JP3002154U - 空気浄化フィルター - Google Patents

空気浄化フィルター

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JP3002154U JP1994003801U JP380194U JP3002154U JP 3002154 U JP3002154 U JP 3002154U JP 1994003801 U JP1994003801 U JP 1994003801U JP 380194 U JP380194 U JP 380194U JP 3002154 U JP3002154 U JP 3002154U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】基布2は全面が六角形を連続的に隣接して配列
した編み目3を持つ平面4と、一定の方向に六角形の頂
点を結んでループ状のパイル5を形成せしめた部分から
なる編み物で、ループ状のパイルが平面の片側或いは両
側に張り出した三次元構造が形成され、活性炭粒子6を
バインダーによって該基布の編み糸に担持せしめてなる
空気浄化フィルター及び、更にエレクトレットフィルタ
ー7を基布の平面と平行に配置してなる空気浄化フィル
ターである。 【効果】本考案の空気浄化フィルターは主として自動車
に積載するエヤーコンディショナーに組み込んでフィル
ターとして使用されるもので、圧損失が低く悪臭ガスの
吸着速度が速く、空気を高速1パスで流した場合にも浄
化効果が大きく且つ長期間使用可能である。更に、エレ
クトレットフィルターを併用すれば空気中の塵埃及びエ
ヤーゾル等も除去も出来る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は空気浄化フィルターに関するもので、更に詳しく述べると、主として 自動車に積載するエヤーコンディショナー用の空気浄化器に組み込んで使用され るフィルターで、低圧損失長期間使用可能な特徴を有し、空気を高速で流した場 合にも高い浄化度が得られる空気浄化フィルターである。
【0002】
【従来の技術】
空気中の悪臭を除去するため、従来主としてフィルターに活性炭充填層が使用 されていたが、悪臭物質の吸着速度がおそいのでこれを改善するため、活性炭の 粒径が小さいものを使用するか、または充填層を厚くしたものが使用された。し かし、このような構造にすると圧損失が増大し、また充分な風量を確保しようと するとファンの騒音が問題となった。特開昭58-175560 号公報には活性炭を含む ハニカム型シートとエレクトレットフィルターを組み合わせた低圧損失型空気浄 化用フィルターが開示されている。
【0003】 また、ウレタンフォームを基材として粉末活性炭を担持させたものは、初期活 性は高いが圧損失も高く、フィルターの活性炭担持量が少ないため使用可能期間 が短かった。活性炭繊維を主成分とする空気浄化剤も活性炭保持量が少なくなる ため、一般的に使用可能期間が短い欠点があった。使用可能期間を長期化させる ためにはどうしても活性炭充填密度を高める必要があり、粒状活性炭が使用され るがこのため圧損失が高くなり送風機の騒音等が問題となる。
【0004】 粗い編み目に粒状活性炭を担持させて使用する方法もあるが、この様な二次元 構造では圧損失は低いが初期活性も低いフィルターしか得られない。また、三次 元の網目構造を有するものは、ウレタンフォームに活性炭粉末を担持させたもの 以外は知られていない。
【0005】 殊に循環方式で空気を浄化する家庭用の空気清浄器と異なり、自動車に積載す る空気清浄器は車外より空気を取り入れる場合、導入空気の速度が速く1パス方 式が採用されているため、この様な条件下でも浄化度が高く且つ低圧損失で使用 可能期間が長いことが要求される。更に、激しい振動状態で使用されるため空気 浄化剤の脱落を防止する必要がある。
【0006】 また、空気中の浮遊粉塵を除去するため従来静電空気清浄機、或いは電気集塵 機が使用されていた。これらはコロナ放電によって粉塵粒子を荷電させ、この粉 子を反対の電荷を有する電極またはフィルターにより補集除去するものである。 しかし、コロナ放電により、粉塵粒子を荷電するためには数KV或いは数10KVの高 電圧が必要となり、取扱上危険があるのみならず、火災が発生するおそれもあっ た。
