JP3014986B2 - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

走査電子顕微鏡

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JP3014986B2
JP3014986B2 JP9228833A JP22883397A JP3014986B2 JP 3014986 B2 JP3014986 B2 JP 3014986B2 JP 9228833 A JP9228833 A JP 9228833A JP 22883397 A JP22883397 A JP 22883397A JP 3014986 B2 JP3014986 B2 JP 3014986B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料表面で電子線
スポットを走査して試料表面の走査像を得る走査電子顕
微鏡に係り、特に、低加速電圧領域で空間分解能の高い
走査像を得ることの可能な走査電子顕微鏡に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイス用試料におけ
るサブミクロンオーダー(1μm以下)のコンタクトホ
ールやラインパターンの観察用あるいは測長用として、
走査電子顕微鏡が用いられている。
【0003】走査電子顕微鏡では、加熱形又は電界放出
形の電子源から放出された電子線を試料上で走査して二
次的に得られる信号(二次電子および反射電子)を検出
し、この二次信号を電子線の走査と同期して走査される
ブラウン管の輝度変調入力とすることで走査像(SEM
像)を得ている。一般の走査電子顕微鏡では、負電位を
印加した電子源と接地電位にある陽極間で電子源から放
出された電子を加速し、接地電位にある検査試料に照射
している。
【0004】近年、走査電子顕微鏡が半導体製造過程ま
たは完成後の検査過程(例えば電子線による電気的動作
の検査)で利用されるようになってきた結果、絶縁物を
帯電なしに観察することができるように、1000V以
下の低加速電圧で10nm以下の高分解能が要求される
ようになってきた。
【0005】すなわち、半導体デバイス用試料は、一般
にAlやSiなどの導体部の上にSiO2 やSiNなど
の電気絶縁物を積層して構成される。このような半導体
デバイス用試料に電子線を照射すると電気絶縁物表面が
負に帯電(以下、単にチャージアップと表現する場合も
ある)し、放出される二次電子の軌道が変化したり、一
次電子線そのものの軌道が変化するようになる。この結
果、SEM像に異常コントラストが発生したり、ひどい
歪を生じる。
【0006】このようなチャージアップに起因した像障
害は、コンタクトホールの観察やラインアンドスペース
の測長に重大な支障をきたすので、半導体製造プロセス
の評価が難しくなるばかりか、半導体デバイスそのもの
の品質を確保する上で大きな障害となる。このため、従
来では試料に照射される一次電子線のエネルギーが1K
eV以下である、いわゆる低加速SEMが用いられてい
た。
【0007】ところが、上記した従来技術では次のよう
な問題点があった。すなわち、加速電圧が低くなると電
子線のエネルギばらつきに起因する色収差により分解能
が著しく低下し、高倍率での観察が難しくなる。また、
電子電流が少なくなると二次信号とノイズとの比(S/
N)が著しく低下し、SEM像としてのコントラストが
悪くなり、高倍率、高分解能での観察が困難となる。特
に、超微細加工技術で作られた半導体デバイスなどで
は、コンタクトホールやラインパターンなどの凹部から
発生する信号が微弱となり、精細な観察や測長を行う上
で大きな障害となっていた。
【0008】このような問題を解決する方法として、例
えば、アイ・トリプルイ−、第9回アニュアルシンポジ
ューム オン エレクトロン イオン アンド レ−ザ
ビ−ム テクノロジーのプロシ−デング、176頁から
186頁(IEEE 9th AnnualSymposium on Electron,Ion
and Laser Technology)では、電子源と接地電位にあ
る陽極間での加速電圧は高く設定し、接地電位にある対
物レンズと負電位を印加された検査試料の間に減速電界
を発生させて試料に照射する電子線は減速させることに
より、最終的に比較的低い加速電圧に設定し、色収差の
低減とチャージアップの防止とを両立させた走査電子顕
微鏡が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、半導体素子のように電気的な衝撃に弱い試料は電位
の急峻な変化によって破壊する可能性があるため、試料
の装着や交換時における印加電位のオン/オフを慎重に
行う必要があるなど、試料交換時等における取り扱が難
しいという問題があった。
【0010】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、対物レンズと試料との間に、電子線に対す
