JP3019444U - ベッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 幼児期には短床長の幼児用ベッドとして、幼
児の成長後には床長を延長して大人用のベッドとして使
用することが可能なベッドを得ることを目的とする。 【構成】 一対のエンドボードと、床板を支持する一対
のサイドレールと、複数の収納ボックスとからなるベッ
ドであって、該各収納ボックスは、それぞれ、前記一対
のエンドボード間にサイドレールを架設した状態でその
床下部分に収容可能な高さであって、それらを積み重ね
た状態ではその最上面が前記サイドレールに支持した床
板上面と等高となる高さとし、且つ、その状態でそれら
を互いに固定し一体とする固定手段を備えると共に、最
上位の収納ボックスには、エンドボードと同様のサイド
レール係止手段を設けた。また、上記複数の収納ボック
スのそれぞれに取外し可能にキャスターを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、幼児用大人用兼用ベッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ベッドは、使用者の身長に応じて選択され幼児用では、床長が短いもの であった。このような幼児用のベッドは幼児が成長するにつれて狹隘感が生じベ ッドの使用を停止するか、或いはより大型のものに変えるかしなければならなか った。

【０００３】 そのため、子供の少ない一般家庭等では、せいぜい１〜２年という短期間の使 用の後に、耐用年数にはるかに満たない状態であっても、何らかの形で処分する 必要が生じ、不経済であるという問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の点に鑑みて、幼児期には短床長の幼児用ベッドとして、幼児の 成長後には床長を延長して大人用のベッドとして使用することが可能なベッドを 得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

一対のエンドボードと、床板を支持する一対のサイドレールと、複数の収納ボ ックスとからなるベッドであって、該各収納ボックスは、それぞれ、前記一対の エンドボード間にサイドレールを架設した状態でその床下部分に収容可能な高さ であって、それらを積み重ねた状態ではその最上面が前記サイドレールに支持し た床板上面と等高となる高さとし、且つ、その状態でそれらを互いに固定し一体 とする固定手段を備えると共に、最上位の収納ボックスには、エンドボードと同 様のサイドレール係止手段を設けた。また、上記複数の収納ボックスのそれぞれ に取外し可能にキャスターを設け、それらの積み重ね時には全部の収納ボックス の、又は、最下位以外の収納ボックスのキャスターを外して積み重ねた状態でサ イドレールによる床面と等高となる高さとなるようにした。

【０００６】

【作用】

身長の小さい幼児期に使用するときは、幼児の身長に適合するよう短尺に寸法 設定されているサイドレールを両エンドボード間に架設し、短床長の幼児用ベッ ドを形成すると共に、各収納ボックスは、ベッドの床下部分に並置する。そして 、幼児成長後、には、各収納ボックスを上下に積み重ねた状態で固定手段により 固定し、一体とすると共に、いずれか一方のエンドボードをサイドレールから外 し、該サイドレールを他方のエンドボードと前記積み重ね一体とした収納ボック スの最上位の収納ボックスとの間に架設すれば、該収納ボックスの上面はサイド レールによる床面と等高であるため、収納ボックスの長さを加えた長床長の大人 用のベッドとして使用可能となり、各収納ボックスは作り付けの収納ボックスと してそのまま利用することが出来る。

【０００７】 また、幼児用ベッドを形成した際、該ベッドの床下部分に並置される複数の収 納ボックスのそれぞれにキャスターを設けたことにより、それらの移動が容易で あると共に、積み重ね時にキャスターを取外せば、キャスター取付用のネジ穴等 は、各収納ボックスを互いに固定する固定手段に利用できる。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施の一例を図面と共に次に説明する。

【０００９】 本考案ベッド１は、フットボード２（ａ）或いはヘッドボード２（ｂ）となる エンドボード２と、それらの間に平行状態に架設され床板４を支持する一対のサ イドレール３，３と、衣料或いは身辺雑貨などを収納する２個の収納ボックス５ ，６から主に構成されている。

