JP3016879B2 - 高吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

高吸水性樹脂の製造方法

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JP3016879B2
JP3016879B2 JP3011189A JP1118991A JP3016879B2 JP 3016879 B2 JP3016879 B2 JP 3016879B2 JP 3011189 A JP3011189 A JP 3011189A JP 1118991 A JP1118991 A JP 1118991A JP 3016879 B2 JP3016879 B2 JP 3016879B2
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和己 秋久
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高吸水性樹脂の製造方
法に関するものである。詳しく述べると、加圧状態でも
高い吸水性を有する高吸水性樹脂の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、高吸水性樹脂粉末は、生理綿、紙
オムツ等のように、体液を吸収する衛生材料や保水剤等
のさまざまな分野で利用されるようになってきた。この
ような高吸水性樹脂としては、例えば、デンプン−アク
リロニトリルグラフト重合体の加水分解物(特公昭49
−43,395号)、デンプン−アクリル酸グラフト重
合体の中和物(特開昭51−125,468号)、酢酸
ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物(特開
昭52−14,689号)、アクリロニトリル共重合体
もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物(特公昭
53−15,959号)、またはこれらの架橋体やポリ
アクリル酸部分中和物架橋体(特開昭55−84,30
4号)等が知られている。
【0003】高水性樹脂に望まれる特性としては、水性
液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸収速度、含水
膨潤ゲルの高いゲル強度、水性液体を含んだ基材から水
を吸いあげるための優れた吸引力等が挙げられる。しか
しながら、これらの特性間の関係は必ずしも正の相関を
示さず、特に吸収倍率と吸収速度、ゲル強度および吸引
力とは相反する関係にあり、吸収倍率の高いものほどこ
れらの物性は低下してしまう。また、吸収倍率の高いも
のの中には水性液体に接した場合にいわゆる「ママコ」
を形成してしまい、高吸水性樹脂粒子全体に水が拡散せ
ず、吸収速度の極端に低いものもある。
【0004】吸収倍率が高くかつ吸収速度等も比較的良
好な高吸水性樹脂を得るための方法としては、高吸水性
樹脂表面を界面活性剤や非揮発性炭化水素によりコーテ
ィングする方法が知られている。しかしながら、この方
法では、水性液体に対する高吸水性樹脂の分散性は改良
されるものの、高吸水性樹脂粒子一つ一つの吸収速度や
吸引力の向上という面では十分な効果が得られない。
【0005】また、上記特性をバランス良く改良する方
法としては、高吸水性樹脂表面を親水性架橋剤で架橋さ
せる方法も知られている。このような親水性架橋剤とし
ては、多価アルコール類、多価グリシジルエーテル類、
ハロエポキシ化合物類、多価アルデヒド類、多価アミン
類、多価金属塩類が用いられているが、この親水性架橋
剤を高吸水性樹脂の表面に均一に分布させて反応させる
ことが表面に均一な架橋層を形成して改良効果を高める
上で重要である。
【0006】親水性架橋剤を高吸水性樹脂表面に均一に
分布させる方法としては、高吸水性樹脂粉末と親水性架
橋剤を直接混合し、必要により加熱処理を行なう方法
(特開昭58−180,233号、特開昭59−18
9,103号、特開昭61−16,903号、特開昭6
1−46,241号)、高吸水性樹脂をアルコールおよ
びケトン類の親水性有機分散媒または水とアルコール、
ケトン類との混合物に分散させ、架橋剤を加えて反応さ
せる方法(特開昭58−42,602号)等が知られて
いる。
【0007】しかしながら、高吸水性樹脂粉末と架橋剤
とを直接混合する前者の方法では、樹脂粉末の表面に均
一に架橋剤を分布させることが難しく、得られた高吸水
性樹脂の表面架橋層が不均一になりやすい。
【0008】また後者の方法において、水と親水性有機
溶剤との混合物を用いた場合、親水性架橋剤が該分散媒
に可溶となり、それを高吸水性樹脂表面に均一に分布で
きる可能性は高いが、架橋時に加熱すると親水性有機溶
媒が留去される結果、装置内での火災の危険や、廃ガス
として大気へ放出することによる公害の問題回避の点か
ら好ましくない。さらに親水性有機溶剤が不純物として
高吸水性樹脂中に残存する可能性が高い。
【0009】これに対し、高吸水性樹脂粉末に水および
不活性な無機質粉末の存在下で架橋剤を混合して反応さ
せる方法(特開昭60−163,956号および特開昭
60−255,814号)が知られているが、高価な無
機質粉末を用いることは経済性が悪く、工業的に困難で
ある。一方、極く少量の無機質粉末を、高吸水性樹脂粉
末に添加しようとすると、均一な混合物とすることが困
難であり、無機質粉末を用いる効果が得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、高吸水性
