JP3016429U - ホース継手装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の流体用のホース相互を突き合せ端部の
位置合せを視認しながら簡単、確実に接続でき、また、
流体の内部圧力が損失しないようにする。 【構成】 接続すべきホースＰ１，Ｐ２夫々の内径に等
しい内径の筒部２の外表面に、この筒部２の端部側から
中央部に至るに伴ない外径が次第に大きくなるようなテ
ーパー面３を前後に対称的に形成し、ホースＰ１，Ｐ２
相互に跨がってホースＰ１，Ｐ２を強制的に拡開しなが
ら端部内に挿入配装する中央内装筒体１を形成する。ホ
ースＰ１，Ｐ２夫々の端部外側を囲繞して中央内装筒体
１と共にホースＰ１，Ｐ２夫々の管壁を押圧するよう配
装した一対の外装筒体５を設ける。また、外装筒体５相
互を夫々に跨がって捩じ止め締結する中央締結体１０を
設け、この中央締結体１０の中央部にはホースＰ１，Ｐ
２相互の突き合せ端部を外部から視認する視認孔１４を
開穿する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、主として各種の空気圧機器に所定圧力の圧縮空気を供給するフレ キシブルなエアホースを接続するもので、ホースリール等に卷回収納されるとき の卷回容易性を損なわず、また、供給する圧縮空気の圧力損失がないようにした ホース継手装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、各種の空気圧機器用のエアホース等の接続に際し種々のホース継手 が使用されており、例えば筒体の外周表面に複数の係合突部をリング山形状に形 成した接続部を左右対称に配して成る接続プラグを用意しておき、接続部にホー スを強制的に嵌め合わせ、ホース外側からバンドによって締め付けるものがある 。また、同様な係合突部をリング山形状に形成したプラグと、筒体の内周面に係 合突部に係合する係合凹所を形成したソケットとを用意し、接続すべきホース夫 々に連結したプラグ、ソケット相互を噛み合わせることで連結するものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上述したいずれの継手のものも接続部分においてフレキシブルなホ ース自体を剛性化するために、例えばホースリールに卷回収納するときにその接 続部分の巻き径が小さくならずに大きくなる等の取扱いが不便なものとなった。 また、その際、卷回するときの接続部分の端部においてホースを強制的に折り曲 げることになると、その折り曲げ部分が切裂する等の危険性もあった。そればか りでなく、継手金具の外表面が卷回されるホースの他の部分に接触することにな ると、継手金具自体の凹凸外表面がホース表面を損傷させ、ひいては切裂させる 虞れも十分にあった。

【０００４】 更には、従来の継手部品は、ホースの内外からホースの管壁を押圧することで 連結させるから、接続後の継手部位の内部には継手部品が内方に突出状に存在す る琴になり、そのため圧縮空気等の供給に際し圧力損失が生じ、所定圧力の空気 圧が十分に得られない欠点があった。

【０００５】 また、コンプレッサ等の空気圧源と空気圧作業場所との間にホースリールを介 在させることで空気圧作業場所の遠近に対応してホースの巻き取り、引き出しを 行なうとき、その繰り返し等に伴ない生じる損耗によってホース自体が切断され ることがある。この切断の補修に上述した従来の継手金具を使用するには、継手 部品とホース自体との連結も煩わしく、場合によってホースリールそのものを交 換することもあったために資源的にも無駄なものであった。

【０００６】 そこで、この考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、 例えば空気圧を供給するエアーホースを簡単に接続でき、しかも、接続作業時に おけるホースの端縁相互間の位置合せを視認しながら確実に行なえ、また、供給 する空気圧等の流体の内部圧力を損失させないばかりでなく、接続後の継手部位 が小さくコンパクトに纏められて卷回収納する際のフレキシブル性を損なわず、 ホースリールからの引き出し、ホースリール内への巻き取りも容易にし、更には 空気圧のみならず各種流体の供給用のホースの接続に使用できる等の汎用性に優 れたホース継手装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するため、この考案にあっては、相互に接続されるホース Ｐ１，Ｐ２夫々の端部の接続部分内側でホースＰ１，Ｐ２相互に跨がってホース Ｐ１，Ｐ２を強制的に拡開しながら端部内に挿入配装される中央内装筒体１と、 同じくホースＰ１，Ｐ２夫々の端部外側を囲繞して中央内装筒体１と共にホース Ｐ１，Ｐ２夫々の管壁を押圧するよう配装される一対の外装筒体５と、この外装 筒体５相互を夫々に跨がって捩じ止め締結する中央締結体１０とを備えて成るこ とを特徴とする。

