JP3002731B1 - プラスチック混合廃棄物の処理方法 - Google Patents

プラスチック混合廃棄物の処理方法

Info

Publication number
JP3002731B1
JP3002731B1 JP4127199A JP4127199A JP3002731B1 JP 3002731 B1 JP3002731 B1 JP 3002731B1 JP 4127199 A JP4127199 A JP 4127199A JP 4127199 A JP4127199 A JP 4127199A JP 3002731 B1 JP3002731 B1 JP 3002731B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chlorine
plastic
reaction vessel
alkaline solution
waste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4127199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000239434A (ja
Inventor
昭嗣 奥脇
敏明 吉岡
宣明 申
美穂 内田
Original Assignee
東北大学長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東北大学長 filed Critical 東北大学長
Priority to JP4127199A priority Critical patent/JP3002731B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3002731B1 publication Critical patent/JP3002731B1/ja
Publication of JP2000239434A publication Critical patent/JP2000239434A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/52Mechanical processing of waste for the recovery of materials, e.g. crushing, shredding, separation or disassembly
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】含塩素系樹脂が混合されたプラスチック混合廃
棄物を、ほとんど前処理を必要とせず、有害物質を環境
に排出することなく、含塩素系樹脂を精製するための処
理方法を提供する。 【解決手段】プラスチック混合廃棄物とアルカリ性溶液
とを反応容器に収容し、反応容器内の内容物を180℃
以下の温度まで加熱し、攪拌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック混合
廃棄物の処理方法に係り、特には、アルカリ性溶液を用
いたプラスチック混合廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本におけるプラスチックの原材料の生
産量は、年間約1466万トンにも達する。この内、ポ
リ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどの塩素を含有す
るプラスチックは、約21%を占めている。現在、これ
ら塩素を含有するプラスチック原料から製造される製品
は、広範な用途に多量使用されている。例えば、ポリ塩
化ビニルは、安価な樹脂で加工性、機械的性質が優れて
いるので広く工業用、一般用に用いられている。また、
ポリエステル樹脂やポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のプラスチックも広範な用途に多量に使用されて
いる。
【0003】このように、プラスチック類は、非常に用
途範囲が広く、多量に使用されている一方、プラスチッ
ク生産量の増加とともに、プラスチック製品の廃棄物は
年々増大しており、大きな社会問題となっている。不要
となったプラスチック製品は、通常、一括回収され、様
々なプラスチックの混合した廃棄物となる。
【0004】現在、プラスチック廃棄物の処理として
は、(1)埋立、(2)再生加工、(3)焼却、(4)
熱分解油化、(5)固形燃料化、および(6)高炉原料
化などがある。
