JP3008419B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP3008419B2
JP3008419B2 JP2010186A JP1018690A JP3008419B2 JP 3008419 B2 JP3008419 B2 JP 3008419B2 JP 2010186 A JP2010186 A JP 2010186A JP 1018690 A JP1018690 A JP 1018690A JP 3008419 B2 JP3008419 B2 JP 3008419B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子楽器に関し、特に線上や面上の位置のよ
うな実質的に連続的に変化する制御変数を発生すること
のできる演奏操作子を有する電子楽器に関する。
[従来の技術] 電子楽器のうち大部分のものは鍵盤を主たる演奏操作
子として用いている。鍵盤は多数の鍵を有し、各鍵を操
作することによって対応する音高の情報を発生させる。
近年、擦弦楽器等の楽音を発生させることのできる電
子楽器の開発が進められている。擦弦楽器においては、
指板上で弦を押さえる指位置を変化させることによって
音高が連続的に変化する。また、弓が弦を擦る弓速、弓
が弦を押さえる弓圧を連続的に変化でき、これらの連続
変化量や弓の移動方向、返し操作に応じて楽音を表情豊
かに変化させる。
電子楽器においても、楽音を表情豊かに変化させるた
めには連続的に変化できる制御変数や他の制御パラメー
タを用いることが有利である。
従来、電子楽器用リアルタイム演奏操作子としては、
鍵盤、ギターコントローラ、ウインドコントローラ等が
あった。しかしながら、これらの演奏操作子を用いた楽
音の表現力は、今一つ自然楽器に劣るものであった。
そこで、バイオリン等擦弦楽器のイメージに近いリア
ルタイム演奏操作子を用い、擦弦楽器における弓速や弓
圧に相当する速度や圧力を音源の制御パラメータとして
入力することが考えられている。
本出願人は圧力センサを備えた1次元以上の種々の操
作子を提案している。これらの操作子を操作し、サンプ
リング時間毎にその位置や圧力を検出することによって
速度や圧力の情報を発生させることができる。
第4図は、擦弦楽器用の音源モデルである。弓で擦弦
楽器の弦を擦ることに対応して、弓速信号が作られ、加
算回路42に入力される。この弓速信号は、起動信号であ
り、加算回路43、除算回路44を介して非線形回路45に供
給される。非線形回路45はヴァイオリンの弦の非線形特
性を表す回路である。非線形回路45は、下向きに弓が移
動する時の特性を表わす第1非線形回路NLa45aと、上向
きに弓が移動する時の特性を表わす第2非線形回路NLb4
5bと、2つの非線形回路の出力のうちいずれを採るかを
選択するセレクタ回路45cを含む。セレクタ回路45cは方
向信号によって制御される。
非線形回路45a、45bの非線形特性は、原点からある範
囲までのほぼ線形な領域とそれよりも外側の特性の変化
した領域との2つの部分を含む。ヴァイオリン等の擦弦
楽器の弦を弓で擦る場合、弓速が遅い間は、弦の変位は
ほぼ弓の変位と同等であり、弦の運動は静摩擦係数によ
って表すことができる。弓の弦に対する相対速度がある
値を越えると、弓の速度と弦の変位速度とは同一ではな
くなる。すなわち、静摩擦係数に代わって動摩擦係数が
運動を支配するようになる。この静摩擦係数から動摩擦
係数への切り替えは急激に起こる。
第4図において、非線形回路45の出力は、乗算回路46
を経て2つの加算回路64、65に供給される。
非線形回路45の入力側の除算回路44、出力側の乗算回
路46は、弓圧信号を受けて、非線形回路45の特性を変更
させる。入力側の除算回路44は、入力信号を除算するこ
とによって、小さな値に変更する。除算回路44がある場
合、大きな入力を受けても小さな入力を受けたかのよう
な出力を与える。出力側の乗算回路46は、非線形回路45
の出力を増大させる役割を果たす。なお、同一の弓圧信
号を受けて、入力を初めに除算し、後で出力を乗算する
ことは、除算回路44で係数C0で除算し、乗算回路46で同
一の係数C0を乗算することを表す。この場合は、非線形
回路45のみの特性53を横軸、縦軸にC0倍した形状を有す
ることになる。乗算回路の係数を除算回路の係数と異な
るように変化させることにより、異なる形状を作るよう
にさせてもよい。
加算回路64、65は循環信号路51a、51bの内に設けられ
ている。この循環信号路51は、擦弦楽器の弦に対応して
楽音信号を循環させる閉ループを構成する。すなわち、
弦においては振動が両端で反射して往復する。これを信
号が循環する閉ループで近似する。この循環信号路内に
は、2つの遅延回路52、53、2つのLPF(ローパスフィ
ルタ)54、55、2つの減衰回路58、59、2つの乗算回路
62、63を含む。遅延回路52、53は音高を表すピッチ信号
と係数αないし(1−α)との積を受け、所定の遅延時
間を与える。循環信号路51a、51bを信号が循環し、元の
位置に戻るまでの全遅延時間によって、楽音の基本ピッ
チが定まる。すなわち、主として2つの遅延回路52、53
の遅延時間の和、ピッチ×[α+(1−α)]=ピッ
チ、が基本ピッチを定める。一方の遅延回路は、弓と弦
との接触する位置から駒までの距離、他方の遅延回路は
弓と弦の接触する位置から押指位置までの距離に対応す
る。
なお、遅延回路52、53によってピッチがほぼ決定する
が、この循環信号路中に含まれる他の要素、たとえばLP
F54、55、減衰コントロール58、59等によっても遅延が
発生する。厳密には、発生する楽音のピッチを定めるの
