JP3016719U - 翼付注射針組立体及び注射針組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 針から針キャップを取りはずす際等に、作業
者が誤って針を指に穿さないようにする。 【構成】 針管４を植設した針基５の外周に二枚の翼６
を装着した翼付注射針２と針キャップ３とから構成され
る。針キャップ３は中腹部より後方に亘って切欠部８が
形成され、切欠部８は切欠壁部９を切欠頂部１０から切
欠底部１１に向けて緩やかに拡径するように形成し、切
欠部８は開口面積を切欠頂部１０から切欠底部１１に向
けて大きくなるように形成し、翼付注射針２は、針基５
を前記切欠部８付近の針キャップ３の空間内に配置し、
前記二枚の翼６を上方に折り重ねて、翼６の針基５に近
い箇所を前記切欠壁部９に当接して針キャップ３に固定
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は注射針、輸血・輸液セットの針、静注針、留置針等を使用する時に、 針から針キャップを取りはずす際あるいは針を針キャップに収納する際に、作業 者が誤って針を指に穿さないようにした翼付注射針組立体と注射針組立体の改良 に関する。

【０００２】

【従来技術及び考案が解決しようとする課題】

切欠溝を形成して、切欠溝から針管を針キャップ内に収納するように形成した 針キャップが実開昭６０−５５４４８号、実開昭６０−１８７７３５号、実開昭 ６３−１５４０３８号、実開昭６４−３４０４１号に記載されているが切欠部は 開口面積が小さく針基の外周に翼を装着した翼付注射針を固定することができな かった。 また実開昭６０−１８７７３５号の第５図には切欠部の両側に針キャップの天 面よりも高い壁を形成した針キャップが記載されているが、翼付注射針を針キャ ップに固定する際にかさばって障害となるので作業が実施しにくかった。 また前記４件の公開実用新案公報に記載の針キャップは針基の小径部を針キャ ップに固定するのみであるから、針キャップに針基を固定した後の安定が悪く、 針キャップが外れて針管が露出するおそれがあった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

［１］ 針管４を植設した針基５の外周に二枚の翼６を装着した翼付注射針２と 針キャップ３とから構成され、 針キャップ３は中腹部より後方に亘って切欠部８が形成され、切欠部８は切欠 壁部９を切欠頂部１０から切欠底部１１に向けて緩やかに拡径するように形成し 、 切欠部８は開口面積を切欠頂部１０から切欠底部１１に向けて大きくなるよう に形成し、 翼付注射針２は、針基５を前記切欠部８付近の針キャップ３の空間内に配置し 、前記二枚の翼６を上方に折り重ねて、翼６の針基５に近い箇所を前記切欠壁部 ９に当接して針キャップ３に固定した、翼付注射針組立体１を提供する。 ［２］ 針キャップ３に代えて、切欠壁部９に沿ってガイド壁部２４を形成した 針キャップ２３に、翼付注射針２を固定した［１］記載の翼付注射針組立体１を 提供する。 ［３］ 針キャップ３（２３）の外周の長さ１００に対して切欠壁部９付近の切 欠幅の長さを１５〜３０、好ましくは２０〜２５に形成した、［１］ないし［２ ］記載の翼付注射針組立体１を提供する。 ［４］ 針管３４を植設した針基３５と針キャップ３３とから構成され、 針キャップ３３は中腹部より後方に亘って切欠部３８が形成され、切欠部３８ は切欠壁部３９を切欠頂部４０から切欠底部４１に向けて緩やかに拡径するよう に形成し、 切欠部３８は開口面積を切欠頂部４０から切欠底部４１に向けて大きくなるよ うに形成し、 前記針基３５の大径部３５ａは前記切欠部３８付近の針キャップ３３の空間内 に配置し、前記切欠壁部３９に当接して針キャップ３３に固定した、注射針組立 体３１を提供する。 ［５］ 針キャップ３３の外周の長さ１００に対して切欠壁部３９付近の切欠幅 の長さを３０〜５０、好ましくは３５から４５に形成した、［４］記載の注射針 組立体３１を提供する。

【０００４】

【実施例】

図１は本考案の翼付注射針組立体１の概略図で、翼付注射針組立体１は、針管 ４を植設した針基５の外周に二枚の翼６を装着した翼付注射針２と針キャップ３ とから構成されている（図２は図１の針キャップ３の平面図で、図３は図２のＡ −Ａ断面図である）。 針キャップ３は、中腹部から後方に亘って切欠部８が形成され、切欠部８は切 欠壁部９を切欠頂部１０から切欠底部１１に向けて、緩やかに拡径するように形 成している。切欠部８の開口面積は切欠頂部１０、切欠壁部９、切欠底部１１の 順に次第に大きくなるように形成されている。 翼付注射針２は、針基５を前記切欠部８付近の針キャップ３の空間内に配置し 、二枚の翼６を上方に折り重ねて、翼６の針基５に近い箇所を前記切欠壁部９に 当接して、針キャップ３に固定される。

【０００５】 また図４の針キャップ２３は、前記針キャップ３の切欠壁部９に沿って、さら にガイド壁部２４を形成したものである（図５は図４のＢ−Ｂ断面図である）。 翼付注射針組立体１の場合、針キャップ３（２３）の外周の長さ１００に対し て切欠壁部９付近の切欠幅の長さを１５〜３０、好ましくは２０〜２５に形成す るのが良い。１５以下では切欠幅が狭すぎて翼６が固定できず、３０以上では切 欠幅が広すぎて翼６の固定が緩くなりすぎるので好ましくない。