る減速電界を発生させる構造の走査電子顕微鏡におい
て、減速電界による素子の破損を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、電子源から放出された一次電子線
を試料上で走査し、当該試料から発生した二次信号に基
づいて走査像を得る走査電子顕微鏡において、一次電子
線に対する減速電界を試料と対物レンズとの間に発生さ
せる減速電界発生手段と、前記試料と対物レンズとの間
に配置された制御電極と、前記制御電極に予定電圧を印
加する電圧印加手段とを設け、前記予定電圧を、試料と
制御電極との電位差が試料と対物レンズとの電位差より
も小さくなるような値に調節するようにした。
【0012】上記した構成によれば、対物レンズと試料
との間に発生した電界が制御電極によって緩和されるの
で、素子の破損を防ぐことができ、その取扱いが極めて
容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
を詳細に説明する。図1は、本発明が適用される走査電
子顕微鏡システムの概略構成図であり、当該システムは
走査電子顕微鏡本体100および試料交換機構200か
ら構成されている。図2は、図1の走査電子顕微鏡本体
100の構成を示した図である。ここでは初めに、図
1、2を参照して本発明の前提技術である減速電界につ
いて説明する。
【0014】図2において、陰極1、引出電極2、およ
び陽極3は電界放出型電子銃を構成し、陰極1と引出電
極2との間には引出電圧4が印加され、陰極1には加速
電圧5が印加される。陰極1から放出された電子線20
aは、引出電極2と接地電位にある陽極3との間に印加
された電圧でさらに加速される。このため、陽極3を通
過した電子線のエネルギ(加速電圧)は加速電圧5と一
致する。また、試料18には試料ホルダ21を介して負
の重畳電圧6が印加され、対物レンズ17と試料18と
の間には減速電界が形成されるため、試料18に照射さ
れる電子線の加速電圧は、加速電圧5から重畳電圧6を
差し引いた電圧となる。
【0015】陽極3を通過して加速された電子線20b
は、コンデンサレンズ7および対物レンズ17によって
試料18上に収束される。対物レンズ17を通過した電
子線は、対物レンズ17と試料18との間に形成された
減速電界で減速され、実質的に加速電圧5から重畳電圧
6を差し引いた電圧に相当するエネルギで試料18に到
達する。
【0016】対物レンズ17での電子線の開き角は、コ
ンデンサレンズ7の下方に配置された絞り8で決められ
る。絞り8のセンタリングは調整つまみ10を操作する
ことにより行われる。加速された電子線20bは上走査
コイル11および下走査コイル12で偏向され、試料1
8上では、減速電界によって減速された収束電子線20
cがラスタ走査される。本システムでは、走査コイルを
2段構成とすることで走査された電子線が常に対物レン
ズ17のレンズ中心を通るようにしている。
【0017】試料18は試料ホルダ21で固定され、試
料ホルダ21は、水平調整等の位置調整が可能な試料ス
テ−ジ19上に絶縁台9を介して載置される。試料ホル
ダ21には重畳電圧6が印加されている。減速された電
子線20cが照射されて試料18から発生した二次電子
24は、対物レンズ17と試料18間に作られた減速電
界によって加速されて対物レンズ17内に吸引され、さ
らに、対物レンズ17の磁場の影響を受けて螺旋運動し
ながら上昇する。
【0018】対物レンズ17を通過した二次電子24
は、対物レンズ17と下走査コイル12との間で電子線
通路外に設けられて正電位が印加されたた吸引電極13
で吸引され、10kV(正電位)が印加されたシンチレ
−タ14によって吸引加速されてシンチレ−タを光らせ
る。発光した光はライトガイド15で光増倍管16に導
かれ電気信号に変換される。光増倍管16の出力はさら
に増幅されブラウン管の輝度変調入力になるが、ここで
は図示を省略してある。
【0019】このような構成の走査電子顕微鏡によれ
ば、コンデンサレンズ7、絞り8、対物レンズ17を通
過するときの電子線(電子線20b)のエネルギは最終
段の電子線(電子線20c)のエネルギよりも高いの
で、色収差が改善され、高分解能が得られた。しかも、
試料に照射される一次電子線は減速されて低エネルギと
なっているので、試料のチャージアップも解消される。
【0020】具体的には、加速電圧(500V)のみを
印加した時に15nmであったビ−ム径が、加速電圧
(1000V)と重畳電圧6(500V)とを加算した
ことにより10nmに改善された。
【0021】また、図1において、電界放出陰極1、引
出電極2、陽極3、コンデンサレンズ7、対物レンズ1
7、試料18、試料ホルダ21、絶縁台9、試料ステ−
ジ19等の構成要素は真空筐体61に納められている。
なお、真空排気系は図示を省略している。
【0022】ここで、試料18に負電圧が印加されてい