はこれらのループ中に含まれる全遅延時間の和である。
LPF54、55は循環している波形信号の伝達特性を変更
することにより、種々の弦の振動特性をシミュレートす
る。鍵盤上の音色パッドの選択等によって、音色信号を
発生させ、LPF54、55に供給して、その特性を切り替
え、所望の擦弦楽器の楽音をシミュレートする。
弦を振動が伝搬する際に、振動は次第に減衰する。減
衰コントロール58、59はこの弦を伝わる振動が減衰する
減衰量をシミュレートするものである。
乗算器62、63は弦固定端での振動の反射に対応して反
射係数−1を乗算するものである。すなわち、減衰なし
の固定端での反射を想定して弦の振幅を逆位相に変化さ
せる。係数−1がこの逆相反射を示す。反射における振
幅の減衰は、減衰コントロール58、59の減衰量に組み込
んである。
このようにして、弦に相当する循環信号路51a、51bの
上を振動が循環することによって擦弦楽器の弦の運動を
シミュレートする。
また、擦弦楽器の弦の運動はヒステリシス特性を有す
る。これをシミュレートするため乗算回路46の出力は、
LPF48と、乗算回路49を介して非線形回路45の入力側に
フィードバックされている。LPF48はフィードバックル
ープの発振を防止するためのものである。
今、加算回路42から加算回路43への入力をuとし、フ
ィードバック路から加算回路43への入力をvとし、除算
回路44、非線形回路45、乗算回路46を合わせた増幅率を
Aとすると、乗算回路46の出力wは、(u+v)A=w
で表される。LPF48と乗算回路49を含む負帰還回路のゲ
インがBであるとすると、帰還量vはv=wBで表され
る。これらの2つの式を整理すると、 (u+wB)A=w ∴w=uA/(1−AB) となる。
フィードバックなし、すなわち、B=0の場合は、w
=uAであり、入力uが単に係数A倍されて出力する。ゲ
インBの負帰還をかけた場合、同じ出力を得るには、B
=0の場合の(1−AB)倍(Bは負)の入力を印加しな
ければならない。
フィードバックがある場合の入力増大時の特性におい
ては、入力が増大してある大きさTh1に達すると静摩擦
係数から動摩擦係数への切り替えが起り、出力が階段的
に減少する。
一旦入力が閾値Th1を越してから、再び減少する場合
には、出力wが小さいので、フィードバックされる量v
=Bwも小さい。すなわち、非線形回路45に入力する信号
の大きさが同じでも、静摩擦係数領域の場合と比べて、
動摩擦係数領域の場合は、負のフィードバック量が小さ
いので、加算回路42から加算回路43への入力uは小さな
値となる。
非線形回路45の入力が、閾値になる時の加算回路42か
らの入力uの大きさを考えると、入力増大時には静摩擦
係数が支配し、大きな出力に対応して強い負帰還を受け
るので、より大きな入力Th1でこの切り替えが起るが、
入力減少時には動摩擦係数が支配し、小さな出力に対応
して負帰還量が小さいので、Th1より小さな入力uの値
で切り替えが起る。従って、入力uと出力wとの関係を
入力が次第に増大するときと次第に減少する時とで求め
ると、ヒステリシス特性が得られる。ヒステリシスの大
きさは、乗算回路49のゲインによって制御される。
このようにして、第4図に示す楽音信号形成回路によ
れば、擦弦楽器の弦の運動がシミュレートでき、楽音の
基本波形を作ることができる。
第4図に示すように、循環信号路51a、51bのいずれか
の点から出力を取り出して、擦弦楽器の胴の特性をシミ
ュレートするフォルマントフィルタ等を介して出力信号
をサウンドシステムに供給する。フォルマントフィルタ
も音色信号を受けてその特性を変化させるようにするこ
とができる。
第2図に示す楽音信号形成回路においては、楽音発生
の起動力となる信号が弓速によって与えられている。ま
た、非線形回路45の特性を制御する信号として弓圧が用
いられている。また、非線形回路45の特性自体が弓の移
動方向によって切換えられる。すなわち、擦弦楽器の楽
音をシミュレートする基本的パラメータとして弓速と弓
圧と方向とが用いられる。これらのパラメータは演奏者
の意志ないし演奏操作に基づいて制御できることが好ま
しい。ピッチを指定するパラメータは、鍵盤を操作する
ことによって得られるが、弓速情報、弓圧情報と方向情
報は鍵盤からは得られない。
そこで、弓速情報、弓圧情報や方向情報を得るために
は鍵盤以外の演奏操作子が用いられる。
擦弦楽器同様に管楽器の発音メカニズムをシュミレー
トした音源モデルも特開昭63−40199号公報等に開示さ
れている。このモデルは、吹奏圧に対応した情報、アン
ブシュアに対応した情報およびピッチに対応した情報に
よって楽音が形成される。そこでもやはり鍵盤以外の演
奏操作子が要望される。
第5図は、これらパラメータを得ることのできる感圧
スライド型演奏操作子の構成例を概略的に示す斜視図で
ある。
感圧スライド型演奏操作子71は可動のつまみ73を有
し、つまみ73の下部はスライドボリュームの摺動端子に
連続している。スライドボリューム75からは、つまみ73
の位置に対応した抵抗値が検出される。また、つまみ73
を含むスライドボリューム75全体が圧力センサ77の上に
配置されており、つまみ73を上から押し付けることによ
って、圧力センサ77は押圧力に対応した圧力信号を発生
する。なお、圧力センサ77はケース79内に納められてい
る。
位置信号、圧力信号は電圧信号の形で発生する。たと
えば、スライドボリューム両端に所定の電圧を接続し、
つまみ73の位置に応じた電圧を摺動端子から得る。
弓圧情報またはアンブシュア情報は圧力信号から作成
できる。また、弓速情報または吹奏圧情報は位置信号の
変化(サンプル点間の差分)から作成できる。方向情報
は位置の変化の符号から得ることができる。