【０００６】 翼付注射針組立体１は例えば図６のように針基５を針キャップ３方向にスライ ドさせて図１のように組み立てても良いし、図７のように針管４の先端を針キャ ップ３の空間内に入れ、針基５を下方に押して図１のように組み立てても良い。

【０００７】 図８は本考案の注射針組立体３１の概略図で、注射針組立体３１は針管３４を 植設した針基３５と針キャップ３３とから構成される。 針キャップ３３は実質的に前記針キャップ３と同様に形成されるが、前記翼付 注射針２の針基５と比較して大径に形成された針基３５の大径部３５ａを、針キ ャップ３３の切欠壁部３９に固定しやすいように、前記針キャップ３の切欠部８ と比較して開口面積の大きな切欠部３８と、前記針キャップ３の切欠壁部９と比 較して切欠頂部４０から切欠底部４１の勾配を急にした切欠壁部３９を形成して いる点で特徴を有する。注射針組立体３１は前記図６、図７と同様に組み立てる ことができる。注射針組立体３１の場合、針キャップ３３の外周の長さ１００に 対して切欠壁部３９付近の切欠幅の長さをを３０〜５０、好ましくは３５から４ ５に形成するのが良い。３０以下では切欠幅が狭すぎて針基３５の大径部３５ａ が固定しにくく、５０以上では切欠幅が広すぎて、針基３５の大径部３５ａの固 定が緩くなりすぎるので好ましくない。

【０００８】

【考案の作用効果】

本考案の翼付注射針組立体は、翼６を上方に折りたたんだ状態で針基５を針 キャップ３に容易に固定することができ、翼６が元の形状に戻ろうとする反発力 で針キャップ３の切欠壁部９に圧着されるので針基５を針キャップ３に安定して 固定することができる。 針キャップ３から針基５を取り外すには翼６を指でつまんで針キャップ３と 反対方向に引き抜くのみで容易に行うことができ、引き抜きの反動で針管で指を 穿すおそれはない。本考案の注射針組立体３１は針基３５の大径部３５ａを針 キャップ３３にしっかり固定できるので、針キャップ３３が外れて針管３４が露 出して作業者を傷つけるおそれはない。翼付注射針組立体１、注射針組立体３ １の針管４、３４を患者に穿刺した後、針キャップ３（２３）、３３を被冠する に際しては、翼６、針基３５を持って、針管４、３４の先端を針キャップ３（２ ３）、３３内の溝（空間）にあてがって、前方にスライドするか針基５、３５を 下方に押しつけて針管４、３４の先端を前方に進めて針キャップ３（２３）、３ ３内に収納することにより針刺し事故を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の翼付注射針組立体の概略図

【図２】図１の針キャップの平面図

【図３】図２のＡ−Ａ断面図

【図４】図２のその他の実施例を示す平面図

【図５】図４のＢ−Ｂ断面図

【図６】図１の使用状態図

【図７】図１の使用状態図

【図８】本考案の注射針組立体の概略図

【符合の説明】

１ 翼付注射針組立体 ２ 翼付注射針 ３、２３、３３ 針キャップ ４、３４ 針管 ５、３５ 針基 ６ 翼 ７、３７ チューブ ８、３８ 切欠部 ９、３９ 切欠壁部 １０、４０ 切欠頂部 １１、４１ 切欠底部 ２４ ガイド壁部 ３１ 注射針組立体 ３２ 注射針 ３５ａ 大径部（針基）

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 針管４を植設した針基５の外周に二枚の
   翼６を装着した翼付注射針２と針キャップ３とから構成
   され、 針キャップ３は中腹部より後方に亘って切欠部８が形成
   され、切欠部８は切欠壁部９を切欠頂部１０から切欠底
   部１１に向けて緩やかに拡径するように形成し、 切欠部８は開口面積を切欠頂部１０から切欠底部１１に
   向けて大きくなるように形成し、 翼付注射針２は、針基５を前記切欠部８付近の針キャッ
   プ３の空間内に配置し、前記二枚の翼６を上方に折り重
   ねて、翼６の針基５に近い箇所を前記切欠壁部９に当接
   して針キャップ３に固定した、ことを特徴とする翼付注
   射針組立体１。
2. 【請求項２】 針キャップ３に代えて、切欠壁部９に沿
   ってガイド壁部２４を形成した針キャップ２３に、翼付
   注射針２を固定した請求項１記載の翼付注射針組立体
   １。
3. 【請求項３】 針キャップ３（２３）の外周の長さ１０
   ０に対して切欠壁部９付近の切欠幅の長さを１５〜３
   ０、好ましくは２０〜２５に形成した、ことを特徴とす
   る請求項１ないし請求項２記載の翼付注射針組立体１。
4. 【請求項４】 針管３４を植設した針基３５と針キャッ
   プ３３とから構成され、 針キャップ３３は中腹部より後方に亘って切欠部３８が
   形成され、切欠部３８は切欠壁部３９を切欠頂部４０か
   ら切欠底部４１に向けて緩やかに拡径するように形成
   し、 切欠部３８は開口面積を切欠頂部４０から切欠底部４１
   に向けて大きくなるように形成し、 前記針基３５の大径部３５ａは前記切欠部３８付近の針
   キャップ３３の空間内に配置し、前記切欠壁部３９に当
   接して針キャップ３３に固定した、ことを特徴とする注
   射針組立体３１。
5. 【請求項５】 針キャップ３３の外周の長さ１００に対
   して切欠壁部３９付近の切欠幅の長さを３０〜５０、好
   ましくは３５から４５に形成した、ことを特徴とする請
   求項４記載の注射針組立体３１。