JP3009233U - 送品用緩衝性包装袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 収納物が挿脱口から逸脱するのを防止し、直
接送り届けることができ、包装袋内の封入空気を容易に
放出でき、包装袋を反復して使用できる経済的な送品用
緩衝性包装袋を提供する。 【構成】 プラスチックフィルムから成る気密な外袋２
と内袋３との間に、連通する空気の充填封入部５、５を
形成し、内外をプラスチックフィルムから成る空気の充
填封入用の扁平な逆止弁１６を介して連通可能に構成す
ると共に、内袋３により挿脱口８を備えた物品の収納部
９を形成して送品用緩衝性包装袋本体１を構成し、表面
に可筆記性シートＳを層設し、挿脱口８の口縁に覆閉片
１０を設けると共に、覆閉片１０の内表面に接着剤層１
１を設けた送品用緩衝性包装袋において、少なくとも一
つの空気放出部１４を開設し、空気放出部１４に粘着テ
ープ１５を繰返して貼着、剥離可能に貼着して空気放出
部１４を開閉自在に閉塞するように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、収納した物品を損傷、損壊することなく、例えば、郵便小包、宅急 便として簡便且つ安全に移送配達することができる送品用緩衝性包装袋の改良に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の緩衝性包装袋としては、例えば、逆止弁を備えた空気の給排口 部と、該給排口部と連通させた状態で対設形成した空気の充填収容部と、該両空 気の充填収容部の間に形成した挿脱口を有する物品の収納部とから成るプラスチ ックフィルム製の緩衝用包装袋等が知られており、また、上記の緩衝用包装袋に おいて、該両空気の充填収容部を一個所または複数個所で線状に、或はスポット 状に接着して構成した緩衝用包装袋も知られている。

【０００３】 さらに、本考案の出願人が先に出願した送品用緩衝性包装袋、即ち、外袋と内 袋との間に両袋の底部側のみにおいて連通する空気の充填封入部を対向形成し、 該充填封入部の内外を逆止弁を介してのみ連通可能に構成すると共に、上記内袋 により挿脱口を備えた物品の収納部を形成して成る送品用緩衝性包装袋であって 、クラフト紙等の強靱紙の内面にプラスチック層を形成した気密性のシートによ り外袋を形成すると共に、気密性のプラスチックフィルムにより内袋を形成し、 且つ挿脱口の口縁に該挿脱口の覆閉片を延設すると共に、該覆閉片の内表面に接 着剤層を設けて構成したことを特徴とする送品用緩衝性包装袋（実公平５−４４ ２８９号）も知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

然るに、上記従来例中の前二者の場合は、緩衝用包装袋の全体がプラスチック フィルムで構成されているので、その表面にアドレス等を表記した場合に、その 表示内容が雨水等により消失し易い問題があると共に、耐傷損性が弱いため外部 からの傷損力、特に突刺し傷損力を受けると、忽ち裂損して封入空気が洩出し、 所期の緩衝性を失うといった問題があると共に、物品の収納部の挿脱口は開放さ れたまゝの状態であるから、取扱い中に収納物品が該挿脱口から不測に逸脱する おそれがあるといった問題がある。

【０００５】 さらに、上記実公平５−４４２８９号公報に開示されている送品用緩衝性包装 袋の場合は、その独自の構成により、上記の問題は解決できるが、上記三者のい づれの場合も、使用後における包装袋内の空気を放出するためには、逆止弁にス トローなどの細管を挿入して包装袋の内外を連通させ、その状態で包装袋を加圧 して空気を放出しているため、細管からの空気の放出効率が悪いことは勿論のこ と、細管の挿入時に薄いプラスチックフィルムから成る逆止弁を損傷して逆止弁 としての機能を失ない、包装袋全体を使い捨てせざるを得ないといった極めて不 経済な問題がある。

【０００６】 また、上記の細管が手許にない場合は、空気の放出が殆ど不可能若しくは著し く困難であるため使い捨てするか、或は空気により膨満したまゝの嵩高な状態で 持ち運んだり、輸送したり、保管したりする必要があり、その不便性は計り知れ ない程に大きい問題がある。

