、及び麦飯石の順で出口部に向けて濾過材を充填させると、貯水槽内の水が濾過槽内を入口部より出口部へ導かれる結果、水の濾過及び脱臭や殺菌等を効率良く行うことができるものである。循環ポンプ装置にマグネット式の駆動モータを用いると、永年に渡る使用が可能となり、出水ポンプ装置にギア式のものを用いると、小型のものでも送水圧力を高めることができることから高分子中空糸膜の面積を小さくすることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る置き型浄水器の要部を示す側面
断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１貯水槽１ａ注水口２濾過槽３カートリッジ３ａ挿通孔３ｂ仕切板３ｃ入口部３ｄ出口部４ａゼオライト４ｂ活性炭４ｃ麦飯石６ガイドパイプ７循環ポンプ装置８ガイドパイプ９酸素溶解室１０出水部１０ａ出水口１２殺菌ランプ１５高分子中空糸膜１６スイッチ１７出水ポンプ装置

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０２Ｆ 1/68 ５３０Ｂ５４０ＡＢ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】注水口と出水口を有し一定量の水を貯留
させる構造の貯水槽と、この貯水槽に附設され該貯水槽
内の水を浄水濾過させる濾過槽と、前記貯水槽の水を前
記濾過槽を介して循環させる循環ポンプ装置とを備え、
前記出水口には高分子中空糸膜を取り付けると共に、こ
の高分子中空糸膜へ水を圧送する出水ポンプ装置を設置
したことを特徴とする、置き型浄水器。
【請求項２】注水口と出水口を有し一定量の水を貯留
させる構造の貯水槽と、この貯水槽に附設され該貯水槽
内の水を浄水濾過させる濾過槽と、前記貯水槽内の水を
殺菌させる殺菌ランプと、前記貯水槽の水を前記濾過槽
を介して循環させる循環ポンプ装置とを備え、前記出水
口には高分子中空糸膜を取り付けると共に、この高分子
中空糸膜へ水を圧送する出水ポンプ装置を設置したこと
を特徴とする、置き型浄水器。
【請求項３】注水口と出水口を有し一定量の水を貯留
させる構造の貯水槽と、この貯水槽に附設され該貯水槽
内の水を浄水濾過させる濾過槽と、前記貯水槽内の水を
殺菌させる殺菌ランプと、前記貯水槽の水を前記濾過槽
を介して循環させる循環ポンプ装置と、この循環ポンプ
装置によって循環される水に酸素を溶かしこませる酸素
溶解室とを備え、前記出水口には高分子中空糸膜を取り
付けると共に、この高分子中空糸膜へ水を圧送する出水
ポンプ装置を設置したことを特徴とする、置き型浄水
器。
【請求項４】濾過槽が、内部に挿通孔を有する仕切板
によって仕切られ、上部に前記仕切板を挟んで入口部と
出口部を並設した構造であり、入口部より出口部に向け
て活性炭、ゼオライト、及び麦飯石の順に充填させたも
のであることを特徴とする、請求項１乃至３のいずれか
に記載の置き型浄水器。
【請求項５】濾過槽が活性炭、又はこの活性炭と麦飯
石の各層組み合わせから成る濾過材を充填することによ
って構成されていることを特徴とする、請求項１乃至３
のいずれか１項に記載の置き型浄水器。
【請求項６】濾過槽がカートリッジ式であり、交換自
在であることを特徴とする、請求項１乃至５のいずれか
１項に記載の置き型浄水器。
【請求項７】循環ポンプ装置にはマグネット式のもの
を使用し、出水ポンプ装置にはギア式のものを用いたこ
とを特徴とする、請求項１乃至６のいずれか１項に記載
の置き型浄水器。