JP3014844B2 - 熟成しないで許容できるモザレラチーズを製造するための方法 - Google Patents

熟成しないで許容できるモザレラチーズを製造するための方法

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JP3014844B2
JP3014844B2 JP4023342A JP2334292A JP3014844B2 JP 3014844 B2 JP3014844 B2 JP 3014844B2 JP 4023342 A JP4023342 A JP 4023342A JP 2334292 A JP2334292 A JP 2334292A JP 3014844 B2 JP3014844 B2 JP 3014844B2
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リー バルツ リチャード
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レプリノ フーズ カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、種々のモザレラチーズを製造
し、微粉砕し、そして包装するための連続方法及びより
詳しくは、製造されるチーズが、追加の熟成又は処理に
ゆだねられないでの使用のために機能する方法に関す
る。本発明はまた、この方法を用いて製造されるモザレ
ラチーズの組成物にも関する。乳脂肪、タンパク質及び
湿気成分は、所望する性能特性を達成するような態様で
調整される。
【0002】酪農産業及び特にチーズ産業は、所望する
及び期待されるチーズの性能特性を得るために、製造工
程の間に必要とされる時間の長さを減じる試みを長年、
行なって来た。モザレラチーズ種に関与する性能特性
は、ピザ上でこれらの種類を料理する場合に示される性
質である。これらは、ふくれ、溶融、伸び及び柔らかさ
の程度に関する溶融特性を包含する。熟成工程の短縮又
は全体としてそれを排除する能力は、熟成チーズの費用
に直接関係する有意な経済的有益性を有する。
【0003】モザレラ種のチーズは: a)約1.5〜3.5重量%の範囲で脂肪含有率を有す
る牛乳を低温殺菌し(多くの国において、水牛乳が使用
される); b)チーズ乳を得るために1又は複数の乳酸生成細菌と
共に前記牛乳を発酵し; c)カード及び乳清から成る凝塊を得るために前記チー
ズ乳を凝固し; d)前記凝塊を切り、そしてそれから乳清を流し、それ
によってチーズカードを残し; e)チーズカードが、約45〜60重量%の範囲の湿分
及び少なくとも約30重量%(乾燥固体に基づいて)の
乳脂肪含有率を有する均質の繊維性塊状物になるまで、
そのチーズカードを加熱し、混練し、そして延ばし; f)前記塊状物を冷却かん水槽中に置き、そして冷却及
び塩浸透を達成するのに十分な間、それをそこに放置
し;そして g)前記かん水から冷却されたチーズを取り出す段階を
含んで成る方法により製造される。
【0004】かん水処理段階の後、得られた未熟成モザ
レラチーズは、特徴的な味覚及びきめ並びに許容できる
ベーキング特徴を開発するために約7〜21日間、約3
5〜45°Fでこれまで熟成されて来た。(熟成工程は
時々、“貯蔵”又は“成熟”として言及される。)チー
ズの主成分、すなわち炭水化物、タンパク質及び脂肪の
すべては、熟成の間、変化を受ける。代謝工程、たとえ
ば酵素的脂質分解及びタンパク質分解の複雑な種類を通
して、これらの主要成分が、酪酸、ペプチド、アミノ酸
及び脂肪酸に代謝される。
【0005】熟成の後、モザレラチーズは、熟成工程を
一旦停止するために、しばしば微粉砕され、そして凍結
され、そして次に冷蔵庫に運ばれる。それはブロック形
で凍結される。
【0006】モザレラチーズのベーキング特徴はひじょ
うに重要である。ほとんどのモザレラチーズがピザを製
造するために使用される。これは、ピザ皮上へのトマト
ソース及びチーズ(微粉砕された形で)の拡がりを要
し、そして次に、約400〜1000°Fの範囲の温
度、しばしば約450〜650又は850°Fの範囲内
の温度で維持されているオーブン中でその得られたピザ
をベーキングすることを要する。良く知られているよう
に、多くの種類の他の食品、たとえばペッパーローニス
ライス、マッシュルームスライス、ひき肉、ソーセージ
及びパイナップルがピザ上にトッピングとして使用され
得る。チーズが溶融するにつれて、チーズ成分が流体化
し始め、これは水の蒸発、油の開放及びふくれをもたら
す。所望することは、皮が過剰ベークされる前、チーズ
が十分に溶融することである。所望できないことは、チ
ーズが、それを溶けるにつれて多くの大きなふくれを形
成することである。タンパク質により形成されるふくれ
は、ピザの外観、味及び口での感覚を損じる黒くて硬い
かさを創造しながら焼ける。満足するためには、皮が焼
けるにつれて、チーズは最少のふくれを伴って溶融する
必要がある。
【0007】熟成段階にゆだねられない場合、モザレラ
種のチーズは、ベークドピザを作るために使用される場
合、有意にふくれを伴って来た。より高いオーブン温度
になるほど、ふくれの危険性が高まる。モザレラ種のチ
ーズの熟成は、相当の時間、空間及びエネルギーを必要
として、これは最終製品の費用を高める。他の種類のチ
ーズにも、多かれ少なかれある程度、同じことが生じ
る。このためにいくつかの型のチーズのために熟成工程
を促進する手段を見出す多くのアプローチの試みが行な
われて来た。
【0008】Lederer(1953)は、アメリカ
ンチェダーチーズのための熟成時間が、未熟成の場合、
そのチーズを60〜180分間、凍結のまま保持しなが
ら、そのチーズをすばやく凍結し、そして次に、45〜
60°Fで維持されている従来の熟成室にそのチーズを
移すことによって短くされ得ることを開示した。良好な
本体、きめ及び風味が、従来の方法による少なくとも6
週間の熟成に比べて、たった6日間後に達成される。
(Lederer、アメリカ特許第2,816,036
号、“Cheese Manufacture, ”1953年5月1日出
