JP3010063B2 - ポリシラン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体 - Google Patents

ポリシラン化合物を含有する感光層を有する電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の属する技術分野〕 本発明は、電子写真感光体に関し、詳しくは改善され
た電子写真特性を与える、ポリシラン化合物の有機光導
電体を有する電子写真感光体に関するものである。
〔従来技術の説明〕
従来、電子写真感光体で用いる光導電材料として、ポ
リビニルカルバゾールをはじめとする各種の有機光導電
性ポリマーが提案されてきたが、これらのポリマーは、
無機系光導電材料に比べ成膜性、軽量性等の点で優れて
いるにもかかわらず、今日までその実用化が困難であっ
たのは、未だ十分な成膜性が得られておらず、また感
度、耐久性及び環境変化による安定性の点で無機系光導
電材料に比べ劣っているためであった。また、米国特許
第4,150,987号明細書等に開示のヒドラゾン化合物、米
国特許第3,837,851号明細書等に記載のトリアリールピ
ラゾリン化合物、特開昭51−94828号公報、特開昭51−9
4829号公報等に記載されている9−スチリルアントラセ
ン化合物等の低分子の有機光導電体が提案されている。
このような低分子の有機光導電体は、使用するバインダ
ーを適当に変化することによって、有機光導電性ポリマ
ーの分野で問題となっていた成膜性の欠点を解消できる
ようになったが、感度の点で十分なものとはいえない。
近年、これらの問題を解決するためポリシラン化合物
の使用について検討が行われている。
ところで、ポリシランは溶剤不溶のものと報告され
〔ザ・ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサ
エティー,125,2291pp(1924)〕、その後、ポリシラン
が溶剤可溶性であり、フィルム形成が容易であることが
報告され〔ザ・ジャーナル・オブ・アメリカン・セラミ
ック・ソサエティー,61,504pp(1978)〕、注目を集め
るようになった。
また、ポリシランは主鎖のσ−結合によって電荷の移
動が可能な光半導体の特性を持ち〔フィジカル・レビュ
ー,B,35,2818pp(1987)〕、電子写真感光体への応用も
期待されるようになった。しかし、このような電子写真
感光体への適用のためには、ポリシラン化合物は溶剤可
溶性でフィルム形成能があるだけではなく、微細な欠陥
のないフィルム形成、均質性の高いフィルム形成のでき
ることが必要となる。電子感光体においては微細な欠陥
も許されないため、置換基についても構造の明確でフィ
ルム形成に異常を発生させない高品位のポリシラン化合
物を要求されている。
従来からポリシラン化合物の合成研究は種々の報告が
あるが、電子写真感光体に用いるにはまだ問題点を残し
ている。低分子量のポリシラン化合物では全てのSi基に
有機基が置換した構造のものが報告されている〔ザ・ジ
ャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(Journal of American Chemical Society),94,(1
1),3806pp(1972)、特公昭63−38033号公報〕。
前者の刊行物に記載のものはジメチルシランの末端基
にメチル基を置換した構造であり、後者の刊行物に記載
のものはジメチルシランの末端基にアルコキシ基を置換
した構造であるが、いずれも重合度が2〜6であり、高
分子の特徴を示さない。つまり、低分子量のためにその
ままではフィルム形成能がなく、産業上の利用は難し
い。高分子量のポリシラン化合物で全てのSi基に有機基
を置換した構造のものが最近報告されている〔日経ニュ
ーマテリアル,8日15日号,46ページ(1988)〕。しかし
特殊な反応中間体を経由するため、合成収率の低下が予
想され工業的な大量生産は困難である。
また、ポリシラン化合物の合成方法がザ・ジャーナル
・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー,198pp,C27
(1980)又はジ・ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエ
ンス、ポリマー・ケミストリー・エディション,Vol.22,
159−170pp(1984)により報告されている。しかし、報
告されているいずれの合成方法もポリシラン主鎖の縮合
反応のみで、末端基については全く言及はない。そして
いずれの合成方法の場合も未反応のクロル基や副反応に
よる副生物の生成があり、所望のポリシラン化合物を定
常的に得るのは困難である。
前記のポリシラン化合物を光導電体として使用する例
も、報告されているが(米国特許第4,618,551号明細
書、米国特許第4,772,525号明細書、特開昭62−269964
号公報)、未反応のクロル基や副反応による副生物の影
響が推測される。
米国特許第4,618,551号明細書では、前記のポリシラ
ン化合物を電子写真感光体として用いているが、一般の
複写機では表面電位の絶対値が500〜800Vで良いのに、
異常に高い表面電位−1000Vを用いている。これは通常
の電位ではポリシランの構造欠陥により電子写真感光体
に欠陥を生じ、画像上の斑点状の異常現象を消失させる
