JP3006463B2

JP3006463B2 - ゴルフクラブ

Info

Publication number: JP3006463B2
Application number: JP7196725A
Authority: JP
Inventors: 健治小林
Original assignee: Endo Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Endo Manufacturing Co Ltd
Priority date: 1995-08-01
Filing date: 1995-08-01
Publication date: 2000-02-07
Anticipated expiration: 2015-08-01
Also published as: US5665013A; JPH0938252A; US5601501A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アイアンゴルフクラ
ブ、サンドウェッジゴルフクラブ、ピッチングゴルフク
ラブ等のゴルフクラブに関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】従来この種のものとし
て、実開昭６０−１７７８６７号公報の第２図には、ヘ
ッドの後部に窪みを形成した窪み付きゴルフクラブが開
示されている。このゴルフクラブにおいては、従来滑ら
かに形成されていたヘッド本体の後部に窪みを多数形成
することによりゴルフクラブをスイングした際に、空気
抵抗を減少することができるというものである。また、
特開平２−２４１４６９号公報の図１には材料を切削し
て周面に小窪みを複数形成したウッド形のゴルフクラブ
ヘッドが開示されている。このウッド形のゴルフクラブ
ヘッドにおいては、前記小窪みにより、美観を高めるこ
とができるというものである。

【０００３】ところで、アイアン形ゴルフクラブヘッド
（ヘッドと称する）においては、スイートエリヤの拡大
を図るために、ヘッドの重心とフェースとの距離を長く
したり、またフェースの縁を厚くしてフェースの周囲に
重量を分散することが知られている。

【０００４】しかしながら、従来のヘッドにおいてはシ
ョット時における強度上フェースを所定の厚みにしなけ
ればならず、このためフェースの厚みに所定の重量が必
要であり、この結果ヘッドの形状を自由に形成できない
という問題があった。

【０００５】そこで、本発明は前記問題を解決してフェ
ースの薄肉化を図って、ヘッドの形状を自由に形成でき
るゴルフクラブを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のゴルフクラブ
は、ー側にシャフト取付部を設け前面にフェースを設け
た金属製のゴルフクラブヘッド本体の前記フェースの後
面の平坦部に、球面状、円錐形状、角錐形状又は断面が
角型の窪みを複数鍛造により密に形成し、かつ前記窪み
の深さを０．２〜１．７ｍｍに形成して前記フェースの
厚みを１．０乃至３．５ｍｍに形成したことにより、フ
ェースの強度を向上し、フェースの薄肉化に伴いその分
の重量を環状突起に配分してスイートエリヤ等の拡大を
図ることができるものである。

【０００７】また本発明は、ー側にシャフト取付部を設
け前面にフェースを設けた金属製のゴルフクラブヘッド
本体の前記フェースの後面の平坦部に、球面状の窪みを
複数鍛造により密に形成し、該球面状窪みの直径が３〜
８ｍｍで、深さが０．２〜１．７ｍｍに形成され、隣接
する前記窪みの中心間距離は３〜１０ｍｍに形成して前
記フェースの厚みを１．０乃至３．５ｍｍに形成された
ものである。

【０００８】

【発明の実施態様】以下、本発明の第１実施例を図１乃
至図４を参照して説明する。金属製のヘッド本体１はー
側にシャフト２の取付部たるホーゼル３が突設し、前面
には打球面たるフェース４が形成されている。さらに、
ヘッド本体１の後面１Ａにおいては前記フェース４に対
応して複数の窪み５が千鳥状に比較的密に形成され、さ
らに後面１Ａの縁部には環状突起６が形成されている。
環状突起６の下部によりソール７が形成される。前記窪
み５は直径Ｘが３〜８ｍｍ、好ましくは５〜６ｍｍで、
深さＹが０．２〜１．７ｍｍ、好ましくは０．７〜１．
２ｍｍに形成されている。さらに隣接する窪み５の中心
間距離Ｚは３〜１０ｍｍ、好ましくは５〜７ｍｍであ
り、そして後述する平坦部９に前記窪み５が占める面積
の割合は７０％以上が好ましい。尚、８は前記フェース
４に形成したスコアラインと称せられる溝ある。

