JP3013870U - 電子レンジ調理容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２段に積み重ねて煮物と蒸し物が同時に調理
でき、かつ、内部の蒸気が有効に流出される電子レンジ
調理容器を提供することを目的とする。 【構成】 上方開口状の浅底容器本体30と、該浅底容器
本体30よりも深さ寸法を大に設定する深底容器本体１
と、を備える。この浅底容器本体30と深底容器本体１
は、上下２段に積み重ね自在である。積み重ね状態に於
て、浅底容器本体30と深底容器本体１との重なり部９
に、蒸気逃げ用流出口10が形成される。また、上段の容
器本体には、蓋体２が取付けられ、この蓋体２には、蒸
気逃げ用貫孔15が設けられる。さらに、深底容器本体１
に蒸し物用すのこ16が、着脱自在に収納される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電子レンジ調理容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

電子レンジを使用して、食品を、焼いたり、煮たり、蒸したりする場合、一般 には、食品を電子レンジ調理容器に入れ、この容器を電子レンジ内に収納する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、使用中においては、食品は、食品自身が発熱し、これにより、 容器内が蒸気で充満し、この蒸気により、容器の蓋が外れ、内部の食品がこぼれ 出て、電子レンジ内が汚れる虞れがあった。

【０００４】 また、容器を２段に積み重ねて使用する場合、発生する蒸気等により、使用中 に、その積み重ね状態がくずれる虞れもあった。

【０００５】 そこで、本考案では、２段に積み重ねて使用しても、煮物、蒸し物等が容器外 部の電子レンジ内にこぼれ出ることがない電子レンジ調理容器を提供することを 目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するために、本考案に係る電子レンジ調理容器は、上方開口 状の深底容器本体と、該深底容器本体の上方又は下方に上下２段に積み重ね自在 な上方開口状の浅底容器本体と、該深底容器本体又は浅底容器本体の上方開口部 を施蓋する蓋体と、を備え、上記深底容器本体の深さ寸法を、上記浅底容器本体 の深さ寸法よりも大きく設定すると共に、深底容器本体と浅底容器本体の積み重 ね状態に於いて、上下の深底容器本体と浅底容器本体の重なり部に、蒸気逃げ用 流出口を形成し、さらに、上記蓋体には、蒸気逃げ用貫孔を設けた。

【０００７】 また、深底容器本体の周壁と浅底容器本体の周壁の夫々の外周下端部に、蒸気 逃げ用流出口を形成する窪部を有し、さらに、蓋体の外周端縁から外方へ突出状 として、押下てこ片を、上下揺動可能に連設し、かつ、深底容器本体と浅底容器 本体には、このてこ片の一部を当接状に受ける反力受け片を、突設した。また、 深底容器本体に蒸し物用すのこを着脱自在に収納して、該深底容器本体を蒸し物 用とした。

【０００８】

【作用】

（請求項１によれば、）上下２段に積み重ね自在であり、容器本体の深さ寸法 が異なるので、使用用途が拡がる。また、上下の容器本体の重なり部に、蒸気逃 げ用流出口が形成されるので、下段の容器本体内の食品から発生する蒸気は、こ の流出口から流出する。また、蓋体にも蒸気逃げ用貫孔が設けられるので、この 貫孔からも蒸気が流出する。

【０００９】 （請求項２によれば、）容器本体の上下積み重ね位置を逆にしても、上下の容 器本体の重なり部に、蒸気逃げ用流出口が形成されるので、下段の容器本体内の 食品から発生する蒸気は、この流出口から流出する。

【００１０】 （請求項３によれば、）押下てこ片が上下に揺動可能であって、この押下てこ 片を手で押し下げれば、押下てこ片の一部が反力受け片に当接し、その一部を軸 に、容易に蓋体が持ち上がる。

【００１１】 （請求項４によれば、）蒸し物用すのこを収納した深底容器本体は、蒸し物用 として使用でき、用途が拡大する。

【００１２】

【実施例】

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳説する。

【００１３】 図１は本考案に係る電子レンジ調理容器を示し、この容器は、上方開口状の深 底容器本体１と、該深底容器本体１の上方に上下２段に積み重ね自在な上方開口 状の浅底容器本体30と、該浅底容器本体30の上方開口部を施蓋する蓋体２と、を 備える。