ためと考えられる。また、特改昭62−269964号公報では
前記のポリシラン化合物を用いて電子写真感光体を作製
し、光感度を測定しているが、光感度が遅く、従来知ら
れているセレン感光体や有機感光体に比べ何の利点も持
たない。
また、これらポリシランの膜質は可溶性、耐摩耗性に
劣り、電子写真感光体として用いた場合、耐久性が著し
く劣るものであった。
このような電子材料に利用するためには、まだ数多く
の問題点を残し、産業上に利用できるポリシラン有機光
導電体は未だ提供されていないのが実状である。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、前述の問題点を解決し、電子写真特
性及び耐久性、繰り返し特性に優れた電子写真感光体を
提供することにある。
〔発明の構成・効果〕
本発明の目的は、導電性支持体上に感光層を有する電
子写真感光体において前記感光層を、下記の一般式
〔I〕で表されるポリシラン化合物及び溶解パラメータ
ーδの値が8.0乃至10.0である高分子樹脂化合物を含有
した層で構成することによって達成される。
〔但し、式中、R1は炭素数1又は2のアルキル基、R2
炭素数3乃至8のアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基又はアラルキル基、R3は炭素数1乃至4のアルキ
ル基、R4は炭素数1乃至4のアルキル基をそれぞれ示
す。A,A′は、それぞれ炭素数4乃至12のアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基であ
り、両者は同じであっても或いは異なってもよい。nと
mは、ポリマー中の総モノマーに対するそれぞれのモノ
マー数の割合を示すモル比であり、n+m=1となり、
0<n≦1、0≦m<1である。〕 従来知られているポリシランは、ジクロロシランモノ
マーからNa触媒を用いてハロゲン脱離を行ってポリマー
を合成することにより得られるものであるため、末端に
はハロゲン残基が残っている。ポリシランの末端がハロ
ゲン基であると感光体中の電荷移動のトラップとなり、
残留電位の原因となる。繰り返し帯電及び露光を行った
際には残留電位が増加し、明部電位が増加してしまい、
耐久性が悪いことが解明された。さらに末端にC基が
残っていると、水分等により分解されてHClガスを発生
し、感光体中では基板の導電部分を腐食するため、導通
不良による画像欠陥が発生する。
本発明者らは、ポリシランの末端基をアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基で遮へいす
ることにより、高感度、高耐久の電子写真感光体を形成
できることを見出した。この点については次のように考
えられる。即ち、ポリシランの末端基に活性なC基が
残存していると、感光体として露光した際に、発生した
キャリア電荷がC基にトラップされ、残留電位が発生
する。このため、ポリシランの末端基にC基をなく
し、有機の置換基で遮へいすることで、感光体中のトラ
ップを減少させ、露光時の残留電位を著しく減少させる
ことができる。また、繰り返し帯電及び露光を行っても
電位が安定である。
しかし、これらのポリシランの膜は可溶性、耐摩耗性
が不十分であり、現像剤、紙、クリーニング部材との接
触のある電子写真感光体に用いた場合、ポリシラン単独
膜では耐久性が不十分となる。そこで鋭意検討の結果、
ポリシランの溶解パラメーターδの値と同様な値の溶解
パラメーターを有する高分子樹脂が、良く前記ポリシラ
ンと相溶し、且つ、相溶した膜を電子写真感光体として
用いた場合、優れた電子写真特性と十分な耐久性を兼ね
備えてなることを見い出した。
なお、上記“溶解パラメーターδ”は、原崎勇次著
「コーティングの基礎化学」第5頁乃至57頁(1977年槇
書店発行)に記載のFedorsの計算式により求められる。
詳しくは、ポリシランの前記溶解パラメーターδの値
は、8乃至10の範囲に集中するところ、こうしたポリシ
ランは、同様な値を有する高分子樹脂化合物の多くと相
溶し、フィルムを形成することが可能となる。これらの
樹脂は、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
酢酸ビニル、ポリカーボネート等で、いずれも溶解パラ
メーターδの値が8乃至10の範囲のものである。これら
の樹脂は場合によっては2種以上混合されても良く、さ
らに種類もこれらに限られるものではない。これらポリ
シラン及び特定の溶解パラメーターδの値を有する樹脂
を溶解する溶剤は、上記溶解パラメーターより、トルエ
ン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素系、そのテトラヒドロフラン、ジオキ
サン等が用いられる。
本発明の電子写真感光体の層構成は、積層型感光体又
は単層型感光体のいずれでも良い。
積層型感光体は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層
とから成る。この場合の電荷発生層は、電荷発生物質を
蒸着するか、あるいは電荷発生物質をバインダー樹脂中
に分散し、得られた分散液を塗布し、乾燥することによ
り形成される。該電荷発生物質としては、セレン−テル
ル、ピリリウム、チオピリリウム系染料、フタロシアニ
ン系顔料、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノ
