JP3014966U

JP3014966U - 組立式間仕切壁

Info

Publication number: JP3014966U
Application number: JP1995001960U
Authority: JP
Inventors: 孝雄小林; 道雄樽井; 俊鎌今井
Original assignee: 浅野スレート株式会社
Priority date: 1995-02-20
Filing date: 1995-02-20
Publication date: 1995-08-22
Anticipated expiration: 2001-02-20

Abstract

(57)【要約】【目的】間仕切用パネルを施工現場で適当な長さに切
断する必要がなく、簡単な作業により確実に間仕切壁を
構成することが出来る組立式間仕切壁を提供する。【構成】数種類の長さの間仕切用パネル１０の中から
最も適した長さの間仕切用パネル１０の上端の上部挿入
溝１４をスラブＡに設けた天井レール１６に挿入する。
一方、下端の下部挿入溝１５を下部スラブＢに設けた土
台１７の凸部に係合させて固定する。土台１７の高さ方
向の位置を調整する為、土台１７の下と下部スラブＢと
の間に調整用土台１８とスペーサ１９を配置する。この
間仕切用パネル１０の側面には、片側に凸部１２、反対
側に凹部１３が形成されており、これを噛み合わせて強
固に連結できるようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として建築の分野で部屋を仕切るために用いる組立式間仕切壁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建築物において間仕切用パネルを用いて間仕切りを行う場合は、建築の都合上、間仕切用パネルを設置する位置の上端部が天井のときは床から天井まで、間仕切用パネルを設置する位置の上端部が、スラブのときは、床からスラブまでの間隔より若干短い間仕切用パネルを用意し、下部を床上に直接固定し、上部も種々の方法で固定していた。その具体例として、図７に示すように断面がＬ字型のレール３５を天井またはスラブ下３３にアンカーボルト３９で固定し、パネル３０の上端部をボルト３７を用いてレール３５に直接固定する方法や、図８に示すような中空部を有するパネル４０の場合は、予めパネル４０に仮留めしておいたＺ形状の金具３８でレール３５を挟みボルト３７及びナット３４で固定する方法が行われていた。また、図９に示すように中空パネル５０を連続して間仕切壁を構成する場合、パネル５０の上下端の取り付け方法としては、中空パネル５０上部を上部スラブ面５９に設けたＬ型取付下地５２に段差のある取付金物５４で取り付け、パネル下部をＬ型金物５６で下部スラブ５８に固定する方法が用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、現実の建物では、天井の高さは、設計上同一の高さであっても誤差により若干の差異があり、また建物によって天井又は上部スラブ下の高さが異なり必ずしも一様ではない。上記したパネルの取り付け方法では、上部スラブ下との間に若干の間隙はあるものの下端は下部スラブ上に直に接するため、取り付け作業をするに際し、工場又は現場で天井又は上部スラブ下の高さに合わせて適当な長さに間仕切用パネルを切断する必要があった。また、切断作業で廃材が発生するという問題もあった。そこで、本考案の目的は、間仕切用パネルを施工現場で適当な長さに切断する必要がなく、簡単な作業により確実に間仕切壁を構成することが出来る組立式間仕切壁を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案では、床上に敷設する土台と、天井又は上部スラブ下に設けられたレールと、上部がこのレールと係合し、下部が前記土台と係合した間仕切用パネルとからなる組立式間仕切壁により前記目的を達成する。請求項２記載の考案では、床上に敷設する土台と、この土台の高さを微調整するために床上と土台との間に配置するスペーサーと、天井又は上部スラブ下に設けられたレールと、上部がこのレールと係合し、下部が前記土台と係合した間仕切用パネルとからなる組立式間仕切壁により前記目的を達成する。

【０００５】請求項３記載の考案では、請求項２記載の組立式間仕切壁において、土台の高さを調整するために床上と土台との間に配置する調整用土台をさらに具備させて前記目的を達成する。請求項４記載の考案では、請求項１、請求項２又は請求項３記載の組立式間仕切壁において、床上に敷設する土台が上面に凸部を有し、間仕切用パネルが窯業系中空パネルで、その下端のパネル幅方向に土台の上面凸部を嵌合する凹溝を有することにより前記目的を達成する。請求項５記載の考案では、請求項１、請求項２、請求項３又は請求項４記載の組立式間仕切壁において、前記間仕切用パネルが、天井方向の長さが複数種類の間仕切用パネルの中から最も適した長さの間仕切用パネルであることにより前記目的を達成する。請求項６記載の考案では、請求項１、請求項２、請求項３記載、請求項４又は請求項５記載の組立式間仕切壁において、天井と間仕切壁用パネルの上端部との間にできる間隙に充填材を充填して前記目的を達成する。