願、1957年12月10日公告)。
【0009】Freeman(1959)は、チェダー
チーズの熟成が培養物の混合物及び初めの4週間、高温
(60°F)を用いることによって促進され得ることを
開示する。(Freeman, "Accelerating the Aging Proce
ss in Cheddar Cheese," Kentucky Agric. Experiment
Station, U.Kentucky, Bulletin 666 (6月、1959) 。)
【0010】Kristofferson(1967)
は、チーズのスラリーへの還元されたグルタチオン及び
ポルシンリパーゼの添加が、チーズペーストを製造する
場合、チェダーの熟成を促進するであろうことを教授す
る。(Kristofferson,など."Cheddar Cheese Flavor.I
V.Directed and Accelerated Ripening Process," J.Da
iry Sci. Vol.50, No.3, 292〜297(1967) 。)
【0011】Singh(1969)は、スラリー形で
のチェダーチーズの熟成がクエン酸ナトリウム及びビタ
ミン並びに鉱物の添加により促進され得ることを開示す
る。(Singh,など., "Factors Affecting Flavor
Development in Cheddar Cheese Slurries," J. of Da
iry Sci. Vol.53, No.5, 533〜536(1969) 。)
【0012】Prochazka(1971)は、熟成
期間を少なくとも1/3短くするために“モザレラタイ
プ”のチーズへのクエン酸ナトリウムの添加を開示す
る。(チェコスロバキア特許第141,283号、“Pr
ocess for the Production ofCheeses with Accelerate
d Ripening," May 15, 1971。)
【0013】Sullivan(1973)は、アメリ
カンチーズ及びスイスチーズが、チーズカードにアデノ
シン−3′,5′−環状モノホスフェートを添加するこ
とによって2〜5倍早く熟成され得ることを開示する。
(Sullivanなど.,アメリカ特許第3,859,
446号、“Method for Ripid Curing of Cheese,"1
973年9月26日出願、1975年1月7日公告。)
【0014】Sutherland(1975)は、チ
ェダーチーズのスラリーを熟成するために必要とされる
時間が、種々の異なった条件、たとえば熟成容器におけ
るヘッドスペース空気を調節することによって短くされ
得ることを教授する。(Sutherland, "Rapidly Ripenin
g Cheese Curd Slurries in Processed Cheese Manufac
ture," the Australian J. of Dairy Tech., Vol.30, 1
38〜142(1975) 。)
【0015】Shehata(1977)は、生の水牛
乳へのクエン酸ナトリウムの添加がそれから製造される
ラスチーズの脂質分解及びタンパク質分解を促進するこ
とを教授する。(Shehataなど., "Effect of Ad
ding Sodium Citrate to Buffaloes' Milk on Chemical
and Organoleptic Propesties of Ras Cheese," Dairy
Sci.Abstracts, Vol.41, No.9, 550(1979) 。)
【0016】Lee(1979)は、熟成工程を短くす
るためにモザレラチーズ中へのプレガストリックエステ
ラーゼ溶液の注入を提案した。(Lee, Hyong Joo, "Acc
eleration of Cheese Ripening : High Pressure Injec
tion and Diffusion of Curing Comporents in Italian
-Type Cheese," Ph.D.Thesis, U.Wisconsin-Madison,19
79.)Leeの論文は、チーズ熟成の促進に対する文献
批評を含む。Leeは、ほとんどの化学反応のように熟
成工程は、高温で促進されるが、しかし多くの場合、所
望しない反応がまた生じ、風味がない生成物をもたらす
ことを報告する。
【0017】Abdel Baky(1982)は、ラスチーズの
スラリーへのクエン酸ナトリウム、プロテイナーゼ及び
リパーゼの添加が熟成期間を2カ月から7日に短くする
ことができることを示す実験の結果を報告する。(Abde
l Baky, など., "Ripening Changes in Cephalotyre "R
as" Cheese Slurries," J.Dairy Research, Vol.49,337
〜341(1982) 。)
【0018】Law(1987)は、種々のチーズの熟
成が外来性タンパク質分解酵素の添加により促進され得
ることを示した。(Law, Barry A., "Proteclysis in R
elation to Normal and Accelerated Cheese Ripenin
g," Cheese : Chemistry, Physics and Microbiology
(Elsevier Applied Science), New York, N.Y.1987, Ed
ited by P.F.Fox, Vol.1, ch.10, 365 〜392 。)(リ
パーゼ及びエステラーゼの添加は、1950年代以来、
イタリアンタイプのチーズ製造に実施されて来た。)
【0019】これらの従来技術の方法のすべてに関し
て、ある期間の熟成が必要であるものとして示されてい
る。所望する性能特性を示すモザレラチーズ種が、別の
熟成段階のための必要性を排除する方法により製造され
得ることが発見された。本発明の方法においては、モザ
レラ種のチーズの製造の従来の段階が使用されるが、し
かしその成分及び条件は、かん水処理段階から得られる
チーズが少なくとも約70重量%の組合された湿分及び