【０００８】 中央内装筒体１は、内径が接続すべきホースＰ１，Ｐ２夫々の内径にほぼ等し くされた筒部２の外表面に、この筒部２の端部側から中央部に至るに伴ない外径 が次第に大きくなるようなテーパー面３を前後に対称的に形成して、また、外装 筒体５は、接続すべきホースＰ１，Ｐ２の外径に比し小さくはない内径の筒部６ の前後いずれか一方の外側面にオネジ７を形成して、更に、中央締結体１０は、 外装筒体５のオネジ７に捩じ止めされるメネジ１２を前後両端部の内側に形成し た筒部１１のほぼ中央部にホースＰ１，Ｐ２相互の突き合せ端部面位置を視認す る適数個の視認孔１４を開穿して、夫々構成することができる。

【０００９】

【作用】

この考案に係るホース継手装置にあって、接続すべきホースＰ１，Ｐ２相互に 跨がってホースＰ１，Ｐ２夫々の内側に挿入配装された中央内装筒体１と、ホー スＰ１，Ｐ２夫々の端部外側に囲繞配装された外装筒体５とは、外装筒体５相互 を締結する中央締結体１０の捩じ止めによってホースＰ１，Ｐ２相互の端部を突 き合せ状にして接続させる。すなわち、ホースＰ１，Ｐ２の内側に配装した中央 内装筒体１のテーパー面３が外側に配装した外装筒体５と共にホースＰ１，Ｐ２ 夫々の突き合せ端部における管壁を押圧挟着し、ホースＰ１，Ｐ２夫々の離反を 阻止させる。

【００１０】 中央締結体１０によって外装筒体５夫々を捩じ止め締結するとき、外装筒体５ を中央締結体１０の中央側に引き寄せるものとなり、この引き寄せ時ではホース Ｐ１，Ｐ２内側に配装した中央内装筒体１のテーパー面３がホースＰ１，Ｐ２夫 々の突き合せ端部内にこれの内周面に沿って案内することで中央内装筒体１自体 を偏らせずに滑らかに挿入させ、接続部位においてはホースＰ１，Ｐ２の中心線 に沿って直線的に接続させる。

【００１１】 また、中央締結体１０に開穿の視認孔１４は、中央締結体１０の外側から中央 締結体１０の内部を視認させ、ホースＰ１，Ｐ２の突き合せ端部における接続状 態を作業者の目で直接に確認させる。これによって、夫々のホースＰ１，Ｐ２の 適正な接続位置を明確にさせ、ホースＰ１，Ｐ２夫々に囲繞配装した外装筒体５ 夫々の中央締結体１０に対する捩じ込み、捩じ戻しによって締結位置を適確に変 更調整させる。

【００１２】

【実施例】

以下、図面を参照してこの考案の一実施例を説明するに、図において示される 符号Ｐ１，Ｐ２は相互に接続すべき例えばエアーホースとして使用されるフレキ シブルなウレタン樹脂製、ゴム製のホースである。そして、これらのホースＰ１ ，Ｐ２夫々を接続するときの接続部分内側で両者Ｐ１，Ｐ２に跨がって配装され る中央内装筒体１と、同じくホースＰ１，Ｐ２夫々の端部外側を囲繞するよう配 装される一対の外装筒体５と、この外装筒体５相互を夫々に跨がって捩じ止め締 結する中央締結体１０とによってホースＰ１，Ｐ２夫々の端部を突き合せて接続 するものである。

【００１３】 しかして、中央内装筒体１は、内径が接続すべきホースＰ１，Ｐ２夫々の内径 にほぼ等しくされた筒部２の外表面に、この筒部２の端部側から中央部に至るに 伴ない外径が次第に大きくなるようなテーパー面３を前後に対称的に形成したも のであり、あたかも珠算玉の形状を呈している。中央内装筒体１自体の前後両端 部は接続すべきホースＰ１，Ｐ２夫々の端部内にテーパー面３の傾斜面を利用し て強制的に挿入されるもので、このときのテーパー面３はホースＰ１，Ｐ２の端 部夫々を半ば強制的に拡開させるようになっている。

【００１４】 また、外装筒体５は、接続すべきホースＰ１，Ｐ２の外径に比し小さくはない 内径の筒部６の前後いずれか一方の外側面にオネジ７を形成し、他方の外側面に はこの外装筒体５自体を回動するために適当な工具によって挟着される平坦な挟 着面８を４乃至６面にして形成したものである。この外装筒体５自体は、オネジ ７がホースＰ１，Ｐ２の端部側に位置するようにしてホースＰ１，Ｐ２夫々の外 側に嵌め合せられる。ホースＰ１，Ｐ２の外側に嵌め合せられるとき、ホースＰ １，Ｐ２の内側に強制的に挿入された中央内装筒体１のテーパー面３と共にホー スＰ１，Ｐ２の管壁を押圧挟着するものとしてある。