【０００６】

【作用】

請求項１記載の考案では、床上に土台を敷設し、天井又は上部スラブ下にレールを設け、上部がこのレールと係合し、下部が前記土台と係合する間仕切用パネルを係合させて組立式間仕切壁を構築する。請求項２記載の考案では、床上に土台を敷設し、天井又は上部スラブ下にレールを設け、上部がこのレールと係合し、下部が前記土台と係合する間仕切用パネルを係合させて組立式間仕切壁を構築する。この時、床上と土台との間にスペーサーを配置してこの土台の高さを微調整する。

【０００７】請求項３記載の考案では、床上に土台を敷設し、天井又は上部スラブ下にレールを設け、上部がこのレールと係合し、下部が前記土台と係合する間仕切用パネルを係合させて組立式間仕切壁を構築する。この時、床上と土台との間に、この土台の高さを微調整するためにスペーサーを及びこの土台の高さを調整するために調整用土台を配置して間仕切用パネルの高さ方向の位置を制御して組立式間仕切壁を構築する。請求項４記載の考案では、土台の上面に凸部が形成せれており、この凸部と係合させるために、窯業系中空パネルである間仕切用パネルの下端に凹部を設けてあるので、間仕切用パネルをしっかりと固定でき、より強固な組立式間仕切壁とすることができる。

【０００８】請求項５記載の考案では、施工現場の天井又は上部スラブ下の高さに最も適した長さの間仕切用パネルを複数種類の間仕切用パネルから選択する。そして、この間仕切用パネルを天井又は上部スラブ下に設けられたレールと床上に敷設された土台とに係合させて固定する。この時、土台の高さを制御するために、床上と土台との間に、スペーサー又はスペーサーと調整用土台を配置することもできる。請求項６記載の考案では、間仕切用パネルの上端部と天井又は上部スラブ下との間にできる間隙に充填材を充填させて組立式間仕切壁を構築するので、より密閉度の高い組立式間仕切壁とすることができる。

【０００９】

【実施例】

本考案に係る組立式間仕切壁の実施例を図１ないし図６を参照して詳細に説明する。図１は、本考案の組立式間仕切壁の一実施例で用いる間仕切壁用パネル１０の斜視図であり、図２は、この間仕切用パネル１０の水平断面図である。この間仕切用パネル１０は、窯業系中空パネルであり、縦方向の片側縁部に沿って凸部１２が形成され、他方の側縁部に沿って凹部１３が形成されており、隣接する間仕切壁用パネル１０相互の接合面を当接させて連続した間仕切壁を構成するとき、互いに噛み合い、図３に示すように強固に連結できるようになっている。

【００１０】さらに、図４および図５に示すように、この間仕切用パネル１０の縦方向上端部には、間仕切用パネル１０を上部スラブＡ下に設けた天井レール１６と係合して固定するために、天井レール１６を挿入係止する上部挿入溝１４が設けてある。一方、この間仕切用パネル１０の縦方向下端部には、下部スラブＢ上に敷設された土台１７に落とし込みこの土台１７の凸部と係合する下部挿入溝１５が設けられている。尚、本実施例では、上部スラブＡと下部スラブＢとの間に組立式間仕壁を設ける場合について説明するが、上部スラブＡの下に別途天井を設けた場合、及び下部スラブＢの上に別途床を構築した場合も同様に本実施例を適用できる。

【００１１】間仕切用パネル１０の縦方向の長さＬは、上部スラブＡ、下部スラブＢ間の距離Ｈより若干短い物を選択し、かつ、上部スラブＡと間仕切用パネル１０の上部の間に出来る空隙寸法をＣ、土台寸法をＥとすればＨ＝Ｌ＋Ｃ＋Ｅとなるようになっている。また、上部スラブＡ、下部スラブＢ間の距離の所定の範囲は該当する間仕切用パネル１０で対応可能となるように、調整用土台１８およびスペーサー１９が土台１７と下部スラブＢとの間に設けられるようになっている。調整用土台１８の寸法をＧ、スペーサー１９の寸法をｈとすれば上下スラブＡＢ間の距離Ｈは、Ｈ＝Ｌ＋Ｃ＋Ｅ＋Ｇ＋ｈとなる。

【００１２】間仕切用パネル１０の上部溝１４の大きさと天井レール１６の寸法の関係は、上部溝１４の寸法をａ、天井レール１６の寸法をｄとすればａ≧ｄとなっている。また、間仕切用パネル１０の上部と上部スラブＡの間に出来る空隙寸法Ｃと土台１７の凸部寸法Ｆの関係についていえば、Ｃ＝Ｆ＋遊び寸法及びＣ＜ｄとなるように形成されている。なお、天井レール１６、土台１７、調整用土台１８は木製、プラスチック製、窯業系押出成形品又は金属製のいずれでもよい。この実施例では、施工現場における加工性、施工性に優れている木製の製品を用いている。また、スペーサー１９は、合板の３ｍｍ厚、４ｍｍ厚、６ｍｍ厚等が必要に応じ単一又は複数枚組み合わせて用いられる。