【０００７】 本考案は、上記の問題を解決することを課題として開発されたもので、アドレ ス等の表記を筆記具の種類に関係なく確実に行い得ると共に、収納物品が挿脱口 から逸脱するのを確実に防止し得て、物品を郵便小包、宅急便等として直接に送 り届けることができ、且つ包装袋内に封入した空気の放出のうえで種々の問題が あるプラスチックフィルム製の扁平な逆止弁を使用していても、封入空気を簡便 容易に放出でき、包装袋を反復継続して使用できる至便性を備えた経済的な送品 用緩衝性包装袋を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本考案は、プラスチッ クフィルムから成る気密な外袋と内袋との間に、少なくとも両袋の底部側におい て連通する空気の充填封入部を対向形成し、この空気の充填封入部の内外をプラ スチックフィルムから成る空気の充填封入用の扁平な逆止弁を介して連通可能に 構成すると共に、上記内袋により挿脱口を備えた物品の収納部を形成して送品用 緩衝性包装袋本体を構成し、該本体の表面に可筆記性シートを層設し、且つ上記 挿脱口の口縁に該挿脱口の覆閉片を設けると共に、該覆閉片の内表面に接着剤層 を設けて構成した送品用緩衝性包装袋において、この送品用緩衝性包装袋本体に 少なくとも一つの空気放出部を開設し、この空気放出部に粘着テープを反復繰返 して貼着、剥離可能に貼着して該空気放出部を開閉自在に閉塞するように構成し たことを特徴とする送品用緩衝性包装袋を提供するものである。

【０００９】 また、本考案は、上記のように構成した送品用緩衝性包装袋において、その空 気放出部を小孔またはスリットにより形成した送品用緩衝性包装袋、及びその挿 脱口の覆閉片の内表面に設けた接着剤層の表面に離形紙を貼着した送品用緩衝性 包装袋、並びに外袋と内袋との間に形成した両空気の充填封入部を適宜の間隔を 保ち且つ両側に空気の流通路を残して、挿脱口の口縁と略々平行に複数個所で各 別に線状に加熱接着した送品用緩衝性包装袋を夫々提供するものである。

【００１０】

【作用】

本考案に係る送品用緩衝性包装袋は、上記のように構成されているので、包装 袋内に充填封入した空気を抜くときは、粘着テープを剥離して空気放出部を開口 し、包装袋を加圧すると、空気は該空気放出部から円滑容易に放出され、包装袋 の嵩は著しくスピーディーに縮小される。また、空気放出後は、剥離した粘着テ ープを空気放出部に再度貼着して空気放出部を閉塞することにより、包装袋を反 復繰返して継続使用できる作用がある。

【００１１】 また、包装袋の表面は可筆記性シートで構成されているので、筆記具を用いて 包装物の差出人、受取人の住所、氏名、その他の必要事項を包装袋の表面に確実 に記入できる作用がある。

【００１２】 さらに、所要の物品を収納部に収納した後に、挿脱口に設けた覆閉片を内側に 折曲げて外袋に当接すれば、該覆閉片の内表面に設けた接着剤層により貼着され 、挿脱口を確実に覆閉して収納物品の逸出を防止する作用がある。

【００１３】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明すれば、１は包装袋本体で あって、この包装袋本体１は、この実施例では、表面に不透明な熱可塑性プラス チックシートから成る強靱な可筆記性シートＳを層設した熱可塑性プラスチック フィルムＦ₁により形成した長方形状の外袋２と、該外袋２内に配設した熱可塑 性プラスチックフィルムＦ₂により形成した、上記外袋２と同巾で且つ長さが若 干短い長方形状の内袋３とから成る二重袋で構成されている。

【００１４】 また、上記包装袋本体１は、その両側縁ａ、ａ及び下側周縁ｂ並びに両上側周 縁ｃ、ｃを加熱接着して上記外袋２と内袋３から成る二重袋を形成したものであ って、該外袋２と内袋３の間に、該両袋２、３の底部側の連通部４のみにおいて 連通する空気の充填封入部５、５を対向形成すると共に、該各充填封入部５、５ を均等な間隔を保ち、且つ両側に空気の流通路６、６を残して複数個所で各別に 線状に加熱接着７…７し、さらに、上記内袋３の開口部から成る挿脱口８を有す る物品Ｍの収納部９を設けて構成されており、このようにして構成された包装袋 本体１は、後述するように送品用緩衝性包装袋として使用されるものである。