[発明が解決しようとする課題] 第5図に示すような演算操作子71を用いて、つまみ73
を一方に移動させていくとやがて端に当ってしまう。そ
こで、移動方向を逆にせざるを得なくなる。また、この
時の操作速度変化は、第6図に示すようになる。一定速
度で操作しようとしても端部が近づくと速度は遅くな
り、一旦停止して逆方向に動き出し、やがて所望の速度
に達する。
第4図の非線形回路45a、45bで示すように、操作子移
動方向によって楽音は異なる。また、方向反転時に一旦
操作速度が0になり、楽音が途切れてしまう。そこで有
限長を有するスライドボリュームの場合、同一の音を持
続的に発生させることが困難ないし不可能となってしま
い、意図しない方向反転まは速度低下を余儀なくされ
る。2次元以上の操作領域を有する演奏操作子を用いる
場合も、操作領域の有限さ等により同様の問題が生じ
る。
本発明の目的は、演奏者の希望に応じて有限領域を有
する操作子を見かけ上無限領域とすることを可能にする
とともに永久に持続する発音が可能な、擦弦楽器または
管楽器の楽音信号を形成することのできる電子楽器を提
供することである。
[課題を解決するための手段] 発明の電子楽器は、1次元以上の操作領域を画定し、
その内で演奏操作するための演奏操作手段と、前記操作
領域内の演奏操作の位置を検出する位置検出手段と、前
記演奏操作の位置の時間変化から移動の速さの情報を演
算する演算手段と、前記移動の速さの情報を楽音制御パ
ラメータとして楽音信号を形成することのできる楽音信
号形成手段と、前記移動の速さに対応した閾値を保持
し、前記移動の速さの情報が閾値以下になった時には、
保持している閾値を移動の速さの情報として前記楽音信
号形成手段に伝える情報伝達手段とを有する。
演奏操作手段の演奏操作に基づいて、演奏操作の位置
の時間変化から移動の速さの情報が提供されるが、情報
伝達手段によって移動の速さの変化を、選択的に無視す
ることが可能とされている。このため、意図しない速さ
変化は楽音形成のパラメータに影響を与えない。
[実施例] 第1図に本発明の実施例による電子楽器の構成例を示
す。つまみ11を有する感圧スライド型演奏操作子1から
は位置に関する抵抗値出力と圧力に関する出力とが発生
し、それぞれアナログ−デジタル変換回路(A/D)2,3に
供給される。デジタル化された位置信号は、A/D2から位
置−速度変換・速度方向制御回路4に供給され、速度情
報に変換されて、弓速情報として音源9に供給される。
位置−速度変換・速度方向制御回路4には、さらにフッ
トペダルスイッチ5が接続されており、感圧スライド型
演算操作子1のつまみの移動方向反転を信号として取り
出すか、無視するかの信号が入力される。また、デジタ
ル化された圧力情報は、A/D3から、弓圧情報として音源
9に供給される。一方、キーボード6からは、押鍵操作
した鍵の音高に対応するキーコード情報が発生し、キー
コード−ピッチ変換回路7でピッチ信号に変換され、音
源9に供給される。音源9はこれらの弓速情報、方向情
報、弓圧情報、音高情報に従って、楽音形成信号を作成
し、サウンドシステム10に供給して楽音を発生させる。
第1図の実施例による電子楽器は、たとえば第2図に
示すハードウェア構成によって実現される。感圧スライ
ド型演奏操作子1は[従来の技術]の項において説明し
たように、たとえば圧力センサを備えたスライドボリュ
ームで構成される。座標検出器3a、圧力検出器2aが操作
子の操作位置および操作圧力を検出してデータバス16に
供給する。一旦検出された座標情報は、演算処理によっ
て速度情報、距離情報、方向情報等のパラメータを形成
することができる。鍵盤6は音高を指定する多数の鍵
と、楽器名等の音色を指定する音色パッドと、その他の
機能のための操作子とを含み、それぞれの情報をバス16
に供給する。タイマ14はタイマインタラプトをかけるた
めのタイミング情報をバス16に供給する。
ペダルスイッチ5は、速度情報の符号変化を楽音形成
パラメータとして用いるか否かを選択するためのスイッ
チである。
バス16には、さらに所定の演算処理を行うCPU17、CPU
で実行するプログラム等を記憶するROM18、プログラム
の実行に使用する種々の情報を格納する種々のレジス
タ、ワーキングメモリ等を有するRAM19、及び楽音信号
形成回路20が接続されている。
なお、ROM18は楽音形成のプログラムを記憶してお
り、CPU17はこのプログラムに従ってRAM19中のレジスタ
等を利用して楽音合成処理を行う。
楽音信号形成回路20はバス16から速度情報を受けとる
速度情報バッファVB21、圧力情報を受けとる圧力情報バ
ッファPB22、方向情報を受けとる方向情報バッファDIRB
23、奏法、音色等のその他情報を受けとるバッファ等を
有し、速度情報、圧力情報、方向情報、その他情報を音
源34a、34b、34c、34dに供給する。なお、音源が複数設
けられている構成を示したが、時分割を行うことによっ
て1つの音源で同様の効果を得ることもできる。
鍵盤6の鍵を操作することによって与えられる音高
(ピッチ)情報は、キーバッファKYB26a、26b、26c、26
dに格納される。ヴァイオリン、ヴィオラのような擦弦
楽器が4本の弦を有することに対応させて、キーバッフ
ァは4つ設けてある。キーバッファKYB26a〜26dに記憶
されるデータは、鍵のオン/オフを表すMSBビットと、
ピッチを表すピッチデータとを含む。ピッチデータは、
それぞれ対応する遅延段数変換回路27a〜27dに送られ、
乗算回路28a〜28d、29a〜29dを介して音源34a〜34dに供
給される。遅延段数変換回路27a〜27dはピッチが高けれ
ば、遅延段数を少なくし、ピッチが低ければ遅延段数を