る状態では、試料交換機構77による試料交換や真空筐
体61を大気にすることは避けなければならない。換言
すれば、電子線が試料18上で走査されているときだけ
重畳電圧6を印加するようにすればよい。
【0023】そこで、本発明が適用されるシステムで
は、試料の装着・交換時の準備動作である、スイッチS
1が閉じて加速電圧5が印加されている第1の条件と、
陰極1と試料18との間に設けられたバルブG1、バル
ブG2の両者が開いている第2の条件と、試料交換機構
77が試料18を試料ステ−ジ19に載せるために通過
するバルブG3が閉じている第3の条件とが全て満され
たときのみ、スイッチS2が閉じて試料18に重畳電圧
6が印加される制御が行われる。
【0024】また、試料ホルダ21と試料ステージ19
とは放電抵抗Rを介して電気的に接続されおり、スイッ
チS2が開放されると試料18にチャージされた電荷が
試料ホルダ21、放電抵抗R、試料ステージ19を介し
て一定の時定数のもとで速やかに放電され、試料18の
電位が下がるようになっている。
【0025】なお、陰極1の周囲の真空が設定値以上で
ある条件で加速電圧5が印加可能となる、あるいは真空
筐体61の真空が設定値以上のときのみバルブG1、G
2が開放されるような通常のシ−ケンスが組まれている
ことは言うまでもない。
【0026】また、上記したシステムでは、上述の3つ
の条件のすべてを満足したときに重畳電圧6が印加され
るものとして説明したが、これらの内の1つあるいは2
つの条件が満たされたときにスイッチS2が閉じるよう
にしても良い。
【0027】図3は、本発明の第1実施形態である走査
電子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同
一または同等部分を表している。本実施形態では、強い
電界が印加されると不都合な試料を観察できるようにし
た点に特徴がある。
【0028】半導体集積回路では、強電界で素子が破損
することがある。このような問題点を解決するために、
本実施形態では対物レンズ17と試料18との間に制御
電極39を設けた。この制御電極39に印加される電圧
は、負電位が印加された試料あるいは試料ステージと制
御電極39との電位差の方が、試料あるいは試料ステー
ジと対物レンズ17との間の電位差より小さくなるよう
に、電圧制御部40によって調整される。
【0029】本実施形態によれば、対物レンズ17と試
料18との間に発生した電界が制御電極39によって緩
和され、素子の破損を防ぐことができる。
【0030】図4は、本発明の第2実施形態である走査
電子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の
符号は同一または同等部分を表している。
【0031】上記した第1実施形態では、二次電子24
を吸引電極13により電子通路外に取り出して検出して
いたが、本実施形態では、チャンネルプレ−ト検出器2
6を用いて二次電子を検出するようにした点に特徴があ
る。
【0032】同図において、対物レンズ17と下走査コ
イル12との間には、中央孔33を有する円板状チャン
ネルプレ−ト本体25が設けられている。中央孔33の
径は走査コイル12で偏向された電子線20bが衝突し
ない大きさに設定される。また、チャンネルプレ−ト本
体25の下方にはメッシュ34が設けられている。
【0033】このような構成において、加速された電子
線20bはチャンネルプレ−トの中央孔33を通過した
後、対物レンズ17で収束されて試料18上に照射され
る。試料18で発生した二次電子24は対物レンズ17
でレンズ作用を受け、発散しながら全面に置かれたメッ
シュ34を通過してチャンネルプレ−ト25に入射す
る。チャンネルプレ−ト25に入射した二次電子24は
チャンネルプレ−ト25の両端に印加された増幅電圧2
8で加速、増幅される。増幅された電子27はアノ−ド
電圧29でさらに加速されてアノ−ド37に捕獲され
る。
【0034】捕獲された二次電子は増幅器30で増幅さ
れた後、光変換回路31で光32に変換される。光32
に変換するのは増幅器30がチャンネルプレ−ト25の
増幅電圧28等でフロ−テングになっているためであ
る。光32は接地電位の電気変換回路35で再び電気信
号に変換され、走査像の輝度変調信号として利用され
る。この方式では二次電子ばかりでなく反射電子も検出
可能である。明らかな様に、本実施形態によっても前記
と同様の効果が達成される。
【0035】図5は、本発明の第3実施形態である走査
電子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の
符号は同一または同等部分を表している。本実施形態で
は、所望の二次信号を選択的に検出できるようにした点
に特徴がある。
【0036】同図において、チャンネルプレ−ト25に
は、その電位を任意に制御できるフィルタ電圧36が印
加される。例えば、フィルタ電圧36を重畳電圧6より
もさらに10ボルト程度の負電圧とすれば、試料から放