ン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ
顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン系顔料、
非対称キノシアニン、キノシアニン等を用いることがで
きる。
電荷発生物質を分散するバインダー樹脂としては、広
範な絶縁性樹脂あるいは有機光導電性ポリマーから選択
されるが、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザー
ル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、フェノキシ樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン及びポリシラン化合物等が好ましく、
その使用量は電荷発生層中の含有率で80重量%以下、好
まくは40重量%以下である。
また使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述の電荷
輸送層や下引層を溶解しないものから選択することが好
ましい。
具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
等のエーテル類、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミ
ド類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族類、メタノー
ル、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエチレン、四塩
化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化
水素類等挙げられる。
電荷発生層は、前記の電荷発生物質を0.3〜4倍量の
バインダー樹脂、及び溶剤と共に、ホモジナイザー、超
音波、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アト
ライター、ロールミル等の方法でよく分散し、塗布−乾
燥されて形成される。その厚みは0.1〜1μ程度であ
る。
塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティン
グ法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング
法等のコーティング法を用いて行うことかができる。乾
燥は、室温における指触乾燥後、加熱乾燥する方法が好
ましい。加熱乾燥は、30〜200℃で5分〜2時間の範囲
の時間で静止又は送風下で行うことができる。
前記電荷輸送層は、上述した特定のポリシラン化合
物、及び溶解パラメーターδの値が8.0乃至10.0である
高分子樹脂化合物より成る。使用される該ポリシラン化
合物としては、例えば次にあげるものが挙げられる。
ポリシラン化合物の例 注):上記構造式中のXとYは、いずれも単量体重合単
位を示す。そしてnは、X/(X+Y)、またmは、Y/
(X+Y)の計算式によりそれぞれ求められる。
また、高分子樹脂化合物としては、ポリスチレン、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネ
ート等が挙げられる。ポリシラン化合物と高分子樹脂化
合物の混合比率は、ポリシラン比率が20%乃至80%が好
ましい。ポリシラン化合物の比率が20%以下であると電
荷輸送機能が不十分となり、80%を越えると耐摩耗性が
不十分となる。さらに好ましいポリシラン化合物の比率
は、40%乃至70%である。
ポリシラン化合物及び前記高分子樹脂化合物を溶解さ
せる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化
炭素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が用いられ
る。得られる液体を使用して電荷輸送層を形成するにつ
いての塗布方法は、上述の電荷発生層形成の場合と同様
の手段が採用できる。電荷輸送層の膜厚は、好ましくは
5μm乃至35μmである。
単層型感光体の場合、前述の電荷発生物質を同じく上
述のポリシラン化合物及び高分子樹脂化合物に分散さ
せ、得られる分散液を塗布、乾燥して形成される。前記
分散液の各物質の混合比率は、電荷発生物質1〜10重量
部に対し、ポリシラン化合物3〜7重量部、高分子樹脂
化合物3〜7重量部が好ましい。単層型感光体は、以下
のようにして得られる。
まず、電荷発生物質を有機溶剤及び高分子樹脂化合物
と共に、ボールミル、サンドミル、アトライター等の分
散機を用いて分散する。
次いで、ポリシラン化合物、及び必要に応じて有機溶
剤を加え、電荷発生物質分散ポリシラン溶液を作成す
る。この溶液を基体上に塗布、乾燥し、単層型感光体を
得る。この場合の膜厚は5μm乃至35μmであるのが好
ましい。
本発明において使用する導電性支持体としては、例え
ば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステ
ンレス、チタン、ニッケル、インジウム、金や白金等が
用いられる。またこうした金属あるいは合金を、真空蒸
着法によって被膜形成したプラスチック(例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチ
レンテレフタレート、アクリル樹脂等)や、導電性粒子
(例えば、カーボンブラック、銀粒子等)を適当なバイ
ンダー樹脂と共にプラスチック又は金属基板上に被覆し
た支持体あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸
した支持体等を用いることができる。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体と
感光層の中間に、バリヤー機能と接着機能をもつ下引層
を設けることもできる。
下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセ
ルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロ
ン等)、ポリウレタン、酸化アルミニウム等によって形
成できる。
下引層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜3μm
が適当である。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用する
のみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンタ
ー、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等
の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例に従って本発明をさらに詳し
く説明する。
実施例1 アルミニウム基板を用意した。次に、クロロアルミニ
ウムフタロシアニンを10重量部(以下、部)、ポリビニ
ルブチラール5部をMEK90部に加え、ボールミルで2時
間分散し、ワイヤーバーでアルミニウム基板上に塗布
し、乾燥後、200mg/m2の電荷発生層を設けた。
次に下記の構造式(A)を有し、数平均分子量23000
のポリシラン化合物5部及び数平均分子量が98000であ
って溶解パラメーターδの値が9.37であるポリスチレン
(溶解パラメーターδの値:9.0)5部をトルエン(溶解
パラメーターδの値:8.9)に溶解し、得られた液体を前
記電荷発生層上にワイヤーバーで塗布し、乾燥して膜厚
18μmのポリシラン含有量を形成して感光体No.1を得
た。
この電子写真感光体を川口電機(株)製、静電複写紙
試験装置Model SP−428を用いてスタチック方式で−5kV
でコロナ帯電し、暗所で1秒間保持した後、照度2.5ル
ックスで露光し、帯電特性を等べた。さらに強露光(照
度20ルックス・秒)後の残留電位を調べた。
帯電特性としては、表面電位(V0)と1秒間暗減衰さ
せた時の電位(V1)を1/2に減衰するに必要な露光量(E
1/2)を測定した。また、残留電位VSLを測定した。
さらに、前記感光体をキヤノン(株)製PPC複写機ND
−3825の感光ドラム用シリンダーに貼り付けて、同機で
1万枚複写を行い、1万枚複写後、SP428で残留電位VSL
の変動を測定した。これらの結果を表1に示した。
また、初期の膜厚及び1万枚複写後の膜厚も表1に示
した。
比較例1 ポリシラン含有層中にポリスチレンを含まないこと以
外は、実施例1と全く同様な感光体を作成し比較感光体
No.1とした。
また、実施例1と同様な評価を行い、結果を表1に示
した。
実施例2〜4 基体としてφ80のアルミニウムシリンダーを用意し
た。下引層として、ポリアミド樹脂(6−66−610−12,
四元ナイロン共重合体)1部及び8ナイロン樹脂(メト
キシメチル化6ナイロン)3部を、メタノール50部とブ
タノール40部から成る溶剤に溶解させて塗工液を得、浸
漬塗布方法で乾燥後0.5μmの下引層を基体上に形成し
た。
次に、下記の構造式(B)を有するジスアゾ顔料10
部、 及びポリビニルブチラール5部をシクロヘキサノン100
部に加えボールミルで2時間分散し、メチルエチルケト
ンと適宜希釈し電荷発生層塗布液とし、下引層上に浸漬
塗布方法で乾燥後膜厚180mg/m2になるように塗布し、電
荷発生層を形成した。
次に、下記の構造式(C)を有し、数平均分子量が28
000であるポリシラン化合物(溶解パラメーターδの値:
9.37)4部、 及びポリメタクリル酸メチル(数平均分子量9800、溶解
パラメーターδの値:9.3)1部、4部、16部のそれぞれ
をトルエンに溶解させ、同溶剤で適宜希釈し、塗布液と
して浸漬塗布方法で電荷発生層上に塗布し、乾燥後膜厚
18μmのポリシラン含有層を形成し、感光体を得た。得
られた感光体は、ポリメタクリル酸メチル1部、4部、
16部のものであり、これらの感光体を感光体No.2,No.3,
No.4とした。
得られたNo.2〜4の感光体のそれぞれを、キヤノン
(株)製複写機NP3825に蒸着し、暗部電位(Vd)650Vに
設定した時の明部電位(Vl)が150Vになるのに必要な露
光量(ux・sec)を求めた(EΔ500V)。また、実際
の複写を1万枚実施し、その時のVd,Vlの変化も求め
た。さらに初期の膜厚及び1万枚複写機の膜厚の変化も
求め、これらを表2に示した。
比較例2〜4 ポリシラン含有層中のポリメタクリル酸メチルの混合
部数をそれぞれ0部、0.5部、20部とした以外は、実施
例2〜5と同様にして感光体を作成し、それぞれ順に比
較感光体No.2,No.3,No.4とした。
これらの比較感光体のそれぞれについて、実施例2〜