【００１３】次に、この間仕切用パネル１０を用いて、組立式間仕切壁を構築する手順について説明する。まず、上スラブＡおよび床面（下スラブ）Ｂの間仕切壁の位置を示す墨に合わせて、上部スラブＡに天井レール１６を取り付ける。次に、下部スラブＢに土台１７を設置する。この時、必要に応じて、調整用土台１８およびスペーサー１９を用いて土台１７の高さ方向の位置を間仕切用パネル１０の長さに合わせて調節する。

【００１４】続いて間仕切用パネル１０の取り付けを行う。まず、選定された長さの間仕切用パネル１０の上部挿入溝１４を上部スラブＡに設けた天井レール１６に挿入し、ついで床面（下スラブ）Ｂ上に敷設された土台１７の凸部に下部挿入溝１５を落とし込んで建込む。必要に応じて間仕切用パネル１０の上部挿入溝１４と天井レール１６の間に出来る空隙部にくさび２０を打ち込んで間仕切用パネル１０を固定する。次に、他の間仕切用パネル１０を隣接させて同様に建て込み作業を行うが、これらを接続する時は、間仕切用パネル１０の側縁部の凸部１２と他の間仕切用パネル１０の側縁部の凹部１３を当接させ互いに係合させて強固に接合する。さらに、接合部分に接着剤を塗布し、より強固に接続することもできる。この作業を順次繰り返して組立式間仕切壁を建物内に設ける。

【００１５】このようにして形成した組立式間仕切壁の上部、既設壁当り部、間仕切壁用パネル１０同志で形成するコーナー部等には隙間が出来るが、これらは充填材２１を充填することにより塞ぎ、クロス２４や塗装仕上げが出来るように下地ごしらえをする。さらに、土台１７、調整用土台１８およびスペーサー１９等は、木製幅木２２又はプラスチック製幅木２３の取付下地となる。幅木を敷設することにより美麗な外観を得ることが出来る。

【００１６】本実施例で用いる間仕切用パネル１０は、調整用土台１８およびスペーサー１９の寸法を合計した値（Ｇ＋ｈ）刻みに想定される天井高さに合わせて長さを決め、その規格寸法の間仕切用パネル１０を工場在庫すれば、想定される天井高の範囲は全て規格寸法の在庫の間仕切用パネル１０で施工可能となる。そのため、工場での生産計画が非常に立て易くなる。また、想定天井高を（Ｇ＋ｈ）刻みの長さに切断した規格寸法の間仕切用パネル１０でとぎれなく全ての値を満たすには、調整用土台１８とスペーサー１９の寸法はＧ≦ｈｍａｘの関係でなければならない。上記幅木の巾の美観的制約からすれば、（Ｇ＋ｈ）の寸法は１００ｍｍ以下で、好ましくは３０〜５０ｍｍである。

【００１７】例えば、一般住宅の想定天井高さＨを２４００ｍｍ〜２６００ｍｍと仮定し、上部空間Ｃ＝１０ｍｍ、土台寸法Ｅ＝３０ｍｍ、調整用土台寸法Ｇ＝２０ｍｍ、スペーサー寸法ｈ＝０〜２０ｍｍとすればＨ＝Ｌ＋Ｃ＋Ｅ＋ｈ又はＨ＝Ｌ＋Ｃ＋Ｅ＋Ｇ＋ｈよりＬ（１）＝２３６０ｍｍ → Ｈ（１）＝２４００〜２４４０ｍｍＬ（２）＝２４００ｍｍ → Ｈ（２）＝２４４０〜２４８０ｍｍＬ（３）＝２４４０ｍｍ → Ｈ（３）＝２４８０〜２５２０ｍｍＬ（４）＝２４８０ｍｍ → Ｈ（４）＝２５２０〜２５６０ｍｍＬ（５）＝２５２０ｍｍ → Ｈ（５）＝２５６０〜２６００ｍｍとなりＬ（１）〜Ｌ（５）までの５種類の規格パネルを持てば、２４００〜２６００ｍｍの天井高さの建物の間仕切壁を構成可能となり、数種類の規格寸法の間仕切用パネル１０により、或る寸法範囲の全ての天井高さの間仕切壁が施工可能となる。その為、工場の生産計画が極めて容易となる。