【００１５】 また、この包装袋本体１は、上記挿脱口８の片側の口縁に該挿脱口８を十分に 覆閉できる程度の長い目の覆閉片１０を備えるとともに、該覆閉片１０の内表面 には、接着剤層１１及び該接着剤層１１の表面に貼付した離形紙１２が設けられ ており、且つ内袋３の底部の略中間部において該内袋３と外袋２とを部分的に加 熱接着１３して内袋３の底部の捲れ上りを防止し、該部の位置規整が計られてい る。 なお、この実施例では、挿脱口８の口縁から内袋３、外袋２及び可筆記性シー トＳを夫々延設し、これらの三部材の積層片により覆閉片１０を形成した事例を 示したが、この覆閉片１０は、外袋２のみ或は内袋３のみ若しくは可筆記性シー トＳを備えた外袋２で形成してもよく、更には別個に形成した覆閉片を口縁に接 着してもよいものであって、その形成手段は限定されるものではない。

【００１６】 さらに、上記包装袋本体１の外袋２には、底部側の連通部４に位置して空気放 出用の小孔またはスリットから成る空気放出部１４が、この実施例では、左右両 側の２個所に開設してあり、これらの各空気放出部１４の開設部にはガムテープ 等の粘着テープ１５が反復して貼着、剥離可能に貼着されて、該空気放出部１４ を開閉自在に覆閉してある。

【００１７】 また、符号１６は包装袋本体１の製袋時に、底部側の連通部４において外袋２ に装設したプラスチックフィルムから成る周知の扁平な逆止弁即ち、例えば、実 公平１−３５０１９号公報、実公平３−１４６１２号公報、実公平３−１４６１ ４号公報等に開示されている逆止弁であって、上記包装袋本体１内に、図１に矢 印で示すように、この逆止弁１６のみを介して気体が充填封入されるように配置 構成されている。

【００１８】 次に、上記のように構成した実施例の送品用緩衝性包装袋の使用状態を作用、 効果と共に説明すれば、その物品の挿脱口８から収納部９内に要緩衝物品Ｍを挿 入し、十分に長い覆閉片１０を内側に折り曲げ、その接着剤層１１により包装袋 本体１の表面に接着して挿脱口８を覆閉した後、逆止弁１６から空気を供給する と、供給された空気は図１に矢印で示すように、連通部４及び各流通路６、６を 経て空気の両充填封入部５、５内に導入され、図４に示すように両封入部５、５ を膨満して収納部９内の物品Ｍを弾力的に保持する。

【００１９】 このとき、両空気の充填封入部５、５は挿脱口８の辺縁に沿う方向に複数個所 で加熱接着７…７されているので、包装袋本体１の表面が強靱な可筆記性シート Ｓで構成されていることと相俟って、不必要に嵩高く膨満することがなく、規制 された形状で取扱い易く物品を緩衝保護し、且つ物品Ａの挿脱口８は接着剤層１ １を備えた覆閉片１０により簡便且つ確実に覆閉できるので、郵送等の取扱中に 収納物品Ｍが挿脱口８から不測に逸出するのを確実に防止できる。

【００２０】 また、包装袋本体１の表面は上記のように強靱な可筆記性シートＳで構成され ているため、筆記具の種類に関係なく、アドレス、氏名等の記入が可能であって 、宅急便用、その他の郵送用の緩衝性包装袋として最適である。

【００２１】 さらに、この包装袋が送品用緩衝性包装袋としての役目を果した後は、包装袋 本体１に貼着した粘着テープ１５を剥離して空気放出部１４を開口し、包装袋本 体１を手で加圧すると、封入空気は円滑容易に空気放出部１４を経て外部に放出 されるので、収納部９から物品Ｍを取出すことにより包装袋本体１は嵩低く縮小 される。したがって取扱いが容易であると共に、剥離した粘着テープ１５は反復 繰返して使用が可能であるから、再度空気放出部１４の個所に貼着して覆閉する ことにより、繰返して使用が可能であり、且つ従来のストローなどの細管を利用 した逆止弁からの気体放出手段に較べて円滑、迅速に気体の放出が可能であるこ とは勿論のこと、逆止弁を損傷するおそれも格段に少ないので、この種の送品用 緩衝性包装袋としての耐用命数を著しく向上できる利点がある。