湿潤乳脂肪含有率を有するように調節される。最終チー
ズの湿分及び乳脂肪含有率を調節するための手段は、モ
ザレラ製造業界において知られている。従って、たとえ
ば乳脂肪含有率は、牛乳中の過剰の脂肪を分離器中で除
去することにより調節することができる。これはちょう
ど低温殺菌の前で存在する。湿分は、たとえば加熱段階
の温度及び長さを調節する他に、発酵の間、酸生成の量
を調節することによって調節され得る。
【0020】今日、市場でのモザレラチーズは、70%
以下、たとえば約65〜69.5重量%の組合された湿
分及び湿潤乳脂肪含有率を有する。また、もちろんそれ
らは熟成されている。今日、市場での最っとも通常の4
種のチーズについての典型的な組成例は次の通りであ
る:
【0021】
【表1】
【0022】1)U.S.Code of Federal Regulations, C
hapter 21, Sections 133.155 〜133.158 により定義さ
れた通り。 2)結合及び遊離水−すなわち200℃のオーブン中で
一晩乾燥される場合に失なわれる重量の%。 3)全チーズの重量に基づく%(固体ではない)。 4)“Fat on Dry Basis”−チーズ中の乾燥された固形
分に基づく%。 本発明の方法により製造されるモザレラチーズはすぐに
満足するピザを製造するために使用され得ることが見出
された。熟成は必要とされない;事実、それは所望さえ
されない。その未熟成チーズは、ベークド食品への使用
のために所望する性能特性をすでに有する。それはすぐ
に凍結され、そして輸送され得る。凍結のまま保持する
場合、そのチーズは12カ月もの間、満足する性能特性
を保持するであろう。
【0023】チーズは、かん水処理の完結後、48時間
以内で使用されるか又は凍結されるべきである。それが
その時間以内に使用されず又は凍結されない場合、その
溶融性能特性上のある制御が失なわれるであろう。次に
チーズは、それがまず“熟成”を可能にされなければ、
すなわち少なくとも5日以上未使用のままである場合、
ベークされる時、焦げ、そしてふくれる傾向がある。特
に好都合な態様において、本発明の方法は、連続的な態
様で行なわれ得、そしてチーズは、かん水処理後、たっ
た2時間以内で微粉砕され、そして凍結される。
【0024】チーズはかたまりに形成され、そして所望
によりその形状で凍結されるが;しかし好ましくは、そ
れは、凍結の前、微粉砕されるであろう。それがかたま
りの形で凍結される場合、牛乳の低温殺菌からトラック
への凍結された最終チーズの箱づめされたかたまりの積
込みまでの全工程は、たった36時間で行なわれ得る。
チーズが、凍結の前、ダイスに通され又は細長く切ら
れ、そして凍結が独立したすばやい凍結により達成され
る場合、低温殺菌から輸送までの全工程は、それ以下の
時間で、たとえば約8時間ほどで完結され得る。それに
対して、従来技術の方法は、所望する性能特性を達成す
るためにさらに7〜21日の熟成を必要とする。
【0025】本発明の方法により製造されるモザレラチ
ーズは、それが輸送されるピザ製造所によりすぐに使用
され得る。待つ必要はない。それがアメリカ特許第4,
753,815号(Kielsmeierなど)に開示
される方法により独立してすばやく凍結される場合、そ
れはまず融解される必要さえなく;それは凍結状態でオ
ーブン中に入れられ得る。今日ピザ産業において使用さ
れる典型的な料理条件下で、本発明のチーズは、通常7
〜21日間熟成された70重量%以下の組合された湿分
及び湿潤乳脂肪を有するモザレラと同じぐらい又はそれ
以上の性能をピザ上で示す。
【0026】有意に70重量%以下の組合された湿分及
び乳脂肪分を有するモザレラチーズが、かん水から取り
出された後すぐに凍結され、そして輸送される場合、そ
れは融解されるべきであり、そしてそれがピザ上に使用
される前7日又はそれ以上の間、約35〜45°Fでク
ーラー中に保持され、そして今日のピザ産業で使用され
る典型的な料理条件下で満足する溶融性能を生む。その
ようなチーズは、それが凍結される前、少なくとも1週
間、熟成されるべきであり、又はそれがすぐに凍結され
る場合、それは融解され、そして次に今日、ピザ産業に
おいて使用される典型的な条件下でベーキングピザに満
足して使用され得る前、少なくとも1週間熟成されるべ
きである。70重量%以下の組合された湿分及び乳脂肪
分を有する未熟成チーズは制限された異常な料理条件下
で許容できる溶融特性を示すように製造され得るが、し
かし必要とされるものは、ピザ製造業者がベーキング時
間及び温度の標準条件下で使用することができるモザレ
ラである。本発明の方法により製造されるチーズは、た
とえそれが熟成なしに製造されたとしても、前記のよう
な特性を有するチーズである。
【0027】ピザ産業は、ピザの主成分の1つとしてモ
ザレラチーズを通常使用する。種々のタイプのピザ(す
なわち薄い皮、厚い皮、等)及び使用されるオーブンの
型が、モザレラチーズの性能又は溶融特性に有意に影響
を及ぼすであろう。さらに、ピザが料理される時間の長
さ(及びそれが料理される温度)は、チーズの性能に類
似する影響を及ぼすであろう。従って、ピザ上でモザレ
ラチーズを料理する場合、所望する溶融特性を得るため
に利用できるエネルギーの量は、これらの料理条件によ
り制限される。
【0028】性能、特に溶融特性、たとえばふくれ、溶
融及び伸びは、ピザ製造業者にとって重要である。なぜ
ならば、それは、最終消費者に最っとも明らかであり、
そしてピザを食べる全体の喜びに寄与する特性であるか
らである。上記のように、そのような溶融特性を得るた
めには、モザレラチーズは、その組成にかかわらず、7
日又はそれ以上の間、熟成を必要とすることが一般的に
許容されて来た。本発明は、モザレラチーズの熟成又は
いづれか他の処理の必要性を排除し、さらに熟成された
従来技術のチーズの特性に類似する溶融特性を達成する
方法を提供する。
【0029】溶融特性に影響を及ぼすモザレラチーズの
3種の主成分:湿気、乳脂肪及びタンパク質が存在す
る。これらの成分のすべて及びそれぞれ組合してのこれ