【００１４】 また、深底容器本体１と浅底容器本体30の積み重ね状態に於いて、上下の深底 容器本体１と浅底容器本体30の重なり部９に、蒸気逃げ用流出口10が形成され、 さらに、蓋体２に、蒸気逃げ用貫孔15が設けられている。

【００１５】 容器本体は、浅底容器本体30の深さ寸法を小とし、深底容器本体１の深さ寸法 を大として、深底容器本体１の深さ寸法が、浅底容器本体30の深さ寸法よりも大 きく設定されている。

【００１６】 なお、図例では、浅底容器本体30が、深底容器本体１の上方に積み重ねられて いるが、上下を逆にして、浅底容器本体30の上方に深底容器本体１を積み重ねる ことも可能である。

【００１７】 しかして、浅底容器本体30は、図６に示すように、底壁30ａと、周壁30ｂと、 周壁30ｂの上端部に突設される外鍔部30ｃと、を備える。また、外鍔部30ｃには 、図７に示すように、平面視略三日月形状の一対の取手３，３が設けられ、底壁 30ａには、脚部４…が設けられる。

【００１８】 また、浅底容器本体30の周壁30ｂの外周下端部には、周方向凹所５が設けられ 、この凹所５には、窪部６が設けられる。

【００１９】 また、外鍔部30ｃより上方の周壁30ｂ外面には、係止用突部７…が突設され、 該係止用突部７は、図７に示すように、４個配設される。

【００２０】 なお、深底容器本体１は、浅底容器本体30に比べて深さ寸法のみ異なり、図１ に示すように、底壁１ａと、周壁１ｂと、周壁１ｂの上端部に突設される外鍔部 １ｃと、を備える。また、外鍔部１ｃには、浅底容器本体30と同様に、平面視略 三日月形状の一対の取手３，３が設けられ、底壁１ａには、脚部４…が設けられ る。

【００２１】 また、深底容器本体１の周壁１ｂの外周下端部に、周方向凹所５が設けられ、 この凹所５には、窪部６が設けられていて、この深底容器本体１を上段として、 上下２段に積み重ねる浅底容器本体30との重なり部に蒸気逃げ用流出口が形成さ れる。

【００２２】 しかして、図例では、深底容器本体１を下段とし、浅底容器本体30を上段とし て積上げられるが、この場合、深底容器本体１の上方開口端縁部８が浅底容器本 体30の周方向凹所５に嵌合する。

【００２３】 このように、積み重ねられた状態では、浅底容器本体30の周壁に、窪部６が設 けられているので、図10に示すように、上下の深底容器本体１と浅底容器本体30 の重なり部９に、外部と深底容器本体１内部とを連通連結する蒸気逃げ用流出口 10が形成される。即ち、深底容器本体１内に発生した蒸気が、矢印Ａの如く、外 部へ流出される。

【００２４】 しかして、蓋体２は、図２〜図５に示すように、上壁２ａと、上壁２ａから垂 下される周壁２ｂと、を備え、外周端縁11には、押下てこ片12，12が上下揺動可 能に連設される。

【００２５】 押下てこ片12は、平面視略半長円形状の本体部12ａと、この本体部12ａから垂 設される突出片部12ｂと、からなり、本体部12ａが薄肉の連結片からなるヒンジ 部13を介して矢印Ｃ，Ｄの如く揺動可能に周壁２ｂの下端縁に連設される。

【００２６】 また、蓋体２の周壁２ｂの内面下端には、図４に示すように、係止突部14が設 けられる。

【００２７】 従って、この蓋体２は、図１に示すように、浅底容器本体30の上方開口部を施 蓋するように、該浅底容器本体30の上方開口端縁部８に外嵌され、この際、図11 に示すように、蓋体２の係止突部14が浅底容器本体30の係止用突部７に係止して 、蓋体２は浅底容器本体30に係止する。

【００２８】 また、蓋体２が浅底容器本体30に係止した際には、図１に示すように、押下て こ片12の突出片部12ｂが、反力受け片22となる取手３に載置状とされ、押下てこ 片12の本体部12ａが、この反力受け片22に対して傾斜する。

【００２９】 従って、この状態から各押下てこ片12の本体部12ａの外端部を図１の矢印Ｄ方 向へ押下げれば、本体部12ａの内端部が突出片部12ｂを中心として上昇し、これ により、図12（Ａ）に示すように、蓋体２が矢印Ｅの如く上昇する。