【0007】 このため高電圧を必要としない集じん装置への要望が強く、静電効果によらな いフィルターも種々提案された。しかし、一般の室内または車内の空気には径1 μm 以下の極微粒子からなるたばこの煙を含有する場合が多く、この様な粉塵を 補集するためには圧損失が非常に高いフィルターが必要となることは避けられな かった。従って、この方式では低圧損失でしかも効率よく粉塵微粒子を除去する ことは極めて困難であった。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は主として自動車に積載するエヤーコンディショナー用の空気浄化器に 組み込んで使用するフィルターとして、低圧損失、長期間使用可能で、空気を高 速1パスで流した場合にも充分浄化出来、且つ激しい振動状態で使用しても空気 浄化剤が脱落するおそれがない、空気浄化フィルターを開発・提供しようとする ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案者は、主として自動車に積載するエヤーコンディショナー用の空気浄化 器に組み込んで使用する、空気浄化フィルターとして低圧損失且つ長期間使用可 能で、空気を高速1パスで流した場合にも高い浄化度が得られ、且つ激しい振動 状態で使用しても空気浄化剤が脱落するおそれがない、フィルターについて研究 した。この場合長期間使用可能で且つ低圧損失とするためには、どうしても充填 密度が高くなる粒状活性炭を使用する必要がある。この様な条件下では粒状活性 炭を立体的な網の目構造に配置して、空気をその中に激しい乱流状態で流して活 性炭と接触させる状態が最も効果があるとの考え方に基づいて本発明に到達した 。
【0010】 すなわち、基布2は全面が六角形を連続的に隣接して配列した編み目3を持つ 平面4と、一定の方向に六角形の頂点を結んでループ状のパイル5を形成せしめ た部分からなる編み物で、ループ状のパイルが平面の片側或いは両側に張り出し た三次元構造が形成され、活性炭粒子6をバインダーによって該基布の編み糸に 担持せしめてなる空気浄化フィルター及び、更にエレクトレットフィルター7を 基布の平面と平行に配置してなる空気浄化フィルターである。
【0011】 以下本考案について詳しく説明する。
【0012】 本考案の空気浄化フィルターの基布は全面が六角形を連続的に隣接して配列し た編み目3を持つ平面4と、一定の方向に六角形の頂点を結んでループ状のパイ ル5を形成せしめた部分からなる編み物である必要がある。この平面に垂直に通 過する空気を激しい乱流状態にするためには空気の流速を高める必要がある。1 層の基布からなるフィルターの通過時間は短くなるため、使用状況によっては本 考案の空気浄化フィルターを複数枚フィルターの平面が平行になる様に重ねて使 用することも可能である。
【0013】 また、基布の平面は全面が六角形を連続的に隣接して配列した編み目となって いる必要がある。六角形の編み目は基布の形状安定性と、編み糸に活性炭粒子を 担持させた編み目に空気を通過させた場合、均一な浄化効果が得られため選択さ れたものである。六角形の編み目の大きさは使用状況により適宜選択できるが、 自動車に積載するエヤーコンディショナー用フィルターの場合一辺が2〜6mm程 度が好ましい。
【0014】 本考案の基布の平面上には一定の方向に平面上の六角形の頂点を結んだループ 状のパイル5が形成され、ループ状のパイルが平面の片側或いは両側に張り出し た三次元構造が形成されている。六角形の頂点の結び方は六角形の中心を通る様 に2つの頂点を結んでもよいし、或いは六角形の隣接した2辺の両端を結ぶ様に してもよい。六角形の頂点を結んだこれらの線はいずれも一定の方向すなわち、 平面の垂直方向からみて相互に平行になっている。尚、ここで平行とは厳密な平 行線に限定する意味ではなく、おおよそ平行であればよい。また場合によっては 或る程度ずれている方が却って空気の流れが乱されてレイノルズ数を著しく高め る場合もある。この基布はこの様な形状の三次元構造の編み物である必要がある 。
【0015】 編み物にこの様な構造性を付与するためには、或る程度剛性を有する編み糸を 使用する必要がある。例えば、ナイロン或いはポリエステル等の100 〜200 デニ ル位のモノフィラメントが編み糸の中に含まれている必要がある。この様な糸が 含まれていれば安定した編み物の三次元構造が保持される。尚、その他普通の細 い糸を併用してもよく、編み糸に活性炭粒子を強固に接着させるためには細い糸 を併用することがより好ましい。更に基布の材質は繊維に限定されずこの様な三 次元構造をとり得るものならば使用可能で、例えば、細いアルミニウム線で編ん だ編み物でもよい。