樹脂の諸特性をバランス良く改良するために、高吸水性
樹脂に表面架橋層を形成させるなどの方法が試みられて
いるが、いずれも前記したごとき問題点を有しており、
十分な改良効果を示すものではなかった。
【0011】したがって、本発明の目的は、新規な高吸
水性樹脂の製造方法を提供することにある。本発明の他
の目的は、加圧状態でも高い吸水性を有する高吸水性樹
脂の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記諸目的は、下端が開
口された筒状体の上部から官能基を有する高吸水性樹脂
粉末を投入するとともに、該筒状体の上部から下部に向
けて該高吸水性樹脂の2個以上の官能基と反応し得る基
を有する化合物の液状物を液滴状に噴霧して、該筒状体
の下部に向って流下する前記高吸水性樹脂粉末と、該筒
状体の下部に向って径方向に拡散しつつ流下する該液滴
とを相互に並流状態で接触させ、該液滴が均一に吸着さ
れた該高吸水性樹脂粉末を該筒状体の下部から取出し、
ついで取出された該高吸水性樹脂粉末を40℃以上の温
度で加熱処理することを特徴とする高吸水性樹脂の製造
方法により達成される。
【0013】
【作用】以下、図面を参照しつつ本発明方法をさらに詳
細に説明する。
【0014】図1は、本発明の高吸水性樹脂粉末の連続
製造方法を具体化した装置を示す図である。図示するよ
うに下端に開口部11を有する円筒体10が上下方向を
向いて設けられており、この円筒体10の上部中央には
下方に向けて広がった円錘形の分散板12が設置されて
いる。この分散板12に向けて高吸水性樹脂粉末Aを供
給して、分散板12の下部全周から前記樹脂粉末Aを前
記円筒体10内に投入するための投入部材13が円筒体
10の上方に設けられている。
【0015】前記分散板12の中心部にはパイプ14が
取付けられ、このパイプ14の先端には前記分散板12
の下方に位置させてノズル15が装着されている。この
ノズル15からは空気と該高吸水性樹脂の2個以上の官
能基と反応し得る基を有する化合物の液状物(以下、液
状物Bという)とが同時に噴出されるようになってお
り、液状物Bは微細な液滴となって円筒体10内の下方
に向けて噴霧される。分散板12の部分から投入される
前記高吸水性樹脂粉末Aと前記ノズル15から噴霧され
た微細な液滴は、互いに円筒体10の下方に向かうに従
って拡散しつつ噴霧力と自重とで流下することになる。
これにより、それぞれれ拡散しつつ流下する樹脂粉末A
は上部から下部に流下する一方、液状物Bの液滴は、円
筒体10内でこれの径方向に所定の角度で拡散しつつ上
部から下部に流下するので、該樹脂粉末Aと液状物Bと
は並流状態で接触し樹脂粉末Aの表面に液状物Bが均一
に分散された混合物となる。この際、樹脂粉末Aに付着
した液滴を媒体として複数の樹脂粉末Aが粘結された状
態の粘結造粒体を形成することがある。
【0016】図2は、本発明の他の実施態様を示すもの
であり、前記図1に示された部材と共通する部材には、
同一の符号が付されている。図1に示す装置にあって
は、高吸水性樹脂粉末Aを単独で分散板12に投入する
ようにしていたが、図2に示す装置にあっては、気流に
よって高吸水性樹脂粉末Aを分散投入するようにしてい
る。
【0017】このために、図示するように、分散板16
は下方に向かうに従って径が小さくなるテーパー部16
aと、このテーパー部16aの下端部から下方に伸びる
ストレート部16bとにより形成されている。前記テー
パー部16aの上面に投入部材13から投入された高吸
水性樹脂粉末Aには、空圧配管18の先端に設けられた
ノズル19からの圧縮空気が吹付けられ、樹脂粉末Aは
この気流の作用によっても下方に流下することになる。
この場合の樹脂粉末Aと気流との混合比は、0.1〜5
kg/Nmの範囲となるようにすることが好ましい。樹
脂粉末Aの量が5kg/Nmを越える比率とすると、気
流による樹脂粉末Aの分散ないし拡散が不十分となり、
液状物Bの液滴との均一な接触が図られなくなる。一
方、0.1kg/Nmよりも少ない比率では、膨大なガ
ス量を投入するので、これの廃棄のために過大な設備が
必要となり、実用性がない。また、排気が不十分な状態
では混合物が円筒体10の内周面に付着する量が増加す
ることになり、連続運転が困難となる。上述した気流と
樹脂粉末Aとの比率と共に、気流の流量を制御すること
によって、気流の円筒体10内での滞留時間が定まるこ
とになるが、この滞留時間は0.1〜30秒程度に設定
することが好ましい。
【0018】図3は図2に示された装置の変形例であ
り、この場合の円筒体10の壁内にはジャケット31が
形成されており、この中に蒸気配管32により蒸気を循
環させて、円筒体10の内面を加熱するようにしてい
る。図示する場合には約2kg/cmGの蒸気を循環さ
せ、内面の温度を約100℃に保つようにした。これに
より、円筒体10の内面に対する混合物の付着が防止さ
れることになる。実験では上述した条件で連続的に60
分間装置を作動させたが、付着物の発生が全く見られな
かった。この場合には上述したジャケット31が設けら
れていることと、空圧配管18の先端のノズル19の位
置が相違していることを除き、前記図2に示された装置
と基本形態は同一である。
【0019】図4は更に他の具体例を示す図であり、こ
の基本形態は図2に示された装置と共通性を有している
が、この場合には液状物Bを噴出するノズル33が円筒
体10の内周面に多数配置されている。これらのノズル
33からの液滴は、それぞれのノズルが下方に向けて所
定の角度で傾斜していることから、流下する樹脂粉末A