【００３０】 そして、蓋体２が矢印Ｅの如く上昇することにより、蓋体２の係止用突部７対 応部が、矢印Ｆの如く拡開して、係止突部14が係止用突部７を乗り越え、図12（ Ｂ）のように、係止突部14が係止用突部７から外れ、蓋体２を浅底容器本体30か ら取外すことができる。

【００３１】 また、蓋体２の上壁２ａには、図１と図２に示すように、蒸気逃げ用貫孔15が 設けられ、この貫孔15を介して、浅底容器本体30内の蒸気が流出される。

【００３２】 なお、図示省略するが、深底容器本体１を上段として、浅底容器本体30を下段 として積み重ねた場合には、蓋体２は、深底容器本体１の上方開口部を施蓋する ように、該深底容器本体１の上方開口端縁部８に外嵌され、蓋体２の係止突部14 が深底容器本体１の係止用突部７に係止して、蓋体２は深底容器本体１に係止す る。

【００３３】 しかして、深底容器本体１には、図１に示すように、蒸し物用すのこ16が着脱 自在に収納される。すのこ16は、図８と図９に示すように、深底容器本体１の内 部形状に対応した形状（楕円形状）の本体部17と、該本体部17の裏面に垂下され るリブ18，18と、を備える。なお、リブ18，18は十字状に配設される。

【００３４】 また、リブ18の両端部には、下方へ突出する膨出部19，19があり、この膨出部 19，19が図１に示すように、深底容器本体１の底壁１ａ上に載置される。

【００３５】 さらに、このすのこ16の本体部17には、複数のスリット20が設けられると共に 、外周縁の一部に、切欠き部21が形成される。この切欠き部21は、すのこ16を深 底容器本体１に収納したり、深底容器本体１から取出す場合に、指が挿入されて 、その作業を容易とするものである。

【００３６】 次に、上述の如く構成された電子レンジ調理容器の使用方法を説明する。

【００３７】 深底容器本体１を蒸し物用とし、浅底容器本体30を煮物用として、深底容器本 体１内に、蒸し物用すのこ16を収納させ、この深底容器本体１内に、電子レンジ にて調理すべき蒸し物食品を収納すると共に、深底容器本体１上に浅底容器本体 30を積み重ね、かつ、この浅底容器本体30内に電子レンジにて調理すべき煮物用 食品を収納し、さらに、浅底容器本体30の上方開口部を蓋体２にて施蓋する。

【００３８】 つまり、食品が図示されていないが、図１に示すように、深底容器本体１と浅 底容器本体30が積み重ねられた状態に保持される。

【００３９】 そして、図１に示す状態の容器を、図示省略の電子レンジ内に収納して、電子 レンジを作動させれば、容器内の食品が調理される。

【００４０】 この際、深底容器本体１内の蒸気は、深底容器本体１と浅底容器本体30の重な り部９に形成される蒸気逃げ用流出口10から図10の矢印Ａの如く流出すると共に 、浅底容器本体30の蒸気は蓋体２の蒸気逃げ用貫孔15から流出する。

【００４１】 従って、調理中に、蒸気により、蓋体２が外れたり、上段の容器本体が下段の 容器本体に対してずれたりすることがなくなって、容器本体内の食品が電子レン ジ内に流出して、電子レンジ内を汚すことがない。

【００４２】 また、蓋体２を取外す場合、押下てこ片12を押下げれば、簡単に蓋体２を取外 すことができ、逆に、蓋体２を取付ける場合、蓋体２を上段の容器本体の上方開 口端縁部８に外嵌状として押下げれば、蓋体２の係止突部14が容器本体の係止用 突部７を乗り越えて、図11に示すように係止し、蓋体２は簡単に容器本体に係止 することになる。

【００４３】 なお、本考案は上述の実施例に限定されず、本考案の要旨を逸脱しない範囲で 設計変更自由であり、例えば、容器本体の形状を、図例では、平面視において略 楕円形状であるが、平面視において、円形状、矩形状、又は、多角形状等であっ てもよく、容器本体の寸法（例えば、高さ寸法、外形寸法等）としても、自由に 変更することができると共に、反力受け片22である取手３の形状としても、平面 視において矩形状又は半楕円形状等の種々のものであってもよい。

【００４４】 蒸気逃げ用流出口10を形成するための窪部６としても、勿論その数の変更は自 由であり、また、蓋体２の蒸気逃げ用貫孔15の数の変更も自由であり、さらに、 係止用突部７及びこれに対応する係止突部14の数の増減も自由である。

