JP3001214B2 - ガンマイヌリン組成物 - Google Patents

ガンマイヌリン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、免疫活性剤として使用され得るガンマ多形
形態のイヌリンを含む組成物に関するものである。
該新規ガンマ多形形態のイヌリンの性質および使用
は、国際特許出願明細書No.PCT/AU86/00311に記述され
ている。その明細書において、イヌリンのこの形態が補
体の別経路の活性剤として使用され得、抗腫瘍形成剤と
して適切であり得ることが開示されている。また、その
明細書には、イヌリンのガンマ多形形態がアジュバント
活性を有することが開示されている。
ここにおいて、アジュバント等の免疫活性剤としての
イヌリンのガンマ多形形態の活性が、抗原結合担体物質
が会合する場合に増強され、この会合が相剰効果を与え
ることが見出された。
本発明によると、ガンマ多形形態のイヌリンまたはイ
ヌリン誘導体と抗原結合性担体物質とを含有する粒子を
含んでなる組成物が提供される。
イヌリンまたはイヌリン誘導体のガンマ多形形態(以
下”ガンマイヌリン”と称する)および抗原結合担体物
質は、静電的もしくは疎水性相互作用、共有結合、共沈
殿、一成分の他成分上への結晶化、またはそれらの組合
せ等の方法により粒子中に組込まれてもよい。好ましく
は、粒子はガンマイヌリンおよび抗原結合性担体物質を
共沈殿させてこれらの両成分が同一粒子中に含まれるよ
うに調製される。
該抗原結合性担体物質は、蛋白質性、脂質、炭化水素
および/または他の抗原類に結合し得る低溶解性材料を
含んでなることができる。例えば、該抗原結合性担体物
質は、マグネシウム、カルシウムもしくはアルミニウム
のホスフェート、サルフェート、ヒドロキシドあるいは
それらの水和物等の金属含有沈殿、キチン(ポリN−ア
セチルグルコサミン)もしくはその脱アセチル化誘導
体、あるいは塩基性セルロース誘導体等の有機塩基、ま
たはヘパリン、デキストランもしくはセルロース誘導体
等の硫酸化もしくはホスホリル化ポリサッカライドを含
む有機酸から選択されてもよい。
該抗原結合性担体物質は、水酸化アルミニウム(alu
m)ゲルまたはその水和塩錯体等の物質の難溶性粒子を
含んでなることもできる。都合良くは、該抗原結合性担
体物質の粒子は、5μmより小さく、より好ましくは1
−5μmより小さい。最も好ましくは、該粒子は50−20
00ナノメータの直径である。内毒素および発熱物質非含
有であり、医薬的に許容される抗原結合性担体物質であ
ることが、特に好ましい。該抗原結合性担体は、凝集傾
向がないか、または凝集防止処理されていないものが有
利である。
本発明の他の面においては、広く上述された本発明の
組成物の製造方法が提供され、該方法は: 抗原結合性担体物質の懸濁物を与え;および、 (i) 前記懸濁物をイヌリンもしくはイヌリン誘導体
とあらかじめ混合して、次いて該イヌリンもしくはイヌ
リン誘導体をガンマ多形形態に転換する;または (ii) 前記懸濁物をガンマ多形形態のイヌリンもしく
はイヌリン誘導体とあらかじめ混合し; 該多形形態のイヌリンもしくはイヌリン誘導体を前記
抗原結合性担体物質と会合させる工程を含んでなる。
好ましくは、該抗原結合性担体物質の微粒子の懸濁物
を、イヌリンまたはイヌリン誘導体の溶液に添加し、抗
原結合性担体物質に対するガンマイヌリンの調節された
割合、例えば200:1−1:1および更に好ましくは50:1−5:
1(w/w)を与える。イヌリンの濃度は、好適には約5%
w/vに保たれる。イヌリンの6−7%w/v初期溶液が便利
である。
得られた懸濁物を、5℃等の温度に急冷され、イヌリ
ンのガンマ配置への変換を促進するために37℃にて数日
間置く前にイヌリンを結晶化させるために前記低温下で
数日間撹拌し、引続き洗浄し、大きい粒子は除去する。
別法として、既にガンマ多形形態であるイヌリンの粒
子を抗原結合性担体物質上に沈殿させるか、あるいは緊
密に組合せる、またはイヌリンのガンマ配置への転換前
もしくは後のいずれかの粒子上に抗原結合性担体物質を
沈殿させることが好ましい。
上述したように、発熱物質および内毒素非含有のイヌ
リン溶液もしくは懸濁物および抗原結合性担体物質分画