に対して所定の角度で交差しつつ下方に向けて拡散流下
することになる。この場合にも上述した場合と同様な作
用効果が得られた。これらのノズル33から液滴を水平
方向に円筒体10の中心部に向けて噴霧するようにして
も、樹脂粉末Aを投入するための気流の影響によって、
液滴の流れが規制される結果、円筒体10内に下方に向
かうに従って液滴と樹脂粉末Aはそれぞれ並流状態とな
り液滴と樹脂粉末Aが均一に混合され混合物となる。
【0020】なお、前記それぞれの実施態様にあって
は、筒状体として円筒体10を用いたが、横断面が四角
形やそれ以上の多角形となった角形の筒体を用いても良
く、あるいは円錘形や角錘形等の錘形の筒体を用いても
良い。
【0021】本発明の好ましい態様は、下端が開口され
た筒体の上部に設置した分散部材から気流によって高吸
水性樹脂粉末Aを投入することである。気流を用いない
投入方法では高吸水性樹脂粉末Aの分散が不十分になる
ことがあり、連続運転する際に、加圧下吸収性が悪くな
ることがある。また液状物Bを噴霧するノズルは、高吸
水性樹脂粉末Aの分散部材の内側、好ましくはほぼ中央
に設置するのが好ましい。該分散部材の外側に設置する
と、高吸水性樹脂粉末Aと液状物Bとの接触が不均一に
なることがあり、連続運転の際に得られる高吸水性樹脂
の加圧下吸収性が悪くなることがある。また液状物Bが
拡散して筒体内壁を濡らすために、高吸水性樹脂粉末A
が壁に付着しやすくなる。
【0022】筒体の内壁は保温手段を儲けることによっ
て50〜200℃、より好ましくは70〜200℃に保
つのがよい。これにより、筒体の内面に高吸水性樹脂粉
末Aが付着するのを防止することができ、連続運転して
も安定した性能の高吸水性樹脂が得られる。高吸水性樹
脂粉末Aの筒体内壁への付着は、該付着部分への過剰な
あるいは不均一な液状物Bの混合状態をひきおこし、連
続運転の際に得られる高吸水性樹脂の品質の低下および
安定性を下げることになる。
【0023】本発明において、筒状体の下部から取出さ
れた高吸水性樹脂粉末Aと液状物Bの混合物は、40℃
以上の温度で加熱処理される。
【0024】本発明で用いられる加熱装置としては、通
常の乾燥機やジャケット付き混合機等がある。一例を挙
げると、例えば、リボンブレンダー、流動層乾燥機、パ
ドル型乾燥機、赤外線乾燥機等である。
【0025】リボンブレンダーとしては、横型と縦型と
があり、横型には単軸または複軸があり、またこのリボ
ンブレンダーは回分あるいは連続の両操作に用いられ
る。リボン羽根は、粉粒体の運動が、外羽根は内側に、
また内羽根は外側に移動する二重巻リボン構造が一般的
であるが、対象物質やその性状あるいは操作(回分また
は連続)に対応してリボン形状を変える必要があり、リ
ボン羽根の強制的な剪断と循環により混合が促進され、
槽中央底部または側面より混合物を排出する。
【0026】流動層乾燥機は、多孔板上の粉粒状湿原料
を下方より熱風により浮游させ、激しく混合させること
により熱交換を行って乾燥を行う装置である。その代表
的なものとしては、横型流動層形式のものがあり、流動
層内に解砕機を設け、供給された原料中の凝集塊を解砕
すると同時に熱風により熱交換する方式であり、この時
の解砕機は、原料状態により回転数、羽根形状および取
付け場所がその都度決定されるが、標準的には供給口下
部の流動層内に取付けられる。解砕機により解砕され下
部の熱風により流動化させられた原料は、機内に設けら
れた調整可変式せきによってショートパスを防止され
る。これにより供給原料の平均滞留時間分布はせばめら
れ、均一な製品が得られることとなる。また、せきを傾
斜させることにより、滞留時間の調整も可能である。乾
燥が進むにつれ、原料は入口により出口へと移動する。
【0027】ジャケット付き混合機としては、例えば本
体に加熱ジャケット付の水平U型トラフ状の乾燥室を設
け、その一端上面に原料供給口と他端下面に製品排出口
とがあり、ロータには中空扇形伝熱羽根と原料を攪拌移
送する攪拌羽根を1組としたものを等間隔に多数取付
け、低速で回転するものである。機内で原料は連続的に
攪拌、加熱、移送され、排出口部の可動せきをオーバー
フローして排出され、攪拌羽根の角度を変えることによ
って機内の滞留時間が調整される。
【0028】本発明において、液状物Bの付着した高吸
水性樹脂粉末の加熱処理温度は40℃以上であり、好ま
しくは80〜220℃であるが、使用する親水性架橋剤
により最適な加熱温度が異なるのが通常である。また、
加熱処理時間は、加熱処理方式にもよるが、通常0.1
〜5時間、好ましくは0.5〜2時間である。
【0029】本発明において対象となる高吸水性樹脂粉
末とは、水中において多量の水を吸収して膨潤しヒドロ
ゲルを形成する従来公知の粉末状高吸水性樹脂であり、
例えば、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体
の加水分解物、アククリル酸エステル−酢酸ビニル共重
合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはア
クリルアミド共重合体の加水分解物、デンプン−アクリ
ル酸グラフト重合体の中和物、自己架橋型ポリアクリル
酸中和物、ポリアクリル酸塩架橋体、架橋イソブチレン
−無水マイレン酸共重合体の中和物等を挙げることがで
きる。
【0030】このような高吸水性樹脂粉末は、一般に官
能基を有する水溶性エチレン性不飽和単量体を重合する
ことにより得られる。本発明に用いられる高吸水性樹脂
粉末を構成する単量体は、官能基を有する水溶性エチレ