【００１５】 中央締結体１０は、外装筒体５のオネジ７に捩じ止めされるメネジ１２を前後 両端部の内側に形成した筒部１１のほぼ中央部の外側面に、この中央締結体１０ 自体を回動するために適当な工具によって挟着される平坦な挟着面１３を４乃至 ６面にして形成すると共に、この挟着面１３に、ホースＰ１，Ｐ２相互の端面で ある突き合せ面を視認する適数個の視認孔１４を開穿したものである。すなわち 、この中央締結体１０によって、ホースＰ１，Ｐ２夫々の外側に配装された外装 筒体５相互に捩じ止めするとき、ホースＰ１，Ｐ２の内部に配装の中央内装筒体 １と共にホースＰ１，Ｐ２の管壁を圧潰状態にして接続するものとしてある（図 ２参照）。なお、視認孔１４は、例えば六角形とした挟着面１３における平坦面 の２個おきに計２個にして開穿してあるもこれに限定されることはなく、３個に して更には全ての平坦面に開穿することもできる。

【００１６】 なお、これらの中央内装筒体１、外装筒体５、中央締結体１０夫々は、従来の この種の継手装置と同様な素材例えば黄銅によって形成され、また、外装筒体５ 、中央締結体１０夫々の前後両端縁は面取り加工が施されることでホースＰ１， Ｐ２夫々に対しての損傷を防止できるように配慮してある。

【００１７】 更には、図示を省略したが、外装筒体５相互を捩じ止め締結した後の全体を被 覆するフレキシブルな素材によるカバーを設けることもあり、また、中央締結体 １０の前後に捩じ止めされる外装筒体５は、中央締結体１０の一方向の回動のみ で外装筒体５相互を引き寄せあるいは離反させるように互いに逆ネジとなるよう に形成することも可能である。

【００１８】 次に、この考案継手装置の使用の一例を説明すると、接続すべきホースＰ１， Ｐ２夫々の端部外側面に外装筒体５を嵌め合せると共にいずれか一方のホースＰ １内に中央内装筒体１を挿入し、また、いずれか一方側の外装筒体５に捩じ止め した中央締結体１０に対して他方の側の外装筒体５を捩じ止めするものである。 このとき、中央締結体１０における視認孔１４によってホースＰ１，Ｐ２夫々の 突き合せ位置を視認して中央に位置されるように、いずれか一方のあるいは両方 の外装筒体５を中央締結体１０に対して捩じ込むのである。

【００１９】

【考案の効果】

この考案は以上のように構成されており、これがため、例えば各種の空気圧機 器に所定圧力の圧縮空気を供給するフレキシブルなホースＰ１，Ｐ２相互を接続 するとき、極めて簡単に行なうことができ、しかも、接続作業時におけるホース Ｐ１，Ｐ２の端縁相互間の位置合せを確実に行なえるものである。また、供給す る空気圧等の流体の内部圧力を損失させないばかりでなく、接続後の継手部位が 小さくコンパクトに纏められて卷回収納する際のフレキシブル性を損なわず、ホ ースリールからの引き出し、ホースリール内への巻き取りも容易になものとし、 更には空気圧のみならず各種流体の供給用のホースの接続に使用できるものであ る。

【００２０】 すなわちこれは、この考案において、接続されるホースＰ１，Ｐ２相互に跨が って強制的に拡開しながら端部内に挿入配装される中央内装筒体１と、ホースＰ １，Ｐ２夫々の端部外側を囲繞して中央内装筒体１と共に管壁を押圧して配装さ れる一対の外装筒体５と、この外装筒体５相互に跨がって捩じ止め締結する中央 締結体１０とを備えて成るからであり、これによって、継手部位を大型化せずに 済み、大きく出張らないためにホースリール等に卷回収納するときの卷回容易性 を損なわないのであり、また、卷回する他部位のホースＰ１，Ｐ２自体を損傷さ せないばかりでなく、供給する各種流体の圧力損失がないものとできる。

【００２１】 また、中央内装筒体１が挿入配装されたホースＰ１，Ｐ２の突き合せ端部を接 続するとき、外側に囲繞配装した外装筒体５相互を中央締結体１０によって締結 するから、中央内装筒体１のテーパー面３が外側に配装した外装筒体５と共にホ ースＰ１，Ｐ２夫々の突き合せ端部における管壁をしっかりと押圧挟着し、ホー スＰ１，Ｐ２夫々の離反を確実に阻止するものとなり、一旦接続後であれば内部 圧力、外部からの衝撃その他によってもホースＰ１，Ｐ２相互は簡単には分離さ れないものである。