多くして一定時間に前記した音源内の閉ループ回路を信
号が循環する回数(周波数)を変化させる。乗算回路28
a〜28dにおいては、入力であるピッチに一定の係数αが
乗算され、乗算回路29a〜29dにおいては、入力であるピ
ッチに一定の係数(1−α)が乗算される。この2つの
乗算は、擦弦楽器の弦は、弓が弦を擦る位置から固定端
となる駒および指板上の押弦位置までの2つの弦部分に
分けて考えられることを表している。すなわち、両係数
を加算すると1になることが、押弦位置から駒までのピ
ッチを決定する基本長に対応し、一方の係数αがたとえ
ば擦弦位置から駒までの距離に対応するとすれば、他方
の係数(1−α)は擦弦位置から押弦位置までの距離に
対応する。このようにしてピッチを表す情報が音源34a
〜34dに供給される。速度情報バッファ21はスライド型
操作子1のつまみを移動させる速度から得た速度情報を
格納するバッファレジスタである。圧力情報バッファ22
は、スライド型操作子1のつまみを押し付ける圧力から
得た圧力情報を格納するバッファレジスタである。方向
情報バッファDIRB23は操作位置の変化から得た方向情報
を格納する。
ピッチ情報と速度情報、圧力情報、方向情報等に基づ
いて音源34a〜34dで楽音信号が形成され、サウンドシス
テム35に送られて楽音を発生する。なお、音源回路34a
〜34dは、擦弦楽器の胴の振舞いをシミュレートするフ
ォルマントフィルタを含む。また、サウンドシステム35
はデジタル楽音信号をアナログ信号に変換し、増幅し、
電気信号を音響信号に変換する手段を含む。
このようにして、弓速、弓圧、弓の移動方向に応じて
多彩に表情を変化させることのできる擦弦楽器の楽音が
発生される。
なお、RAMに含まれるレジスタの内、主なものを以下
に説明する。
ペダルスイッチフラグレジスタ(PEDSW) ペダルスイッチ5で切り換える弓の移動方向切換情報
を楽音信号形成パラメータとして用いるか否かのフラグ
を収納するレジスタである。
前ペダルスイッチフラグレジスタ(PPEDSW) 前回のペダルスイッチフラグを収納するレジスタであ
る。
イベントバッファレジスタ(IVTBUF) 鍵盤の鍵の押鍵、離鍵等に対応する鍵イベントデータ
を収納するレジスタであり、第3図に示すように、オン
/オフのデータと音高を表すキーデータとを含む鍵イベ
ントデータを複数個記憶する容量を有する。擦弦楽器用
の場合、たとえば同時に4弦とも演奏した場合を考慮し
て4つのキーイベントを収納することのできる4欄が設
けられる。これらは音高データを一時的に格納する役割
を果たす。
X位置レジスタ(X) 感圧スライド型演奏操作子のつまみの現在の操作位置
Xを記憶するレジスタである。
前X位置レジスタ(Xp) 前回のタイマインタラプト時の感圧スライド型演奏操
作子のX方向位置を記憶するレジスタである。
速度レジスタ(Vb) 弓速を表わす速度を格納するRAM側レジスタである。
1次元操作子を用いる場合は、上述のX方向位置の変化
から移動距離を求めて(時間で割ることによって)得た
速度情報である。
2次元操作子を用いる場合は、2次元面内の速度とな
る。
速さレジスタ(ABS(Vb)) 速度(Vb)の絶対値|Vb|を格納するレジスタである。
圧力レジスタ(P) 面操作子1内に設けられた圧力センサの出力P0から得
た圧力データを格納するRAM側レジスタである。
微小圧力レジスタ(P1) ゼロに近い所定圧力の固定値を格納するレジスタであ
る。
方向レジスタ(DIR) 感圧スライド型演奏操作子のつまみ(弓)の移動方向
フラグを格納するレジスタである。
なお、楽音信号形成回路8内には別個に速度情報バッ
ファVB、圧力情報バッファPB、方向情報バッファDIRB等
が設けられている。
方向ラッチレジスタ(DIRL) 方向フラグDIRの値をラッチタイミングでラッチする
レジスタである。
フラグOLDレジスタ(OLD) フラグOLDが立っているか否かを1か0で格納するレ
ジスタである。このフラグが1である時は、その事象が
既に検出されているものであり、2回目以後のタイマイ
ンタラプトであることを示す。
Y位置レジスタ(Y) 2次元操作子を用いた場合の演奏操作のY方向位置を
記憶するレジスタである。
前Y位置レジスタ(Yp) 前回のタイマインタラプト時の演奏操作のY方向位置
を記憶するレジスタである。
角度レジスタ(θ) 中心座標(Xc、Yc)と演奏操作の位置を結ぶ今回の線
が前回の線に対してなす角度を収納するレジスタであ
る。
前角度レジスタ(θp) 前回のタイマインタラプト時の角度データを収納する
レジスタである。
方向レジスタ(dir) 角度の変化θ−θpを収納するレジスタである。
その他、種々の定数、変数を格納するレジスタが設け
られるが、説明を省略する。
次に、以上説明したような構成を用いて、擦弦楽器の
演奏を行う場合の楽音形成のフローチャートを説明す
る。ペダルスイッチ5としては、オン/オフの状態を選
択的に取るスイッチを考える。
まず、第7図にメインルーチンを示す。メインルーチ
ンがスタートすると、まずステップS11によって初期設
定を行う。たとえば、各レジスタのクリア等を行う。次
のステップS12では鍵盤の押鍵、離鍵の情報および面操
作子等の各操作子の操作情報を検出し、入力する。
演奏操作情報を入力したら、次のステップS13でイベ
ントがあるかないかを調べる。
イベントがあれば、ステップS14に移る。S14では鍵イ
ベントがあるかどうか、ペダルスイッチが操作されたか
どうか、その他操作子が操作されたかどうかを調べる。
鍵イベントがあれば、ステップS15の鍵イベントルーチ
ンに移る。ペダルスイッチが操作された時はステップS1
6のフラグ処理を行う。また、その他操作子が操作され