【0005】(1)の「埋立」には、代表的に、海面埋
立や低地埋立がある。しかし、現在のところ、新規に埋
立地を確保することが困難な状況である。また、プラス
チックは、腐らない。このため、プラスチック廃棄物を
埋立てた地盤は不安定である。しかも、容器包装リサイ
クル法や家電リサイクル法の施行によって、今後、プラ
スチック廃棄物は、回収されることとなる。
【0006】(2)の「再生加工」は、通常、プラスチ
ック廃棄物中の良質なものだけを分別回収して、所望の
製品に加工する処理方法である。このように、再生加工
においては、プラスチック廃棄物の各々が再生加工に適
するか否か分別する必要がある。したがって、プラスチ
ック混合廃棄物に対してこれを適用する場合、非常に効
率が悪い。このように、再生加工による処理方法では、
全てのプラスチック廃棄物を処理し得ず、また非効率的
である。
【0007】(1)および(2)のような物理的処理方
法に対して、(3)ないし(6)の処理方法は、プラス
チック自体を分解する方法である。混合プラスチック廃
棄物には、上述の塩素が含有されたプラスチックが混合
されているため、分解時に、塩酸が発生する。それゆ
え、廃棄物の処理設備は、高温状態で、塩酸にさらされ
るため、急激に劣化する。また、含塩素系樹脂の分解時
には、有機塩素化合物が微量生成され得る。このような
有機塩素化合物は、環境に好ましいものではなく、環境
汚染の問題が生ずる。また、特に、上述の含塩素系樹脂
には、塑性を与えるために、そのほとんどには可塑剤が
混合されている。例えば、現今、ポリ塩化ビニル用の可
塑剤が、量的に最も多く消費されている。プラスチック
分解時には、この可塑剤は、環境ホルモンとして挙動
し、処理過程で問題を引き起こす可能性がある。仮に、
含塩素系樹脂が混合されていない廃棄物であったとして
も、塩化ナトリウム等の無機塩素化合物は、不可避的に
混入され得る。それ故、このような無機塩素化合物は、
廃棄物の焼却や熱分解時に有機塩素化合物を生成し得る
ため、環境汚染の問題を生ずる。
【0008】(4)の熱分解油化では、混合する廃棄物
によっては、設備の運転や製品の品質に大きな影響を及
ぼす。特に、水分、ペット材および金属等は、前処理の
段階で廃棄物中から除去する必要がある。水分について
は、廃棄物中にその混入を免れることができないといっ
ても過言ではない。それ故、廃棄物の水分含有率を適切
な値にするために乾燥する工程が必要である。ペット材
については、飲料用ペット容器は、手選別によって分別
回収されている。しかし、食品用や洗剤用のペット容器
等は、不可避的に混合され得る。これらのペット材は、
設備稼働時、配管等を閉塞させる原因となっている。金
属については、渦電流発生装置によって廃棄物中から回
収されている。以上のように、熱分解油化等の場合、ペ
ット材、金属、水分等を取り除くために、複数の前処理
工程を経なければならず、また、これらを前処理で全て
除去することは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題とすると
ころは、有害物質を生成および排出することなく、含塩
素系樹脂が混合されたプラスチック混合廃棄物中の可塑
剤等を分解抽出して、精製されたプラスチックを得るた
めの処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、含塩素
系樹脂が混合されたプラスチック混合廃棄物とアルカリ
性溶液とを反応容器に収容する工程と、該反応容器内の
内容物を180℃以下の温度で加熱して、該含塩素系樹
脂から可塑剤を選択的に分解抽出させる工程とを具備し
たことを特徴とするプラスチック混合廃棄物の処理方法
が提供される。
【0011】また、本発明によれば、ほとんど前処理を
行わなくてもよく、好ましくは、プラスチック混合廃棄
物をあらかじめ破砕するだけでよい。
【0012】また、本発明によれば、アルカリ性溶液
は、苛性アルカリ水溶液であることが好ましい。特に、
苛性アルカリ水溶液の濃度は、20ないし50重量%で
あることが好ましい。
【0013】さらに、アルカリ性溶液に対するプラスチ
ック混合廃棄物の比は、1ないし8重量%であることが
好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、処理対象である
プラスチック混合廃棄物は、プラスチックが混合され
た、一般家庭および/または各種産業から排出されるご
みを対象とすることができる。
【0015】本発明によれば、プラスチック混合廃棄物
中から、必ずしも、水分、金属等をあらかじめ取り除く