を使用することが特に好ましい。使用する抗体結合性物
質に依存して、凝集を最小限とする反応条件を使用する
ことも好ましい。例えば、抗原結合性物質としてアルム
(alum)を使用する場合には、イヌリンまたはアルム溶
液の調製において、アンモニアまたはCO2含有水を使用
することを避け、またイヌリン溶液にアルムゲル懸濁液
をあらかじめ吸着させ、次いで懸濁物を除去することが
適当である。
本発明で使用されるイヌリン分画は、ここに参考とし
て組込まれる国際特許出願明細書No.PUT/AU86/00311に
開示されている工程により典型的には調製されるが、し
かしながら上述したように凝集を生じる試薬または反応
条件を避けることが望ましい。従って、該抗原結合性担
体物質としてアルムゲルが使用される場合には、イヌリ
ンの調製においてアンモニアを除外することが好まし
い。
広義的に言えば、該組成物中のガンマイヌリンは、約
3000、より好ましくは約8000より大きい分子量を有す
る。その分子量は、有利には8000〜約16000の範囲であ
り、ガンマ形態に変換後には37℃にて水に実質的に不溶
性である。
本発明の組成物において使用され得るイヌリン誘導体
類は、例えばインバーターゼまたはイヌラーゼ酵素を用
いることにより、イヌリンから末端グルコースを酵素的
に除去して得られるような、β−D−〔2−1〕ポリフ
ラクトフラノシルα−D−グリコースの誘導体を含む。
他の誘導体類は、遊離のヒドロキシ基が、例えばアルキ
ル、アリールまたはアシル基により公知の方法で化学的
に置換され、エーテル化またはエステル化されたイヌリ
ンを含む。
本発明の組成物は、ガンマイヌリンまたは抗原結合性
担体物質のみと比較して増強された免疫応答を生じる。
この増強された免疫応答は、予期されなかったものであ
る。従って、本発明の組成物は、ここに参考として組入
れる明細書No.PCT/AU86/00311に記載されているものと
同様に、ワクチン調製物におけるアジュバント、または
免疫刺激剤等として使用される。
従って、他の面において本発明は、ガンマ多形形態の
イヌリンまたはイヌリン誘導体、抗原結合性担体物質を
含む活性成分としての粒子、ならびに医薬的に許容され
る希釈剤または担体を含んでなる免疫療法用組成物を提
供するものである。
1種以上のウイルス、細菌、カビまたは原生動物性の
蛋白質等、任意の抗原または抗原の組合せを、本発明の
組成物上に吸着させてもよく、許容される担体または賦
形剤と組合わせてワクチン調製物に調剤されてもよい。
本発明の組成物は、溶液中で蛋白質に対する強い吸着能
力を有するが、アルムゲル等の抗原結合性担体とは異な
り、それら自体で凝集しない。
本発明の更に別の面において、イヌリンまたはイヌリ
ン誘導体をガンマ多形形態において含む粒子および抗原
結合性担体物質ならびにこれに吸着される1種以上の抗
原を、医薬的に許容される担体または希釈剤と共に含ん
でなるワクチン組成物が提供される。
本発明は、添付される図および以下の非制限的例を参
照して例示される。
例1 ガンマイヌリンを、抗原結合性担体としてのアル
ムと共に含む組成物の調製 水酸化アルミニウム(“アルムゲル”)は、入手可能
な最も純粋な塩化もしくは硫酸アルミニウムを、分析級
の水酸化ナトリウム溶液でpH4〜10、好ましくは約7.0
に、極めて微細なアルムゲル粒子を生じる条件下で調節
することにより調製される。最初の沈殿物、すなわちpH
4までのものは、発熱物質およびアルムに凝集を生じさ
せる物質を除去するために廃棄される。第2の懸濁物
は、次いで遠心により洗浄されるか、または可溶性物質
を除去するために発熱物質非含有の水中に置かれる。一
夜放置した後、過剰の上澄が除去され、濃縮懸濁物がオ
ートクレーブにて殺菌される。該アルムゲルの重量/ml
は、標準的化学的測定または質量分光分析法によるAl3+
のアッセイから計算される。すべての溶液は、アルム凝
集を最小とするためにCO2−非含有水中にて調製される
ことが好ましく、CO2は工程から排除される。水は、ア
ルムゲル以上に保持される。イヌリン溶液は、粗製のイ
ヌリンが、CO2除去のために新しく沸騰させた75℃の水
中に8−10%で溶解され、アンモニア溶液が省略される
点を除いて、国際特許出願明細書No.PCT/AU86/00311に
