JP3009989U - 保温機能付き手提げ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 徳利などの被保温体を運ぶのに便利で、しか
も、その被保温体を所望の温度で長時間保温できるよう
にすること。 【構成】 徳利などの被保温体１を収納する断熱性容器
本体２と、該容器本体２の上面開口部３ａに着脱可能に
被せた蓋体４と、容器本体２に設けた把手部５とを有
し、前記容器本体２の下部に加温剤６を収納するための
加温剤収納部７を設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばホテル等の宴会場や酒場等の厨房から客席まで燗酒入りの徳 利を運ぶための手提げ容器に関するものであって、特に、徳利内の燗酒が飲酒す るまで冷めないように熱燗状態で保温できるようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えばホテル等の宴会場や酒場等の厨房から客席まで燗酒入りの徳利を 運ぶ場合には、その徳利を盆に載せたり手提げ籠に入れて運ぶことが一般的に行 われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の盆や手提げ籠などでは、徳利を運ぶのには便利であるが、保温機能がな いため、厨房で徳利に熱燗の酒を入れておいても、客席に運んで飲酒するまでの 間に冷えて不味くなるという難点がある。

【０００４】 本考案は、上記従来の難点に鑑みて、徳利などの被保温体を運ぶのに便利で、 しかも、その被保温体を所望の温度で長時間保温できるようにした保温機能付き 手提げ容器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案の構成を実施例に対応する図面に基づいて説 明すると、請求項１記載の考案は、徳利などの被保温体１を収納する断熱性容器 本体２と、該容器本体２の上面開口部３ａに着脱可能に被せた蓋体４と、容器本 体２に設けた把手部５とを有し、前記容器本体２の下部に加温剤６を収納するた めの加温剤収納部７を設けてなる構成を採用するものである。

【０００６】 請求項２記載の考案は、請求項１記載の考案において、前記加温剤収納部７が 、前記容器本体２の底壁をくり抜いて一側壁側に一端部が開口する中空部１１と 、上面が開放され内部に加温剤６を収納する偏平箱体１２とからなり、該偏平箱 体１２を前記開口より前記中空部１１に抜き差し可能に設けてなる構成を採用す るものである。

【０００７】 請求項３記載の考案は、請求項１または２記載の考案において、容器本体２の 被保温体収納部３に被保温体１を区分けするための仕切り枠１０を設けてなる構 成を採用するものである。

【０００８】

【作用】

請求項１記載の考案において、例えばホテル等の宴会場や酒場等の厨房から客 席まで燗酒入りの徳利１を運ぶ場合には、加温剤収納部７に加温剤６を収納した 状態で、容器本体２内に燗酒入りの徳利１を収納し、該容器本体２の開口部３ａ に蓋体４を被せた後、把手部５を把持して容器本体２を客席まで運べばよい。

【０００９】 この場合、容器本体２が断熱構造であると共に、その開口部３ａを蓋体４で閉 じているから、容器本体２内に収納した徳利などの被保温体１の熱が外部に逃げ 難く、しかも、加温剤６の発熱により加温するようになっているので、徳利など の被保温体１を所望の温度で長時間保温することができ、例えば徳利１に入れた 燗酒が冷めて不味くなるのを避けることができる。また、加温剤６として一般に 市販されている所謂使い捨てカイロを利用することができ、軽量で運びやすいと いう利点がある。

【００１０】 請求項２記載の考案によれば、容器本体２の底壁をくり抜いて形成した中空部 １１から偏平箱体１２を引き抜き、該偏平箱体１２内に加温剤６を入れた後、そ の偏平箱体１２を中空部１１内に差し込むことにより、前記加温剤６を容器本体 ２の下部に容易に収納することができると共に、該加温剤６の交換も同様の手順 で簡単に行なうことができる。

【００１１】 請求項３記載の考案によれば、容器本体２の被保温体収納部３に仕切り枠１０ が設けられており、複数の被保温体１を一つずつ区分けして被保温体収納部３内 に収納するようになっているので、複数の被保温体１を容器本体２に入れて運ぶ 際に、その複数の被保温体１が互いに衝突して破損されないようにできる。

【００１２】

【実施例】

図面は本考案の一実施例である保温機能付き手提げ容器に徳利（被保温体）１ を収納して保温している状態を示すものであって、断熱性容器本体２と、該容器 本体２の上面中央部に凹設した被保温体収納部３の上面開口部３ａに着脱可能に 被せた蓋体４と、容器本体２に設けた把手部５とを有し、前記容器本体２の下部 に加温剤６を収納するための加温剤収納部７を設けている。

【００１３】 前記容器本体２は、厚さ３ｍｍ程度のＡＢＳ樹脂やポリプロピレンなどの合成 樹脂材により横断面略上向きコ字状に一体成形され、その内部空間に厚さ２０ｍ ｍ程度の発泡スチロールなどの断熱材９が充填されており、前記被保温体収納部 ３内に収納した徳利１の熱が外部に逃げ難くい二重壁構造になっている。

【００１４】 前記被保温体収納部３内には、格子状の仕切り枠１０が容器本体２と一体に形 成されており、複数の徳利１を一つずつ区分けして被保温体収納部３内に収納す ることにより、その複数の徳利１が互いに衝突して破損されないようにしている 。