ン性不飽和単量体であり、一例を挙げると、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、プロトン酸、シトラコン酸、α−ヒドロキシアク
リル酸、アコニット酸、2−(メタ)アクリロイルエタ
ンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸等を上げることができるが、不飽
和カルボン酸およびそれらの塩を少なくとも1種含むも
のが好ましく、より好ましくはアクリル酸1〜50モル
%とアクリル酸塩99〜50モル%とからなるアクリル
酸塩系単量体である。もちろん、このアクリル酸とアク
リル酸塩の比率は、アクリル酸を重合して得られるポリ
アクリル酸を部分的に中和して、前記モル比となるよう
にしたものでもよいことはもちろんである。
【0031】また、高吸水性樹脂粉末は架橋性単量体を
使用しない自己架橋性のものより、2個以上の重合性不
飽和基や反応性官能基を有する架橋性単量体をごく少量
反応させたものの方が望ましい。
【0032】これらの架橋剤の例としては、例えばN,
N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸多価金属塩、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルアミン、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルホスフェート、グリシジル(メタ)アク
リレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセリントリ(ジ)グリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることがで
きる。またこれら架橋剤は2種以上混合して使用しても
よい。これらの架橋剤の使用量は、一般に0.001モ
ル%〜0.5モル%、好ましくは0.01〜0.3モル
%程度である。
【0033】高吸水性樹脂粉末を得るための重合方法と
しては、水溶液重合、逆相懸濁重合、沈澱重合、塊状重
合等の各種の方法を採用することができる。中でも、重
合時の作業性や得られた高吸水性樹脂粉末と液状物Bと
を混合する際の取り扱い性の点から、水溶液重合または
逆相懸濁重合法が好ましく、特に水溶液重合が好まし
い。
【0034】高吸水性樹脂粉末を水溶液重合や逆相懸濁
重合法で合成する際の単量体水溶液中の単量体濃度は、
広い範囲にわたって選択が可能であるが、一般に20重
量%以上、より好ましくは25重量%以上から飽和濃度
までである。
【0035】また、重合の際に用いられる重合開始剤と
しては、一般に使用される水溶性ラジカル重合開始剤で
ある過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルハイドロ
パーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイド
ロパーオキシド、2,2´−アゾビス−2−アミジノプ
ロパン塩酸塩等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重
合開始剤は2種類以上混合して使用することも可能であ
り、更には亜硫酸塩、l−アスコルビン酸、第2鉄塩等
の還元剤との組み合わせによりレドックス開始剤系も用
いることができる。重合開始剤の使用量は、単量体に体
して0.001〜1.0重量%、好ましくは0.005
〜0.5重量%である。
【0036】本発明に用いられる高吸水性樹脂粉末のも
つ2個以上の官能基と反応しうる基を有する化合物(以
下、表面架橋剤という)としては親水性であることが好
ましく、より好ましくは水溶性の化合物であれば特に制
限なく、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリ
セリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシ
エチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類;エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジエーテル、グリセロールポリグリ
シジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビ
ートルポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール
ポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジクリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル等の多価グリシジルエーテル類;2.2−ビ
スヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−ア
ジリジニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサメチレ
ンジエチレンウレア、ジフェニルメタン−ビス−4,4
´−N,N´−ジエチレンウレア等の多価アジリジン
類;エピクロルヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等
のハロエポキシ化合物類;グルタルアルデヒド、グリオ