記述されているように調製される。該溶液は、1%v/v
の調製アルムゲル懸濁物に簡単にスラリー化されて大き
い不純物が除去され、またアルムがろ過または沈降によ
り除去される。該イヌリンは、冷却され、明細書No.PCT
/AU86/00311に記載されているようにDEAE−セルロース
およびアンバーライトスルホン酸樹脂(アンモニアは省
略)を通してろ過されるか、または、不純物がなくなる
まで繰返しアルムゲルにスラリー化される。前者の場合
においては、該溶液はアンバーライトろ過の後で、かつ
殺菌および内毒素非含有を確実にするためのゼータポア
(Zetapor)ろ過の前に、アルムゲルによる最終的処理
が行なわれる。引続いて該調製物は、滅菌的かつ内毒素
非含有として保たれる。ここにおいてイヌリン濃度は、
6−7%w/vであるべきである。次いで、アルムゲル粒
子の微細懸濁物(上記のように調製されたもの、または
“アルヒドロゲル(Alhydrogel)”または他のオートク
レーブにより殺菌された内毒素非含有の調製物)を、イ
ヌリン濃度を5.0%w/vより高く保ちつつ、イヌリン:ア
ルムの既知のw/w比を先に示した200:1〜1:1、好ましく
は50:1〜5:1(w/w)の範囲内で与えるように添加する。
該懸濁物は急冷され、先のように、すなわち結晶化のた
めに5℃にて数日間、37℃に変位させてガンマ配置に転
移させるために数日間撹拌され、次いで遠心され、水中
に再懸濁され、50−52℃にて1時間加熱され、洗浄して
上澄の屈折指数を零とする。最終懸濁物を、差動的に遠
心するか、あるいは分画して血球計による観察で判定さ
れるような1.5μmより大きい粒子を除去する。別法と
して、該調製物は、便利な大きさの粒子、例えば直径50
〜1000ナノメータの範囲のものを生成させるために、特
に加熱処理、例えば45−55℃(好ましくは50−52℃)に
て1時間処理して粒子をより脆くした後に、超音波処理
により***させてもよい。該微細懸濁物は、例えば20μ
g/mlのフェニルマーキュリックナイトレート等の適合す
る保存剤を加えて0.8%NaCl中の5%w/vイヌリンに調節
される。得られた組成物(ガンマイヌリン/アルムハイ
ブリッド調製物、または“アルガムリン(Algammuli
n)”とも称する)は、溶解物質、不溶性、内毒素含有
量、滅菌性および補体活性について、明細書No.PCT/AU8
6/00311に記載されているように検査される。上述の工
程において、イヌリンはアルム粒子周囲に結晶化して多
孔性カプセルを形成し、次いでその場において容易にガ
ンマ形態に変換される。該粒子は、アルムゲルと同様に
溶液中で蛋白質に対する高度な吸着能力を有するが、ア
ルムゲルとは異なってそれ自体凝集しない。
例2 蛋白質吸着能力 食塩水のみ、ガンマイヌリン(g−IN)/アルムハイ
ブリッド調製物の50mg g−IN/mlの懸濁物、または同
じ量のイヌリン、もしくはアルムのみ、もしくは混合物
にて含有する懸濁物の0μlを、105cpmの125Iで標識さ
れたキーホールリンペットのヘモシアニン0.65μgを含
む10μlの食塩水と混合し、23℃にて15分間吸着せしめ
た。次いで各懸濁物を1mlの食塩水と混合し、そのうち
の20μを内径6.5mmのプラスチック試験管中の600μ
のパーコール(Percoll)コロイド(密度1.126g/ml)中
に積層し、3cmの深さの液体カラムを形成した。懸濁物
の残部を遠心分離し、洗浄して、ハイブリッド調製物お
よびアルム懸濁物が、標識の95%より多くを吸着し、一
方g−INが、標識の5%未満を吸着したことが示され
た。パーコール試験管を700gにて4分間遠心分離し、直
ちに処理した。遊離のg−IN(あらかじめ混合されるア
ルムを伴うか、または伴わない)、またはハイブリッド
調製物を含む試験管において、g−INを表わす混濁性の
バルクは上部の50μ中に残り、一方、遊離のアルムゲ
ルを含む試験管においては、ゲルのすべてがペレットの
中または近傍に見られた。ハイブリッド調製物を容れた
試験管においては、ペレットが見られなかった。次い
で、試験管を、上部の50μl、次いで500μを複写し
て除去することにより分画し、一方ペレット(最下部の
50μ)を試験管中に残した。次いですべての試験管を