必要はなく、混合したままでよい。また、従来、熱分解
油化等の処理では、分別されていたペット材をも混合し
たままでよい。このように、本発明では、水分、金属、
ペット材等を取り除くための複数の前処理工程を省くこ
とができる。
【0016】本発明によれば、好ましくは、プラスチッ
ク混合廃棄物を、カッター等によって、あらかじめ破砕
することが望ましい。破砕の程度としては、細かくする
ほど、後述のアルカリ性溶液との接触反応を効率的に行
うことができるが、あまりに細かくしすぎても、破砕工
程自体に時間を要し得て、非効率になり得るため、3m
m程度以上に破砕することが望ましい。より好ましく
は、破砕プラスチックの最大長さが、5mmないし15
mmとなるように破砕することが望ましい。このような
破砕の程度で、後述のアルカリ性溶液との接触反応を十
分に行うことができる。本発明では、前述の従来技術の
ようなペット材や金属の除去および水分除去のような前
処理を特には必要とせず、好ましくは上記のような破砕
だけの簡単な前処理でよい。もちろん、プラスチックの
個々の大きさがあらかじめ細かい場合には、破砕しなく
てもよいことはいうまでもない。
【0017】次に、好ましくは破砕したプラスチック混
合廃棄物とアルカリ性溶液とを反応容器に収容する。
【0018】本発明では、アルカリ性溶液を用いるた
め、反応容器として、耐アルカリ性であることが好まし
い。また、後述のように加熱するため、より好ましく
は、耐アルカリ性であって、耐熱性でもあることが望ま
しい。
【0019】本発明によれば、アルカリとしては、苛性
アルカリを用いることが好ましい。苛性アルカリは水溶
液として強アルカリ性を示す。このような強塩基を触媒
として、含塩素系樹脂中に含まれる可塑剤の加水分解抽
出およびペット材の加水分解を効率的に進行させること
ができる。また、苛性アルカリを用いることによって、
可塑剤やペット材から加水分解して生成するフタル酸
を、フタル酸ナトリウム塩やフタル酸カリウム塩とし
て、沈殿させることができる。したがって、これらの沈
殿フタル酸塩は、容易に回収することができる。アルカ
リ溶液中から回収したフタル酸塩は、当該分野で既知の
好適な方法によって、純粋に精製することができる。精
製したフタル酸塩は、所望の化学原料として再利用する
ことができる。また、ペット材の分解によって生成する
エチレングリコールもまた、アルカリ溶液中から回収す
ることができ、精製して、化学原料や原燃料として再利
用することができる。
【0020】本発明では、含塩素系樹脂から可塑剤の選
択的な分解抽出反応を迅速に行うことおよびペット材の
分解反応を迅速に行うことが、処理効率の上で重要であ
る。アルカリ性溶液の濃度を低くすると、上記の反応速
度が小さくなるため、効率的でない。他方、アルカリ性
溶液の濃度を高くすると、可塑剤の分解抽出およびペッ
ト材の分解を速やかに進行させることができるが、含塩
素系樹脂から塩素もが抽出され得る。これらを勘案し
て、本発明では、上述の苛性アルカリを用いる好ましい
態様の場合、20重量%ないし50重量%の濃度である
ことが好ましい。ところで、苛性アルカリは、通常、上
記のような好ましい濃度で入手することができる(通
常、48重量%前後)。その上、このような好ましい濃
度の苛性アルカリ溶液は、室温で固化し得ないので、本
発明においては、取り扱いが容易である。また、上記の
ような好ましい苛性アルカリ濃度の場合、後述の加熱時
に、水蒸気圧は高くなり得ないので、密閉容器を用いる
場合、耐圧容器としなくてもよい。
【0021】上記のようなアルカリ性溶液と、好ましく
は破砕したプラスチック混合廃棄物とを、各々所定量、
反応容器内に収容する。なお、収容に当たっては、反応
容器内雰囲気を不活性ガス雰囲気にすることが、安全上
好ましい。
【0022】本発明では、固液接触反応であるため、反
応促進の上で、適切な固液比であることが望ましい。こ
こで、本明細書において、固液比とは、液体の重量に対
する固体の重量の比を表す。本発明では、処理効率の観
点からは、固液比は、大きな値であることが望ましい。
しかし、プラスチックの比重は、アルカリ性溶液のそれ
に比して小さいため、プラスチックの量によっては、ア
ルカリ性溶液上に浮いてしまう量が多くなる。それ故、
固液接触が十分に行われ得ない。逆に、固液比を小さな
値にしていくと、固液接触を十分に行うことができ、反
応を速やかに進行させることができるが、効率的でな
い。本発明では、これらを勘案して、固液比として、1
重量%ないし8重量%であることが好ましい。本発明で