キサール等の多価アルデヒド類;エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリ
エチレンイミン等の多価アミン類;2,4−トルイレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等
の多価イソシアネート類;塩化アルミニウム、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マ
グネシウム、硫酸カルシウム等の多価金属塩類などを例
示することができる。特に好ましくは多価アルコール
類、多価グリシジルエーテル類、多価アミン類、多価金
属塩類である。
【0037】これらの表面架橋剤の使用量は、その種類
によるが、一般に高吸水性樹脂粉末に対して0.1〜3
0重量%が適当であり、好ましくは0.5〜10重量%
である。この量が0.1重量%未満の場合には、本発明
の効果があらわれず、また30重量%を越えて使用する
と吸収倍率が著しく低下することがある。
【0038】本発明に用いられる高吸水性樹脂粉末のも
つ2個以上の官能基と反応しうる基を有する化合物は、
それ自体が液状であれば単独で使用できるが、通常希釈
剤によって希釈され液状物Bとして用いられる。希釈剤
としては前記化合物を溶解あるいは分散され得るもので
あって、高吸水性樹脂の性能に影響を及ぼさないもので
あれば制限なく用いることができる。例えば水、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、N,N′−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類等を挙げること
ができる。
【0039】ただし、本発明の特徴は、全く有機溶剤を
使用しなくても前記化合物と高吸水性樹脂粉末を均一に
混合することにある。すなわち、希釈剤は水単独である
ことが経済性や火災、公害の問題回避の点から好まし
い。
【0040】本発明において用いられる液状物Bの微細
な液滴としては、その平均径が300μm以下のものが
好ましく、さらに好ましくは250μm以下のものであ
る。通常は、平均径50〜200μmある。この平均径
が300μmを越えると液状物Bの均一な拡散ないし分
散が困難になり、高密度の塊が生じたり、筒体内で、液
状物Bと接触しない高吸水性樹脂粉末の残留量が多くな
ることがあり、好ましくない。平均径が300μm以下
の微細な液滴を生成させる方法としては、回転円板法、
加圧ノズル法、及び2流体ノズル法を挙げることができ
るが、本発明では上部より高吸水性樹脂粉末が投入され
るために、液滴噴霧機にガスを噴出して造粒付着を防ぐ
ことが可能な2流体ノズルが適している。そのようなも
のとしては、例えば、ルミナ(扶桑精機(株)製)の2
流体ノズル、スプレーベクター(神戸鋳鉄(株)製)を
挙げることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。なお、下記実施例中特にことわりのない限
り全ての「%」は重量%を、「部」は重量部をそれぞれ
示すものとする。
【0042】実施例1 内容積が10リットル、羽根の回転径が120mmのシグ
マ型羽根が2本設けられたジャケット付きステンレス製
の双腕型ニーダーに蓋を付け、このニーダー内にアクリ
ル酸ナトリウム水溶液4380部、アクリル酸414部
およびイオン交換水706部からなるアクリル酸塩系単
量体の水溶液5500部(モノマー濃度37重量%、中
和率75mol %)と、トリメチロールプロパントリアク
リレート3.4部とを入れ、窒素ガスを吹き込み反応系
内を窒素置換した。次いで、2本のシグマ型羽根を56
r.p.m.の速度で回転させ、ジャケット内に35℃の温水
を通して加熱しながら、重合開始剤として過硫酸ナトリ
ウム2.8部およびl−アルコルビン酸0.14部を添
加した。開始剤添加後、5分で重合を開始し、20分で
反応系内の温度が83℃に達し、含水ゲル状物は約5mm
の径の細粒にされ、60分で重合を終了して含水ゲル状
重合体を取出した。
【0043】この含水ゲル状重合体を熱風乾燥機中に厚
さ50mmに展開して、温度150℃の熱風で90分間乾
燥した。これをハンマー型粉砕機で粉砕し、20メッシ
ュ金網でフルイ分けして、高吸水性樹脂粉末Aを得た。
【0044】この高吸水性樹脂粉末A100部にグリセ
リン0.5部および水10部よりなる液状物Bを図3に
示す装置を用いて混合し、加熱処理したのち、20メッ
シュ金網でフルイ分けし、未通過物はロールミル型整粒
機で粉砕して全量を20メッシュ通過物として、吸水剤
(1)を得た。
【0045】すなわち、図3に示す装置において、投入
部材13から投入された高吸水性樹脂粉末Aには、空圧
配管18の先端に設けられたノズル19よりなる気流発
生手段からの圧縮空気が吹付けられ高吸水性樹脂粉末A
は自重とこの気流の作用によって円筒体10の径方向に
拡散されるとともに円筒体10の下方に流下した。
【0046】分散部材16の中心部にはパイプ14が取
付けられ、このパイプの先端には、前記分散部材16の
下方に位置させてノズル15が装着された。このノズル
15からは空気と液状物Bとが同時に噴出され、液状物
Bは微細な液滴となって円筒体10内の下方に向けて噴
霧された。噴霧された液状物Bの液滴は、円筒体10の
径方向に拡散しつつ該円筒体10の下方に流下したが、
ノズル位置の調整と高吸水性樹脂粉末Aの吸液とによ
り、該円筒体10の高さ方向のいずれの位置において
も、該円筒体10の径方向への拡散は、該高吸水性樹脂
粉末Aより大きくなることはなかった。また、該液滴
は、流下中に高吸水性樹脂粉末Aに吸液され、円筒体1