【００１５】 前記加温剤収納部７は、容器本体２の内側底壁部２ａと外側底壁部２ｂとの間 をくり抜くことにより形成され、一端部が容器本体２の側壁下部に開設した開口 部１１ａに連通する中空部１１と、該中空部１１に抜き差し可能に設けられ、上 面が開放された偏平箱体１２とからなり、図１仮想線に示すように、偏平箱体１ ２に一体突設した摘まみ部１２ａを把持して該偏平箱体１２を中空部１１から引 き抜き、その偏平箱体１２に加温剤６を収納した後、偏平箱体１２を中空部１１ 内に差し込むだけで、加温剤６を容器本体２の下部に収納することができる。ま た、同様の手順で加温剤６を簡単に交換することができる。

【００１６】 前記加温剤６は、市販の所謂使い捨てカイロからなり、通気性袋に鉄粉、水、 活性炭、ヒル石及び食塩などを充填したものを密封袋内に封入して酸素との接触 を遮断したものであって、前記密封袋を開封することに通気性袋内の鉄粉等が大 気の酸素と化学反応して平均温度５０°前後で１２時間程度発熱し、容器本体２ 内の徳利１を加温するようになっている。なお、加温剤６の数は所望の保温温度 に応じて１個または２個以上用いる。

【００１７】 また、前記容器本体２の内側底壁部２ａには、多数の貫通孔１６が貫設されて おり、該各貫通孔１６を通して加温剤６により被保温体収納部３内の徳利１を直 接的に加温しており、これによって、徳利１の保温を効率的に行うことができる 。

【００１８】 前記蓋体４は、厚さ３ｍｍ程度のＡＢＳ樹脂やポリプロピレンなどの合成樹脂 材により横断面略下向きコ字状に一体成形されており、前記被保温体収納部３内 に収納した徳利１の熱が上方に逃げるのを防いでいる。なお、蓋体４の上面中央 部に略コ字状の把持部４ａが一体突設されている。

【００１９】 前記把手部５は、ＡＢＳ樹脂やポリプロピレンなどの合成樹脂材により正面視 略コ字状に形成され、その両端部に設けた枢支軸１３を容器本体２の両側面に一 体形成した平面視略コ字状の軸受部１４の鍵穴状の枢支孔１５に嵌入させること により、前記枢支軸１３を中心にして回動可能に構成されている。

【００２０】 上記構成において、例えばホテル等の宴会場や酒場等の厨房から客席まで燗酒 入りの徳利１を運ぶ場合には、容器本体２の加温剤収納部７に加温剤６を収納し た状態で、その容器本体２の被保温体収納部３に徳利１を収納し、上面開口部３ ａに蓋体４を被せた後、把手部５を把持して客席まで運べばよい。

【００２１】 この場合、容器本体２が断熱構造であると共に、その上面開口部３ａを蓋体４ で閉じているから、容器本体２内に収納した徳利１の熱が外部に逃げ難く、しか も、容器本体２の下部に収納されている加温剤６の発熱により加温するようにな っているので、徳利１を所望の温度で長時間保温することができ、徳利１内の燗 酒が冷めて不味くなるのを避けることができる。

【００２２】 上記実施例では、燗酒入りの徳利１を保温する場合を例にあげて説明したが、 これ以外に、例えば加温したコーヒー缶などを保温する場合にも用いることがで きる。

【００２３】

【考案の効果】

請求項１記載の考案によれば、容器本体が断熱構造であると共に、その開口部 を蓋体で閉じているから、容器本体内に収納した徳利などの被保温体の熱が外部 に逃げ難く、しかも、容器本体の下部に収納した加温剤の発熱により加温するよ うになっているので、被保温体を所望の温度で長時間保温することができ、例え ば徳利内の燗酒が冷めて不味くなるのを避けることができる。また、保温剤とし て一般に市販されている所謂使い捨てカイロを利用することができ、軽量で運び やすいという利点がある。

【００２４】 請求項２記載の考案によれば、容器本体の底壁をくり抜いて形成した中空部に 抜き差し可能に設けた偏平箱体内に加温剤を収納するようになっているので、そ の加温剤を容器本体の下部に容易に収納することができると共に、該加温剤の交 換も簡単に行なうことができる。

【００２５】 請求項３記載の考案によれば、容器本体の被保温体収納部に仕切り枠が設けら れているので、複数の被保温体を容器本体に入れて運ぶ際に、その複数の被保温 体が互いに衝突して破損されないようにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である保温機能付き手提げ容
器を示す縦断面図である。

【図２】同横断面図である。

【図３】同水平断面図である。

【図４】同分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 徳利（被保温体） ２ 容器本体 ３ 被保温体収納部 ４ 蓋体 ５ 把手部 ６ 加温剤 ７ 加温剤収納部 １０ 仕切り枠 １１ 中空部 １２ 偏平箱体

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 徳利などの被保温体を収納する断熱性容
   器本体と、該容器本体の上面開口部に着脱可能に被せた
   蓋体と、容器本体に設けた把手部とを有し、前記容器本
   体の下部に加温剤を収納するための加温剤収納部を設け
   てなる保温機能付き手提げ容器。
2. 【請求項２】 前記加温剤収納部は、前記容器本体の底
   壁をくり抜いて一側壁側に一端部が開口する中空部と、
   上面が開放され内部に加温剤を収納する偏平箱体とから
   なり、該偏平箱体を前記開口より前記中空部に抜き差し
   可能に設けてなる請求項１記載の保温機能付き手提げ容
   器。
3. 【請求項３】 容器本体の被保温体収納部に被保温体を
   区分けするための仕切り枠を設けてなる請求項１または
   ２記載の保温機能付き手提げ容器。