らの成分は、モザレラチーズの性能特性に役割を示すこ
とが理解されている。3種の成分のうちタンパク質及び
より詳しくは、タンパク質製造の複雑性が得られる最終
溶融特性に関して主な制限要因である。チーズのいづれ
か他の成分よりもタンパク質構造は、ピザ上で料理され
る場合、その流体化又は溶融化を引き起こすために高い
程度の熱(すなわちカロリーエネルギー)を必要とす
る。流体化になる場合、長く連鎖状のタンパク質分子が
分解するに違いない。この分解は典型的には、チーズが
約150〜200°Fの範囲の温度に加熱されることを
必要とする。この温度範囲はまた、ピザを料理する場合
に通常達成される温度と同じである。タンパク質構造の
この分解により、所望する溶融特性が達成され得る。
【0030】温度は物質により放される平均の運動エネ
ルギーの測定であり;そして従って、溶融された物質の
温度は吸収されるエネルギーの量、物質の融点及び放さ
れるエネルギーの関数であることが十分に理解される。
従って、チーズのタンパク質構造を分解し、そして溶融
するために必要な温度を得るためには、一定量のエネル
ギーがチーズにより吸収される必要がある。溶融が完結
した後、エネルギーは開放され、そしてチーズの温度は
より容易に上昇するであろう。ピザを料理する場合、ピ
ザの他の成分(たとえばドウ、ソース等)は、それらの
所望するベークド特徴が同様に得られることを確保する
ためにさらにエネルギーを必要とする。利用できるエネ
ルギー及びエネルギーの移行の量は、ピザの特定のスタ
イル及び特定の料理条件(すなわちオーブン時間及び温
度)に基づいて制限される。ピザは、チーズを料理する
長期の間、オーブン中に放置され得ず、又は他に皮及び
他の成分が劣化するであろう。
【0031】現在まで、ピザ産業で通常使用される料理
条件下で利用できるエネルギーは、チーズが熟成されて
いないなら、モザレラチーズに関連する複雑なタンパク
質構造を分解するのに十分ではないと思われて来た。熟
成はタンパク質分解を通してタンパク質を一部分解す
る。構造的により複雑でない小さなタンパク質単位(ペ
プチド)は、分解するために多くのエネルギーを必要と
しない。
【0032】熟成がモザレラチーズの性能特性に基づい
て有する第2の効果は、チーズ内の塩の平衡化及びチー
ズにおける遊離水:結合水の比の変化である。“結合
水”とは、チーズにおける他の成分に化学的又は物理的
に結合される水を意味する。残りは“遊離水”である。
これらの両要因は、モザレラチーズの最終溶融性能に影
響を及ぼす。ベークドピザ上のチーズのふくれは、存在
するタンパク質の焦げ又は乾燥により引き起こされると
思われる。従って、ピザ上でチーズを料理する場合、過
剰のふくれを回避するために、それが溶融するにつれ
て、タンパク質構造体が湿分を保持することが臨界であ
ると思われる。しかしながら、チーズ中に多量の遊離水
が存在する場合、そのような水は、料理工程の間、押し
流され、高い程度のふくれをもたらす。他方、有意な量
の結合水を有するチーズ(チーズの熟成に通常関係す
る)は、この結合水が容易に押し流されないので、ふく
れる傾がなく、従ってタンパク質構造を湿って保持す
る。
【0033】本発明により記載される方法及び得られる
生成物においては、遊離水の過剰のフラッシングが次の
要因により回避されると思われる:1)混合/成形の
間、塩の導入。塩は、水を“結合する”能力を有し、従
って料理の間、フラッシュされ得るいくらかの遊離水を
チーズの中に保持する。2)適切な湿分及び乳脂肪分を
有し、そして従って、十分に高い熱容量を得ることによ
って、タンパク質及び乳脂肪は、それがフラッシュされ
る前、遊離水を保持するために料理工程において十分に
流体になる。
【0034】本発明の方法により生成されるモザレラチ
ーズは、かん水に冷却された後、微粉砕及び包装される
前、48時間までの間保持され得、そしてそれはまだ、
所望する性能特性を有するであろう。微粉砕の好ましい
時は、かん水処理後、2時間以内である。これはチーズ
の性能特性を最適化し、そして連続的な工程に関係する
製造効力を保持する。約48時間以上、不凍結状態での
チーズの保持は、チーズ顆粒に適切に微粉砕するのには
柔らか過ぎる生成物をもたらす。これは、チーズが約5
2〜60重量%の範囲での湿分及び約20〜30重量%
の範囲での湿潤乳脂肪分を有する場合、特に事実である
ように思える。
【0035】凍結される前、48時間以上保持されてい
る生成物は、所望する溶融特性を得るために従来の熟成
(一般的に合計7〜21日)を要する傾向があることが
また観察された。理論的ではないが、湿分とタンパク質
の状態との間の関係は次の通りである:海水処理の完結
後、初めの48時間以内に、所望する溶融特性は達成さ
れるが、しかしこの時間の後、この関係の変化が存在
し、そして1週間又はそれ以上の間チーズを熟成するこ
とによってのみ、所望する溶融性能が得られる。48時
間以内にそれを凍結することによって未熟成チーズの所
望する性質を一般的に保持することができる。好ましく
は、チーズは、約25°F又はそれ以下のコアー温度に
凍結されるであろう。
【0036】ピザを製造するために使用される場合、ト
マトソース(他の成分は任意である)と共に本発明の方
法により調製されたチーズは、凍結されているか又はさ
れていないピザ皮上に広げられる。また、その皮はベー
クされていなくても、一部ベークされていても又は十分
にベークされていても良い。チーズは一般的に、オーブ
ンに入れられる前、14日ほど先んでて融解される。し
かしながら、上記のように、それはベーキングの前、長
く融解される必要はない。それは、融解される場合、使
用の前、1または2日ほどで十分に性能を示す。さら
に、チーズがアメリカ特許第4,753,815号に開
示されるIQF法により凍結される場合、それはいづれ
の予備融解なしにオーブンに入れられ、そしてそれは、
所望するベーキング特性をまだ示すであろう。
【0037】本発明の方法において、成分及び条件は一
般的に、約50〜60重量%の範囲の湿分及び約16〜
30重量%の範囲の湿潤乳脂肪分を有するチーズを得る
ために調整される。モザレラチーズが本発明の方法で保