出された二次電子および反射電子のうち、二次電子はチ
ャンネルプレ−ト25とメッシュ33の間に作られた逆
電界で追い返され、エネルギの高い反射電子のみを選択
的に検出できるようになる。
【0037】また、二次電子を追い返す限界のフィルタ
電圧36を測定すれば、試料の電位を知ることも可能
で、このような機能を付加することにより、完成した半
導体素子の機能検査を行うことができるようになる。
【0038】図6は、本発明の第4実施形態である走査
電子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同
一または同等部分を表している。
【0039】上記した各4実施形態では、電界を利用し
て二次信号を偏向し、これを検出器で検出していたが、
本実施形態では、磁界および電界を利用して二次信号を
偏向するようにした点に特徴がある。
【0040】加速電圧が大きくなって減速電界による最
終段における電子線の減速比が小さくなると、試料に照
射される一次電子線20bと試料から放出される二次電
子24とのエネルギ差が小さくなるので、二次電子24
を吸引するために比較的大きな電界Eを吸引電極13に
より発生させると、当該電界Eによって一次電子20b
も曲げられてしまう。
【0041】本実施形態は、このような問題点を解決す
るためになされたもので、磁界による電子線の偏向方向
が電子線の進行方向によって異なることに着目し、電界
Eによる一次電子線20bの偏向をキャンセルすると共
に二次電子24の偏向量を補足するような磁界Bを発生
させるようにしている。
【0042】すなわち本実施形態では、一次電子線20
bが、吸引電極13の発生する電界Eによる偏向方向と
は逆方向に偏向されるように磁界Bを発生させる。した
がって、磁界Bの強度を適宜に制御することにより、電
子線20bの電界Eによる偏向がキャンセルされる。
【0043】一方、二次電子24に対しては、磁界Bに
よる偏向方向と電界Eによる偏向方向とが同一方向にな
るので、二次電子の偏向量が大きくなって二次電子の検
出が容易になる。
【0044】図7は、本発明の第5実施形態である走査
電子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同
一または同等部分を表している。本実施形態では、単結
晶シンチレータを利用して二次信号を検出するようにし
た点に特徴がある。
【0045】同図において、単結晶シンチレータ55
は、例えば円筒形状のYAG単結晶を斜めに切断し、そ
の切断面に一次電子20bを通過させるための開口部5
7を設けたものであり、その先端部には金属またはカー
ボン等の導電性薄膜56がコーティングされており、接
地電位が与えられている。
【0046】本実施形態では、コンデンサレンズ12で
作られる一次電子線20bのクロスオーバ58が開口部
57の近傍に来るようにし、対物レンズ17による二次
電子24のクロスオーバ59は開口部57から離れた位
置に来るようにする。このようにすれば、一次電子線2
0bは開口部57に遮られることなく、二次電子24も
効率良く検出できるようになる。
【0047】なお、上記した第5実施形態では、シンチ
レータの発光部とライトガイドを共にYAG単結晶によ
り構成するものとして説明したが、二次電子を検出する
発光部のみをYAG単結晶で形成し、他の部分はガラス
や樹脂などの透明性部材で構成するようにしても良い。
【0048】図8は、本発明の第6実施形態である走査
電子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の
符号は同一または同等部分を表している。
【0049】本実施形態では、電子銃を構成する陽極を
省略し、接地された引出電極2と陰極1との間に印加さ
れた引出電圧4で電子線を加速する。引出電圧4で加速
された電子は対物レンズで17で収束されて試料18に
向かう。試料18には加速電圧5の正極側が接続されて
いる。このとき、低加速電圧の領域では加速電圧5より
引出電圧4の方が高いので、電子線は対物レンズ17と
試料18の間で減速されて試料に到達する。電界放出陰
極を用いた典型的な例では、引出電圧が3kV、加速電
圧が1kVである。このような構成によれば、陽極およ
び重畳電圧源が省略されるので、構成が簡素化される。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
試料に負電位を印加して対物レンズとの間に減速電界を
発生させることにより、試料に照射される電子線を減速
させて色収差の低減とチャージアップの防止とを両立さ
せた走査電子顕微鏡において、対物レンズと試料との間
に制御電極を設け、この制御電極39に、試料あるいは
試料ステージと制御電極との電位差の方が、試料あるい
は試料ステージと対物レンズとの間の電位差より小さく
なるような負電圧を印加したので、対物レンズと試料と
の間に発生した電界が制御電極によって緩和され、素子