た時は、それぞれに対応する処理(ステップS17)を行
う。
第8図は鍵イベントルーチンを示す。鍵イベントルー
チンがスタートするとステップS21において同時に生じ
た鍵イベントデータをイベントバッファレジスタIVTBUF
に取り込んで、番号nに0を設定する。
次に、ステップS22において、n番目(初めは0番
目)イベントバッファレジスタのMSBが“1"か否かを調
べる。MSBが“1"であることは、鍵が押された押鍵状態
を示す。MSBが“0"であることは、離鍵された状態を示
す。MSBが“1"であれば、Yの矢印にしたがって次のス
テップS23に進む。
ステップS23においては、押鍵データを入力するため
空チャンネルをサーチして空いているキーバッファKYB
(N)にイベントバッファレジスタIVTBUF(n)のキー
データを取り込む。
続いて、キーデータの取り込みが終わったイベントバ
ッファレジスタIVTBUF(n)をクリアする。次に番号n
を1つカウントアップし、n+1とする(ステップS2
4)。
次のステップS25でイベントバッファレジスタの残り
イベントデータがあるかないかを調べる。残りデータが
なければ、処理を終了するため数“n"に0を設定して
(ステップS26)、リターンする(ステップS27)。
イベントバッファレジスタの残りイベントがある場合
は、ステップS25からステップS22に戻る。
ステップS22において、n番目のイベントバッファレ
ジスタのMSBが“0"である場合、ステップS28に移り、同
じキーデータが割り当てられているチャンネルをサーチ
する。すなわちMSB=“0"は離鍵を意味し、離鍵がされ
るためには、その前に押鍵がされているからその押鍵し
たデータを収納しているキーバッファを捜すわけであ
る。割り当てられているチャンネルをサーチしたら、離
鍵に対応させて対応するキーバッファKYB(N)をクリ
アし、対応する楽音を消音させる。
本実施例では、楽音を発生するには、鍵盤のいずれか
の鍵が押圧され、かつ操作子上で手許操作子が***作子
に圧力を与えていることが必要な条件となっている。こ
のように、押鍵と手許操作子の操作の2条件を発音条件
とする電子楽器においては、鍵が離鍵されれば楽音が消
音する。KYBをクリアすることが離鍵に対応する。
なお、この離鍵処理は必ず行なう必要はなく、押鍵時
の発音割当てに後着優先を導入し、古い押鍵に対応した
キーデータから順次更新していくようにし、発音または
消音は感圧スライド型演奏操作子にのみ委ねてもよい。
第9図にペダルスイッチの処理ルーチンを示す。ペダ
ルスイッチが操作された場合は、ステップS18でオンイ
ベントがどうかを調べる。オンイベントであればステッ
プS19でレジスタPEDSWに“1"を立てる。オンイベントで
なければステップS20でレジスタPEDSWに“0"を立てる。
その後リターンする(ステップS27)。
ペダルスイッチの状態PPEDSW、PEDSWによる発音操作
の概要を、第10図の波形を参照して説明する。
時間軸t上でタイマによってタイマインタラプトがTI
NT1、TINT2、TINT3と行われ、TINT1の後にフットペダル
が操作されたとする。
ペダルスイッチフラグPEDSWはペダルスイッチの操作
と共に“1"に変化する。これに伴い、TINT2は現ペダル
スイッチフラグPEDSWが“0"から“1"に変化する。すな
わち、第1のタイマインタラプト(TINT1)においては
前ペダルスイッチフラグPPEDSWは“0"でありペダルスイ
ッチフラグPEDSWも“0"である。第2のタイマインタラ
プト(TINT2)においては、前ペダルスイッチフラグPPE
DSWは“0"であり、現ペダルスイッチフラグPEDSWは“1"
である。第3のタイマインタラプト(TINT3)において
は、前ペダルスイッチフラグPPEDSWも“1"であり、現ペ
ダルスイッチフラグPEDSWも“1"である。
このような状況の下において、第1のケースにおいて
は、第1回目のタイマインタラプトにおいて弓の移動方
向の反転が検出されたとする。この時は、第1回目タイ
マインタラプトTINT1においては、ペダルスイッチは未
だ操作されていないので、PEDSWは“0"であり、弓の移
動方向反転の操作通りの楽音信号形成が行われる。方向
ラッチDIRLは、TINT1においては差動していない。ペダ
ルスイッチ操作後の次回のタイマインタラプトTINT2に
おいては、ペダルスイッチが操作されたことに対応して
方向ラッチDIRLがX−Xpの符号「1/0」をラッチする。
但し、X−Xpの符号がその後変化していないので楽音信
号形成に影響はない。
この結果、楽音信号形成回路の楽音信号形成は操作子
の操作通りに行われる。
ケース2においては、第2回目のタイマインタラプト
TINT2において、移動方向の反転が検出されたとする。
第2回目のタイマインタラプトTINT2においては、前ペ
ダルスイッチフラグPPEDSW“0"であり、現ペダルスイッ
チフラグPEDSWは“1"である。そこで方向ラッチDIRLは
弓の移動方向反転後の方向「1/0」をラッチする。その
後弓の移動方向の反転が生じていないので、楽音信号形
成は操作子の操作通りに行われる。
なお、ケース1およびケース2において、これ以後は
ペダルスイッチがオフされるまで操作子が反転しても反
転信号は形成されない。
ケース3においては、3回目のタイマインタラプトTI
NT3において、弓の移動方向の反転が生じる。この時に
は、既に第2回目のタイマインタラプトTINT2におい
て、方向ラッチDIRLが弓の移動方向をラッチしているの
で、操作子の移動方向が反転しても反転信号は形成され
ない。すなわち、移動方向の反転は無視される。
このような処理を実行するためのタイマインタラプト