ガンマ計数器にて計数し、以下の表に例示されるように
各分画中の標識の割合を測定した: 食塩水またはg−INのみを含む試料においては、95%
以上の標識が上部分画中に残留した。g−INと混合され
たアルムを含む試料における標識の分布は、アルムゲル
のみを含む試料と同じであった。
この型の実験は、ハイブリッド調製物の吸着能力が、
ガンマイヌリンと密接に関連してしており、沈降性にお
いて遊離のアルムゲルと区別されることを示している。
例3 電子顕微鏡によるアルムおよびガンマイヌリンの
接合の証明 ガンマイヌリン粒子の電子顕微鏡は、直径約1×1.5
ミクロンの均一な卵形であり、それらは例えばホスホタ
ングステート等の電子的に高密度物質によりあらかじめ
染色しない限り見ることが困難である(図1B)ことを明
らかにした。対照的に、ハイブリッド調製物“アルガム
リン”の粒子の電子顕微鏡(図1A)は、本来的に電子的
に高密度、すわわち染色なしに明確に見える同様な大き
さの卵形を明らかにした。このことは、アルムおよびガ
ンマイヌリンが実際に同じ粒子中に含まれ、電子的に高
密度なアルムが“アルガムリン”粒子中に含まれて分散
されていることを示している。
例4 ガンマイヌリン/アルムハイブリッド調製物(ア
ルガムリン)のアジュバント効果の、いずれかの成分の
み、または単純な混合物との対比 例2に記載されているように調製され、吸着した抗原
(例えばキーホールリンペットヘモシアニン、KLH)を
保有するハイブリッド調製物“アルガムリン”をマウス
に注射した場合には、抗体応答(血清中のμgKLH−特異
的IgG/mlにおける)は、同じ抗体をアルムゲルに吸着さ
せるか、もしくはg−INに混合して、あるいはアルムゲ
ルに吸着させ、かつg−INに混合し、並行して注射され
たマウスに生じるものに比べて数倍増大される。それぞ
れの場合、g−INおよびアルムの含有量は、重量につい
て同等である。
BALB/C雌マウスに、7または8匹の群として0.2mlの
内毒素非含有のKLHを含む食塩水を、ハイブリッド調製
物“アルガムリン”、もしくはアルムゲルに吸着させ
て、またはg−INに混合して、またはアルムゲルに吸着
させ、かつg−INに混合して腹腔内的(i.p.)に注射し
た。g−INの投与量は、遊離またはハイブリッド形態に
かかわらず、常に1000μg/マウスとした。該マウスに、
14日後にいずれのアジュバントも含まないKLHをi.p.に
て注射し、更に7日後に血清を採取した。KLH−特異的I
gG/mlを、各々のマウスの血清についてELISAにより測定
し、幾何平均力価を計算した。確率を、Mann−Whitney
の非パラメータ的順位試験により幾何平均力価につい
て、およびStudentt試験により複写幾何平均力価の等差
平均について評価した。図2Aは、例示的な結果および標
準誤差を示しており、“アルガムリン”が同じ投与量の
アルムおよびガンマイヌリンの単純混合物5.7−8.7倍の
有意に高い特異的血清抗体力価を与え、かつ同じ投与量
のいずれかの成分のみよりも同様に高い力価を与えるこ
とを示している。この実験は、ガンマイヌリン/アルム
ハイブリッド調製物が、いずれかの成分のみ、または混
合物に比較してワクチンアジュバントとして優れている
という概念を立証し、また所定投与量のアルムとガンマ
イヌリンとの接合が、相剰作用的機構により、この量の
アルムの効果を大幅に増強することを示している。これ
らの試験は、それら自体に血清陽性の応答を誘発するこ
とがかろうじて可能な程度の極めて低濃度のKLH(1mcg/
マウスi.p.)を使用しており、従っ市販のワクチンに見
出され得るような慣用の”弱い抗原”を模倣する。
例5 高投与量のアルガムリンのアジュバント効果のフ
ロイントアジュバントとの比較 フロイント不完全アジュバント(ICFA、抗原の油中水
型エマルジョン)およびフロイント完全アジュバント
(CFA、ICFAと同様であるが、加熱殺菌した結核菌の混
合物を有する)は、標準的な強力なアジュバントと考え
られているが、臨床的応用には毒性が強すぎる。CFA
は、ICFAより更に強力である。図2Bは、アルガムリン
と、CFAおよびICFAとの例4と同様なプロトコールを用
いた複数の比較の結果を示している。それらは、6mgお