0の下端においては該液滴の存在がほとんど認められな
かった。このとき、高吸水性樹脂粉末Aと気流との混合
比は1kg/Nmであった。液状物Bの平均液滴径は、
約100μmであった。また、高吸水性樹脂粉末Aの円
筒体10内の滞留時間は10秒であった。円筒体10は
外部からの加熱により内壁温度90℃に保たれた。
【0047】高吸水性樹脂粉末Aと液状物Bとは並流状
態で接触し、樹脂粉末Aに付着した液状物Bの液滴を媒
体として、複数の樹脂粉末Aの表面上に液状物Bが均一
に分散された混合物になった。
【0048】このようにして混合物となった樹脂粉末
を、円筒体10の下方に設置されたジャケットを熱媒で
200℃に加熱したリボンブレンダーに投入し加熱処理
を行なった。混合物を60分間加熱処理後に取り出した
吸水剤(1)の材料温度は180℃であった。
【0049】得られた樹脂粉末Aおよび吸水剤(1)の
(a)吸収倍率、(b)吸引力、(c)加圧下吸収性お
よび(d)粒度(100メッシュ標準フルイを通過した
ものの重量%)を、下記のようにして評価した。
【0050】(a)吸収倍率 得られた樹脂粉末Aまたは吸水剤(1)約0.2gを不
織布性のティーバッグ式袋(40mm×150mm)に均一
に入れ、0.9%食塩水に浸漬し、30分後の重量を測
定した。ティーバッグ式袋のみの吸液重量をブランクと
して、下記数式1に従って吸水剤(1)の吸水倍率を算
出した。
【0051】
【数1】
【0052】(b)吸引力 テッシュペーパー(55mm×75mm)の上に人工尿20
ml(組成:尿素1.9%、NaCl 0.8%、CaC
0.1%およびMgSO 0.1%)を加えて
人工尿を含んだ基材を作成し、その基材の上に、高吸水
性樹脂粉末Aまたは吸水剤(1)の0.1gを置いた。
10分後に膨潤ゲルを採取して、その重量を測定するこ
とにより、ティッシュペーパーからの液の吸引力とし
た。また、同時に加えた高吸水性樹脂粉末Aまたは吸水
剤(1)のママコの有無を観察した 。(c)加圧下吸収性 図5に示す装置を用いて加圧下吸収性を測定した。ビュ
レット21の上口22に栓23をし、測定台24と空気
口25を等位置にセットした。測定台24中の直径70
mmのガラスフィルター(No.1)26上に濾紙、高吸
水性樹脂粉末Aまたは吸水剤(1)0.2gおよび濾紙
27を載せ、さらに20g/cmのおもり28を載
せ、その後60分にわたって吸収した人工尿の量(m
l)として加圧下吸収性(ml/g)を下記数式2によ
り算出した。
【0053】
【数2】
【0054】(d)粘度 70mmのJIS標準フルイの網目が20メッシュ、10
0メッシュと受け皿の3種類の分級皿を重ね、その上
に、得られた高吸水性樹脂粉末A、または吸水剤(1)
を30g入れて分級器で10分間振盪させた後、分級物
の秤量をして、重量%で表わした。
【0055】表1に結果を示すが、高吸水性樹脂粉末A
に比べ、吸水剤(1)は加圧下吸収性が著しく改善され
かつ微粉末(100メッシュ通過量)の少ない取扱いの
容易な吸水剤が得られた。なお、加圧下吸収速度は、図
6に示すとうりであった。
【0056】比較例1 実施例1で得られた樹脂粉末A100部にグリセリン
0.5部および水10部よりなる液状物Bをパドル型混
合機で混合し、得られた混合物を実施例1と同様に処理
して、比較吸水剤(1)を得た。得られた比較吸水剤
(1)について実施例1と同様に評価した。
【0057】表1に結果を示すが、比較吸水剤(1)は
高吸水性樹脂粉末Aに比べ、吸収力は改善されてはいる
が、吸水剤(1)に比べて加圧下吸収性および粘度が劣
っていた。なお、加圧下吸収速度は、図6に示すとうり
であった。
【0058】実施例2 実施例1で得られた高吸水性樹脂粉末A100部に、グ
リセリン0.5部および水10部よりなる液状物Bを、
以下の方法で混合した。すなわち、図2に示す装置にお
いて、投入部材13より高吸水性樹脂粉末Aを円筒体1
0内に投入するとともに、パイプ14を経てノズル15
より前記液状物Bを噴霧しながら空圧配管18を経てノ
ズル19より圧縮空気を吹き付け、樹脂粉末Aをこの気
流の作用により下方に流下させた。このとき樹脂粉末A
と気流との混合比は1kg/Nmであった。また、滞
留時間は10秒であった。このようにして得られた混合
物を実施例1と同様に処理して吸水剤(2)を得た。得
られた吸水剤(2)について、実施例1と同様にして評
価した。その結果を表1に示す。
【0059】実施例3 実施例1において、グリセリン0.5部および水5部よ
りなる液状物B−1を用いた以外は実施例1と同様の操
作を行い吸水剤(3)を得た。得られた吸水剤(3)に
ついて、実施例1と同様にして評価し、その結果を表1
に示す。
【0060】比較例2 実施例3において、高吸水性樹脂粉末Aと液状物B−1
をパドル型混合機で混合した以外は実施例3と同様の操
作を行い、比較吸水剤(2)を得た。得られた比較吸水
剤(2)について、実施例1と同様にして評価し、その
結果を表1に示す。
【0061】実施例4 実施例1で得られた高吸水性樹脂粉末A100部に、グ
リセリン0.5部および水20部よりなる液状物B−2
を、以下の方法で混合した。すなわち、図4に示す装置
において、投入部材13より高吸水性樹脂粉末Aを円筒
体10内に投入するとともに、ノズル33から液状物B
−2を噴霧しながら、空圧配管18を経てノズル19よ
り圧縮空気を吹き付け、樹脂粉末Aをこの空気流の作用
により下方に流下させた。このようにして得られた混合
物を実施例1と同様に加熱処理して吸水剤(4)を得
た。得られた吸水剤(4)について、実施例1と同様に