持される好ましい組成は、少なくとも52重量%の湿分
及び少なくとも18重量%の湿潤乳脂肪である。
【0038】上記のように、熟成の目的の1つは、モザ
レラチーズのかたまりの中央への外側の皮からの塩(塩
化ナトリウム)の拡散を可能にすることであり、それに
よってチーズの塩濃度を平衡化する。熟成は本発明の方
法において排除されるので、加熱、混練及び伸ばし操作
の間、約0.5〜1.5%の塩(カードの重量に基づ
く)を新鮮なチーズ中に混合することが好ましい。最っ
とも好ましくは、少なくとも0.8重量%の塩が添加さ
れるであろう。
【0039】チーズカードが均質の繊維状塊状物に加熱
され、混練され、そして伸ばされた後、それはかん水処
理される。その塊状物は典型的には、約125〜155
°Fの温度で存在するであろう。その温かな塊状物はか
ん水タンク中に直接押し出され、又はそれはかたまり
(たとえば約3〜1/2″×7″×22″)に手で押し
出され、そして初めに、冷却水中で急冷される。手で押
し出される場合、その塊状物は冷却水(約35〜50°
F)に含浸されているステンレス鋼製金型に約20〜3
0分間置かれる。これは、チーズをその形状に保持する
のに十分冷却する。次に、それは金型から取り出され、
そして約35〜55°Fの温度及び約50〜98重量%
の塩度を有するかん水タンクに置かれる。
【0040】しかしながら、手動押し出しは集中的な労
力を要し、そして“超冷却”かん水溶液中への温かな繊
維状塊状物のリボンの直接的な押し出しが好ましい。リ
ボンは好ましくは、約6〜8インチの幅×3〜4インチ
の厚さである。超冷却かん水は典型的には、約0〜25
°Fの範囲の温度で存在し、そして約30〜60重量%
の塩度を有するであろう。チーズは、それをすばやく硬
化するために、超冷却かん水中で急速に急冷される。リ
ボンが切断される前、適切に硬化されなければ、チーズ
のかたまりは変形し、そしてそれらの均等な形状を失う
傾向がある。チーズリボンは一般的に、そのコア温度
が、約120°F又はそれ以下、たとえば約90〜11
0°Fの範囲以内に下げられる場合、適切に硬化される
であろう。通常、これは超冷却かん水中での約10分以
下の冷却を要する。押し出されたチーズのリボンは、そ
れが超冷却かん水中で硬化された後、約20〜26イン
チの長さに切断され得る。次に、そのチーズのかたまり
は、主要かん水タンク中でさらに冷却され、ここで温度
は約35〜55°Fであり、そして塩度は約50〜98
%である。
【0041】チーズが押し出され、そして切断され、又
はそれが手動的に押し出されても、大きなチーズのかた
まりは、それらのコアー温度が約75°F又はそれ以
下、たとえば約55〜75°Fの範囲の温度に下がるま
で、主要かん水タンク中に放置される。押し出し工程及
び二段階かん水処理を用いて、チーズは約3時間以内で
75°F又はそれ以下のコアー温度に急冷され得る。
【0042】約75°F又はそれ以下のコアー温度が塩
処理されたチーズのかたまりを顆粒に微粉砕するために
所望されることが見出された。75°F以上の温度はし
ばしば、遊離湿気及び液体乳脂肪が存在するチーズをも
たらす。微粉砕される場合、これらの成分はチーズ顆粒
中に十分に保持されない。さらに、75°F以上のチー
ズはチーズを切断するために使用される装置にくっつく
傾向がある。75°F以下に加熱されたチーズを冷却す
るために必要とされる時間は、チーズの厚さを下げそし
て/又は使用されるかん水温度を下げることによって減
じられ得る。
【0043】ピザ用トッピングとして使用するために
は、チーズは好ましくは、個々の断片の中心又はコアー
がその表面からたった約1/8″及び好ましくはその表
面からたった1/16″である最終の大きさに微粉砕さ
れる。
【0044】好ましくは、チーズの最終の大きさの断片
は、容易に流れる凍結生成物を形成するために微粉砕の
後すぐに、独立してすばやく凍結することにゆだねられ
る。凍結は好ましくは、約−20〜−40°Fの温度
で、冷却空気を用いて、流動層フリーザー中で行なわれ
る。
【0045】いづれかの時点でフリーザー中に存在する
チーズの量は好ましくは、チーズの個々の断片が、フリ
ーザーに入った後、たった5〜7分以内で約−10°F
のコアー温度に冷却されるのに十分少ないであろう。好
ましくは、チーズ断片は、フリーザーから取り出される
前、約−10°F以下、たとえば約−10〜−25°F
の範囲のコアー温度に凍結されるであろう。
【0046】すばやい凍結段階は好ましくは、湿気の蒸
発により、その重量の約1%以上を失なわないように、
チーズの湿分を実質的に下げないような手段で行なわれ
る。
【0047】チーズの凍結断片がフリーザーから取り出
される場合、それらは所望により、風味添加剤、及び/
又は1又は複数の他のチーズ化学物質、たとえば乳化
剤、たとえばクエン酸ナトリウム及び/又は界面活性
剤、たとえばジメチルポリシロキサンにより被覆され得
る。
【0048】チーズ断片へのいづれかの風味剤、乳化剤
又は界面活性剤の好ましい適用手段は、それらを均等に
被覆するためにその断片を混転しながら、チーズの凍結
断片上に前記添加剤の水溶液又はエマルジョンを噴霧す
ることによってである。種々の添加剤が、一緒に又は別
々の溶液から適用され得る。溶液濃度及び被覆適用速度
は好ましくは、約10〜2000ppm の風味剤、約10
〜2500ppm の乳化剤及び約1〜10ppm の界面活性
剤(すべてはチーズの重量に基づく)を適用するため
に、及び約0.5〜4%の水(また、チーズの重量に基
づく)によりチーズを被覆するために調節され得る。チ
ーズ及び水は、噴霧が実質的に即座にチーズ断片上を被
覆する氷を形成するほど十分に両者とも冷たくあるべき
である。
【0049】
【実施例】例1 ハート−スキムモザレラチーズカードを、アメリカ特許
第3,961,077号(Kielsmeier)に記
載される一晩−カード−保持システム(overnight-curd
-hold system)を用いて製造した。ラクトバシラス(l
actobacillus)及びストレプトコーカス
(streptococcus)の微生物を含む出発培