【００２２】 以上、本考案の主要な実施例について説明したが、本考案は、これらの実施例 に限定されるものではなく、考案の目的を達成でき且つ考案の要旨を逸脱しない 範囲内で種々の設計変更が可能であることは当然である。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、前記の構成に係り、前記のようにして使用するものであるから、次 のような優れた諸効果を奏し得るものである。

【００２４】 （１） 包装袋内に充填封入された空気を抜くときは、粘着テープを剥離して 空気放出部を開口し、包装袋を適宜に押圧することにより円滑容易に空気放出部 から空気を放出できるので、従来のように逆止弁を損傷することがなく、空気封 入タイプの送品用緩衝性包装袋としての耐用命数を著しく向上できる。

【００２５】 （２） 空気を確実に放出できるので、膨満した包装袋の嵩を十分に縮小し得 て、使用済みの包装袋の整理、保管、その他の取扱いが非常に容易である。

【００２６】 （３） 反復繰返して貼着、剥離可能な特性を有する粘着テープにより空気放 出部を開閉自在に閉塞したので、包装袋が破れたり、逆止弁が損傷したりしない 限り、空気の充填、放出を繰返しつゝ包装袋を継続して永く使用できる。

【００２７】 （４） 緩衝性が良好で、要緩衝物品を安全に送配できることは勿論のこと、 包装袋の表面が可筆記性シートで構成されているので、どのような筆記具を用い ても、送品の差出人、受取人の住所、氏名、その他の必要事項を外袋の表面に記 入でき、送品用の緩衝性包装袋として最適である。

【００２８】 （５） 所要の物品を収納部に収納した後に、挿脱口に設けた覆閉片を内側に 折曲げて口縁に当接すれば、該覆閉片の内表面に設けた接着剤層により貼着され 、挿脱口を確実に覆閉して収納物品の逸出を確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す１部を剥離した平面図で
ある。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う１部省略拡大断面図であ
る。

【図３】物品の緩衝包装状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 包装袋本体 Ｓ 可筆記性シート Ｆ₁ 熱可塑性プラスチックフィルム ２ 外袋 Ｆ₂ 熱可塑性プラスチックフィルム ３ 内袋 ４ 連通部 ５ 空気の充填封入部 ６ 空気の流通路 ７ 線状の加熱接着部 ８ 挿脱口 Ｍ 物品 ９ 収納部 １０ 覆閉片 １１ 接着剤層 １２ 離形紙 １３ 加熱接着部 １４ 空気放出部 １５ 粘着テープ １６ 逆止弁 ａ・ａ 両側縁 ｂ 下側周縁 ｃ・ｃ 両上側周縁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 81/07

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチックフィルムから成る気密な外
   袋と内袋との間に、少なくとも両袋の底部側において連
   通する空気の充填封入部を対向形成し、この空気の充填
   封入部の内外をプラスチックフィルムから成る空気の充
   填封入用の扁平な逆止弁を介して連通可能に構成すると
   共に、上記内袋により挿脱口を備えた物品の収納部を形
   成して送品用緩衝性包装袋本体を構成し、該本体の表面
   に可筆記性シートを層設し、且つ上記挿脱口の口縁に該
   挿脱口の覆閉片を設けると共に、該覆閉片の内表面に接
   着剤層を設けて構成した送品用緩衝性包装袋において、
   この送品用緩衝性包装袋本体に少なくとも一つの空気放
   出部を開設し、この空気放出部に粘着テープを反復繰返
   して貼着、剥離可能に貼着して該空気放出部を開閉自在
   に閉塞するように構成したことを特徴とする送品用緩衝
   性包装袋。
2. 【請求項２】 空気放出部を小孔により形成した請求項
   １に記載の送品用緩衝性包装袋。
3. 【請求項３】 空気放出部をスリットにより形成した請
   求項１に記載の送品用緩衝性包装袋。
4. 【請求項４】 挿脱口の覆閉片の内表面に設けた接着剤
   層の表面に離形紙を貼着した請求項１、２または３のい
   づれかに記載の送品用緩衝性包装袋。
5. 【請求項５】 外袋と内袋との間に形成した両空気の充
   填封入部を適宜の間隔を保ち且つ両側に空気の流通路を
   残して、挿脱口の口縁と略々平行に複数個所で各別に線
   状に加熱接着した請求項１、２、３または４のいづれか
   に記載の送品用緩衝性包装袋。