【００２２】 そればかりでなく、中央内装筒体１の内径は接続すべきホースＰ１，Ｐ２夫々 の内径にほぼ等しくされているから、中央内装筒体１がホースＰ１，Ｐ２夫々に 挿入配装されたとき、そのテーパー面３がホースＰ１，Ｐ２夫々を強制的に拡開 することと相俟ち、中央内装筒体１自体の内周壁はホースＰ１，Ｐ２夫々のそれ とほぼ同一の面を形成し、供給する各種の流体の流れを全く阻害せず、その圧力 損失は全く生じないのである。

【００２３】 中央締結体１０は外装筒体５夫々を捩じ止め締結するから、中央締結体１０の 捩じ止めは外装筒体５を中央締結体１０の中央側に引き寄せるものとなり、この とき、中央内装筒体１のテーパー面３がホースＰ１，Ｐ２夫々の突き合せ端部内 にこれの内周面に沿って案内されるものとなり、その結果、中央内装筒体１自体 は偏らずに滑らかにホースＰ１，Ｐ２内部に挿入され、継手部位においてはホー スＰ１，Ｐ２の中心線に沿って直線的に接続することができる。

【００２４】 また、中央締結体１０の中央部には視認孔１４を開穿してあるから、中央締結 体１０の内部をこれの外部から視認させ、ホースＰ１，Ｐ２の突き合せ端部にお ける接続状態を作業者の目で直接に確認でき、例えばいずれか一方のホースＰ１ ，Ｐ２側に大きくずれて捩じ止めされている場合等では、外装筒体５夫々の中央 締結体１０に対する捩じ込み、捩じ戻しによって締結位置を変更調整でき、夫々 のホースＰ１，Ｐ２の適正な接続位置に設定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す分解斜視図である。

【図２】同じく使用状態の断面図である。

【符号の説明】

Ｐ１…ホース Ｐ２…ホース １…中央内装筒体 ２…筒部 ３…テーパー面 ５…外装筒体 ６…筒部 ７…オネジ ８…挟着面 １０…中央締結体 １１…筒部 １２…メネジ １３…挟着面 １４…視認孔

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 相互に接続されるホース夫々の端部の接
   続部分内側でホース相互に跨がってホースを強制的に拡
   開しながら端部内に挿入配装される中央内装筒体と、同
   じくホース夫々の端部外側を囲繞して中央内装筒体と共
   にホース夫々の管壁を押圧するよう配装される一対の外
   装筒体と、この外装筒体相互を夫々に跨がって捩じ止め
   締結する中央締結体とを備えて成ることを特徴とするホ
   ース継手装置。
2. 【請求項２】 中央内装筒体は、内径が接続すべきホー
   ス夫々の内径にほぼ等しくされた筒部の外表面に、この
   筒部の端部側から中央部に至るに伴ない外径が次第に大
   きくなるようなテーパー面を前後に対称的に形成してあ
   る請求項１記載のホース継手装置。
3. 【請求項３】 外装筒体は、接続すべきホースの外径に
   比し小さくはない内径の筒部の前後いずれか一方の外側
   面にオネジを形成してある請求項１または２記載のホー
   ス継手装置。
4. 【請求項４】 中央締結体は、外装筒体の外周面に捩じ
   止めされるメネジを前後両端部の内側に形成した筒部の
   ほぼ中央部にホース相互の突き合せ端部面位置を視認す
   る適数個の視認孔を開穿してある請求項１乃至３のいず
   れか記載のホース継手装置。
5. 【請求項５】 内径が接続すべきホース夫々の内径にほ
   ぼ等しくされた筒部の外表面に、この筒部の端部側から
   中央部に至るに伴ない外径が次第に大きくなるようなテ
   ーパー面を前後に対称的に形成してあって、接続すべき
   ホース相互に跨がって端部内に挿入配装される中央内装
   筒体と、接続すべきホースの外径に比し小さくはない内
   径の筒部の前後いずれか一方の外側面にオネジを形成
   し、ホース夫々の端部外側を囲繞して中央内装筒体と共
   にホース夫々の管壁を押圧するよう配装される一対の外
   装筒体と、外装筒体の外周面に捩じ止めされるメネジを
   前後両端部の内側に形成して、外装筒体相互を夫々に跨
   がって捩じ止め締結する筒部のほぼ中央部にホース相互
   の突き合せ端部面位置を視認する適数個の視認孔を開穿
   してある中央締結体とを備えて成ることを特徴とするホ
   ース継手装置。