JP3005687U - 畳 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 洋間、板の間などでの一時的くつろぎのため
に延べることのできる軽量で清潔な畳を提供する。 【構成】 桐などの軽量板材を畳床２とし、さらにその
上下に椰子の実およびその葉から取った繊維を積層して
緩衝材層とした畳芯を作る。この畳芯に畳表６を張り、
その裏面には滑り止めを付着した布を貼って畳１とする
ものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として洋間、板の間等に適宜敷き延べる畳に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＪＩＳ Ａ ５９０５には植物繊維を成形した軟質繊維板であるインシュレー ションボードを主な構成材料としたもの、ＪＩＳ Ａ ５９１１にはポリスチレ ンフォームからなる板とインシュレーションボードとの二材を主な構成材料とし たもの、およびポリスチレンフォームからなる板を主な構成材料とし、補強材お よびクッション材が順次積層されてなるものなどが規定されている。

【０００３】 従来の畳は、植物性繊維としてわらを所定の厚さに糸で縫い固めた畳床を使用 しそれに畳表を張って製作していたが、非常に重いという欠点があった。これに 対して上記のポリスチレンフォームなどのプラスチックフォーム畳床は製造が簡 素で、かつ畳の軽量化をもたらしたが衝撃圧・局部的圧縮に弱く、したがって形 崩れが生じる。また畳表面の感触が悪いなどの欠点が指摘されている。

【０００４】 また、ポリスチレンフォームと軟質繊維板であるインシュレーションボードか らなる畳床は腰の強さが十分でないために畳の取扱いが不用意であったり、子供 が暴れるなどにより畳床が割れるおそれがある。さらにインシュレーションボー ドおよびポリスチレンフォームは吸湿性がないので、畳上にこぼした水や汗は畳 床上に溜まり、いつまでも畳表に湿気を含み不衛生であると共に畳表の腐食を促 進するという欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

最近の住宅は、強い洋間指向に対応するために和室の比率が非常に下がってい る。しかし家庭内でのくつろぎの場所として、あるいは午睡の場としては畳の上 が最高であり、したがって畳を希望する人が多いことも事実であるが、それがで きないというのが現実である。本考案はこのような畳使用の願望に応えるもので 、マンションや一般住宅の洋間、リビング、板の間等において一時的に延べて使 用し、不必要時には取り去りが容易なように軽量化を図り、従来の畳の感触を保 持しながら形崩れが少なく吸湿性、乾燥性がよい健康的な畳を開発したものであ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る畳は、桐の木などの軽量木質板材を畳床として用い、その上下面 に椰子の実や葉から得た植物性繊維を積層し、その上面にい草などで編んだ畳表 を張り、裏面にはゴム質材などの塗膜を複数箇所ないし全面に形成塗布した布を 畳シートとして張る構成としたものである。

【０００７】

【作用】

畳床に桐などの板材を使用したことにより軽量化と強度向上が図られ、さらに 木材の適度な吸湿性、乾燥性によって夏は涼しく冬は暖かい畳が得られる。また 椰子の実や葉から得た植物性繊維の積層量を調整することによって適度なクッシ ョンが得られ、さらに畳シートの表面に滑り止めのゴム系塗膜が形成されている ので室内の床によく密着し、延べた畳に不用意に上がっても畳が滑らず安全性に 優れた畳となった。

【０００８】

【実施例】

本考案に係る畳の実施例を図面にしたがって説明する。図１に示したものは本 考案畳１の一部断面図で、畳床２は桐、朴、杉、檜、檜葉、ジェルトン、ファル カタ等の軽量木から得た板材からなり、その上面に椰子の実および葉から得た植 物性繊維を積層した緩衝材およそ５〜１５ｍｍを重ねて上部クッション層３を形 成する。また畳床２の裏面にも前記と同様植物性繊維を極く薄く積層した緩衝材 を重ね下部クッション層４を形成する。

【０００９】 このような畳床２およびクッション層３、４を畳芯として、これを二辺に畳縁 ５、５を縫着した畳表６で被覆し、その畳表６の両端と畳縁５、５を畳床２の裏 面に巻回し、その巻回部６ａ、６ａ、５ａ、５ａの上面（畳の裏面側）から畳床 ２に達する留め金９を数箇所打ち付けて固定する。そしてその上面（畳の裏面） に、ゴム質材などの塗膜８を複数箇所ないし全面に塗布した布（またはプラスチ ック）からなる畳シート７を被覆接着する。

【００１０】 本考案畳１は前記のような構成で主として洋間、リビング、板の間等において 暫時くつろぎあるいは仮眠をとるときに一時的に延べ使用する畳である。したが って畳の寸法は一畳や半畳の規格に則ったものでもよく、また、規格外の例えば ６５０×６５０×４０ｍｍ、９００×９００×５０ｍｍなど持運びが容易で、か つ収納性の良い寸法とすることができる。この実施例においては平面が６５０× ６５０ｍｍで、桐板で作った畳床の厚さが２６〜２８ｍｍ、椰子の繊維の緩衝材 からなる上部クッション層３を８〜１０ｍｍ、下部クッション層４を５ｍｍとし て製作したが寝心地、運搬性ともに良好であった。

【００１１】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の畳１はその主たる畳床２を軽量木板で形成し 、その上下に椰子の実およびその葉から得られる繊維で形成した緩衝材を積層し てクッション層３、４を形成してなる畳芯を持ったもので軽量化が図られ、した がって取り扱いが容易であり、またクッション層３、４が木質の緩衝材であり、 さらに畳床２が木質板で吸湿性、乾燥性に優れているために畳上に付着した水分 、汗などをよく吸収して畳表６のべたつきが解消される。また、従来のわら材使 用の畳に比べてダニの発生量が少なくなった。

【００１２】 最近の家屋は洋間指向が強くしたがって和室が少なくなったのでくつろぎの場 が少ない。このような家屋構造において洋間あるいは板の間などに一時的に本考 案畳１を一枚ないし数枚敷き延べることによって簡単にくつろぎの場を作りだす ことができる。しかも夏は涼しく冬は暖かく快適である。

【００１３】 畳床に木質板材を使用しているので従来の畳床よりも製造が簡単で安価となる 。したがって和室に敷き詰める規格品の畳として使用してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の畳の一部断面表示した斜視図である。

【図２】上記畳の裏面を一部剥離状態で表示した斜視図
である。

【符号の説明】

１ 畳 ２ 畳床 ３ 上部クッション層 ４ 下部クッション層 ５ 畳縁 ６ 畳表 ７ 畳シート ８ 滑り止め塗膜 ９ 留め金

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軽量木質板材を用いた畳床の上下面に植
   物性繊維質からなる緩衝材を積層してクッション層と
   し、表面に畳表を張り、裏面にはゴム系塗膜が付着した
   布を張ったことを特徴とする畳。
2. 【請求項２】 畳床の素材としての軽量木質材には桐、
   朴（ほお）、杉、檜、檜葉、ジェルトンまたはファルカ
   タを使用したことを特徴とする請求項１記載の畳。
3. 【請求項３】椰子の実、椰子の葉から得られる植物性繊
   維質からなる緩衝材を使用したことに特徴を有する請求
   項１記載の畳。