養物を使用し、そしてチーズ牛乳を子牛のレンネットの
添加により凝集する。カードの組成を、52%以上の湿
分及び18%以上の乳脂肪分(従って70%以上の合計
の湿分/乳脂肪分)を有する最終チーズ生成物を得るた
めに調節した。
【0050】チーズカードを一晩保持し、その後、発酵
を完全にした。添付図面の図1は、この点からの工程の
代表的な図である。図1に関して、発酵カード(示され
ていない)は、添加される1.5%の塩(塩化ナトリウ
ム)(示されていない)と共に混練され、そして伸ばさ
れながら、ミキサー/成形機10において140°Fに
加熱された。約5〜7分間の混合の後、その溶融された
チーズは、アメリカ特許第4,339,468号(Ki
elsmeier)に記載される方法に従って、4″×
7″の連続リボン12の形で予備かん水タンク11中に
押出された。押出されたリボンは“超冷却”塩化ナトリ
ウムかん水中に直接的に流れ、ここで前記かん水は10
°Fで存在し、そして60%の塩度レベルを有した。か
ん水中でのリボンの滞留時間は8分であり、この時点
で、4″×7″のリボンがタンク11から持ち上げら
れ、そしてカッター13により20インチの長さ14に
切断された。この切断の時点でのチーズのコアー温度は
120°Fであった。次に冷却され、塩処理された4″
×7″×20″のかたまり14は、主かん水タンク15
中で3時間の浮遊を可能にされる。タンク15中でのか
ん水の温度は45°Fであり、そしてそれは95%の塩
度を有した。主かん水タンクから取り出される場合、チ
ーズのコアー温度は65°Fであった。
【0051】次に冷却されたパート−スキムモザレラチ
ーズを、コンベアー16によりキューバー17に運び、
ここでチーズは2″×2″×3″のかたまり18にすぐ
に形状化された。そのかたまりをすぐにダイサー19に
運び、ここでそれらは1/8″×1/8″×1/8″の
チーズ顆粒20に微粉砕された。顆粒をすぐにI.Q.
F.フリーザー21に運び、ここでそのフリーザーは、
アメリカ特許第4,753,815号に記載されるよう
な Frigoscandia Model 300 Flo-Freeze流動層フリーザ
ー21である。凍結後、チーズ22のコアー温度は−2
0°Fであった。次にそのチーズを包装し、そして0℃
で維持されているフリーザー(示されていない)に追加
の評価のために保持した。
【0052】対照として供給するために、70%以上の
組合された湿分及び乳脂肪分を得るために調節されてい
ない追加のパート−スキムモザレラチーズを、同じ方法
により製造し、微粉砕し、凍結し、そして包装した。こ
のチーズを、この後、対照1Aとして言及する。これに
関しては、この非調整パート−スキムモザレラチーズの
一部を、冷却後すぐに微粉砕せず、しかし代わりにかた
まりの形で包装し、クーラーに入れ、38°Fで9日間
維持し、そして次に微粉砕し、凍結し、包装し、そして
0°Fで追加の評価のために保持した。この後、このチ
ーズを、対照1Bとして言及する。
【0053】本発明の生成物及び前記2種の対照を、次
に同じクーラー(38°Fで維持される)に置き、そし
てすべての3種の生成物が38°Fの平衡化された温度
に達するまでそこに保持した。生成物が平衡化された
後、それぞれを、組成、見掛けの熱容量及び溶融性能に
ついて評価した。これらの生成物の組成及び見掛けの熱
容量は次の通りである:
【0054】
【表2】
【0055】チーズの見掛けの熱容量(また時々、“熱
インデックス値”として言及される)を、 Shimadzu Sc
ientific Instruments, Inc., Columbia, Marylandによ
り製造された差動走査熱量計の使用により測定した。そ
の値は、室温開始点(約21℃)から加熱される場合、
チーズ1gを完全に溶融するために必要とされるエネル
ギー(ジュール)の量を言及する。このエネルギーは、
チーズがその相変化を受ける前、吸収されると思われ;
従って、それは負の値として報告される。その数が低い
ほど(すなわちより一層負である)、チーズの見掛けの
熱容量は高くなる。
【0056】表1に示されるように、本発明の方法によ
り製造されたチーズは、いづれかの対照のチーズよりも
高い熱容量を示した。しばしば、本発明の方法によりチ
ーズを製造することに使用される条件及び成分は、−6
75ジュール/gで又はそれ以下での見掛けの熱容量を
有するチーズをもたらすであろう。
【0057】3種の生成物の溶融性能を、530°Fで
6.5時間、Middleby Marshall 360Sオーブン中におい
て、13インチ(直径)のピザ(リオンスのベークされ
ていないドウ及び4オンスのトマトソースから成る)上
で11オンスのチーズを料理することによって決定し
た。これは、特定のドウ及びトマトソースから製造され
る、このサイズのピザをベークするために通常使用され
る時間及び温度の組合せである。料理した後、個々の最
終ピザの写真を取り、そして料理されたチーズを、ふく
れ、溶融、伸び及び柔かさの%及び大きさについて評価
した。写真の複製はこの明細書に添付される図面の図2
〜4から成る。次の観察が、それらの3種の生成物の性
能に関して行なわれた:
【0058】対照1A(70%以下の組合された水及び
脂肪、熟成されていない):図2に見られるように、高
い程度のふくれ被覆面積が存在し、そして形成されるふ
くれの大きさは、小さな(たとえば“点”)のふくれか
ら大きなかさぶたまでの範囲である。生成物の表面はひ
じょうに乾燥し、そして明らかな乳脂肪は存在しなかっ
た。これは許容できない溶融性能である。
【0059】対照1B(70%以下の組合された水及び
脂肪、9日間熟成された):図3に見られるように、対
照1Aよりもより低い程度のふくれ被覆面積が存在し
た。点のふくれのみがこのピザ上に存在した。生成物の
表面は湿気があり、そして乳脂肪の存在は視覚的に明ら
かであった。これは、38°Fで9日間熟成されたパー
ト−スキムモザレラについて予期されるように、許容で
きる溶融性能である。
【0060】本発明の例:図4に見られるように、低%
のふくれ被覆面積が存在し、そして存在するふくれは点