【0016】 本考案の基布の編み糸にはバインダーによって活性炭粒子を接着させて担持さ せる必要がある。活性炭粒子は空気浄化フィルターエレメントの浄化機能を有す る成分である。
【0017】 ここで使用する活性炭は、通常1gあたり数100 m2或いはそれ以上の大きな表面 積を有し、高い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用できる。活性炭は無 極性吸着剤として極めて優れた吸着性を有する特異な材質で、殆どすべてのガス 状物質に対して高い吸着性を示し、特に悪臭成分の除去に優れている。活性炭の 原料は通常ヤシ殻または木材等の炭化物或いは、石炭が使用されるが何れでもよ い。また賦活法も水蒸気或いは二酸化炭素により高温で、または塩化亜鉛、リン 酸、濃硫酸処理等いづれの方法により得られたものでもよい。
【0018】 本考案において基布の編み糸に担持させる活性炭を活性炭粒子と限定したのは 、高い充填密度及び充填量で担持させることが出来ない薄層の粉末活性炭或いは 活性炭繊維を除外する意味である。従って、活性炭粒子には破砕炭、造粒炭或い は顆粒炭等の粒子も含まれている。造粒炭は常法に従って炭素材料100 部に30〜 60部の石油ピッチ或いはコールタール等をバインダーとして加え混和成型後賦活 して調製される。
【0019】 ここで基布の編み糸に活性炭粒子を接着するために使用されるバインダーは特 に限定しない。エマルジョン、ラテックス、溶液接着剤、ホットメルト接着剤等 広範囲の接着剤が使用可能である。これらの中、活性炭粒子を編み糸に強固に接 着させると共に、接着部分以外の活性炭表面を殆ど被覆しない接着剤が好ましい 。更に、自動車に積載して使用する場合かなりの振動があるため、部品は通常4 G 以上の加速度に耐える必要があるとされている。接着後固化して剛性が高い状 態になると振動により活性炭粒子と基布の間にズレが生じた場合、その変形を吸 収出来ず粒子が脱落することがある。従って、接着後固化した場合にも可塑性を 有する状態すなわち粘着性を有する接着剤がより好ましい。例えば、アクリル系 エマルジョン、ラテックスまたは固化後も粘着性を有するホットメルト接着剤は 活性炭粒子を点接着の状態で編み糸に担持出来、且つ固化後も可塑性を有するた め振動による粒子の脱落のおそれがなくより好ましい。
【0020】 エマルジョンとしてはアクリル酸エステルとアクリル酸、メタクリル酸エステ ルを共重合させたアクリル系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エ マルジョン或いは酢酸ビニル樹脂エマルジョン、等が挙げられ、ラテックスとし てはクロロプレン、ニトリルゴム、SBR 等各種合成ゴム系のラテックスが使用出 来る。
【0021】 しかし、エマルジョンまたはラテックスのみでは一般に接着力がやや低く、空 気を基布の間隙に激しい乱流状態で流した場合、編み糸に担持させた活性炭粒子 が脱落するおそれがある。このため基布の編み糸と活性炭粒子との接着力を更に 高めるためには、ポリビニルアルコールを固化後も可塑性を有するアクリル系エ マルジョンに混合した接着剤がより好ましく、または更に少量の架橋剤を加えて もよい。ここでポリビニルアルコール溶液とアクリル系エマルジョンの混合比率 は30:70 〜10:90 の範囲が好ましい。アクリル系エマルジョンにポリビニルアル コールを加えた場合は接着力が高まり、未添加の場合の数倍の活性炭粒子を担持 させることが可能となる。
【0022】 活性炭粒子をエマルジョン系の接着剤により基布の編み糸に担持させるには、 基布を接着剤に浸漬して編み糸に接着剤を充分付着させて引き上げ、スチームブ ローで編み目の目詰まりを除いた後、20〜40メッシュの活性炭粒子を振りかけて 編み糸に接着させる。更に編み糸に強固に接着させ同時に余剰の粒子を除くため スチーム処理をし、115 ℃で3時間位乾燥することにより、三次元構造が安定し たフィルターエレメントが得られる。
【0023】 この様な方法で担持された活性炭は点接着の状態になっているため、吸着性の 低下が担持前に較べて極めて少ない。例えば、実施例1に示す様に担持前の活性 炭粒子のベンゼン吸着量が42.3%に対して、担持後は42.1%で殆ど低下していな い。