【０００９】次に製造方法について説明する。例えばＪ
ＩＳ規格のＳ２０Ｃ，Ｓ２５Ｃ等の機械構造用炭素鋼材
等の鋼材やチタン、チタン合金、ベリリウム銅等の金属
を鍛造装置により熱間或いは冷間鍛造方法で、図４に示
すように前記フェース４、後面１Ａの環状突起６及び後
面１Ａの中央側に形成される平坦部９を形成しておく。
尚、鋼の場合は熱間鍛造方法により行いこの後焼なまし
する。次に、前記ヘッド本体１を鍛造装置の下型10に載
置し、一方上型11の下面には前記複数の窪み５を形成す
るための半球状の突部12が形成されている。そして前記
上型11を前記平坦部９に押圧して前記窪み５を冷間鍛造
により複数同時に形成する。また実施例では前記窪み５
を冷間鍛造により形成したが鋼等では熱間鍛造により形
成してよい。このように窪み５を形成した後に、前記溝
８を形成すると共に、表面を研磨等により磨いて製品と
するものである。

【００１０】以上のように、前記実施例ではヘッド本体
１の後面１Ａに複数の窪み５を鍛造により形成すること
により、フェース４の中央側の強度を向上し、このため
にこのフェース４の厚みＡを１．０乃至３．５ｍｍ程度
に薄くでき、その薄くできた分の重量を例えばソール７
に配分してその厚みＢを大きくしヘッド１の重心Ｇとフ
ェース４との距離を大きくしてスイートエリヤの拡大を
図ったり、また前記重量を環状突起６に配分してその厚
みＣを大きくしフェース４周囲の重量分布を大きくして
スイートエリヤの拡大を図ることができる。

【００１１】以下の表１の引張試験成績表には前記窪み
５と同様なものを形成した平板（資料番号３，４）と、
窪みを形成しない平板（資料番号１，２）の引張試験を
示している。また、表１の曲げ試験成績表には前記窪み
５と同様なものを形成した平板（資料番号２）と、窪み
を形成しない平板（資料番号１）の曲げ試験を示してい
る。

【００１２】

【表１】表１の引張試験において、窪みを形成した板材（資料番
号３，４）の引張強さ平均は６４２．９Ｎ／ｍｍ²、窪
みを形成しない板材（資料番号１，２）の引張強さ平均
は５１６．７Ｎ／ｍｍ²であり、窪みを形成することに
より、２４．４％の引張強さの向上を図ることができ
る。また、表１の曲げ試験においては、窪みを形成した
板材（資料番号２）の変形開始荷重は６３７０Ｎ、窪み
を形成しない板材（資料番号１）の変形開始荷重は４２
８８Ｎであり、４８．５％の向上を図ることができる。
このような強度の向上は窪み５を鍛造により形成する際
に、均質かつ微細な組織を与える一方、鍛流線を形成す
ることにより材料のじん性と耐久性等を高めることに起
因すると考えられる。

【００１３】さらに、前記窪み５を球面状としたので前
記鍛流線の切断等が生じにくく、いっそう強度を向上で
きる。

【００１４】図５及び図６は第２実施例を示しており、
前記第１実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳
細な説明を省略する。第２実施例のアイアン形ゴルフク
ラブヘッドは、例えばベリリウム銅（比重約８．２）か
らなるヘッド本体21のフェース相当部に窓孔22を形成
し、この窓孔22に前記ベリリウム銅合金より比重が小さ
い材料、例えば機械構造用炭素鋼材（比重約７．８）か
らなり、前面にフェース23Ａを形成したフェース部材23
を嵌着したものである。そして、前記フェース部材23は
熱間鍛造により製造した後に、冷間鍛造によりフェース
部材23の後面24に球面状窪み25を形成し、この窪み25を
形成したフェース部材23を前記ヘッド本体21の窓孔22に
嵌着したものである。また、フェース部材23をヘッド本
体21の窓孔22に先に嵌着した後、第１実施例と同様にフ
ェース部材23の後面24に窪み25を鍛造により形成しても
よい。

【００１５】以上のように、ヘッド本体21の窓孔22に嵌
着するフェース部材23の後面24に予め窪み25を形成する
ことにより、フェース部材23の強度を向上でき、このフ
ェース部材23の厚みＤを１．０乃至３．５ｍｍ程度に薄
くでき、この薄くできた分の重量をソール７等に配分し
てスイートエリヤの拡大等を図ることができる。また、
ヘッド本体21とフェース部材23を異なる材料により形成
したので、重心Ｇの位置をいっそうフェース23Ａより離
間することができ、スイートエリヤの拡大を図ることが
できる。

【００１６】図７及び図８、図９及び図１０、図１１及
び図１２、図１３及び図１４は第３乃至第６実施例を示
したものであり、前記第１実施例と同一部分には同一符
号を付しその詳細な説明を省略する。第３実施例におい
てはヘッド本体１の後面１Ａに異なる直径を有する球面
状の窪み31，32が形成されている。前記径大な窪み31は
前記後面１Ａのフェース４の中央側に対応する箇所に形
成され、一方径小な窪み32は前記後面１Ａのフェース４
の縁側に対応する箇所に形成され、すなわち環状突起６
側に形成されている。このように異なる形状の窪み31，
32を形成することにより、前記窪み31，32を密に形成で
きる。