【００１０】 エンドボード２，２は、ボード部分２１の両側に柱部分２２，２２を固定して なり、該柱部分２２の下端にはキャスター２３を取付けている。エンドボード２ の両側のサイドレール３，３を取り付ける部位には、後述するサイドレール３， ３の係合部材７を係止する上下２段のボルト８を螺設してある。

【００１１】 サイドレール３，３は、その内側の端縁に係合部材７を設けている。係合部材 ７は、図３に示す如くＬ字形に屈曲したアングル材の一辺をサイドレール３の内 側に当接して固定し、他辺には上下２段の切込溝９，９を設け、該切込溝９，９ を図１，図２に示す如くボルト８，８に係止することにより、サイドレール３を 一対のエンドボード２（ａ），２（ｂ）間に固定することを可能にしている。そ して、サイドレール３は、その長手方向に床板支持部材１０を設け内側に突出さ せてあり、床板支持部材１０に床板４を載置する。該床板４は通気性を確保する ためにすのこ等で形成することが有利である。

【００１２】 収納ボックス５，６はそれぞれ、外箱５１，６１に引出し５２，６２を挿入し てなり、外箱５１，６１の下面にはキャスター５３，６３を設けている。キャイ スター５３，６３は、それらの取付支軸に形成したボルトを、外箱５１，６１の 底板に穿設した固定穴５１ａ，６１ａに嵌合すると共に、ナット５１ｂ，６１ｂ を螺合することにより取外し可能な状態で固定され、これら収納ボックス５，６ は並置したとき、ベッド１の床下部分に収納可能な高さとなるようにしている。 尚、上記固定穴５１ａ，６１ａ及びナット５１ｂ，６１ｂは後述する収納ボック ス５，６の固定手段を兼ねている。

【００１３】 また、収納ボックス５，６は、図４に示す如く、それぞれキャスター５３，６ ３を外して、一方の収納ホックス６を下側に置き、他方の収納ボックス５をその 上に積み重ねた状態では、その最上面となる収納ボックス５の上面５ａが、前記 サイドレール３に支持された床板４の上面４ａと等高となる高さとしている。そ して、上側の収納ボックス５の外箱５１の一方の側板には、この状態で先述した 上下２段のボルト８，８の螺合位置と等しい位置関係で該ボルト８，８を螺合可 能な上下２段のナット５１ｃ，５１ｃが埋設されている。

【００１４】 更に、上記外箱５１の他方の側板及び他の収納ボックス外箱６１の一方の側板 には、後述するエンドボード２（ｂ）を固定するため貫通穴５１ｄ，６１ｄが穿 設されている。これら、ナット５１ｃ，５１ｃ、及び貫通穴５１ｄ，６１ｄは、 ベッド１を幼児用として使用し、収納ボックス５，６をベッド床下に並置して使 用する場合には不要であるので、キャップ等で塞いでおく。尚、ナット５１ｃ， ５１ｃには別途用意したボルト８，８をあらかじめ螺合しておいても良い。

【００１５】 ベッド１を幼児用として用いる場合は、図１に１（Ａ）として示す如く、エン ドボード２，２間にサイドレール３，３を架設し、床板支持部材１０により支持 される床板４上に幼児用マットレスを載せると共に、収納ボックス５，６はキャ スター５３，６３を取付けた状態でベッドの床下部分に並置して使用する。また 、１，２は幼児の転落防止用の柵であり、このうち図１中後側となる一方の柵１ ２は、その最端の柱１３をエンドボード２（ａ）及び２（ｂ）の柱部分２２，２ ２に図示しないボルトで止着固定しているが、図１中手前側の柵１１は幼児をベ ッド内に出し入れする際の便を考慮して図５に示す如く上下に摺動可能に設けら れている。

【００１６】 即ち、柵１１は、ベッド１のエンドボード２（図５には一方の２（ａ）のみ示 す）の柱部分２２に沿って形成した案内溝１５に、図５（Ｂ）に示す如く柵１１ の最端の柱１３に螺設したネジ１４，１４のヘッド部分（摺動部材）を係合する ことにより上下に摺動可能であると共に、該柵１１を摺動軌道の上行端で掛止す る掛止手段としてラッチ１６を取付けている。