のふくれであった。生成物の表面は外観上湿気があり,
そして明らかに乳脂肪が存在した。これは対照1Bの性
能に比較しうる溶融性能である。このチーズ及び対照1
Bのチーズはまた、風味、口での感覚及び伸び特性の点
で比較でき、そして許容できる。
【0061】例2 さらに、例2と同じ方法に従って、チーズを製造した。
但し、湿分及び乳脂肪レベルを変えた。すべてにおい
て、68.2%〜77.48%の組合された湿分及び乳
脂肪での19のバッチを製造した。チーズは熟成され
ず、そしてそれは1/8″の立方体にすべてダイスし、
そして第2かん水タンクから取り出された後すぐに、ア
メリカ特許第4,753,815号に開示されるIQF
法により凍結した。
【0062】これらのチーズの個々の熱容量を、例1に
記載されるのと同じ方法により測定した。溶融性能を、
例1におけるのと同じ条件下で13インチのピザを調製
するために個々のチーズのサンプルを用いることによっ
て測定した。個々のチーズは、次の尺度を用いて等級化
された:溶融性能の等級 意 味 1〜2 わずかなふくれ被覆面積(約10〜25%の表面積) 2〜3 中ぐらいのふくれ被覆面積(約25〜50%の表面積) 3〜4 実質的なふくれ被覆面積(約50〜75%の表面積)
【0063】得点は1/2等級のインクレメントで割り
当てられた。得点は“ブラインド”、すなわちどのチー
ズが使用されたかを知らないスコアラーにより付けられ
た。結果は表3に報告される。チーズは、高い順序で
(但し、最後に列挙される熟成された対照を除く)、そ
れらの熱容量に従って表に列挙される。
【0064】
【表3】
【0065】上記表から見られるように、9種のチーズ
が70%又はそれ以上の組合された湿分及び乳脂肪分を
有し、9種のチーズが70%以下の組合された含有率を
有し、そして19番目のバッチが従来通り熟成された対
照であった。70%以上の脂肪分及び湿分を有する9種
の未熟成バッチのうち、1種を除くすべての種は、卓越
した溶融性能等級(すなわち1〜2)を有した。70%
以下の脂肪分及び湿分を有する9種の未熟成バッチのう
ち、たった1種が1〜2の範囲の溶融性能等級を有し;
5種は一般的に許容できない2.5であり、1種は3で
あり、そして2種はひじょうに良好でない3.5であっ
た。
【0066】表2のデータを、合計湿分−及び−乳脂肪
分対熱容量のグラフ(図5)を得るためにプロットし
た。回帰分析をそのデータに基づいて行なった。それは
0.84の相関係数(r)を示した。湿分−及び−乳脂
肪分が高いほど、チーズの熱容量は高くなった。これは
一般的に、生物統計学者によれば、良好な相関を表わす
と思われる。
【0067】表2のデータをまた用いて、溶融性能対組
合された湿分−及び−乳脂肪分のグラフ(図6)をプロ
ットした。1〜2の範囲での溶融性能等級が一般的に許
容できるものとして考慮される。2.5又はそれ以上の
等級は一般的に、許容できないふくれ被覆面積を表わす
ものとして考慮される。すでに言及されたように、1つ
の生成物を除いて、1〜2の溶融性能等級が、組合され
た湿分−及び−乳脂肪分が70重量%に等しいか又はそ
れ以上である場合、均等に達成された。70%以下の組
合された湿分−及び−乳脂肪分を含む未熟成生成物の1
種を除くすべての種は、許容できない溶融性能等級(す
なわち2以上の等級)を有した。
【図面の簡単な説明】
【図1】これは、本発明の方法を用いて製造ラインの一
部の一般的な図面である。
【図2】これは、不十分な未熟成モザレラを用いてベー
クされたピザの図面に代る写真である。
【図3】これは、従来の熟成されたモザレラを用いてベ
ークされたピザの図面に代る写真である。
【図4】これは、本発明の方法により製造された未熟成
モザレラを用いてベークされたピザの図面に代る写真で
ある。
【図5】これは、本発明の方法により調製されたチーズ
の見掛の熱容量に対する組合された湿分及び乳脂肪分の
関係を示すグラフである。
【図6】これは、未熟成チーズの組合された湿分及び乳
脂肪分に対するその溶融性能の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10…ミキサー/成形機 11…予備海水タンク 12…連続リボン 13…カッター 14…かたまり 15…主海水タンク 16…コンベアー 17…キューバー 18…かたまり 19…ダイサー 20…チーズ顆粒 21…I.Q.Fフリーザー 22…チーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 19/00 - 19/084

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モザレラ種類のチーズを製造するための
    方法であって: a)1.5〜3.5重量%の範囲で脂肪含有率を有する
    牛乳を低温殺菌し; b)牛乳をチーズ乳に変化させ; c)カード及び乳清から成る凝塊を得るために前記チー
    ズ乳を凝固し; d)前記凝塊を切り、そしてそれから乳清を流し、それ
    によってチーズカードを残し; e)チーズカードが、45〜60重量%の範囲の湿分及
    び乾燥固体に基づいて少なくとも30重量%の乳脂肪含
    有率を有する加熱された未熟成のモザレラ種類のチーズ
    の均質の繊維性塊状物になるまで、そのチーズカードを
    加熱し、混練し、そして延ばし; f)前記加熱されたチーズを冷かん水中で冷却し;そし
    て g)前記かん水から冷却されたチーズを取り出すことを
    含んで成り、ここで(i)段階(a)〜(g)は、かん
    水から取り出された冷却チーズが少なくとも70重量%
    の(非乾燥重量に基づく)湿分及び乳脂肪の合計含有率
    を有するように調節され、そして(ii)前記チーズが、
    かん水から取り出された後、48時間以内に凍結され、
    それによって許容できるベーキング性質を有するモザレ
    ラ種類のチーズが、熟成しないで得られることを特徴と
    する方法。
  2. 【請求項2】 段階(e)の間、チーズカード中にチー
    ズカードの重量に基づいて塩化ナトリウム0.5〜1.