よび9mgのアルガムリン/マウスが、ICFAによるものよ
り有意に大きく、CFAによるものと同程度の特異的血清
抗体力価を与えることを示している。
例6 広範囲のアルガムリン投与量についてのアジュバ
ント効果と同等投与量のアルム単独との比較 図3は、例4のプロトコールを使用し、かつ生理学的
に許容される範囲にあると期待されるアルガムリン投与
量を含む多数回の同じ試験の要約である。図3Bは、アル
ガムリンとしてのアルム接合物の所定投与量が、アルム
単独の同等投与量より6.4〜12.6倍大きい特異的血清抗
体力価を与えることを示し、再度、ガンマイヌリンとの
接合物の相剰効果を示している。
例7 アルガムリンの血清転換増強能力と同等投与量の
アルム単独のものとの比較 図4は、データ1点あたり15−20匹のマウスを用い、
またKLHの準−血清転換投与量が使用されている(0.1mc
g/マウス)ことを除いて例4と同プロトコールを用いた
血清転換試験を示している。KLH単独、または200mcg/マ
ウスのガンマイヌリンのみとの混合である投与は、各々
の血清の10%以下の血清転換−陽性応答(すなわち、平
均にKLH単独群の平均の標準偏差の2倍を加えたものを
越える特異的血清抗体力価を生ずる)を示した。このよ
うな陽性の血清転換応答は、アルム投与量が40mcg/マウ
スに達するまではアルム上のKLHからは得られなかっ
た。しかしながら、極めて有意な陽性の血清転換応答
が、アルムがアルガムリンとしてガンマイヌリンと接合
している場合には10mcg/マウスで達成され、再度、接合
の相剰効果が示された。
当業者は、本発明の精神および範囲を離れることな
く、この明細書に記述された組成物および技術について
多くの修飾が可能であることを認識するであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 37/00 A61K 31/00 637 37/08 637E A61K 31/715 31/715 33/06 31/725 38/00 33/06 38/21 37/02 37/66 G (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 39/39 A61K 38/00 - 38/42 A61K 31/715 - 31/725 A61K 33/06 CA(STN) MEDLINE(STN) WPIDS(STN)

Claims (39)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガンマ多形形態のイヌリンまたはイヌリン
    誘導体を、抗原結合性担体物質と会合して含有する粒子
    を含んでなる免疫アジュバント組成物。
  2. 【請求項2】前記抗原結合性担体物質が、蛋白質、脂
    質、炭水化物および/または他の抗原性物質を結合可能
    な、低溶解性物質である請求の範囲1項に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】前記抗原結合性担体物質が、マグネシウ
    ム、カルシウムもしくはアルミニウムのホスフェート、
    サルフェート、ヒドロキシドまたはそれらの水和物等の
    金属含有沈殿から選択される請求の範囲1項または2項
    に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記抗原結合性担体物質が、アルミニウム
    ヒドロキシゲルである請求の範囲3項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記抗原結合性担体物質が、キチンもしく
    はその脱アセチル化誘導体または塩基性セルロース誘導
    体等の有機塩基類から、あるいは、ヘパリンもしくはデ
    キストランもしくはセルロース誘導体等の硫酸もしくは
    ホスホリル化ポリサッカライド類を含む有機酸類から選
    択される請求の範囲1項または2項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記ガンマ多形形態のイヌリンまたはイヌ
    リン誘導体が、37℃以上において水性媒体に低溶解性で