ルーチンを第11図を参照して説明する。
第11図はタイマインタラプトルーチンを示す。タイマ
インタラプトが開始すると、ステップS31において、キ
ーバッファの全てのデータが“0"か否かを判断する。全
てのデータが“0"でなければ、次のステップS32に進
む。感圧スライド形演奏操作子のつまみの操作圧力PBが
所定の微小な圧力P1よりも大きいか否かを判断する。圧
力データPBが所定の微小な圧力P1よりも大きいときは、
感圧スライド型演奏操作子が操作されていることを表す
ので、次のステップS33に進む。今回の位置Xから前回
の位置Xpを引いて差分X−Xpを速度バッファVbに格納す
る。さらに、今回の位置Xを前回の位置レジスタXpに格
納し、前位置データを更新する。
次に、ステップS34において、検出した事象が既に検
出されていたものか否かを判断する。フラグOLDが“0"
でなければ、その事象は既に始っていた事象であるの
で、次のステップS35に進み、速度レジスタの内容Vbが
負か否かを調べる。もし、Vbが負であれば、ステップS3
7において、方向レジスタDIRに“0"を格納し、もし負で
なければステップS36において“1"を方向レジスタDIRに
格納する。続いて、速度データVbの絶対値ABS(Vb)を
速度レジスタVbに格納する(ステップS38)。ここで、
速度の符号と絶対値が別々にされたことになる。
次に、ステップS39において、前ペダルスイッチフラ
グPPEDSWが“0"で、かつ現ペダルスイッチフラグPEDSW
が“1"であるか否か(すなわち、ペダルスイッチのオン
イベントか否か)を調べる。否であればそのまま次のス
テップS41に進む。否でなければ新たにペダルスイッチ
が操作されたので、方向レジスタDIRの内容を方向ラッ
チDIRLに格納し(ステップS40)、その後ステップS41に
進む。
次のステップS41においては、現ペダルスイッチフラ
グPEDSWの内容を前ペダルスイッチフラグのレジスタPPE
DSWに格納して、データを更新する。
次に、ステップS42において、ペダルスイッチフラグP
EDSWが“1"か否かを調べる。すなわち、現在ペダルスイ
ッチが操作されているか否かを調べる。操作されていな
ければ、直ちに次のステップS51に移動する。操作され
ていれば、ステップS43において、ラッチDIRLの内容
を、方向レジスタDIRに格納し、現在の方向に拘らず以
前に記憶していた方向データを方向データとして扱う。
次のステップS51においては、上のように処理された
方向レジスタDIRの内容が楽音信号形成回路のバッファD
IRBに格納され、速度レジスタVbの内容が楽音信号形成
回路のバッファVBに格納され、圧力データTABL(P)の
内容が、圧力バッファPBに格納され、楽音信号形成手段
の楽音信号形成パラメータが決定される。
なお、ステップS31、S32において、全てのデータが
“0"ではないか、圧力データが所定の微小圧力よりも小
さい場合には、ステップS52において、VB、PPEDSW、P
B、OLD、DIRB、DIRL、Xp等のレジスタをクリアする。そ
の後リターンする。
また、ステップS34において、フラグOLDが“0"であれ
ば、ステップS53に移動し、フラグOLDに“1"を立てる。
次に、第12図を参照して、第11図に示したタイマイン
タラプトルーチンの変形実施例を説明する。
第11図のタイマインタラプトルーチンにおいて、ステ
ップS51の前に、以下のステップを加入する。
すなわち、ステップS42ないしS43に続いてこのルーチ
ンが開始すると、ステップS45において、速度レジスタ
の内容Vbが所定の微小な速度Vminよりも小さいか否かを
判断する。もしも、検出した速度Vbが所定の速度Vminよ
りも小さい時は、所定の速度VminをレジスタVbに格納す
る。もしも、所定の速度Vminよりも小さくない時はこの
ステップSを飛び越す。その後リターンする。
このようにすることによって、速度データはある所定
の微小な値Vmin以下に低下することを防止され、常に弓
速がある値以上存在するように扱われる。
すなわち、弓を返す場合には、第6図に関して説明し
たように、弓速は一旦“0"になってしまう。上にのべた
処理を行うことによって、弓速が所定の値以下に低下し
た時には、実際の弓速の代わりに所定の値を弓速として
出力する。従って、弓速は所定の値以下に低下するする
ことを防止される。
第13図は、感圧式演奏操作子の他の例を示す。第5図
に示した感圧演奏操作子は、つまみを直線上を移動させ
るものであったが、第13図の感圧演奏操作子81は演奏領
域が2次元平面で形成されている。すなわち、ペン型の
手許演奏操作子83を被演奏面85上で操作すると、その位
置と圧力とが出力される。すなわち、2次元平面上の位
置と圧力との3次元出力が得られる。
次に、第14図を参照して、このような面操作子を用い
る本発明の他の実施例によるタイマインタラプトルーチ
ンを説明する。処理がスタートすると、ステップS61に
おいて、速度の絶対値ABS(Vb)が正か否かを判断す
る。正であれば、次のステップS62に進み、キーバッフ
ァKYBの全てのデータが“0"か否かを判断する。全ての
データが“0"でなければ、次のステップS63に進み、感
圧スライド型演奏操作子の検出圧力PBが所定の微小の圧
力P1よりも大か否かを判断する。検出圧力PBが微小圧力
P1よりも大きければ、次のステップS63に進み、平面内
での移動距離を求め、その値を速度レジスタVbに格納
し、また移動の方向からその角度θを求める。X方向位
置XおよびY方向位置Yをそれぞれ前X位置レジスタお
よび前Y位置レジスタXp,Ypに格納してデータを更新す
る。
次に、ステップS65において、このイベントが既に起