【0024】 また、ホットメルト接着剤は一般にポリマー、ワックス、可塑剤、増粘剤及び 酸化防止剤等よりなっているが、主成分のポリマーにはエチレン−酢酸ビニル共 重合樹脂、アクリル酸エステル等アクリル系共重合樹脂、イソブチレン系ポリマ ー、イソプレン系ポリマー、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が使用される 。これらの中スチレン−イソプレン共重合系ポリマー或いはアクリル系共重合樹 脂を主成分とするものは、固化後も可塑性が高く4G 以上の振動を加えても担持 させた活性炭粒子が脱落るすおそれがなくより好ましい。ホットメルト接着剤は 接着部分以外の活性炭表面を被覆する度合いが少なく、接着力も比較的高く更に 作業能率も高いメリットがある。
【0025】 ホットメルト接着剤を使用して基布の編み糸に活性炭粒子を接着させる方法は エマルジョン系の接着剤の場合とほぼ同様で、基布を溶融したホットメルト接着 剤に浸漬して編み糸に接着剤を充分付着させた後、高温状態に保持して20〜40メ ッシュの活性炭粒子を振りかけて編み糸に接着させる。高温のエヤーをブローし て余剰の活性炭粒子を除去した後冷却することにより、粒子を編み糸に強固に接 着させることが出来、安定した構造のフィルターが得られる。また、ホットメル ト接着剤によって担持させた場合の活性炭粒子の吸着性の低下は、エマルジョン 系の接着剤の場合とほぼ同様であるが、更に接着方法によっては点接着の度合い を高めることも可能で、吸着性の低下を更に少なくすることが出来る場合もある 。
【0026】 本考案の空気浄化フィルターには更にエレクトレット・フィルターを含めるこ とも出来る。ここでエレクトレット・フィルターとは物質が電気的に分極されて いて、換言すれば常に一定の静電荷をもった状態となっている物質を含むフィル ターである。従って、通常正電荷をもっている径1μm 以下のたばこの煙のよう な極微粒子は、エレクトレット・フィルターの負電荷を有する部分に吸引される 。このため、低圧損失で、効率よく微粒子を除去し得る。このような極微粒子は 通常の濾過法による除去は困難で、また圧損失が非常に大きくなることが避けら れない。
【0027】 エレクトレット・フィルターは通常エレクトレット処理により分極化して誘電 体となる材質、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ弗化 ビニル等のポリマーよりつくられる。永久的に分極化する方法として種々の方法 が知られているが、通常誘電体を電極板にはさみ軟化点付近迄昇温し、直流高電 圧を加えた状態で室温迄徐冷することによりつくられる。またこの分極状態は数 年間は持続されるため長期間にわたって極微粒子除去機能を有する。しかも、使 用する場合高電圧をかける必要がないので、取扱が容易で火災が発生する危険が なく、安全性が高い。
【0028】 エレクトレットフィルターはエレクトレット加工を施した繊維、不織布或いは シート等より作成することが出来るが、本考案では圧損失が低い粗な不織布にエ レクトレット処理をしたフィターが使用される。前述の活性炭フィルターの前面 に取り付けた場合、空気中に含まれる塵埃、更に微小なたばこの煙等のエヤーゾ ルを除去することが出来る。
【0029】 本考案の空気浄化フィルターの基布の平面は全面が六角形を連続的に隣接して 配列した編み目となっているが、更に平面上の六角形の頂点を結んだループ状の パイル5がつくられているため、パイルが平面の片側或いは両側に張り出した三 次元構造が形成されている。六角形の頂点を結んだループ状のパイルがつくられ ているため空気が平面に対して垂直に入った場合も、六角形の編み目に到達する 前或いは通過後も多くの障害物に衝突する様になっている。しかもフィルターは 全体が編み目構造になっているため空気の流通路の断面積はかなり大きく従って 圧損失は低く、高速で空気を流した場合空気はフィルター内部を激しい乱流とな って流れる状態になる。
【0030】 例えば、空気浄化フィルターを透明なプラスチックのチューブの内部に設置し 、多数の直線状の煙を高速で流すと空気はフィルターの内部を激しい乱流となっ て流れていることが認められる。このため悪臭ガスの吸着速度が著しく高くまた 圧損失が低い特徴が分かる。これは空気が激しい乱流となって流れることと、そ の流通路の断面積はかなり大きいためであると考えられる。圧損失は自動車に積 載するエヤーコンディショナー用エレメントの場合、空気の線速度1m/sec で圧 損失は 5〜20 Pa 以下に調製することが可能である。