は、含塩素系樹脂に含まれる可塑剤およびペット材の加
水分解の際に、アルカリは、触媒として機能する。ま
た、苛性アルカリを用いる好ましい態様の場合、可塑剤
やペット材から分解生成するフタル酸をフタル酸塩とし
て沈殿させる機能をも同時に有する。従って、特に苛性
アルカリを用いる好ましい態様の場合、必要アルカリ量
についても配慮を要するが、上記のような固液比であれ
ば、触媒および沈殿反応の際、十分機能し得るアルカリ
量である。
【0023】しかる後、反応容器内に収容した内容物を
180℃以下の温度に加熱する。本発明では、アルカリ
性溶液との接触反応によって、含塩素系樹脂に含まれる
可塑剤を選択的に分解抽出させるために、反応温度とし
ては、塩素をほとんど抽出することなく、かつフタル酸
を迅速に抽出し得るような温度であることが重要であ
る。この反応温度は、室温から反応が進行し得るが、温
度が低いと、可塑剤の分解抽出速度およびペット材の分
解速度が小さいので、効率的ではないが、含塩素系樹脂
から塩素をほとんど抽出することなく、可塑剤を選択的
に分解抽出することができる。また、反応温度として、
180℃を超えると、含塩素系樹脂から塩素抽出もが開
始されるので、含塩素系樹脂から、可塑剤を選択的に分
解抽出することができなくなってしまう。本発明によれ
ば、これらを勘案して、反応温度としては、室温ないし
180℃でもよいが、好ましくは、100℃ないし18
0℃であることが望ましい。
【0024】反応容器内に収容した内容物の加熱は、反
応容器を電熱すること等によって行うことができる所定
温度に加熱した後、所定時間保持することによって、含
塩素系樹脂に含まれる可塑剤やペット材を分解し、フタ
ル酸を十分に抽出することができる。水酸化ナトリウム
を用いる好ましい態様の場合、上述の好ましい濃度、固
液比および反応温度にすれば、保持時間として、5時間
程度以内で、フタル酸を十分に抽出することができる。
すなわち、含塩素系樹脂に含まれる可塑剤の選択的な分
解抽出およびペット材の分解を十分に行うことができ
る。
【0025】本発明においては、プラスチックの比重
は、アルカリ性溶液のそれに比して小さい。従って、プ
ラスチックおよびアルカリ性溶液を静止した状態、ある
いは反応容器を静置した状態では、プラスチックとアル
カリ性溶液とが十分に接触し得ず、反応が速やかに進行
し得ない場合がある。それ故、効率的に反応を進行させ
るためには、できるだけプラスチックとアルカリ性溶液
とを接触させることが望ましい。本発明においては、振
とう装置あるいは攪拌装置等によって、反応容器内のプ
ラスチックとアルカリ性溶液との接触機会を増大させる
ことが好ましい。一例として、電磁式回転翼のような攪
拌装置を用いる場合、攪拌翼等の攪拌性能にもよるが、
400rpmないし1000rpm程度の攪拌回転数に
することが好ましい。このような攪拌等の手段によっ
て、固液接触反応を十分に向上させることができる。
【0026】本発明によれば、以上のようにして、プラ
スチック混合廃棄物に混合され得る含塩素系樹脂から、
可塑剤を選択的に分解抽出することができる。また、含
塩素系樹脂やプラスチック混合廃棄物中に混合され得る
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン等に含ま
れ得る添加剤をも同時に抽出することができる。可塑剤
を含まない塩素系樹脂は、精製し、所望の塩素系樹脂製
品の原料として再利用することができる。また、可塑剤
を含まない塩素系樹脂は、熱分解油化するための原料と
して供することもでき、有機塩素化合物を生成すること
なく油化することができる。苛性アルカリを用いる好ま
しい態様の場合、可塑剤の分解によって生成するフタル
酸は、フタル酸塩としてアルカリ溶液中に沈殿するの
で、容易に回収することができ、このフタル酸塩は、化
学原料として再利用することができる。さらに、含塩素
系樹脂からの可塑剤の分解抽出と同時に、プラスチック
混合廃棄物に混合され得るペット材もまた、同時に分解
することができる。苛性アルカリを用いる好ましい態様
の場合、分解生成するフタル酸(テレフタル酸)は、フ
タル酸塩としてアルカリ性溶液中から容易に回収するこ
とができ、このフタル酸塩は、化学原料等として再利用
することができる。さらには、ペット材の分解により、
エチレングリコールも生成されるので、これもまた化学
原料や原燃料として再利用することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに記載