    5重量%が混合される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 かん水から取り出された冷却チーズが5
    0〜60重量%の範囲の湿分及び16〜30重量%の範
    囲の(非乾燥重量に基づく)乳脂肪含有率を有する請求
    項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 段階(f)において、チーズは23.8
    ℃又はそれ未満のコアー温度に冷却され、そして冷却さ
    れたチーズは、かん水から取り出された後、48時間以
    内に微粉砕され、そして凍結される請求項1〜3のいず
    れかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 段階(e)において、チーズカードが5
    1.6〜68.3℃の範囲の温度に加熱され;段階
    (f)において、未熟成モザレラチーズが12.7〜2
    3.8℃のコアー温度に冷却され;そしてその冷却され
    たチーズが、凍結される前、微粉砕される請求項4記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記微粉砕されたチーズの粒子が個々に
    すばやく凍結される請求項4又は5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記冷却されたチーズが、かん水から取
    り出された後、2時間以内に凍結される請求項1〜3の
    いずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 段階(f)において、チーズは23.8
    ℃又はそれ未満のコアー温度に冷却され、そしてその冷
    却されたチーズが、かん水から取り出された後2時間以
    内に、微粉砕し、そして次に個々にすばやく、すべて凍
    結される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 段階(f)において、前記加熱されたチ
    ーズはまず、30〜60重量%の塩分及び−17.7〜
    −3.8℃の温度を有する第1の塩化ナトリウムかん水
    中で部分的に冷却され、ここでそれは、チーズのコアー
    温度が37.7℃又はそれ未満に下がるまで、保持さ
    れ、この後、前記部分的に冷却されたチーズが、50〜
    98重量%の塩分及び1.6〜12.7℃の温度を有す
    る第2の塩化ナトリウムかん水中でさらに冷却され、こ
    こでそれは、チーズのコアー温度が23.8℃又はそれ
    未満に下がるまで、保持される請求項3記載の方法。
  10. 【請求項10】 段階(f)において、加熱されたチー
    ズが前記第1のかん水中に連続したリボンとして押出さ
    れ、そして前記リボンが、前記第2のかん水から取り出
    される前、断片に切断される請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 段階(g)からの冷却されたチーズ断
    片が微粉砕され、そして次に個々にすばやく凍結される
    請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 段階(g)からの冷却されたチーズ断
    片が微粉砕され、そして次に、前記第2のかん水から取
    り出された後、2時間以内に、個々にすばやく、すべて
    凍結される請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記チーズ断片が、それらのコアー温
    度が12.7〜23.8℃の範囲以内に下がるまで、前
    記第2のかん水中に保持される請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 段階(e)において、チーズカードが
    51.6〜68.3℃の範囲の温度に加熱される請求項
    4,10又は13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 段階(e)の間、チーズカードの重量
    に基づいて塩化ナトリウム0.8〜1.5重量%をチー
    ズカード中に混合する請求項1又は14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記かん水から取り出された冷却チー
    ズが少なくとも52重量%の湿分及び少なくとも18重
    量%の(非乾燥重量に基づく)乳脂肪含有率を有する請
    求項3,14又は15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記かん水から取り出された冷却チー
    ズが少なくとも52〜60重量%の湿分及び少なくとも
    20〜30重量%の(非乾燥重量に基づく)乳脂肪含有
    率を有する請求項2又は15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記かん水から取り出された冷却チー
    ズが、−675ジュール/g又はそれ未満の見掛け熱容
    量を有する請求項3又は16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記pHが、1又は複数の乳酸生成細菌
    と共に前記牛乳を発酵させることにより低下される請求
    項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 ベークされたピザを製造するための方
    法であって、トマトソース及び種々の微粉砕されたモザ
    レラチーズが、他のトッピングと共に又はそれらを伴わ
    ないでピザ皮上に広げられ、そして次にそのトッピング
    された皮が204.4〜537.8℃の範囲の温度で維
    持されているオーブン中でベークされ、ここで前記チー
    ズが請求項1,3,4,6,7,12,14,15又は
    16に記載の方法により製造されたチーズであることを
    特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 ベークされたピザを製造するための方
    法であって、トマトソース及び種々の微粉砕されたモザ
    レラチーズが、他のトッピングと共に又はそれらを伴わ
    ないでベークされていないピザドウ上に広げられ、そし
    て次にそのトッピングされたドウが204.4〜53
    7.8℃の範囲の温度で維持されているオーブン中でベ
    ークされ、ここで前記チーズが請求項18記載の方法に
    より製造されたチーズであることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 前記チーズが、トッピングされた皮を
    オーブンに入れる前、少なくとも14日まで凍結された
    まま保持されている請求項20又は21に記載の方法。
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