【００４５】

【考案の効果】

本考案は上述の如く構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００４６】 （請求項１によれば、）食品を収納する容器本体を２段に積み重ねることがで き、種類又は用途の異なる食品を同時に調理することができる。また、上下の浅 底容器本体30と深底容器本体１の重なり部９に、蒸気逃げ用流出口10が形成され るので、この流出口10から蒸気が流出して、安定した積み重ね状態が保持でき、 容器本体内の食品が電子レンジ内にこぼれることがない。上下の容器本体の容積 が相違するため、（例えば）蒸すときに最適の容積の方を選択できる。

【００４７】 また、蓋体２には蒸気逃げ用貫孔15が設けられ、蒸気逃げ用貫孔15から蒸気が 流出し、調理中、蓋体２が蒸気により、容器本体から外れることなく、該蓋体２ は常に上段の深底容器本体１又は浅底容器本体30の上方開口部を施蓋し、上段の 容器本体から食品が吹きこぼれることがない。

【００４８】 （請求項２によれば、）深底容器本体１と浅底容器本体30を上下２段にして積 み重ねれば、重なり部９に蒸気逃げ用流出口10が形成されるので、下段の容器本 体内の蒸気を外部へ流出できて、内部の食品が吹きこぼれたりしない。また、深 底容器本体１と浅底容器本体30の夫々に窪部６を有しているので、上下を逆にし て積み重ねても常に重なり部９に蒸気逃げ用流出口10が形成される。

【００４９】 （請求項３によれば、）蓋体２が装着された状態にて、蓋体２の押下てこ片12 を押下げれば、該蓋体２が簡単に外れるので、蓋体２の取外し作業が極めて容易 となる。

【００５０】 （請求項４によれば、）深底容器本体１を蒸し物用とし、浅底容器本体30を煮 物用として、同時に、蒸し物、煮物を調理することができ、全体の調理時間を大 幅に短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す一部断面正面図であ
る。

【図２】蓋体の断面正面図である。

【図３】蓋体の平面図である。

【図４】蓋体の断面側面図である。

【図５】蓋体の側面図である。

【図６】浅底容器本体の一部断面正面図である。

【図７】浅底容器本体の平面図である。

【図８】蒸し物用すのこの平面図である。

【図９】蒸し物用すのこの一部断面平面図である。

【図10】要部拡大断面図である。

【図11】蓋体装着状態の説明図である。

【図12】蓋体の着脱作業の説明図である。

【符号の説明】

１ 深底容器本体 １ｂ 周壁 ２ 蓋体 ６ 窪部 ９ 重なり部 10 蒸気逃げ用流出口 11 外周端縁 12 押下てこ片 15 蒸気逃げ用貫孔 16 蒸し物用すのこ 22 反力受け片 30 浅底容器本体 30ｂ 周壁

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方開口状の深底容器本体１と、該深底
   容器本体１の上方又は下方に上下２段に積み重ね自在な
   上方開口状の浅底容器本体30と、該深底容器本体１又は
   浅底容器本体30の上方開口部を施蓋する蓋体２と、を備
   え、上記深底容器本体１の深さ寸法が、上記浅底容器本
   体30の深さ寸法よりも大きく設定されると共に、深底容
   器本体１と浅底容器本体30の積み重ね状態に於いて、上
   下の深底容器本体１と浅底容器本体30の重なり部９に、
   蒸気逃げ用流出口10が形成され、さらに、上記蓋体２に
   は、蒸気逃げ用貫孔15が設けられていることを特徴とす
   る電子レンジ調理容器。
2. 【請求項２】 深底容器本体１の周壁１ｂと浅底容器本
   体30の周壁30ｂの夫々の外周下端部に、蒸気逃げ用流出
   口10を形成する窪部６を有している請求項１記載の電子
   レンジ調理容器。
3. 【請求項３】 蓋体２の外周端縁11から外方へ突出状と
   して、押下てこ片12を、上下揺動可能に連設し、かつ、
   深底容器本体１と浅底容器本体30には、このてこ片12の
   一部を当接状に受ける反力受け片22を、突設した請求項
   １記載の電子レンジ調理容器。
4. 【請求項４】 深底容器本体１に蒸し物用すのこ16が着
   脱自在に収納されて、該深底容器本体１を蒸し物用とし
   ている請求項１記載の電子レンジ調理容器。