きたものであるか否かをフラグOLDが“0"であるか否か
によって判断する。フラグOLDが“0"であれば初めて検
出された事象であるので、ステップS72でフラグOLDに
“1"を立てる。フラグOLDが“0"でなければ、次のステ
ップS66で角度の変化をレジスタdirに格納し、新たな角
度θを前角度レジスタθpに格納して角度データを更新
する。
次に、ステップS67において、角度変化レジスタdirの
内容が正か否かを調べる。dirが正であれば、次のステ
ップS68において“1"を向きレジスタDIRに入力し、dir
が正でなければ、ステップS69で“0"をDIRに入力する。
すなわち、ここで「向き」が判別されたことになる。
次に、ステップS39において、前ペダルスイッチフラ
グPPEDSWが“0"でかつ現ペダルスイッチフラグPEDSWが
“1"か否かを調べる。すなわち、ペダルスイッチが押圧
されたか否かを調べる。新たに押圧された場合には、Y
の矢印に従いステップS40で向きレジスタDIRの内容を方
向ラッチDIRLに格納した後次のステップS41に進み、否
であればNの矢印に従い直接次のステップS41に進む。
ステップS41では前ペダルスイッチフラグの内容を更新
する。次に、ステップS42において、ペダルスイッチフ
ラグPEDSWの内容が“1"か否かを調べる。“1"であれ
ば、実際の方向でなくラッチされた方向を用いることな
ので、Yの矢印に従いステップS43に進み、ラッチDIRL
の内容を新たに方向レジスタDIRに入力する。“1"でな
ければ、このステップを飛び越して次のステップに進
む。
次にステップS51を行う。このステップでは速度レジ
スタVbの内容を楽音信号形成回路の速度バッファVBに格
納し、同様に方向レジスタDIRの内容を楽音信号形成回
路の方向バッファDIRBに格納し、圧力レジスタTABL
(P)の内容を圧力バッファPBに格納する。
ステップS61、S62、S63において、それぞれN、Y、
Nの場合は、ステップS71に進み、各種レジスタVB、PPE
DSW、PB、OLD、DIRB、DIRL、Xp等の内容をクリアする。
その後リターンする。
なお、第14図のステップS42、S43と次のステップS51
との間に、第12図のステップを加入してもよい。たとえ
角度変化の符号反転時に速度が零になっても発音が維持
される。
なお、以上の実施例においては、フットペダルスイッ
チを用いて持続音の制御を行う場合を説明したが、フッ
トペダル5の代わりに、どのようなスイッチを用いるこ
ともできる。たとえば、ニースイッチ、ヘッドスイッ
チ、ブレススイッチ、ネックスイッチ、操作子1のつま
み11の任意の箇所に設けたスイッチ等を用いることもで
きる。これらのスイッチを用いて、弓の返しを選択的に
無視することができる。2次元操作子の場合は、向きの
データを移動方向の角度から作成する場合を説明した
が、基準点、基準軸を設定し、位置が定まれば角度が定
まるようにしてその変化から向きデータを作成する等、
他の方向で向きのデータを作ってもよい。また、フット
スイッチにより、弓の移動の向きを保持するようにした
が、速度情報、圧力情報等の他の情報を保持するように
してもよい。
このような構成により、奏法に大きな変化を起こすこ
となく、違和感の少ない永久発音が可能になる。また、
本発明による電子楽器は必ずしも擦弦楽器音の合成に限
定されず、前記した管楽器音の合成のためにも利用可能
である。その際には、操作子の移動の向きの情報を保持
するようにし、必要に応じて速度の情報も保持するよう
にすればよい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこ
れらに制限されるものではない。たとえば、種々の変
更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明で
あろう。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、演奏者の意志
に反する演奏操作子の操作情報は演奏者の意志によって
無視することができる。
永久発音する持続音の発生が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例による電子楽器を示すブロック
図、 第2図は第1図の電子楽器のハードウエア構成を示すブ
ロック図、 第3図はバッファ群の一例であるイベントバッファの構
成を示す概念図、 第4図は擦弦楽器の発音に適した楽音形成回路を示すブ
ロック図、 第5図は感圧スライド型演奏操作子を示す斜視図、 第6図は弓の返しに伴う弓速信号を示すグラフ、 第7図はメインルーチンのフローチャート、 第8図は鍵イベントルーチンのフローチャート 第9図はペダルスイッチフラグ処理ルーチンのフローチ
ャート、 第10図はペダルスイッチを操作した時の演奏の態様を示
すグラフ、 第11図は本発明の実施例によるタイマインタラプトルー
チンのフローチャート、 第12図は本発明の他の実施例によるタイマインタラプト
ルーチンの一部のフローチャート、 第13図は感圧型演奏操作子の他の例を示す概略平面図、 第14図は本発明の他の実施例によるタイマインタラプト
