JP3016470U - 小形ガスボンベ用安全蓋兼用残留ガス排出蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形ガスボンベのノズル部分に使用する蓋
で、ガス使用前はガス漏れ防止のための安全蓋となり、
ガス使用後の廃棄する際は安全処理できるように残留ガ
スを抜く排出蓋となる。 【構成】 弾力性プラスチックで構成した有底状円筒体
１の両端の外周に、ガスボンベ１１の昇降ノズル１０周
辺の口金９部分に嵌着するための凸縁５を設け、有底端
面側には、ガスボンベ１１の昇降ノズル１０の外形より
も小径の残留ガス排出用細孔４を中心部に穿設した押圧
面３を有する押圧体２を内側に向けて突出させ、有底端
側の凸縁５部分から側周の長手方向に連続する切りこみ
８を設けて、側面の１部が離れて外側に屈曲する複数の
折曲部６に構成すると共に、この折曲部６の端部は凸縁
５よりも外側に突出する突出縁７に形成し、前記押圧面
３は、有底端面側を前記口金９部分に嵌着した時は昇降
ノズル１０を押し下げ、開口端側を口金９部分に嵌着し
た時は昇降ノズル１０に接触しない位置に設けたことを
特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、小形ガスボンベのノズル部分に着脱できるように嵌着し、嵌着方向 を変えることにより、ガス使用前はガス漏れ防止の安全蓋となり、ガス使用後の 廃棄する際は安全処理するための残留ガス抜きの排出蓋となる小形ガスボンベ用 の兼用蓋に関する。

【０００２】 ［従来の技術］ 従来の小形ガスボンベ用安全蓋は、図６に例示するように開口側に凸縁５を有 する有底円筒体１２で形成され、凸縁５をガスボンベ１１の口金９に嵌着して下 降した時封入ガスを噴出する昇降ノズル１０を被覆し、外部から押圧力が昇降ノ ズル１０に加わることを防止していた。

【０００３】 ［考案が解決しようとする課題］ 近年、廃棄物の処理及び資源の再利用が社会的重要課題になつている。こうし た状況下において、使用後に廃棄された小型ガスボンベを処理し再利用する過程 で残留ガスは危険発生の要因となるので、廃棄する際に残留ガスを抜くことが推 進されている。これに対応して、使用後の小形ガスボンベの残留ガスを排出させ るためのガス抜き具が多種開発されているが、いずけも小形ガスボンベに付属す る専用の簡単なものではなく、全く別個に道具として構成された高価な金属缶用 の孔明け器である。

【０００４】 従来の小形ガスボンベ用安全蓋は、昇降ノズルに外力が加わらないように被覆 してガス漏れを防止するだけの構造であり、ガスボンベに付属する専用の残留ガ ス抜きを兼ねたものではなかった。

【０００５】 ［課題を解決するための手段］ 本考案は、小形ガスボンベに使用し、ガス漏れ防止の安全蓋と残留ガス抜きの 残留ガス排出蓋とを兼用するものである。即ち、弾力性プラスチックで構成した 有底状円筒体の両端の外周に、ガスボンベの昇降ノズル周辺の口金部分に嵌着す るための凸縁を設け、有底端面側には、ガスボンベの昇降ノズルの外形よりも小 径の残留ガス排出用細孔を中心部に穿設した押圧面を有する押圧体を内側に向け て突出させ、有底端側の凸縁部分から側周の長手方向に連続する切りこみを設け て、側面の１部が離れて外側に屈曲する複数の折曲部に構成すると共に、この折 曲部の端部は凸縁よりも外側に突出する突出縁に形成し、前記押圧面は、有底端 面側を前記口金部分に嵌着した時は昇降ノズルを押し下げ、開口端側を口金部分 に嵌着した時は昇降ノズルに接触しない位置に設けたことを特徴としている。

【０００６】 また、前記折曲部を複数箇所に略等間隔で設けることも、この折曲部の端部の 突出縁を長手方向に有底端面よりも突出させて操作を容易にすることもできるも のである。

【０００７】 ［作用］ 図４及び図５により本考案の作用を説明する。ガス使用前は図４に示す如く有 底状円筒体１の開口側を、端部外周の凸縁５により小形ガスボンベ１１の口金９ 等のノズル部分に嵌着する。この場合、内部の押圧体２の押圧面３は昇降ノズル １０に当接しないので、ガスストップした状態の昇降ノズル１０を被覆すること になり、使用前のガス漏れを防止する安全蓋となる。

【０００８】 ガス使用後に廃棄する際は、先ず、有底状円筒体１の有底側端部の突出縁７を 外側に引くことにより、複数の折曲部６それぞれ外側に屈曲して開く。この際、 突出縁７の先端を長手方向に突出させて置くことにより引き出しが容易となる。 次に、折曲部６を開いた状態で、図５に示す如く有底状円筒体１を上下逆にして 、押圧体２側を端部外周の突縁５により小形ガスボンベ１１の口金９等のノズル 部分に嵌着する。この場合、有底状円筒体１を押し嵌めることにより、内部に設 けた押圧体２の押圧面３が昇降ノズル１０に当接して昇降ノズル１０を押し下げ るので、小形ガスボンベ１１内のガスは排出し、押圧面３の中心部に昇降ノズル １０の外形よりも小径に穿設された残留ガス排出孔４から外部に放出される。有 底状円筒体１は嵌着した後、端部の凸縁５により嵌着状態を持続するので、小形 ガスボンベ１１内の残留ガスを完全に放出する残留ガス排出蓋となる。