【００１８】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、土台とレールを用いて間仕切用パネルを固定しているので、床上に直接間仕切用パネルを配置して施工をすることがなくなる。また、適切な間仕切用パネルを使用すれば、現場において間仕切用パネルを切断する必要がなくなる。さらに、現場切断の必要がないので現場で建設廃材の発生が少なくなる。請求項２記載の考案によれば、間仕切用パネル、スペーサーを用いて間仕切壁を構築するので、現場において間仕切用パネルを切断する必要がなくなる。また、一切現場切断の必要がないので現場で建設廃材の発生が少なくなる。請求項３記載の考案によれば、間仕切用パネル、スペーサー及び調整用土台を用いて間仕切壁を構築するので、現場において間仕切用パネルを切断する必要がなくなる。また、一切現場切断の必要がないので現場で建設廃材の発生が少なくなる。請求項４記載の考案によれば、使用する間仕切用パネルの上端及び下端に凹部を有しているので、天井又は上部スラブ下に設けられたレール及び床上に敷設された土台とこの間仕切用パネルが強固に接続するので、頑丈な組立式間仕切壁を構築できる。請求項５記載の考案によれば、複数の間仕切用パネルの中から施工現場の天井高に最も適した間仕切用パネルを用いて間仕切壁を構築するので、現場において間仕切用パネルを切断する必要がなくなる。また、一切現場切断の必要がないので現場で建設廃材の発生が少なくなる。また、調整用土台及びスペーサーを用いる場合、調整用土台及びスペーサーの寸法の合計（Ｇ＋ｈ）刻みの長さの間仕切用パネルを規格寸法パネルとして生産・在庫すればよいので、工場の生産計画が極めて容易となり、在庫スペースも少なくてすむ。請求項６記載の考案では、天井又は上部スラブ下と間仕切用パネルの上端部との間にできる間隙を充填材で充填してあるので、より密閉度の高い組立式間仕切壁を構築できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例で用いる間仕切用パネルの斜
視図である。

【図２】同間仕切用パネルの水平断面図である。

【図３】同間仕切用パネルを連続係合して構成した組立
式間仕切壁の水平面断面図である。

【図４】本考案の一実施例に係る組立式間仕切壁の縦断
面図である。

【図５】本考案の一実施例に係る組立式間仕切壁の固定
例を示す立面図である。

【図６】本考案の一実施例に係る組立式間仕切壁にクロ
ス、幅木等で仕上げを施したところ示す縦断面図であ
る。

【図７】従来の間仕切用パネルの天井又はスラブ下への
取付方法を示す縦断面図である。

【図８】従来の間仕切用パネルの天井又はスラブ下への
取付方法を示す縦断面図である。

【図９】従来の間仕切パネルを間仕切壁として建て込ん
だ状態を示す一部切欠斜視図である。

【符号の説明】

Ａ上部スラブＢ下部スラブ１０間仕切用パネル１２間仕切用パネル側縁凸部１３間仕切用パネル側縁凹部１４間仕切用パネル上部挿入溝１５間仕切用パネル下部挿入溝１６天井レール１７土台１８調整用土台１９スペーサー２０くさび２１充填材２２木製幅木２３プラスチック幅木２４クロス

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】床上に敷設する土台と、天井又は上部スラブ下に設けられたレールと、上部がこのレールと係合し、下部が前記土台と係合した
間仕切用パネルとからなることを特徴とする組立式間仕
切壁。
【請求項２】床上に敷設する土台と、この土台の高さを微調整するために床上と土台との間に
配置するスペーサーと、天井又は上部スラブ下に設けられたレールと、上部がこのレールと係合し、下部が前記土台と係合した
間仕切用パネルとからなることを特徴とする組立式間仕
切壁。
【請求項３】土台の高さを調整するために床上と土台
との間に配置する調整用土台をさらに具備したことを特
徴とする請求項２記載の組立式間仕切壁。
【請求項４】床上に敷設する土台が上面に凸部を有
し、間仕切用パネルが窯業系中空パネルで、その下端のパネ
ル幅方向に土台の上面凸部を嵌合する凹溝を有すること
を特徴とする請求項１、請求項２又は請求項３記載の組
立式間仕切壁。
【請求項５】前記間仕切用パネルが、天井方向の長さ
が複数種類の間仕切用パネルの中から最も適した長さの
間仕切用パネルであることを特徴とする請求項１、請求
項２、請求項３又は請求項４記載の組立式間仕切壁。
【請求項６】天井と間仕切壁用パネルの上端部との間
にできる間隙に充填材を充填したことを特徴とする請求
項１、請求項２、請求項３記載、請求項４又は請求項５
記載の組立式間仕切壁。