ルーチンのフローチャートである。 図において、 1……感圧型演奏操作子 2、3……アナログ/デジタル変換回路 4……位置−速度・速度方向制御回路 5……ペダルスイッチ(スイッチ手段) 6……キーボード 7……キーコード−ピッチ変換回路 8……楽音信号形成回路(楽音信号形成手段) 9……音源 10……サウンドシステム 14……タイマ 17……CPU(演算手段) 18……ROM 19……RAM 20……楽音信号形成回路 21……速度バッファ 22……圧力バッファ 23……方向バッファ 26……キーバッファ 27……遅延段数変換テーブル 28、29……乗算回路 31、32……係数回路 34……音源 35……サウンドシステム 37……イベントバッファ 41,42,43……加算回路 44……除算回路 45……非線形回路 45a,45b非線形テーブル 45c……セレクタ 46……乗算回路 48……ローパスフィルタ 49……乗算回路 51……閉ループ 52、53……遅延回路 54、55……ローパスフィルタ 58、59……減衰コントロール 62、63……乗算回路 64、65……加算回路 71……感圧スライド型演奏操作子(演奏操作手段) 73……つまみ 75……スライドボリューム 77……圧力センサー 79……ケース 81……感圧演奏操作子(演奏操作手段) 83……手許演奏操作子 85……被演奏面

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1次元以上の操作領域を画定し、その内で
    演奏操作するための演奏操作手段と、 前記操作領域内の演奏操作の位置を検出する位置検出手
    段と、 前記演奏操作の位置の時間変化から移動の速さの情報を
    演算する演算手段と、 前記移動の速さの情報を楽音制御パラメータとして楽音
    信号を形成することのできる楽音信号形成手段と、 前記移動の速さに対応した閾値を保持し、前記移動の速
    さの情報が閾値以下になった時には、保持している閾値
    を移動の速さの情報として前記楽音信号形成手段に伝え
    る情報伝達手段と を有する電子楽器。
  2. 【請求項2】1次元以上の操作領域を画定し、その内で
    演奏操作するための演奏操作手段と、 前記操作領域内の演奏操作の位置を検出する位置検出手
    段と、 前記演奏操作の位置の時間変化から移動の向きと速度と
    の情報を演算する演算手段と、 前記移動の向きと速度との情報を楽音制御パラメータと
    して楽音信号を形成することのできる楽音信号形成手段
    と、 前記移動の向きに対応した情報と移動の速度に対応した
    情報のうちの少なくとも一方を保持して前記楽音信号形
    成手段に伝える情報伝達手段であって、演奏操作の移動
    の向きの反転無効指示を受けた場合、前記移動の向きを
    反転させる演奏操作を行っても該反転前の移動の向きを
    該反転の前後において引き続き前記楽音信号形成手段に
    伝え、かつ、この場合、前記移動の速度が所定値以下に
    なっても該所定値を前記楽音信号形成手段に伝える情報
    伝達手段と を有する電子楽器。
  3. 【請求項3】1次元以上の操作領域を画定し、その内で
    演奏操作するための演奏操作手段と、 前記操作領域内の演奏操作の位置を検出する位置検出手
    段と、 前記演奏操作の位置の時間変化から移動の向きと速度と
    の情報を演算する演算手段であって、前記移動の向きの
    情報は、平面内の移動の角度から導出される演算手段
    と、 前記移動の向きと速度との情報を楽音制御パラメータと
    して楽音信号を形成することのできる楽音信号形成手段
    と、 前記移動の向きに対応した情報と移動の速度に対応した
    情報のうちの少なくとも一方を保持して前記楽音信号形
    成手段に伝える情報伝達手段と を有する電子楽器。
  4. 【請求項4】1次元以上の操作領域を画定し、その内で
    演奏操作するための演奏操作手段と、 前記操作領域内の演奏操作の位置を検出する位置検出手
    段と、 前記演奏操作の位置の時間変化から移動の向きと速度と
    の情報を演算する演算手段と、 前記移動の向きと速度との情報を楽音制御パラメータと
    して楽音信号を形成することのできる楽音信号形成手段
    と、 前記移動の向きに対応した情報と移動の速度に対応した
    情報のうちの少なくとも一方を保持する保持手段と、 前記保持手段に保持された移動の向きに対応した情報と
    移動の速度に対応した情報のうちの少なくとも一方を出
    力するように指示する出力指示手段と、 前記出力指示手段による出力指示があったときには、演
    算手段の出力に代えて、保持手段に保持された情報を楽
    音信号形成手段に出力する情報伝達手段とを有する電子
    楽器。
  5. 【請求項5】さらに、前記出力指示手段が保持手段に対
    して、前記演奏操作手段の操作状態から前記演算手段に
    よって演算された移動の向きに対応した情報と移動の速
    度に対応した情報の少なくとも一方を保持するように指
    示する請求項4記載の電子楽器。
  6. 【請求項6】楽音信号形成装置用の演奏情報の入力装置
    であって、 1次元以上の操作領域を画定し、その内で演奏操作する
    ための演奏操作手段と、 前記操作領域内の演奏操作の位置を検出する位置検出手
    段と、 前記演奏操作の位置の時間変化から移動の向きと速度と
    の情報を演算する演算手段と、 前記移動の向きに対応した情報と移動の速度に対応した
    情報のうちの少なくとも一方を保持する保持手段と、 前記保持手段に保持された移動の向きに対応した情報と
    移動の速度に対応した情報のうちの少なくとも一方を出
    力するように指示する出力指示手段と、 前記演算手段の出力を楽音制御パラメータとして出力
    し、前記出力指示手段による出力指示があったときに
    は、演算手段の出力に代えて、保持手段に保持された情
    報を楽音制御パラメータとして出力する情報伝達手段と を有する演奏情報の入力装置。
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