    ある請求の範囲1項または2項に記載の組成物。
  7. 【請求項7】前記ガンマ多形形態のイヌリンまたはイヌ
    リン誘導体が、3000より大きい分子量を有する請求の範
    囲1項または2項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】前記イヌリンまたはイヌリン誘導体が、80
    00より大きい分子量を有する請求の範囲1項または2項
    に記載の組成物。
  9. 【請求項9】該ガンマ多形形態のイヌリンが8000〜1600
    0の範囲の分子量、および37℃において水に対して実質
    的に不溶性を有するものである粒子を含んでなる請求の
    範囲1項または2項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記抗原結合性担体物質が、アルミニウ
    ムヒドロキシゲルである請求の範囲9項に記載の組成
    物。
  11. 【請求項11】前記粒子が、直径50−2000ナノメータの
    粒子の安定な懸濁物の形態である請求の範囲10項に記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】前記ガンマ多形形態のイヌリン誘導体
    は、β−D−〔2−1〕ポリフラクトース、または遊離
    のヒドロキシル基がエーテル化されたイヌリン、または
    遊離のヒドロキシル基がエステル化されたイヌリンであ
    る請求の範囲1項または2項に記載の組成物。
  13. 【請求項13】前記ガンマ多形形態のイヌリンまたはイ
    ヌリン誘導体が、前記担体物質と同一の粒子中に共晶化
    されてなる請求の範囲1項または2項に記載の組成物。
  14. 【請求項14】活性成分としてのガンマ多形形態のイヌ
    リンまたはイヌリン誘導体を抗原結合性担体物質と会合
    して含有する粒子、および医薬的に許容される希釈剤ま
    たは担体を含んでなる免疫療法用調製物。
  15. 【請求項15】前記担体または希釈剤が、滅菌、水性媒
    体である請求の範囲14項に記載の調製物。
  16. 【請求項16】前記滅菌、水性媒体が等張溶液である請
    求の範囲15項に記載の調製物。
  17. 【請求項17】注射に適当な形態である請求の範囲14項
    に記載の調製物。
  18. 【請求項18】経口的、直腸的、膣内的、局所的、経鼻
    的または眼内的投与に適当な形態である請求の範囲15項
    に記載の調製物。
  19. 【請求項19】免疫調節剤である第2の活性成分を更に
    含有する請求の範囲14項に記載の調製物。
  20. 【請求項20】前記免疫調節剤が、ワクチン化抗原、抗
    原性ペプチド配列、または抗−イディオタイプ免疫グロ
    ブリンである請求の範囲19項に記載の調製物。
  21. 【請求項21】前記免疫調節剤が、インターロイキンも
    しくはインターフェロンもしくは腫瘍壊死因子もしくは
    他のサイトカイン、または胸腺細胞刺激因子もしくは他
    の胸腺刺激ホルモン、ムラミルペプチドもしくは他の微
    生物成分もしくは全微生物成分もしくは全微生物、また
    は内毒素である請求の範囲19項に記載の調製物。
  22. 【請求項22】ガンマ多形形態のイヌリンまたはイヌリ
    ン誘導体を抗原結合性担体物質と会合して含有してなる
    粒子、およびその上に吸着される1種以上の抗原を医薬
    的に許容される担体または希釈剤と共に含んでなるワク
    チン組成物。
  23. 【請求項23】ヒトまたは動物の体における補体の別経
    路の活性化のために有効な量の請求の範囲14項に記載の
    免疫療法用調製物を含んでなる、活性化または治療用の
    薬剤。
  24. 【請求項24】ヒトまたは動物における抗腫瘍的治療の
    ために有効な量の請求の範囲14項に記載の免疫療法用調
    製物を含んでなる、活性化または治療用の薬剤。
  25. 【請求項25】ヒトまたは動物の体における腫瘍治療の
    ために有効な量の請求の範囲14項に記載の免疫療法用調
    製物または請求の範囲22項に記載のワクチン組成物を含