【0031】 悪臭ガスの吸着速度が高いため吸着量がほぼ飽和に達する直前迄は、悪臭ガス は殆ど全部吸着される。また、本発明の空気浄化エレメントは活性炭粒子を可及 的に多量に担持させる様にしているため、長期間使用可能である。
【0032】 空気浄化エレメントは更にエレクトレット不織布を併用することにより、空気 中に含まれる塵埃、更に微小なエヤーゾル等も除去することが出来る。
【0033】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0034】 (実施例1、比較例1) 基布として140 デニルのナイロン・モノフィラメントと40番手ポリエステル糸 を混合してせめ編により、一辺が3mm の六角形の平面層の編み目を形成した後、 高さ4mm のループ状パイルを打ち込んで、三次元構造の編み物を作成した。
【0035】 前記の基布をバインダーとして使用したポリビニルアルコール20部、アクリル 酸−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン80部 (固形分比) に浸漬し、編み 糸にエマルジョンを充分付着させて引き上げ、スチームブローで編み目の目詰ま りを除いた後、30〜40メッシュの活性炭粒子を振りかけて編み糸に接着させた。 更に編み糸に強固に接着させ同時に余剰の粒子を除くためスチーム処理をし、 115 ℃で3時間位乾燥することにより、安定した三次元構造を有する空気浄化フ ィルターが得られた (実施例1)。
【0036】 図1(a) に前記で得られたフィルターの等角投影図を示す。また、(b) にその 三次元構造を明らかにするために、基布のみの等角投影図を併せて示した。
【0037】 空気浄化フィルター1は、基布2全面が六角形を連続的に隣接して配列した編 み目3を持つ平面4と、一定の方向に六角形の中心を通る頂点を結んでループ状 のパイル5を形成せしめためた部分からなる編み物である。またループ状のパイ ルが平面の片側に張り出した三次元構造となっている。
【0038】 活性炭粒子6はバインダーによって平面4の六角形の編み目3及びループ状の パイル5に担持されている。
【0039】 ここで空気浄化フィルターの基布の編み物及び活性炭粒子の目付量はそれぞれ 360g/m2 及び1400g/m2であり、空気の圧損失は20℃、1気圧で線速度1m/sec の 時、6.2 Pa であった。また、活性炭粒子の基布への担持前及び担持後のベンゼ ン吸着量はそれぞれ42.3%及び42.1%で、ベンゼン吸着量はポリビニルアルコー ルを加えたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合エマルジョンによる編み糸へ の担持によって殆ど低下しなかった。
【0040】 次に前述の空気浄化フィルターの脱臭性をしらべるため、サイズ200 ×200 × 5mm のフィルターを断面サイズが200 ×200mm 長さ6m の風洞の入口側から4m の位置に設置し、トルエン含有量80 ppm のガスを相対湿度65%、20℃、線速度 1m/sec 、流量144m3/hrで流した場合の流通時間と風洞出口のトルエン含有量と の関係をしらべた。また加速度が4G の振動状態で24時間保持したが活性炭粒子 の脱落は全く認められなかった。
【0041】 尚、比較のためポリウレタンフォームに粉末活性炭を担持させたシート(比較 例1)を使用して同様に試験した。本考案の空気浄化フィルター、粉末活性炭担 持ポリウレタンシートのフィルター重量、活性炭担持量及び圧損失を表1に、流 通時間と風洞出口のトルエン含有量との関係を図2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】 この結果本考案の空気浄化フィルターは吸着速度性が速く、活性炭担持量が多 いため使用可能期間が長く且つ圧損失が低いことが分かる。
【0044】 (実施例2) 基布として100 デニルのポリエステル・モノフィラメントと40番手ポリエステ ル糸を混合してせめ編により、平面層の六角形は一辺が4mm 、ループ状パイルの 高さが5mmで、パイルが基布平面の両側に張り出している三次元構造の編み物を 作成した。