する。以下の実施例および比較例においては、試料とし
て、一般ごみから分別された含塩素系樹脂を含むプラス
チック混合廃棄物を用いた。
【0028】実施例1 まず、プラスチック混合廃棄物を、破砕カッターで10
mm程度に破砕した。破砕した混合プラスチックを15
g分け取り、反応容器内に収容した。反応容器として
は、SUS304製の内容積1L(リットル)のオート
クレーブを用いた。そして、50重量%濃度の水酸化ナ
トリウム水溶液を、反応容器内に、500mL(ミリリ
ットル)収容し、固液比を3重量%とした。また、反応
容器内の雰囲気を窒素ガス雰囲気とした。
【0029】次に、反応容器を加熱して、内容物を15
0℃の温度に昇温した。そして、電磁誘導式回転翼によ
り、回転数1000rpmで内容物を攪拌し、2、3お
よび5時間温度保持した。、しかる後、オートクレーブ
を室温まで冷却した。冷却の後、反応容器内から内容物
を取り出し、ガラスフィルターに通し、ろ液を希釈し
た。希釈したろ液は、陽イオン交換カラムに通し、ナト
リウムイオンを除去した。そして、ナトリウムイオン除
去後の液体は、イオンクロマトグラフィーによって、液
体中のフタル酸および塩素を定量した。イオンクロマト
グラフィー装置として、DIONEX(ダイオネクス)
社製のDX100を用いた。
【0030】実施例2 本実施例2では、実施例1と同様な試料を用いた。反応
温度を180℃とし、保持時間を0時間(すなわち、反
応容器内の内容物の温度が180℃に達した後、即時に
降温した。)および3時間とした以外、実施例1と全く
同様な手法で行い、フタル酸および塩素を定量した。
【0031】比較例1 実施例1におけるものと同様な試料を用いて、反応温度
を200℃とし、保持時間を5時間にした以外は、実施
例1と全く同様な手法で行い、フタル酸および塩素を定
量した。
【0032】反応温度150℃(実施例1)、180℃
(実施例2)および200℃(比較例1)における保持
時間に対する脱フタル酸量を調べたところ、図1に示す
特性図が得られた。ここで、脱フタル酸量とは、収容時
の試料重量に対する脱フタル酸重量の比を表す。
【0033】図1から明らかなように、実施例1(15
0℃)、実施例2(180℃)および比較例1(200
℃)においては、いずれの保持時間においても、脱フタ
ル酸量は、約0.15重量%であった。したがって、脱
フタル酸は、頭打ちになっていることがわかり、試料中
に含まれていたフタル酸を十分に抽出したものと認めら
れる。
【0034】また、実施例1(150℃)および実施例
2(180℃)における脱塩素率、すなわち、収容時の
試料に含まれる全塩素量に対する脱塩素量の比を求め
た。その結果、いずれのものについても、脱塩素率が、
2.6%であった。これに対し、比較例1における脱塩
素率を求めた結果、15%と高い値であった。
【0035】以上のことから、実施例1(150℃)お
よび実施例2(180℃)においては、塩素をほとんど
抽出することなく、フタル酸を十分にかつ選択的に抽出
することができたことがわかった。一方、反応温度20
0℃においては、脱フタル酸は、十分に行うことができ
たものの、脱塩素率が高いことから、脱フタル酸を選択
的に行うことはできないことがわかった。
【0036】実施例3 実施例1において用いた試料と同様なプラスチック混合
廃棄物を破砕カッターによって、5mm程度に細かく破
砕した。こうして破砕した混合プラスチック廃棄物から
1.0gを分け取り、内容積が35mL(ミリリット
ル)の反応容器内に収容した。反応容器としては、容器
内表面がフッ素樹脂加工されたステンレス製の密封容器
を用いた。続いて、50重量%濃度の水酸化ナトリウム
水溶液を、反応容器内に10mL収容し、固液比を1重
量%とした。その後、反応容器内の雰囲気を窒素ガス雰
囲気にして、密閉した。
【0037】次に、あらかじめ180℃にしておいた油
浴中に前記反応容器を沈め、所定時間保持した。保持時
間としては、5時間とした。そして、温度保持の間、反
応容器を振とうさせ、反応容器内の内容物を攪拌した。
振とう装置としては、YAMATO(ヤマト)社製のM
H‐10 OIL BATH SHAKERを用い、振
とう回数として120回/分で、反応容器内の内容物を
攪拌した。
【0038】しかる後、油浴中から反応容器を引き上
げ、室温まで冷却した。冷却の後、反応容器内から内容
物を取り出した。その後は、実施例1と同様にして行
い、フタル酸および塩素を定量した。
【0039】実施例3の処理による脱フタル酸量および
脱塩素率を調べた。その結果、脱フタル酸量は、約0.