    んでなる治療用薬剤。
  26. 【請求項26】ヒトまたは動物の体における顕在のもし
    くは潜在の前腫瘍症状の治療のために有効な量の請求の
    範囲14項に記載の免疫療法用調製物または請求の範囲22
    項に記載のワクチン組成物を含んでなる治療用薬剤。
  27. 【請求項27】ヒトまたは動物の体に有効な量の請求の
    範囲14項に記載の免疫療法用調製物または請求の範囲22
    項に記載のワクチン組成物を含んでなる、細菌類、マイ
    コプラズマ類、カビ類、ウイルス類、原生生物類または
    他の微生物による感染、あるいは蠕虫または寄生虫の侵
    入の治療用薬剤。
  28. 【請求項28】ヒトまたは動物の体に有効な量の請求の
    範囲14項に記載の免疫療法用調製物を含んでなる、免疫
    系の機能障害に関連する病状の治療用薬剤。
  29. 【請求項29】免疫系の機能障害に関連する病状がアレ
    ルギー性病状である、請求の範囲28項に記載の治療用薬
    剤。
  30. 【請求項30】免疫系の機能障害に関連する病状が第1
    もしくは第2次免疫不全疾患である、請求の範囲28項に
    記載の治療用薬剤。
  31. 【請求項31】免疫系の機能障害に関連する病状がリュ
    ーマチ性疾患である、請求の範囲28項に記載の治療用薬
    剤。
  32. 【請求項32】免疫系の機能障害に関連する病状が神経
    性病状である、請求の範囲28項に記載の治療用薬剤。
  33. 【請求項33】免疫系の機能障害に関連する病状が胃腸
    性病状である、請求の範囲28項に記載の治療用薬剤。
  34. 【請求項34】ヒトまたは動物の体の免疫応答の増強に
    有効な量の請求の範囲14項に記載の免疫療法用調製物を
    含んでなる、免疫調節剤を投与されたヒトまたは動物の
    体における免疫応答の増強用薬剤。
  35. 【請求項35】アジュバントとして請求の範囲14項に記
    載の免疫療法用調製物を含んでなる、ワクチン性抗原、
    抗原性ペプチド配列、または抗−イディオタイプ免疫グ
    ロブリンの投与における効果促進のための薬剤。
  36. 【請求項36】工程: 前記抗原結合性担体物質の懸濁物を与え、および、 (i) 前記懸濁物をイヌリンまたはイヌリン誘導体と
    混合し、次いで前記イヌリンまたはイヌリン誘導体をガ
    ンマ多形形態に変換し、または (ii) 前記懸濁物をガンマ多形形態のイヌリンまたは
    イヌリン誘導体と混合し、 前記ガンマ多形形態のイヌリンまたはイヌリン誘導体を
    前記抗原結合性担体物質と会合せしめること、 を含んでなる請求の範囲1項に記載の組成物の製造方
    法。
  37. 【請求項37】工程: (a) 粗製のイヌリンを担体物質の懸濁物の存在下
    に、実質的に37℃より低い温度にて水溶液から再結晶し
    て微細に分割された粒子を懸濁物として得、 (b) 前記懸濁物を25〜45℃の範囲の温度にて1〜3
    日間加熱し、 (c) 場合により、前記懸濁物を40〜55℃の範囲の温
    度にて0.5〜1.5時間更に加熱し、および、 (d) 形成されたガンマイヌリン/担体物質共晶粒子
    を該懸濁物から単離すること、 を含んでなる請求の範囲1項に記載の組成物の製造方
    法。
  38. 【請求項38】工程: (a) 粗製のイヌリンを担体物質の懸濁物の存在下に
    25〜45℃の範囲の温度にて水溶液から再結晶して粒子を
    懸濁物として得、 (b) 場合により、前記懸濁物を40〜55℃の範囲の温
    度にて0.5〜1.5時間更に加熱し、および、 (c) 形成されたガンマイヌリン/担体物質共晶粒子
    を該懸濁物から単離すること、 を含んでなる請求の範囲1項に記載の組成物の製造方
    法。
  39. 【請求項39】更に工程: (e) 該ガンマイヌリン/担体物質粒子の懸濁物を、
    該粒子の直径を適切な大きさの範囲まで減少させるた
    め、超音波破砕装置にて処理すること、 を含んでなる請求の範囲37項または38項に記載の方法。
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