【0045】 前記の基布にバインダーとして主成分のポリアミド樹脂の他、ワックス、可塑 剤、増粘剤及び酸化防止剤を含むホットメルト接着剤を使用し、溶融したホット メルト接着剤に基布を浸漬して基布の編み糸に付着させ、加熱空気でブローして 編み目の目詰まりを除いた後、実施例1とほぼ同様な操作で20〜30メッシュの活 性炭粒子を担持させた。
【0046】 更にエレクトレット処理した粗な圧損失が低いポリプロピレン不織布を、前述 で調製した活性炭を担持した基布の前面に取りつけ、空気浄化フィルターを作成 した。図3に前記で得られたフィルターの断面図を示す。
【0047】 この様にして得られた空気浄化フィルターの活性炭粒子は、編み糸に強固に担 持されているため、加速度が6G の振動状態で24時間保持したが活性炭粒子の脱 落は全く認められなかった。
【0048】 また、エレクトレット・フィルターによるたばこの紫色の煙の吸着性が認めら れた。その他、編み糸への担持による活性炭の吸着性の低下及び圧損失は実施例 1の空気浄化フィルターエレメントとほぼ同程度であった。
【0049】
【考案の効果】
本考案の空気浄化フィルターは主として自動車に積載するエヤーコンディショ ナーに組み込んでフィルターとして使用されるもので、圧損失が低く悪臭ガスの 吸着速度が速く、空気を高速1パスで流した場合にも浄化効果が大きく且つ長期 間使用可能である。更に、エレクトレットフィルターを併用すれば空気中の塵埃 及びエヤーゾル等も除去も出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) に本考案の空気浄化フィルターの一態様の
斜視図を示す。(b) にフィルターの基布の斜視図を示
す。
【図2】トルエン含有ガスを空気浄化フィルターに通し
た場合の流通時間と通過後のトルエン含有量との関係を
示す。
【図3】本考案の空気浄化フィルターの他の一態様の断
面図を示す。
【符号の説明】
1 空気浄化フィルター 2 基布 3 基布の六角形の編み目 4 基布の平面 5 ループ状のパイル 6 活性炭粒子 7 エレクトレットフィルター 8 実施例1 9 比較例1

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布2は全面が六角形を連続的に隣接し
    て配列した編み目3を持つ平面4と、一定の方向に六角
    形の頂点を結んでループ状のパイル5を形成せしめた部
    分からなる編み物で、ループ状のパイルが平面の片側に
    張り出した三次元構造が形成され、活性炭粒子6をバイ
    ンダーによって該基布の編み糸に担持せしめてなる空気
    浄化フィルター。
  2. 【請求項2】 基布2は全面が六角形を連続的に隣接し
    て配列した編み目3を持つ平面4と、一定の方向に六角
    形の頂点を結んでループ状のパイル5を形成せしめた部
    分からなる編み物で、ループ状のパイルが平面の両側に
    張り出した三次元構造が形成され、活性炭粒子6をバイ
    ンダーによって該基布の編み糸に担持せしめてなる空気
    浄化フィルター。
  3. 【請求項3】 基布2は全面が六角形を連続的に隣接し
    て配列した編み目3を持つ平面4と、一定の方向に六角
    形の頂点を結んでループ状のパイル5を形成せしめた部
    分からなる編み物で、ループ状のパイルが平面の片側に
    張り出した三次元構造が形成され、活性炭粒子6をバイ
    ンダーによって該基布の編み糸に担持せしめ、エレクト
    レットフィルター7を基布の平面と平行に配置してなる
    空気浄化フィルター。
  4. 【請求項4】 基布2は全面が六角形を連続的に隣接し
    て配列した編み目3を持つ平面4と、一定の方向に六角
    形の頂点を結んでループ状のパイル5を形成せしめた部
    分からなる編み物で、ループ状のパイルが平面の両側に
    張り出した三次元構造が形成され、活性炭粒子6をバイ
    ンダーによって該基布の編み糸に担持せしめ、エレクト
    レットフィルター7を基布の平面と平行に配置してなる
    空気浄化フィルター。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023022443A1 (ko) * 2021-08-19 2023-02-23 (주)케스피온 공기 정화 모듈

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