【００１７】 ラッチ１６は、上記柱１３に嵌合固定したスリーブ１７に摺動可能に挿通され ると共に、ラッチ１６の一部に直径方向に穿設した孔１６ａ内で移動可能であり 且つ、スプリングにより該孔１６ａから突出する方向に付勢されている球体１８ （又はピン）を設け、該球体１８が上記スリーブ１７の内周面に形成した２箇所 の周溝１７ａ，１７ｂ（図示例では１７ａ）に係合する突出及び没入の２位置で ラッチ１６が固定されるようにしてある。

【００１８】 そして、図５（Ａ）及び（Ｂ）に示す如く、球体１８が周溝１７ａに係合し突 出状態で固定されているラッチ１６の先端が案内溝１５の上端に設けた掛止穴１ ９に嵌入することにより、柵１１は、摺動軌道の上行端となる柵１２と等高の位 置で掛止され、ベッド１をその内部で幼児を遊ばせておくためのサークルとして 利用できる。また、ベッド１（Ａ）に幼児を出し入れする際には、ラッチ１６を 球体１８が周溝１７ｂに係合する図５（Ｃ）に１６´で示す位置まで引出し、該 ラッチ１６の先端を掛止穴１９から抜脱すれば柵１１を図５（Ａ）中１１´で示 す如く降下させることができ、幼児の出し入れが容易である。

【００１９】 幼児が成長した後、ベッド１の床長を延長したい場合は以下のようにする。先 ず、ベッド１の両側の柵１１，１２を取外し、一方のエンドボード２（ｂ）にサ イドレール３，３を係止しているボルト８，８から係合部材７を外すことにより 、エンドボード２（ｂ）とサイドレール３，３を分離する。また、収納ボックス ５，６は、それぞれキャスター５３，６３を取外すと共に、一方の収納ボックス ６を上下逆にして下側にし、その上に他方の収納ボックス５を積み重ね、この状 態で一連になった貫通穴５１ａ，６１ａに、別途用意されるボルトを挿通し、キ ャスター５３，６３を固定していたナット５１ｂ，６１ｂ（一方のみを用い、他 は予め抜脱しておく）に螺合することにより、収納ボックス５，６を互いに固定 し一体とする。

【００２０】 次いで、上記一体とした収納ボックス５，６を、分離されているサイドレール ３，３の一端部に位置させ、図３に示す如く該サイドレール３，３の係合部材７ を上側収納ボックス５のナット５１ｃ，５１ｃに螺合したボルト８，８に係止す ることにより、図４に示す如く。サイドレール３，３を、上記一体の収納ボック ス５，６と他のエンドボード２（ａ）との間に架設する。

【００２１】 これにより、ベッド１（Ｂ）は床板４の上面４ａと等高面である上側収納ボッ クス５の上面５ａが、延長された床面として利用可能となり、床板４から収納ボ ックス５の上面５ａに亘って幼児用に比べて長尺なマットレス２０を敷くことが できる。例えば、床板４の長さを１４０cm、収納ボックス５，６の長さ（幅）を ６０cmとした場合には長さ２００cmの大人用標準サイズのマットレスを敷くこと ができ、マットレスに比べて耐用年数の長いベッドフレームを幼児の成長後も継 続して使用可能となる。

【００２２】 上記分離されたエンドボード２（ｂ）は、積み重ね一体とした上下の収納ボッ クス５，６の貫通穴５１ｄ，６１ｄにボルトで固定して、そのままフットボード （またはヘッドボード）として利用することができるが、取り去ったままの状態 でベッド１（Ｂ）をヘッドボード２（ａ）のみを備えたベッドとして使用しても 良い。