4の場合と同様にして評価し、結果を表2に示した。
実施例5〜7 電荷発生層までは実施例2〜4の場合と同様にして行
い、その後は、下記構造式(D)を有し、数平均分子量
が18000であるポリシラン化合物(溶解パラメーターδ
の値:8.3)を4部、 及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(数平均分子
量22000、溶解パラメーターδの値:8.2)1部、4部、1
6部のそれぞれを、トルエン/ジクロロメタン、1/1混合
比の溶剤に溶解させ、同溶剤で適宜希釈し、塗布液とし
て浸漬塗布方法で電荷発生層上に塗布し、乾燥後膜厚25
μmのポリシラン含有層を形成し、感光体を得た。得ら
れた感光体はポリカーボネート1部、4部、16部のもの
であり、これらの感光体を感光体No.5、No.6、No.7とし
た。これら感光体について実施例2〜4の場合と同様に
して評価し、その結果を表2に示した。
比較例5〜7 ポリシラン含有層中、ポリカーボネートの混合部数が
それぞれ0部、0.5部、20部とした以外は、実施例5〜
7と同様にして感光体を得、それぞれ順に比較感光体N
o.5、No.6、No.7とした。
これらの感光体について、実施例2〜4と同様にして
評価し、その結果を表2に示した。
実施例8 下引層までは実施例2〜4と同様にして行った。次
に、下記構造式(E)を有するジスアゾ顔料2部、 ポリ酢酸ビニル(数平均分子量30000、溶解パラメータ
ーδの値:9.4)5部をトルエン70部に加え、ボールミル
で4時間分散し、この分散液に実施例1で用いたのと同
じポリシラン化合物5部を加え塗布液とし、浸漬塗布方
法で下引層上に乾燥後膜厚20μmの感光層を形成し感光
体とした。この感光体をキヤノン製複写機NP−3825に装
着し、VD−650Vの時、VLが−150Vとなるようにした時の
露光量を測定したところ、3.5ux・secであり、1万枚
複写後の電位の変動はなく、優れた特性を示した。
比較例8〜9 感光層中のポリシラン化合物の量を、1部、17部と変
化させた以外は、実施例8と同様にして感光体を作成
し、実施例8と同様の評価をした。
その結果、ポリシラン化合物1部のものは、1万枚複
写後のVLが−280Vと変動して、画像上の地カブリとなっ
ていた。
また、ポリシラン化合物17部のものは5千枚の複写で
感光層の削れにより複写不能となった。
〔発明の効果の概略〕 実施例及び比較例から明らかなように、単独で感光層
に用いた場合、優れた電子写真特性を示すポリシラン化
合物であるが、実際の複写機に装着した場合、機械強度
不足により、耐久性が劣る。しかし、本発明によれば、
電子写真特性を損なうことなく十分な機械強度をポリシ
ラン含有感光体に付与することが可能である。これは、
溶解パラメーター(SP値)がポリシラン化合物のものに
極めて近い値を有する高分子樹脂化合物を相溶けせとめ
ることにより可能となる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−263831(JP,A) 特開 平1−319044(JP,A) 特開 平4−245250(JP,A) 特開 平4−338968(JP,A) 特開 昭63−313167(JP,A) 特開 昭63−271451(JP,A) 米国特許4265990(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に感光層を有する電子写真
    感光体において前記感光層が下記の一般式〔I〕で表さ
    れるポリシラン化合物及び溶解パラメーターδの値が8.
    0乃至10.0である高分子樹脂化合物を含有することを特
    徴とする電子写真感光体。 〔但し、式中、R1は炭素数1又は2のアルキル基、R2
    炭素数3乃至8のアルキル基、シクロアルキル基、アリ
    ール基又はアラルキル基、R3は炭素数1乃至4のアルキ
    ル基、R4は炭素数1乃至4のアルキル基をそれぞれ示
    す。A,A′は、それぞれ炭素数4乃至12のアルキル基、
    シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基であ
    り、両者は同じであっても或いは異なってもよい。nと
    mは、ポリマー中の総モノマーに対するそれぞれのモノ
    マー数の割合を示すモル比であり、n+m=1となり、
    0<n≦1、0≦m<1である。〕
  2. 【請求項2】前記溶解パラメーターδの値が8.0乃至10.
    0である高分子樹脂化合物がポリスチレン、ポリメタク
    リル酸メチル、ポリ酢酸ビニル及びポリカーポネートの
    うち1種乃至2種以上の混合系であることを特徴とする
    請求項(1)に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】前記感光層が積層型であって、該層中に含
    有されるポリシラン化合物のポリシラン比率が20乃至80
    %である請求項(1)に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記感光層が単層型であって、該層中に含
    有されるポリシラン化合物のポリシラン比率が15乃至70
    %である請求項(1)に記載の電子写真感光体。
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