の破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した走査電子顕微鏡システムの
構成図である。
【図2】 図1の走査電子顕微鏡部の構成図である。
【図3】 本発明の第1実施形態である走査電子顕微鏡
の構成図である。
【図4】 本発明の第2実施形態である走査電子顕微鏡
の構成図である。
【図5】 本発明の第3実施形態である走査電子顕微鏡
の構成図である。
【図6】 本発明の第4実施形態である走査電子顕微鏡
の構成図である。
【図7】 本発明の第5実施形態である走査電子顕微鏡
の構成図である。
【図8】 本発明の第6実施形態である走査電子顕微鏡
の構成図である。
【符号の説明】
1…陰極、2…引出電極、3…陽極、4…引出電圧、5
…加速電圧、6…重畳電圧、7…コンデンサレンズ、8
…絞り、9…絶縁台、10…調整つまみ、11…上走査
コイル、12…下走査コイル、13…吸引電極、14…
シンチレ−タ、15…ライトガイド、16…光増倍管、
17…対物レンズ、18…試料、19…試料ステ−ジ、
20…一次電子線、21…試料ホルダ、24…二次電
子、25…チャンネルプレ−ト、28…増幅電圧、29
…アノ−ド電圧、30…増幅器、31…光変換回路、3
3…中央孔、34…メッシュ、35…電気変換回路、3
6…フィルタ電圧、37…アノ−ド、39…制御電極、
40…電圧制御部、55…単結晶シンチレータ、56…
導電性薄膜、61…筐体、77…試料交換機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/28 H01J 37/20 H01J 37/244 H01J 37/248

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子源から放出された一次電子線を試料
    上で走査し、当該試料から発生した二次信号に基づいて
    走査像を得る走査電子顕微鏡において、 一次電子線に対する減速電界を試料と対物レンズとの間
    に発生させる減速電界発生手段と、前記対物レンズよりも電子源側に配置された二次信号検
    出器と、 前記試料と対物レンズとの間に配置された制御電極と、 前記制御電極に予定電圧を印加する電圧印加手段とを具
    備し、 前記予定電圧は、制御電極の電位が対物レンズの電位と
    試料の電位との間の所定値になる値であることを特徴と
    する走査電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 電子源から放出された一次電子線を試料
    上で走査し、当該試料から発生した二次信号に基づいて
    走査像を得る走査電子顕微鏡において、 前記試料および/または試料を配置する試料ホルダに負
    の電圧を印加する手段と、 前記対物レンズよりも電子源側に配置された二次信号検
    出器と、 前記試料と対物レンズとの間に配置された制御電極と、 前記制御電極に予定電圧を印加する電圧印加手段とを具
    備し、 前記予定電圧は、制御電極の電位が対物レンズの電位と
    試料の電位との間の所定値になる値であることを特徴と
    する走査電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記負電圧を印加する手段は、 試料を固定する試料ホルダと、 試料ホルダを絶縁台を介して載置する試料ステ−ジと、 試料ホルダに負電圧を印加する手段とから成ることを特
    徴とする請求項2に記載の走査電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記二次信号は、電子線通路外に設けら
    れたシンチレータによって検出され、当該シンチレータ
    と電子線通路との間には、二次信号を吸引する電位の供
    給された吸引電極が設置されたことを特徴とする請求項
    ない し3のいずれかに記載の走査電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】 前記二次信号は、電子線通路となる開口
    を具備する検出面を備えた検出器によって検出されるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の走
    査電子顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記二次信号は、単結晶シンチレータに
    よって検出されることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の走査電子顕微鏡。
JP9228833A 1997-08-11 1997-08-11 走査電子顕微鏡 Expired - Lifetime JP3014986B2 (ja)

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