【００２３】 尚、上記実施例では、２個の収納ボックス５，６を設けた場合を示したが収納 ボックスは３個、またはそれ以上でも良く、その場合には、それらを上下方向に 積み重ねた際の最上位の収納ボックス上面が床板４と等高となるよう各収納ボッ クスの高さ寸法を設定する。また、上記実施例では、収納ボックス５，６のキャ スター５３，６３をいずれも取り外して上下に積み重ねる場合を示したが、下側 の（収納ボックスが３個以上の場合は最下位の）収納ボックス６をそのままの向 きでキャスター６３を付けた状態で使用することにより（その場合、各収納ボッ クスの高さを上記キャスター６３の分だけ差し引く必要がある）、上記延長後の ベッド１（Ｂ）がキャスター６３、及び２３により移動可能となる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案ベッドは、上述のとおり、一対のエンドボードと、床板を支持する一対 のサイドレールと、複数の収納ボックスとからなるベッドであって、該各収納ボ ックスは、それぞれ、前記一対のエンドボード間にサイドレールを架設した状態 でその床下部分に収容可能な高さであって、それらを積み重ねた状態ではその最 上面が前記サイドレールに支持した床板上面と等高となる高さとし、且つ、その 状態でそれらを互いに固定し一体とする固定手段を備えると共に、最上位の収納 ボックスには、エンドボードと同様のサイドレール係止手段を設けたので、幼児 が成長した後も、収納ボックスの最上面を延長された床面として利用し、床板か ら収納ボックス上面に亘り長尺のマットレスを載置することにより、長床長の大 人用ベッドとして継続して使用でき、耐用年数に満たないベッドを処分したり買 替えたりするという煩雑さが解消され、利用価値が高く経済的である。

【００２５】 また、上記複数の収納ボックスのそれぞれに取外し可能にキャスターを設け、 それらの積み重ね時には全部の収納ボックスの、又は、最下位以外の収納ボック スのキャスターを外して積み重ねた状態でサイドレールによる床面と等高となる 高さとなるようにしたので、幼児用ベッドとしての使用時には、ベッドの床下部 分に並置した収納ボックスがベッド本体と独立して用意に移動可能であり、特に 出し入れが頻繁に行われる幼児の着替えや、おしめ等の収納に便利であると共に 、大人用のベッドとしての使用時に、各収納ボックスを積み重ねる場合、キャス ター取付用のネジ穴等を収納ボックスの固定手段に利用でき、製造及び組替えの 手間が省ける。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例のベッドにおける幼児用ベッドと
しての使用状態を示す、一部を切除した側面図である。

【図２】本考案実施例のベッドの横断面図である。

【図３】サイドレールを収納ボックスに係止して架設す
る係止手段を示す要部斜視図である。

【図４】本考案実施例のベッドにおける大人用ベッドと
しての使用状態を示す側面図である。

【図５】（Ａ）は柵の取付部分を示す一部切除した側面
図、（Ｂ）は（Ａ）のＸ−Ｘ´線断面図、（Ｃ）は
（Ａ）のＹ−Ｙ´線断面図である。

【符号の説明】

１ ベッド ２ エンドボード ３ サイドレール ４ 床板 ５，６ 収納ボックス ７ 係合部材 ８ ボルト（サイドレール係止手段） １１，１２ 柵 １４ ネジ １５ 案内溝 １６ ラッチ １９ 掛止穴 ２０ マットレス ２３，５３，６３ キャスター ５１ａ，６１ａ 固定穴（固定手段） ５１ｂ，５１ｃ，６１ｂ ナット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のエンドボードと、床板を支持する
   一対のサイドレールと、複数の収納ボックスとからなる
   ベッドであって、該各収納ボックスは、それぞれ、前記
   一対のエンドボード間にサイドレールを架設した状態で
   その床下部分に収容可能な高さであって、それらを積み
   重ねた状態ではその最上面が前記サイドレールに支持し
   た床板上面と等高となる高さとし、且つ、その状態でそ
   れらを互いに固定し一体とする固定手段を備えると共
   に、最上位の収納ボックスには、エンドボードと同様の
   サイドレール係止手段を設けたことを特徴とするベッ
   ド。
2. 【請求項２】 複数の収納ボックスのそれぞれに取外し
   可能にキャスターを設け、それらの積み重ね時には全部
   の収納ボックスの、又は、最下位以外の収納ボックスの
   キャスターを外して積み重ねた状態でサイドレールによ
   る床面と等高となる高さとなるようにした請求項１記載
   のベッド。