して評価した。その結果を表1に示す。
【0062】実施例5 実施例1で得られた高吸水性樹脂粉末A100部は、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル0.5部および
水10部からなる液状物B−3を、図1に示す装置を用
いて混合し、加熱処理した後、20メッシュ金網でフル
イ分けし、未通過物はロールミル型整粒機で粉砕して全
量を20メッシュ通過物として吸水剤(5)を得た。
【0063】すなわち、図1に示す装置において、投入
部材13より高吸水性樹脂粉末Aを円筒体10内に投入
するとともに、パイプ14を経てノズル15より前記液
状物B−3を噴霧した。このノズル15から噴霧された
微細な液滴は、円筒体10の下方に向かうにしたがっ
て、拡散しつつ噴霧力と自重により流下し、前記樹脂粉
末Aと液状物B−3とは並流状態で接触し、樹脂粉末A
に付着した液状物B−3の液滴を媒体として、複数の樹
脂粉末Aの表面上に液状物B−3が均一に分散された混
合物となった。得られた混合物をベルトコンベアーにう
すくのせ、赤外線乾燥機中を通過させて加熱処理を行い
吸水剤(5)を得た。このとき平均加熱時間は10分で
乾燥機出口での取り出し材料温度は120℃であった。
得られた吸水剤(5)について実施例1と同様にして評
価した。その結果を表1に示す。
【0064】実施例6 実施例1で得られた高吸水性樹脂粉末A100部にグリ
セリン0.5部および水60部からなる液状物B−4を
実施例1と同様に混合し、加熱処理して吸水剤(6)を
得た。得られた吸水剤(6)について実施例1と同様に
して評価した。その結果を表1に示す。
【0065】実施例7 実施例1においてニーダー内でアクリル酸1460部お
よび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸220部を蒸留水2970部に溶解し、炭酸ナトリウ
ム850部を加え中和し、N,N´−メチレンビスアク
リルアミド1.0部を加え溶解させた。以後の操作は実
施例1と同様に行い、含水ゲル状重合体を得た。得られ
た含水ゲル状重合体を、熱風乾燥機で乾燥後、実施例1
と同様に粉砕、分級して20メッシュ通過物(高吸水性
樹脂粉末B)を得た。この高吸水性樹脂粉末B100部
にグリセリン0.5部および水10部からなる液状物B
を実施例1と同様にして、混合し加熱処理して吸水剤
(7)を得た。得られた吸水剤(7)について実施例1
と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
【0066】実施例8 攪拌機、還流冷却機、温度計、窒素ガス導入管および滴
下ろうとを付した500mlの四つ口セパラブルフラスコ
にシクロヘキサン250mlをとり、分散剤としてソルビ
タンモノステアレート(HLB4.7)2.0gを加え
て溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追いだし
た。別にフラスコ中にアクリル酸ナトリウム28.2
g、アクリル酸7.21gおよびメチレンビスアクリル
アミド0.004gをイオン交換水65.79gに溶解
し、次いで過硫酸カリウム0.05gを加えて溶解させ
た後、窒素ガスを吹き込んで水溶液内に溶存する酸素を
追いだした。
【0067】次いで、このフラスコ内の単量体水溶液を
上記セパラブルフラスコに加えて、250r.p.m.で攪拌
することにより分散させた。その後、浴温を60℃に昇
温して重合反応を開始させた後、2時間この温度を保持
して重合を完了した。重合終了後、共沸脱水により大部
分の水を留去して、重合体のシクロヘキサン懸濁液を得
た。この懸濁液を濾過して、高吸水性樹脂粉末Cを得
た。この樹脂粉末Cを実施例1と同様に液状物Bと混合
し加熱処理して吸水剤(8)を得た。得られた吸水剤
(8)について評価した結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】表1に示した結果から明らかなように本発
明の製造方法によって得られた吸水剤はママコになら
ず、かつ大きな吸引力および加圧下吸収性を有する吸水
能力の優れた高吸水性樹脂である。さらに微粉末の10
0メッシュ通過量が少なく、作業性が良いことが判る。
【0070】(粒子の強度試験)実施例1において得ら
れた高吸水性樹脂粉末Aおよび吸水剤(1)と比較例1
で得られた比較吸水剤(1)について、これらを各々3
0gずつ100mlマヨネーズびんに直径5mmのガラス球
5gと共に仕込んでペイントシェイカーで30分間振盪
させた。振盪させた後の各々の粒度について調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】本発明で得られた吸水剤は振動および磨耗
に対する強度の強いものであることが判る。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、下端が開
口された筒状体の上部から官能基を有する高吸水性樹脂
粉末を投入するとともに、該筒状体の上部から下部に向
けて該高吸水性樹脂の2個以上の官能基と反応し得る基
を有する化合物の液状物を液滴状にして噴霧し、該筒状
体の下部に向かって流下する前記高吸水性樹脂粉末と、
該筒状体の下部に向かって径方向に拡散しつつ流下する
該液滴とを相互に並流状態で接触させ、該液滴が均一に
吸着された高吸水性樹脂粉末を該筒状体の下部から取出
し、次いで取出された該高吸水性樹脂粉末を40℃以上
の温度で加熱処理することを特徴とする高吸水性樹脂の