【００１７】第４実施例においては、ヘッド本体１の後
面１Ａに異なる直径を有する円錐形状の窪み41，42が形
成されており、前記窪み41，42を密に形成できる。

【００１８】第５実施例においては、ヘッド本体１の後
面１Ａに異なる形状を有する角錐形状の窪み51，52が形
成されており、前記窪み51，52を密に形成できる。

【００１９】第６実施例においては、ヘッド本体１の後
面１Ａに異なる形状を有する断面が角型の窪み61，62が
形成されており、前記窪み61，62を密に形成できる。

【００２０】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、種々の変形が可能である。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、ー側にシャフト取付部を設け
前面にフェースを設けた金属製のゴルフクラブヘッド本
体の前記フェースの後面の平坦部に、球面状、円錐形
状、角錐形状又は断面が角型の窪みを複数鍛造により密
に形成し、かつ前記窪みの深さを０．２〜１．７ｍｍに
形成して前記フェースの厚みを１．０乃至３．５ｍｍに
形成したものであり鍛造により形成した窪みによりフェ
ースの強度を向上でき、フェースを薄くできる。したが
って、フェースの薄肉化に伴いその分の重量を他の部位
に配分してスイートエリヤ等の拡大を図ったり自由な重
量配分ができるゴルフクラブを提供できる。

【００２２】また、本発明は、ー側にシャフト取付部を
設け前面にフェースを設けた金属製のゴルフクラブヘッ
ド本体の前記フェースの後面の平坦部に、球面状の窪み
を複数鍛造により密に形成し、該球面状窪みの直径が３
〜８ｍｍで、深さが０．２〜１．７ｍｍに形成され、隣
接する前記窪みの中心間距離は３〜１０ｍｍに形成して
前記フェースの厚みを１．０乃至３．５ｍｍに形成した
ものであり、鍛造により形成した窪みによりフェースの
強度を向上でき、フェースを薄くできる。したがって、
フェースの薄肉化に伴いその分の重量を他の部位に配分
してスイートエリヤ等の拡大を図ったり自由な重量配分
ができ、さらに前記窪みを球面状としたので鍛流線の切
断等が生じにくく、いっそう強度を向上できるゴルフク
ラブを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す断面図である。

【図２】本発明の第１実施例を示す後面側の斜視図であ
る。

【図３】本発明の第１実施例を示す正面図である。

【図４】本発明の第１実施例を示す製造工程の断面図で
ある。

【図５】本発明の第２実施例を示す断面図である。

【図６】本発明の第２実施例を示す分解斜視図である。

【図７】本発明の第３実施例を示す断面図である。

【図８】本発明の第３実施例を示す後面側の斜視図であ
る。

【図９】本発明の第４実施例を示す断面図である。

【図１０】本発明の第４実施例を示す後面側の斜視図で
ある。

【図１１】本発明の第５実施例を示す断面図である。

【図１２】本発明の第５実施例を示す後面側の斜視図で
ある。

【図１３】本発明の第６実施例を示す断面図である。

【図１４】本発明の第６実施例を示す後面側の斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ヘッド本体１Ａ 24 後面３ホーゼル（シャフト取付部）４フェース５ 25 31 32 41 42 51 52 61 62 窪みＡＤ厚みＸ直径Ｙ深さＺ中心間距離

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ー側にシャフト取付部を設け前面にフェ
ースを設けた金属製のゴルフクラブヘッド本体の前記フ
ェースの後面の平坦部に、球面状、円錐形状、角錐形状
又は断面が角型の窪みを複数鍛造により密に形成し、か
つ前記窪みの深さを０．２〜１．７ｍｍに形成して前記
フェースの厚みを１．０乃至３．５ｍｍに形成したこと
を特徴とするゴルフクラブ。
【請求項２】ー側にシャフト取付部を設け前面にフェ
ースを設けた金属製のゴルフクラブヘッド本体の前記フ
ェースの後面の平坦部に、球面状の窪みを複数鍛造によ
り密に形成し、該球面状窪みの直径が３〜８ｍｍで、深
さが０．２〜１．７ｍｍに形成され、隣接する前記窪み
の中心間距離は３〜１０ｍｍに形成して前記フェースの
厚みを１．０乃至３．５ｍｍに形成したことを特徴とす
るゴルフクラブ。