15重量%、脱塩素率は、2.6%であり、実施例1お
よび実施例2と同様な結果が得られた。
【0040】以上のことから、実施例1、2および3に
おいては、塩素をほとんど抽出することなく、フタル酸
を十分にかつ選択的に抽出することができたことがわか
った。
【0041】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によれば、好ま
しくは前処理としてプラスチック混合廃棄物を破砕する
だけでよく、アルカリ性溶液との接触反応によって、含
塩素系樹脂に含まれる可塑剤を選択的に分解抽出して、
可塑剤を含まないプラスチックとして精製することがで
きる。また、可塑剤の分解により生成されるフタル酸
は、回収され、化学原料等として再利用に供することが
できる。同時に、ペット材をも分解して、分解生成物を
化学原料等として再利用に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応温度150、180および200℃におけ
る温度保持時間と脱フタル酸量との関係を示すグラフ
図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−330532(JP,A) 特開 平9−291290(JP,A) 特開 平8−259728(JP,A) 特公 昭51−42640(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 11/02 B09B 3/00 C10G 1/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含塩素系樹脂が混合されたプラスチック
    混合廃棄物とアルカリ性溶液とを反応容器に収容する工
    程と、該反応容器内の内容物を180℃以下の温度で加
    熱して、該含塩素系樹脂から可塑剤を選択的に分解抽出
    させる工程とを具備したことを特徴とするプラスチック
    混合廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記プラスチック混合廃棄物を、最大長
    さが5ないし15mmになるように、あらかじめ破砕する
    ことを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ性溶液は、苛性アルカリ水
    溶液であることを特徴とする請求項1または2記載の処
    理方法。
  4. 【請求項4】 前記苛性アルカリ水溶液の濃度は、20
    ないし50重量%であることを特徴とする請求項3記載
    の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記アルカリ性溶液に対する前記プラス
    チック混合廃棄物の比は、1ないし8重量%であること
    を特徴とする請求項1ないし4記載の処理方法。
JP4127199A 1999-02-19 1999-02-19 プラスチック混合廃棄物の処理方法 Expired - Lifetime JP3002731B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4127199A JP3002731B1 (ja) 1999-02-19 1999-02-19 プラスチック混合廃棄物の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4127199A JP3002731B1 (ja) 1999-02-19 1999-02-19 プラスチック混合廃棄物の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3002731B1 true JP3002731B1 (ja) 2000-01-24
JP2000239434A JP2000239434A (ja) 2000-09-05

Family

ID=12603789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4127199A Expired - Lifetime JP3002731B1 (ja) 1999-02-19 1999-02-19 プラスチック混合廃棄物の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3002731B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112771742A (zh) * 2018-10-19 2021-05-07 三菱综合材料株式会社 包覆电线的处理方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4605602B2 (ja) * 2005-05-24 2011-01-05 日機装株式会社 ハロゲン含有プラスチック回収物の処理方法及び処理装置
DE102012015462A1 (de) * 2012-08-07 2014-02-13 Reifenhäuser GmbH & Co. KG Maschinenfabrik Blasfolienanlage, Verfahren zum Herstellen einer Blasfolienbahn und damit hergestellte Folie

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112771742A (zh) * 2018-10-19 2021-05-07 三菱综合材料株式会社 包覆电线的处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000239434A (ja) 2000-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kang et al. Optimization of amino acids production from waste fish entrails by hydrolysis in sub and supercritical water
KR100693707B1 (ko) 폴리에틸렌 테레프탈레이트 폐기물의 화학적 재이용 방법
EP0597751B1 (fr) Procédé amélioré de récupération de téréphtalate de métal alcalin ou alcalino-terreux et d'alkylèneglycol à partir de polytéréphtalates d'alkylène
EP0030805B1 (en) Process for the separation of contaminant material from contaminated oil
CN109956483A (zh) 一种化工行业废盐的无害化与资源化方法
JPH09324181A (ja) プラスチック廃棄物の油化方法及び装置
JP3002731B1 (ja) プラスチック混合廃棄物の処理方法
JP2010168560A (ja) 複合材料の分解方法
JPH05245463A (ja) 混合プラスチツク廃棄物の処理方法及び処理装置
JP3273316B2 (ja) プラスチック混合廃棄物の処理方法
CN114655972B (zh) 拜耳法氧化铝溶液有机物高效脱除的方法
JPH11192469A (ja) プラスチックの処理方法および該処理方法で得られる固体燃料、鉱石用還元剤
JP2001017942A (ja) 焼却灰中からの鉛化合物の除去方法
JP4468077B2 (ja) ポリ塩化ビニル回収方法
JP2003245628A (ja) 食材の加工過程で生じる廃棄物の処理方法及び処理装置
JP2000191826A (ja) プラスチック類の回収方法
CN112341490A (zh) 一种草甘膦废盐热化学处理资源化利用的方法
JP3419624B2 (ja) 廃プラスチックの処理装置及び処理方法
JPH09155326A (ja) 塩素を含有する廃棄物の処理方法
KR101133651B1 (ko) X-ray 폐 필름에서 pet와 은을 회수하는 방법
JP2007277389A (ja) プラスチック廃棄物の分別回収方法
JP2021014560A (ja) 固形残渣に残留する塩素の除去方法
CN102482447B (zh) 纯化被pla污染的常规聚合物流
CN216550633U (zh) 一种液晶面板萃取回收铟的装置
JPH1180746A (ja) ポリ塩化ビニール樹脂を含有する廃プラスチックスの処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term