製造方法であるから、得られる高吸水性樹脂は、水性液
体と接した際の吸収倍率や加圧下吸収性および水性液体
を含んだ基材からの水分の吸引力のいずれにも優れるも
のである。
【0074】また本発明方法は、親水性有機溶媒を使用
しない場合でも実施できるため、工業的に安全かつ経済
性の優れた製造方法を提供するものである。さらに、本
発明で得られた高吸水性樹脂は、高品質の所望の範囲内
の粒度を有するものであり、微粉末が含まれなくなるこ
とから、高吸水性樹脂粉末の使用に際して粉塵の発生や
作業環境の悪化等がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の実施態様に係る高吸水性樹脂の製造
方法を行うための装置を示す断面図。
【図2】は気流によって高吸水性樹脂粉末を分散投入す
るようにした実施態様に係る製造方法を行うための装置
を示す断面図。
【図3】は気流によって高吸水性樹脂粉末を分散投入す
るようにした実施態様に係る製造方法を行うための装置
の一変形例を示す断面図。
【図4】は本発明の他の実施態様に係る製造方法を行う
ための装置を示す断面図。
【図5】は高吸水性樹脂の加圧下吸収性を測定するため
の装置の概略断面図である。
【図6】は高吸水性樹脂の加圧下吸収速度を示すグラフ
である。
【符号の説明】
10・・・円筒体(筒状体)、11・・・開口部、1
2,16・・・分散板、13・・・投入部材、14・・
・パイプ、15,33・・・ノズル、18・・・空圧配
管、19・・・圧縮空気ノズル、21・・・ビュレッ
ト、23・・・栓、25・・・空気口、24・・・測定
台、28・・・おもり。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 265/06 A61F 13/18 307A C08J 3/12 (72)発明者 入江 好夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社 姫路 研究所内 (72)発明者 藤原 晃明 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社 姫路 研究所内 (72)発明者 秋久 和己 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社 姫路 製造所内 (72)発明者 神崎 修二 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社 姫路 製造所内 (56)参考文献 特開 平2−196802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 C08J 3/12 C08F 265/00 - 265/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁温度が50〜200℃に保持されて
    なる下端が開口された筒状体の上部から官能基を有する
    高吸水性樹脂粉末を投入するとともに、該筒状体の上部
    から下部に向けて該高吸水性樹脂の2個以上の官能基と
    反応し得る基を有する化合物の液状物を微細液滴状に噴
    霧して、該筒状体の下部に向って流下する前記高吸水性
    樹脂粉末と、該筒状体の下部に向って径方向に拡散しつ
    つ流下する該液滴とを相互に並流状態で接触させ、該液
    滴が均一に吸着された該高吸水性樹脂粉末を該筒状体の
    下部から取出し、ついで取出された該高吸水性樹脂粉末
    を40℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする高
    吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 微細な液滴が2流体ノズルで吸水性樹脂
    に混合される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該筒状体が円筒状である請求項1に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 該液滴を該筒状体の上部中央に位置する
    ノズルから下方に向けて噴霧し、また該高吸水性樹脂粉
    末を該ノズルの外側から下方に向けて投入してなる請求
    項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該液滴を該筒状体の上部内壁面に設けら
    れたノズルから下方に向けて噴霧し、また該高吸水性樹
    脂粉末を該筒状体上部中心から下方に向けて投入してな
    る請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該高吸水性樹脂粉末は気流によって供給
    されてなる請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該高吸水性樹脂粉末と該気流との混合比
    が0.1〜5kg/Nmである請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 該筒状体内での該気流の滞留時間が0.
    1〜30秒である請求項4に記載の方法。
  9. 【請求項9】 吸水性樹脂粉末を投入する筒体の内壁を
    50〜200℃に保温することを特徴とする吸水性樹脂
    粉末の筒内内壁への付着防止方法。
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