【０００９】 折曲部６の端部の突出縁７は、凸縁５よりも外側に突出しているので、折曲部 ６を屈曲して外側に開かない限り小形ガスボンベ１１の口金９に嵌まらない。従 って、不用意に誤って排出蓋として嵌着することを防止し、ガス漏れの危険を未 然に防ぐことができる。

【００１０】 ［実施例］ 図１及び図２、図３に示す実施例について説明する。弾力性プラスチックで構 成した有底状円筒体１は、小形ガスボンベ１１の昇降ノズル１０周辺の口金９部 分に嵌着するための上下両端の外周に凸縁５を設け、有底端面側には、小形ガス ボンベ１１の昇降ノズル１０の外形よりも小径の残留ガス排出用細孔４を中心部 に穿設した押圧面３を有する押圧体２を、内側に向けて突出させる。有底端側に は凸縁５部分から側周の長手方向に連続する切りこみ８を設けて、残留ガスの排 出蓋として使用する時、有底端側側面の１部が離れて外側こ屈曲する折曲部６に 構成する。この折曲部６は略等間隔に複数箇所に設けると、排出蓋として嵌着す る際は安定して固定できる。また、折曲部６の端部は、外周方向には凸縁５より も外側に突出し、長手方向には有底側端面よりも突出する突出縁７に形成するこ とにより、外周方向への突出は折曲部６を外側に開かない状態で不用意に排出蓋 として使用することを防止し、長手方向の突出は折曲部６を外側方向に引いて屈 曲する際に有効となる

【００１１】 前記の内側方向に突出する押圧面３は、有底端側の側周の折曲部６を外側に屈 曲させて開いた後、有底端面側を小形ガスボンベ１１の昇降ノズル１０周辺の口 金９部分に嵌着した時は、昇降ノズル１０を押しドげて内部の残留ガスを排出し 、また、開口端側を口金９部分に嵌着した時は、昇降ノズル１０に接触しない位 置に設ける。

【００１２】 ［考案の効果］ 本考案は、小形ガスボンベに使用するもので、ガス使用前は従来の安全蓋と同 様にガス漏れ防止の安全蓋として使用し、ガス使用後の廃棄の際は上下逆にして 嵌着することにより、残留ガス排出蓋として使用することができるものである。 従って、ガスボンベの使用において、使用前は昇降ノズルへの接触を防止してガ ス漏れを防ぐので安全となり、使用後におけるガスボンベの廃棄物処理及び再利 用においては、穿孔用具等を使用しなくても残留ガスを完全に排除させるので、 危険を防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例の１部切開正面図である。

【図２】図１に示す実施例の側面図である。

【図３】図１に示す実施例の平面図である。

【図４】本考案をガス使用前にガス漏れ防止のため、小
形ガスボンベに安全蓋として嵌着した状態のノズル部分
の縦断面図である。

【図５】本考案をガス使用後に残留ガス排出のため、小
形ガスボンベに排出蓋として嵌着した状態のノズル部分
縦断面図である。

【図６】従来の小形ガスボンベ用安全蓋を小形ガスボン
ベに嵌着した状態のノズル部分縦断面図である。

【符号の説明】

１ 有底状円筒体 ２ 押圧体 ３ 押圧面 ４ 残留ガス排出用細孔 ５ 凸縁 ６ 折曲部 ７ 突出縁 ８ 切りこみ ９ 口金 １０ 昇降ノズル １１ 小形ガスボンベ １２ 有底円筒体

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾力性プラスチックで構成した有底状円
   筒体１の両端の外周に、ガスボンベ１１の昇降ノズル１
   ０周辺の口金９部分に嵌着するための凸縁５を設け、有
   底端面側には、ガスボンベ１１の昇降ノズル１０の外形
   よりも小径の残留ガス排出用細孔４を中心部に穿設した
   押圧面３を有する押圧体２を、内側に向けて突出させ、
   有底端側の凸縁５部分から側周の長手方向に連続する切
   りこみ８を設けて、側面の１部が離れて外側に屈曲する
   折曲部６に構成すると共に、この折曲部６の端部は凸縁
   ５よりも外側に突出する突出縁７に形成し、前記押圧面
   ３は、有底端面側を前記口金９部分に嵌着した時は昇降
   ノズル１０を押し下げ、開口端側を口金９部分に嵌着し
   た時は昇降ノズル１０に接触しない位置に設けたことを
   特徴とする小形ガスボンベ用安全蓋兼用残留ガス排出
   蓋。
2. 【請求項２】 請求項１の折曲部６は、複数箇所に略等
   間隔で設けたことを特徴とする請求項１の小形ガスボン
   ベ用安全蓋兼用残留ガス排出蓋。
3. 【請求項３】 請求項１の折曲部６の端部に設ける突出
   縁７は、長手方向に有底端面よりも突出させたことを特
   徴とする請求項１の小形ガスボンベ用安全蓋兼用残留ガ
   ス排出蓋。